「めーりんだ!」
「妹様どうなさいました?」
「ただ美鈴が見えたから嬉しかっただけ~」
「そんな、私なんて」
「だって唯一の良識人だもん」
「そ、そうですか?」
「うん! だから遊んで!」
「じゃあ絵本を」
「美鈴、お前もか!?」
「はい?」
「美鈴……良識人だと思ってたのに」
「え? え? 絵本嫌でしたか?」
「嫌ってわけじゃないけど……誰が作った絵本?」
「えーと……著はジューリーノ・パレッチ」
「え? パチュリーじゃないの?」
「はい。ジューリーノというお方の作品ですね」
「じゃあ、良いかな」
「では、読みますね? 『一寸法師』」
「わーい!」
『Long long ago,』
「英語!?」
『昔、お爺さんとお婆さんがいました(笑)』
「何がおかしいの!?」
『二人には子供がいませんでした(泣)』
「その語尾についてるのウザいよ!」
『そして二人はお祈りやらなんやかんやあっちゃって、子供が出来ました』
「ハショりすぎ!」
『しかし、その子供は一寸しか無いとても小さな子供でした』
「うんうん」
『数年経っても、大きくなることはありません』
「まともまとも」
『さらに、数年経っても大きくなることはありません』
「ん?」
『お爺さんとお婆さんは気が狂ったように、一寸法師にサプリメントを飲ませました』
「おー雲行きが怪しくなってきたよ」
『それでも大きくならなかった一寸法師を見て、お婆さんはヒステリックに、お爺さんは山へ芝刈りに行きました』
「はい、やっぱり変になったね。お爺さん空気読め! ていうか話がごっちゃになってるよ!」
『こんな家に居たくないと嘆いた一寸法師は、枯れ木に花を咲かせましょうと言いました』
「あー無視して進むんだね。明らかに現時点で三つの昔話が同時進行してるね」
『嘆いた一寸法師は言いました。言いたい事も言えないこんな世の中じゃ』
「POISON」
『そうだ! 武士になろう!』
「突然の展開だね」
『ヒステリックなお婆さんに何を言っても無駄なので、適当に色んな物をお爺さんから貰い、旅に出ました』
「まぁ許容範囲だよ」
『船の代わりに箸に茶碗』
「そうそう」
『刀の代わりに硫酸の入った小さな竹筒』
「刀より危険だよ! てかお爺さん何で持ってるの!?」
『まぁまぁ』
「何で私が窘められてるの!?」
『そして、京に着き、大きな家で働かせてもらうことになりました』
「うんうん」
『一応言っときますが、健全な意味でですよ?』
「分かってるよ! 何その注意書き!?」
『そして、ある日その家の娘を鬼がさらいに来ました』
「おお、まともだぁ」
『それを助けようかどうか迷っている一寸法師』
「助けろよ!」
『後々、人間関係にヒビが入るのを恐れたため、一寸法師は鬼に立ち向かいました』
「最低な理由!?」
『ぱっくんちょ』
「速攻食われた!」
『しかし、胃の中で持っていた硫酸をばらまきました』
「うわぁ……」
『鬼は苦しみ始め、一寸法師を鼻から出すと』
「鼻から!?」
『泣きながら去りました』
「罪悪感たっぷりだね」
『その際に、鬼はうちでの小槌を5、6個? 落としていきました』
「そんなに!? 一つで充分でしょ!? ていうか何でそこアバウトなの!?」
『それを娘さんが振りかぶって一寸法師に』
「やっとクライマックスだ……」
『うちでの小槌だ! と、そのまま一寸法師を潰しました』
「恩を仇で返した!?」
『生理的に受け付けなかったらしいです』
「なら最初から雇わなきゃ良かったじゃん!」
『そして娘さんはうちでの小槌を持って幸せに暮らしましたとさ?』
「いや、訊くなよ!」
『おてての皺と皺を合わせて、しわくちゃ』
「だろうね!?」
『なーむー♪』
「なにこの終わり方!? 過去最低の投げやりっぷりじゃん!」
「へぇ、一寸法師ってこんな話なんですね」
「美鈴信じちゃダメだよ!?」
「え? あ、何処へ行くんですか?」
「作者に直接感想を伝えに行くの!」
◇◇◇
「パチュリー!」
「図書館では静かに妹様。常識を考えなさい」
「やかましいわ! 常識無いのはパチュリーでしょ!」
「何の話? 昨日のベッドの上での話? あぁ、確かに昨日は私も妹様も常識外れに乱れてたわね」
「記憶捏造しないでよ! ジューリーノ・パレッチってパチュリーでしょ!?」
「ええ」
「あっさり認めた!?」
「ジューリーノ・パレッチの文字を並べ替えてみなさい」
「……あ!」
「パチュリー・ノーレッジになったでしょ?」
「凄いねパチュリー」
「うふふふふ」
「あはははは」
「うふふふふ」
「あはははは……ってふざけるなぁ!」
パチュリーを追いかけるフラン、フランから逃げるパチュリー。
そんな図が紅魔館の日常になりつつある今日この頃。
>『long long ago,』
駄目。無理。笑ってました。
>『まぁまぁ』
予測済なのが憎いねぇ。
>パチュリーを追いかけるフラン、フランから逃げるパチュリー。
>そんな図が紅魔館の日常になりつつある今日この頃。
立った!フラパチュの『フラ様ずるずる流され結婚エンド』の最終フラグが今、立った!
