愉快な生足レティさん作者: 脇役

「あ、あの…ち、チルノちゃん来てないかしら？」

　門番をしていた美鈴の前に恥ずかしそうに現われたのは

「来てませんけど…どうしたんですか？レティさん」

　冬の忘れ物事、レティ・ホワイト・ロックであった
　だが、その姿は何時もと明らかに違っていた

「何時もなら、もっと堂々と構えているのに…」
「わ、訳有なのよ…」

　どんな事があっても、ドンと構えている黒幕さんが
　今日は頬を赤らめて、歩幅も小さいその上挙動不審だ
　不思議に思った美鈴がレティに質問する

「チルノちゃん探してるのと関係があるんですか？」
　
　美鈴の言葉にレティが涙目になりながら小さく呟く

「ち、チルノちゃんが…私のドロワーズもって行っちゃって…」
「なるほど、だから今日は私と同じで生足なんですね」

　普段はドロワーズを穿いて堂々としているレティさんだが
　今日に限って生足である、想像以上に足が細くて白い

「は、早くチルノちゃん探して取り返さないと…」
　
　レティが小走りで美鈴から離れようとする

「飛ばないんですか？」
「パンツが見えちゃうじゃない」

　冬の忘れ物は想像以上に恥ずかしがりやなのだ
　だが、小走りでは遅い…
　相手は体力が無尽蔵な子供である
　こんなスピードでは絶対に追いつけない

「レティさん、ちょっと待ってください」
「な、なによ…チルノちゃんを早く見つけないと…」
「いいですからこっちに来てください」

　急いでチルノを探そうとするレティを
　美鈴が強引に門番隊の宿舎に連れ込む

「な、なにするのよ…」
「とりあえず、今は代用品としてこれ穿いてください」

　美鈴がレティに渡したものは…

「スパッツを私に穿けと？」
「代用品です、とりあえずパンツ丸見えよりはマシです」
　美鈴の言葉にレティが頷くと、それを装備すると
　二人とも門番隊宿舎から門の前に出る

「…思っているよりも暖かいのね」
「とりあえず、それは穿いておけば空も飛べるはずです」
「助かるわ…」
「後はチルノちゃんを探すだけですね」
「手伝ってくれない？貴方なら居そうな場所分かると思うし」
「まあ、今から非番ですから構いませんけど…」

　美鈴がそうレティに話しかけた瞬間だった
「こんにちわ！何時も明るい射命丸ですよ！」
　門の前で待っていた射命丸文がカメラを持って現われる　
「ドロワーズを穿いていないせいで、飛べないレティさんを撮りに来ました！」
　早口で声をかけると、問答無用でレティに風を送る
（風で捲れ上がったスカートの中をカメラで撮る！これこそ私の必勝戦法！）
　
　そして、動けないレティを写真に撮ろうとした瞬間
「そうはさせないわ！」
「えっ！？」
　相手が空を飛ばないと聞いていた文の動きが
　一瞬止まったのが勝負の分かれ目であった
　風にスカートが捲くれるのを気にしないで
　レティがカメラを構えた文を空中で捕まえる
　空中で捕らえた文の頭を下にしてレティが美鈴に叫ぶ
「美鈴！貴方の力を貸して」
「分かりました！」

　掛け声と共に、美鈴も空中に飛ぶとレティと一緒に文の足を掴み
「「ダブルアトミックドロワーズ！」」
　
　二人分の体重を乗っけたパイルドライバーが
　文を首から地面に叩きつける事になった

「さて、とりあえずこの地面につきたてた文さんどうします？」
「うふふっ…」
　美鈴が地面に頭から突き立てた文を指差すと
　レティが嬉しそうにそれを見つめると
　地面に頭から突き刺さってい気絶居る文を足元から引き抜いて
「ドロワーズ狩りに決まってるじゃない！」
　文のドロワーズを引き抜いて地面に下ろした
「ちょ、それは酷いんじゃ…」
「あら？じゃあ貴方は自分の下着を撮ろうとした奴を許すの？」
「…さあ、文さんを放って置いてチルノちゃんを探しに行きましょう」

