霊夢は困っていた。
箪笥に入れておいたはずのドロワーズがなかったのだ。
買ったばかりの新人のドロワも年季の入ったベテランのドロワも
これからお気に入りの一品になる予定だったドロワも、みんな姿を消していた。
ないものはない、それは仕方ないことなのだ。
そう結論づけて諦めようとしていたその時である。
魔理沙がアリスとともに彼女のもとにやってきた。
話を聞くと二人もドロワが消えてしまったのだという。
更に聞いた話によると、なんでも紅魔館からもドロワは消えてしまい、ついでにこーりんも一張羅のふんどしが消えたというのだ。
こーりんはさておき、ドロワが一斉に消えてしまったのはどういうことか。
三人は二時間にわたる喧々諤々の討論の末、ようやく、「これは異変に違いない」と結論付ける。
さっそく異変解決に向けて動き出す三人。
とは言え、どこにどう行けば手がかりが得られるのか見当もつかず。
三人はドロワもはかずに、三日三晩、当てもなくふらふらとさまよった。
三人の間で焦燥感だけが募っていく。そしてとうとうアリスと霊夢がけんかを始めてしまう始末。
もちろんドロワははいていない。
そのときだ。三人の真上を、大量のドロワが優雅に横切っていくではないか。
思わず目を疑う三人。しかし、眼をこすっても、ほっぺたつねっても、息を止めてみても、目の前を横切っているのは紛れもない、ドロワだった。
三人は空を泳いでいくドロワを追いかけ、山越え、谷越え、川を渡って幻想郷の端っこへとたどり着く。しかし、ドロワの群れはあろうことか、
博麗の大結界を突き抜けて外の世界へと消えていってしまったのだ。
途方に暮れる三人。そこに紫が現れる。
彼女曰く、外の世界で、何らかの因果があって、再びドロワの需要が飛躍的に上がったのだという。
それで幻想郷から姿を消してしまったのだというのだ。
慣れ親しんだドロワとの突然の別れに、幻想郷の住人は大いに戸惑った。
ドロワがなければ幻想郷は成立しないのではないか。そう主張する者さえ出る始末だ。
果たして自分たちにとってドロワとはどういう存在だったのか。
それはきっと、単なる下着を超えたかけがえのないパートナーだったのかもしれない。
失ってから気づく大切なこと。しかし、もうすべては後の祭りなのである。
皆の心のよりどころであったドロワは、幻想郷から姿を消してしまったのだから……。
余談だが、なくなったと思われた、こーりんの一張羅のふんどしは
後日、里の古着屋で無事保護されたという……。
箪笥に入れておいたはずのドロワーズがなかったのだ。
買ったばかりの新人のドロワも年季の入ったベテランのドロワも
これからお気に入りの一品になる予定だったドロワも、みんな姿を消していた。
ないものはない、それは仕方ないことなのだ。
そう結論づけて諦めようとしていたその時である。
魔理沙がアリスとともに彼女のもとにやってきた。
話を聞くと二人もドロワが消えてしまったのだという。
更に聞いた話によると、なんでも紅魔館からもドロワは消えてしまい、ついでにこーりんも一張羅のふんどしが消えたというのだ。
こーりんはさておき、ドロワが一斉に消えてしまったのはどういうことか。
三人は二時間にわたる喧々諤々の討論の末、ようやく、「これは異変に違いない」と結論付ける。
さっそく異変解決に向けて動き出す三人。
とは言え、どこにどう行けば手がかりが得られるのか見当もつかず。
三人はドロワもはかずに、三日三晩、当てもなくふらふらとさまよった。
三人の間で焦燥感だけが募っていく。そしてとうとうアリスと霊夢がけんかを始めてしまう始末。
もちろんドロワははいていない。
そのときだ。三人の真上を、大量のドロワが優雅に横切っていくではないか。
思わず目を疑う三人。しかし、眼をこすっても、ほっぺたつねっても、息を止めてみても、目の前を横切っているのは紛れもない、ドロワだった。
三人は空を泳いでいくドロワを追いかけ、山越え、谷越え、川を渡って幻想郷の端っこへとたどり着く。しかし、ドロワの群れはあろうことか、
博麗の大結界を突き抜けて外の世界へと消えていってしまったのだ。
途方に暮れる三人。そこに紫が現れる。
彼女曰く、外の世界で、何らかの因果があって、再びドロワの需要が飛躍的に上がったのだという。
それで幻想郷から姿を消してしまったのだというのだ。
慣れ親しんだドロワとの突然の別れに、幻想郷の住人は大いに戸惑った。
ドロワがなければ幻想郷は成立しないのではないか。そう主張する者さえ出る始末だ。
果たして自分たちにとってドロワとはどういう存在だったのか。
それはきっと、単なる下着を超えたかけがえのないパートナーだったのかもしれない。
失ってから気づく大切なこと。しかし、もうすべては後の祭りなのである。
皆の心のよりどころであったドロワは、幻想郷から姿を消してしまったのだから……。
余談だが、なくなったと思われた、こーりんの一張羅のふんどしは
後日、里の古着屋で無事保護されたという……。