彼女は目覚めた。目覚めたというか、起きてたけど目覚めた。
春だ。いつの間にかポカポカの陽気が射している。ちょっと空を見上げれば、活動を再開したお日さまが三ヶ月ぶんの日光をこれでもかと言わんばかりに浴びせかける。
春告げ精、リリー・ホワイト。彼女はそんな陽光に、今さらながら気付いた。おそらく例年より3日ほど遅れてしまったようだ。
彼女は春を告げる妖精。だから春になったら必ず人々の前に現れ、春を告げねばならない。「春ですよ~」と笑顔で触れ回ればいいだけだ。
(行こうかな……)
諸事情により、極力「春ですよ~」以外は控えねばならない微妙な立場だ。彼女は心の中でそう決心した。
3日も遅れたら行かなくてもまぁいいかな、とは思う。しかし、毎年現れる春告げ精が来なかった、としよう。多分異変と勘違いした紅白巫女や白黒魔女あたりが騒ぐかもしれない。そしてサボりが発覚した途端に成敗されるに決まっている。
(行こう)
一つ背伸びをしたリリーはさっきまで遊んでいたパソコンの電源を落とした。
――――――――――――
「春ですよ~」
行動開始から15分。彼女は早速暗闇の塊を発見した。真昼に現れるそんなモノは、おそらく大食らいのルーミアだろう。
多少の危険はあるが、仕事だ。
「春ですよ~」
「そーなのかー」
終了。せめて「食べてもいい?」くらい聞かれたかった。これほどまでに相手にされないのは、つらい。
それからミスティアを発見したが「見ればわかる」と一蹴。霊夢を発見しても「はいはいわかったわかった」と相手にされない。椛のもとを訪れても「大将棋してるから関係ないんですけどね(笑)」とちゃっかり追い出され、わざわざパルスィの所まで出向いても「春は出会いの季節妬ましい妬ましい、ああ妬ましい」の連続。幽香に至っては「そろそろ職安所にでもいけば?(笑)」と意地悪な笑みを返された。
さすがに心が折れそうになりつつ、魔法の森付近までやってきた。森近さんなら少しくらいねぎらってくれるとふんだのだ。
「あら?」
そんな風に呼ばれたのは、店までもう少しという時だった。
ハッとして振り替えると、そこには友人いないで有名な人形使い、アリス・マーガトロイドと上海人形の姿があった。買い出しにでも来たのだろうか。
「今年は遅かったのね。こんにちは」
リリーは、なぜか目頭が熱くなった。しかし仕事だ。それをこらえ、こう言った。
「春ですよ~」
するとアリスは、とても友人いないとは思えない笑顔で返事をした。
「はい、毎年毎年ご苦労様」
どれほどこの言葉を待ち焦がれた事か、計り知れない。
リリーは両面に涙を浮かべ、アリスの胸に飛び込む。
事態が飲み込めず、とりあえずよしよしとあやしてやるアリス。
新たな友情が芽生えた瞬間であった。
――――――――――――
春だ。いつの間にかポカポカの陽気が射している。ちょっと空を見上げれば、活動を再開したお日さまが三ヶ月ぶんの日光をこれでもかと言わんばかりに浴びせかける。
春告げ精、リリー・ホワイト。彼女はそんな陽光に、今さらながら気付いた。おそらく例年より3日ほど遅れてしまったようだ。
彼女は春を告げる妖精。だから春になったら必ず人々の前に現れ、春を告げねばならない。「春ですよ~」と笑顔で触れ回ればいいだけだ。
(行こうかな……)
諸事情により、極力「春ですよ~」以外は控えねばならない微妙な立場だ。彼女は心の中でそう決心した。
3日も遅れたら行かなくてもまぁいいかな、とは思う。しかし、毎年現れる春告げ精が来なかった、としよう。多分異変と勘違いした紅白巫女や白黒魔女あたりが騒ぐかもしれない。そしてサボりが発覚した途端に成敗されるに決まっている。
(行こう)
一つ背伸びをしたリリーはさっきまで遊んでいたパソコンの電源を落とした。