　気絶した文を放置して、レティと美鈴はチルノを探す為に動き出した

「チルノ？此処には居ないぜ」
「「ドロワーズエボルシオン！」」
「ちょ、まっ！？」

「私が知るわけ無いじゃない…」
「「ビッグフット・ドロワーエクスプレス！」」
「きゃあ！？」

　魔法の森の魔法使いから二枚のドロワーズを奪い

「いや、里には来ていないぞ？」
「「ロングホーンドロワーズ！」」
「な、何を！？うわっ！？」

　里の守護者のドロワーズを奪って

「「ドロワードッキング！」」
「にゃあ～！？」
「きゃあ！？」

　マヨヒガの隙間妖怪と式の式からドロワーズを二枚剥ぎ取り

「め、冥界には誰も通しません！」
「「真！ドロワー天驚拳！」」

　気絶した冥界の庭師のドロワーズを奪い取り

「この先の部屋には絶対に通さ…」
「「ドロワーバリエージョン！パート５！」
「…ドロワーズじゃないわね…」
「返してあげましょうよ…」
　
　永遠亭の月兎から綿パンを奪い取ってから再び穿かせてあげたり

「この月の密室を…」
「「ドロワーエクスクラメーション！」」

　月の天才薬師のドロワーズを気絶させてから奪いとってみたり

「「クロス延髄蹴り！」」
「や…厄い…わ…（バタッ）」

　厄神様のドロワーズを遠慮せずに奪いとり

「ちょっと、寒さで花が枯れちゃうじゃない！」
「「クロース！ドロワーズ！」」
「ひ、人の話を！きゃあ！？」

　ついでにお花畑に居た大妖怪のドロワーズも奪い取った

「…見つからないわね、チルノちゃん」
「そうですね…しかもいつの間にかドロワーズが大量に…」
　気がつけば幻想郷中のドロワーズを狩り取りまくっていた
「困ったわ…このままだとスパッツの習得率が８０％超えちゃう」
　レティが額に手を置いて考え込む
　そんなレティに美鈴が話しかける
「とりあえず一旦家に戻ってみたらどうです？」
「家に？」
「チルノちゃん、謝るために戻っているかも知れないじゃないですか」
「…そうね、一旦家に戻りましょう」

　奪い取ったドロワーズを袋の中に詰めて
　二人とも、レティの家に向かって歩き出した

「…やっぱりいないわね」
　家に帰って見ても、チルノの姿は見えない
「何処でチルノちゃんに取られたんですか？」
「えーとね…外に干していて…あっ！？」
　レティが唐突に思い出すと、大急ぎで外に飛び出した
「ど、どうしたんですか！？」
「大変な事忘れてた！」
　レティの後ろを追う様に美鈴も走り出す

「チルノちゃんが洗濯物を取り込んでくれるって言って…外を見たら
　私のドロワーズだけがなくなっていたから、チルノちゃんが犯人だと思っていたけれど」
「違うんですか！？」
　レティが走りながら説明をし始める

「私のドロワーズって、実は…」
「実は？」

　レティがそこまで話し終えると、洗濯物を干している所で止まる
　すると、そこには…
「う～、重たいよ～…レティ～助けて」
　大き目のドロワーズに下敷きにされたチルノが苦しんでいた
「あ～やっぱり…」
「やっぱりって…なんでこんな事に？」
「…私のドロワーズって、風でも飛んでいかないように重りが入っているの忘れてたの」
　つまり、チルノは始めからレティの家の洗濯物干し場で苦しんでいたのだ

「あ、レティ？助けて～！」
「はいはい、ちょっと待っててね」
　
　レティがチルノの上にあるドロワーズを持ち上げる
　そして、下敷きになっていたチルノが涙目で這い出てきた
「うわ～ん！重かったよ～！」
「はいはい、ごめんねチルノちゃん」
　泣きじゃくるチルノの頭をレティがポンポンと叩く

「とりあえず、これで一件落着ですね」
「そうね…」
　レティと美鈴がホッと一息ついてから

「ところで、このドロワーズどうするんですか？」
　手元にある、幻想郷中の女の子達から　
　奪いさって来た大量のドロワーズを二人が見つめる
　レティが、しばらく頭を抱え込んでから
「…贖罪の意味を込めて一人一人に返して回る事にするわ」
　そう呟いて、袋を持ち上げると
「そのまえに、このドロワーズを穿いてくる事にするわね」
　ドロワーズを片手に家の中に戻っていった

　これが、今回のドロワーズ異変の真相である
　この話は、ノンフィクションであり本人達から直に聞いたことである
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　大妖精日記より…

「大妖精～！何書いているの？」
「あ、チルノちゃん…この前あった謎のドロワーズ狩りの真相を書いてるんだ」
「へぇ…でも、あたいはその犯人にドロワーズ盗まれたりしないよ！」
「チルノちゃん…」
「だって、穿いてないもん！」
「…まって、じゃあ今何はいてるの？」
「何も穿いてないから盗めない！あたいったら最強ね！」

　追伸、文字の赤い所は鼻血です…

　