そしてお嬢様が淋しくなって地下に引きk(ry
絵本シリーズ全部面白かったですー。(勿論幽アリもね!)
明らかに読んだやつに不健全な想像をさせようとしてるww
>この紅魔館は終わりません。多分。
続いてください。
真の喜劇とは、こうあるべきなのでしょう。
>「POISON」
妹様ぁぁぁぁぁ! 毒されてる毒されてる! POISONだけn(レーヴァテイン
>『うちでの小槌だ! と、そのまま一寸法師を潰しました』
この娘さんはスカーレット姉妹とは違う吸血鬼だったり咲夜さんと違う方法で時を止めたりするんですね、わかります。
しかしお仏壇のはせがわとは懐かしいww
そう言ってもらえると激しく嬉しいです!
流石に最近もの凄い速さで投稿しすぎな為、少しペースを落としますがこれからも私の作品を楽しんで下さると嬉しいです。
>>2様
勿論続けますw絵本じゃありませんが似たようなやりとりになりそうですw
>>3様
ありがたいお言葉!私、嬉しすぎて発狂しちゃいますよ!?
>>名前を表示しない程度の能力様
私の突っ込んで欲しい箇所全てチョイスして頂きありがとうございますww
流石あなた様は分かっていらっしゃるw
読んでくれた全ての方に、感謝を捧げます!
>ジューリーノ・パレッチ
この時点でもう耐えられませんでしたw
昔話シリーズは終わりとのことですが、この駄目な(特にパチュリー)紅魔館の話はまた読んでみたいです。
本当に毎回このシリーズ読んで下さって、笑って下さって、感謝です。
番外編含めて全5作品に渡るシリーズでしたが、これが一番ネタを詰めまくりましたww
私が紅魔館を書く時は、このキャラを崩さないでいくのがほとんどになると思いますww
今後も喉飴を見掛けたらチラッと覗いて見て下さい、紅魔館書いてるかもしれませんからww
ロードローラーですねわかります
わざわざ健全な意味と念を押すパッチェさんの意図はいかに。
流石!
>>9様
フランをパッチェパッチェにした時に多分あんなことや(ry
のがうまいんだ!!!
次の作品を楽しみにしていますー。もちろん性的な(ry
>『そうだ! 武士になろう!』そうだ京都に行こう!のCMを思い出してしまった…
これからも、つっこみのフランとして紅魔館で名を馳せt(ry
とにかく面白かったです
ネタが多すぎる!ツッコみきれない!!ノーマルな意味で。w
これからも続けてくださいな
ありがとうございます!私、今後はギャグも含め、より精進します!
では次は少し危ないシーンも入れ(ry
>>12様
私はギャグが一番苦手ジャンルでしたがプチに投稿した中で、絵本昔話シリーズは全て10コメ以上の安定感&自己最高を出していて、複雑な気持ちですw
でもそれ以上に笑って下さるのが本当に嬉しいのです。
読んで下さってありがとうございます。
>>しんっ様
こういうボケやネタは、日常で普通に私の脳内で繰り広げてますw
絵本シリーズは終わりますが、新しい似たようなシリーズを実験的にですが既に考えてますw
最近投稿しすぎなんであと一日くらいは置いてから投稿しますが、良かったら楽しんで下さい。
>>14様
流石にこれ以上絵本シリーズを続けたら皆さん飽きてしまうでしょう(苦笑)
次のシリーズや紅魔館話しは既に出来てます。
キャラはこのままの性格でいきますから、喉飴の名前を見掛け、時間が有り余って暇でしたら覗いて見て下さいw
皆様のコメントに支えられて、絵本シリーズは最終回まで書き続ける意欲が湧き、無事終わらせることができました。
これを見てる全ての方に感謝を致します。
パッチェさんも素晴らしいw
紅魔館の図書館にはマトモな「絵本」は無いのか絵wwww
こんな本を強奪(借りる)魔理沙は・・・(汗
嬉しいお言葉!もう嬉しすぎて次はギャグとパチュアリの二つ一気に投稿しますよ!
>>時空や空間を翔る程度の能力様
この絵本シリーズ全て見ると分かりますが、この絵本はパチュリーがフランをからかうためだけに作ったフラン専用の絵本なのですよw
>「だろうね!?」
これはやばい、こんな時間なのにも拘らず大笑いしてしまったw
そしてさすがツッコミに定評のある妹様、見事な切れ味ww
今回で絵本シリーズは本当に終わりだそうで。
毎回腹筋崩壊したり呼吸困難に陥ったりしつつ、楽しませていただきました。
次のお話も楽しみにしてます。
このシリーズはギャグを書くのが苦手な私が、練習する為に作ったネタでしたので、少しは上達したのか、毎回楽しんで頂いてくれてなによりです。
本当に読んで下さり有難うございます!
「POISON」
とつい乗っちゃったフランちゃんと
「刀より危険だよ! てかお爺さん何で持ってるの!?」
『まぁまぁ』
素晴らしい予測精度のパチュリーに最高に笑わせてもらいましたwww