――――――――――――
「春ですよ~」
行動開始から15分。彼女は早速暗闇の塊を発見した。真昼に現れるそんなモノは、おそらく大食らいのルーミアだろう。
多少の危険はあるが、仕事だ。
「春ですよ~」
「そーなのかー」
終了。せめて「食べてもいい?」くらい聞かれたかった。これほどまでに相手にされないのは、つらい。
それからミスティアを発見したが「見ればわかる」と一蹴。霊夢を発見しても「はいはいわかったわかった」と相手にされない。椛のもとを訪れても「大将棋してるから関係ないんですけどね(笑)」とちゃっかり追い出され、わざわざパルスィの所まで出向いても「春は出会いの季節妬ましい妬ましい、ああ妬ましい」の連続。幽香に至っては「そろそろ職安所にでもいけば?(笑)」と意地悪な笑みを返された。
さすがに心が折れそうになりつつ、魔法の森付近までやってきた。森近さんなら少しくらいねぎらってくれるとふんだのだ。
「あら?」
そんな風に呼ばれたのは、店までもう少しという時だった。
ハッとして振り替えると、そこには友人いないで有名な人形使い、アリス・マーガトロイドと上海人形の姿があった。買い出しにでも来たのだろうか。
「今年は遅かったのね。こんにちは」
リリーは、なぜか目頭が熱くなった。しかし仕事だ。それをこらえ、こう言った。
「春ですよ~」
するとアリスは、とても友人いないとは思えない笑顔で返事をした。
「はい、毎年毎年ご苦労様」
どれほどこの言葉を待ち焦がれた事か、計り知れない。
リリーは両面に涙を浮かべ、アリスの胸に飛び込む。
事態が飲み込めず、とりあえずよしよしとあやしてやるアリス。
新たな友情が芽生えた瞬間であった。
――――――――――――
絵的にはほんわかしててなかなかアリかな?
にしてもまず。
パソコンwwwwwwwwww
>リリーは両面に涙を浮かべ、
えーと、両目じゃないかと……違ったらごめんなさい。
アリス……ええ子や(泣)
一つ言うと、『友達の少ないアリス』などのマイナス的な二次設定は結構もろ刃の剣なところもあるので使い方には注意した方がいいですよ。
リリーを友人にしたくらいだし!
>>多分ちょっとだけ私信?
色々あるにはありますが、期待してますんで今後とも投稿続けてくださいね。
リリーって絡みが少ないからこそ、ここから話を膨らませてほしかったかも。
わざわざネトゲなんて持ち込むなんて自棄になってるのかもしれませんが、
僕にはそれが反って、叩かれてもSSを投稿しようという気概に感じられる。
ここまで来てしまったのなら、そそわ民を見返してやるってくらいの気持ちで頑張ってほしいところ。
キャラクターに愛情があるならば、ちょっとSSに対する持久力をつけるだけでよい作品が書けると思います。
一層の成長を期待しております。
別にネトゲしててもいいじゃない。
でも僕のリリーはそんなことしない。きっと春なポエムを書いてたんだと信じてる。
リリーは仕事がない時はきっとそれなりに楽しくやってるんじゃないかと思います。あらゆる娯楽を極める程度の能力w
アリスは優しいお姉さん的な感じで見られているから結果として友人として扱う人妖が少ない、みたいな。
……なんて言うわきゃないです。
うにゃ、よかったよかった。言われたら進めなくなる。
短いお話でしたがちゃんと起承転結ついてますし、こういうすっきりさっぱり終わる物もいいと思いますよ。
何でそんなに挑発的なんですか?
ちゃんと評価して下さった方に対して非常に失礼だと思いますよ。
これは良い作品である。
と、ここで作者コメに惑わされず素直な感想を述べる俺は勝利者、過敏な反応をするのは負け犬。
そしてそのリリーがアリスの胸に飛び込んで…
次は白黒両方だしてくれ~というかもっとリリーをくれ…