幻想郷が赤い霧に覆われて三日、私と魔理沙は異変の原因と思われる館へ辿り着いた。
そこで現れたのは蓮の花の様な美しい弾幕を放つ門番、様々な属性魔法を使いこなす魔女、投げナイフの軌道操作を行うメイド、全員が手強い相手だった。
私も魔理沙がサポートしてくれなければ危なかっただろう。
そして私たちは館の最深部であろう当主の居る部屋の前までやって来た。
どこからか荘厳な音楽も聞こえてくる。
「いるいる、悪寒が走るな。この妖気。何で強い奴ほど隠れたがるんだ?」
「魔理沙、気をつけて。コイツ只者じゃない」
二人で一緒に扉を蹴破る。
途端に霧が溢れてきた。
白い煙?幻想郷を覆っている赤い霧とは別物だ。
「扉を蹴破るなんて無粋の極みね」
10歳くらいの少女が椅子に座っている。
その小さい体に収まりきらないのだろうか、妖気が部屋中に充満している。
並の人間や妖怪ならこの場で恐怖の余り失神するだろう。
そしてその椅子は何だ。どっかで見た事あるような…
思い出した。里のカフェに置いてある子供用の椅子だ。
妖気の強さと見た目の差が異様さを演出している。
「霊夢…あそこ」
魔理沙が指差した先を見ると門番が柱の影で煙を焚いていた。
さっきから聞こえてきた音楽はメイドがピアノを弾いている音のようだ。
二人で上を見上げると魔女が当主を照らす照明の調整を行っていた。
さっき倒したはずなのにもう回復したのか。
幸い当主の戦闘に力を貸す気は無いようだ。
「お、お前ら何が目的だ!何でこんな事を!」
魔理沙がツッコミを我慢しながら問う。
「決まってるじゃない。妹と一緒に外で遊ぶためよ」
「このおちょくりやがって…!」
その言葉を聞いた途端、当主が落ち込む。
「うぅ。聞かれたから真面目に答えたのに…」
次の瞬間、門番、魔女、メイドの三人が当主を慰めはじめる。
あんた等さっきからいつの間に移動してるんだ。
「レミィは悪くないわ。あいつ等は日光がどれだけ有害か分かってないのよ」
「パチュリー様の言うとおりですわ。素直になれない妹様を想う姉心…咲夜は感動しています」
「巫女に魔法使い!少しはお嬢様に気を使いなさいよ!お嬢様は病弱で身も心も傷付きやすいのよ!」
「異変起こしといて何だ!そのお客様根性!」
魔理沙が居てくれて助かった。
私の言いたい事を代わりに言ってくれる。こりゃー楽だわ。
「大体なぁ、そいつ吸血鬼だろ。里に居た頃聞いたことあるぞ。血染めのスカーレットデビルって。何でそんなに甘やかすんだよ」
「その名に触れるな!」
メイドが叫ぶ。
「お嬢様は血を吸うのがちょっと苦手なだけよ!」
「こぼしたのかよ!」
こんな連中なら放っておいても大丈夫かな。
あんまり危険無さそうだし。
とりあえずお仕置きは必要だけど。
「魔理沙…下がって。博麗の巫女の本気を出すわ」
「博麗の本気!?」
「いくわよ…神技『巫女ビーム』!!」
「巫女関係無ぇ!…いや違う、人間は目からビームなんて出さない!」
魔理沙のツッコミ目線好きよ。
私の目から出たビームが4人に直撃する。
今日は目を酷使し過ぎたかな。目に良いツボ押しマッサージやらなきゃ。
ビームが直撃した4人とも痺れてしばらく動けないようだ。
我ながら中々の威力。
「…凄いな霊夢」
魔理沙が妙に距離を置きながら話しかける。
逃がさないわよ。私あんたしか友達居ないんだから。
「魔理沙、こいつ等動けないみたいだし今の内にお宝でも探しましょうか」
その言葉が聞こえたのか魔女が飛び起きる。
回復力凄いな。
「まずいわ!咲夜!美鈴!館の宝を守るのよ!」
すぐにメイドと門番が当主を抱きしめる。
二人の胸に挟まれた当主は凄く幸せそうだ。
魔女もハンカチで目を押さえながら頷いている。
「あー。お宝は良いや。霊夢帰ろうか」
「そうね。あんた達、お宝は盗らないから霧は晴らしてよね」
二人で館を出ると赤い霧が晴れてきた。律儀だ。
異変も解決出来たし、毎月私に手紙と米俵を贈って応援してくれる紫の百合の人も喜んでくれるはず。
結果良ければ全て良し。
仲いいね、この紅魔館
そういえば、携帯からの投稿が出来なくなったようだけど詳細知らない?
今度初作品出す予定だったんだけど
あの独特のボケが良いですよね
読んで無い人は直ちに読むべし。
べるのさんはファッション関連のツッコミを書くと強い。
ゲームパロディに強い人のパロディを、東方で書くとは。
…まさか本人ここに居て読んじゃいませんよね…
格闘ゲームのパロディが有名ですが、私のお勧めはタクティクスオウガパロディ。
レミリア「カリスマとは投げ捨てるもの・・・」
あれは笑いを堪えれた回がないwww
とりあえずお宝認定されなかったフランはいただいてきますね。
仲良し紅魔館が私の理想です。
私の携帯も投稿出来ないですね。
ちょっと詳細は分からないです。
>>喚く狂人様
部下に愛し愛され生きる男、堀口。
何だかメイドを気遣い好かれるお嬢様とイメージが重なります。
>>丸々様
儚月が連載されてるレックスを購入→学園天国パラドキシアを読んで興味持つ
こんな流れで美川さんのファンになりました。
>>4様
パロディ元だと、もっと面白い流れです。
>>5様
残念ながら妹様はお嬢様の宝です。
霊夢…(涙
笑えた。よし、元ネタの漫画も見つけたら読もう。
小ネタが秀逸な漫画ですので今後も使ってみたいです。
「うさぎは寂しいと貴様を道連れに死んじゃうのよ」を永遠亭SSとかで。