ちょっと待て。
なにかがおかしくないだろうか。
認識論的なズレは世界そのものの異変に等しい。
てゐはともかく、うどんげが、あの真面目を絵に描いたようなうどんげが、なぜかドロワーズをはいていた。
ドロワーズは基本的に膝のわずか上あたりまでの長さがあるから、うどんげのようなミニのプリーツスカートを着装している場合、白い下着がいやでも見えてしまうことになる。
「弾幕ごっこが……」
というのが彼女の言い分だった。
わたし、八意永琳は普段から彼女に対しては厳しく接している。
確かにショーツよりかはいくぶん扇情的ではないし、弾幕ごっこにおけるドロワーズの有用性はすでに公理へとなっている。
公理系の無矛盾性はその公理性の内部で完全に証明することはできないが、今にいたるまでとりあえずのところ反証は見つかっていない。
慧音あたりなら、歴史的な価値があるとかいいそうだ。
歴史的証明がなされているとかいいそうだ。
『歴史は延々と連なる実体の連鎖であり、唯物論的な観念でとりこぼしてしまいがちな、我々の『生きる時間』に対する考察を深めてくれる』
とかなんとかいいそうだ。
クソ。
アホか。
死ねよ。
歴史に価値なんてねーよ。
数学の永遠の定理の前に、豚のような悲鳴をあげて敗北しろ。
いまいましい。
うどんげの自主性にまかせすぎた……。
どこで教育をまちがったのだろう。
もっとふわりとした長いスカートならわかる。どこぞの吸血鬼やどこぞの魔法使いがふわっとしたフリル満載のスカートをはいているが、それとドロワーズはよく親和すると思うのだ。しかし、どう考えてもあなたのスカートとドロワーズは似合わない。
似合わないとかいうレベルを飛び越えて、すでに完全に不調和状態よ。
カオスアトラクタを形成しているわ。
「でも、パンツがまるみえとかいわれて……恥ずかしくて」
だったらドロワーズはいいのか。
あの白いふりふりの。
幼女趣味的な。
ロリコンさん万歳な。
あの白いのが。
あの白いのがおまえは満足なのか。
小一時間問いたい。小一時間問いつめたい!
ともかく、わたしが言えることはひとつだけだ。
「ドロワーズはやめておきなさい」
「はい、わかりました」
その日はそれで終わったのである。
しかし、次の日。
輝夜もドロワーズを穿いていた。
着物にドロワーズ。
もはやありえなさを通りこして、斬新を通り越して、永遠に死に続けてほしいと思ってしまった。
なにその不調和。
なにその着物の裾からちらりちらりと覗く白いの。
輝夜はあいかわらずやる気がなさそうに、外の世界から取り寄せたスーファミをしている。
アホかと、バカかと……。
どうしてドロワーズ穿いているのかをわたしは尋ねたが、輝夜の返事は簡単なものだった。
「あ? ラクいじゃん」
しねええええええ。どんぺいちゃんしねええええええええっ!
おまえはパンツの神聖を穢した。
今、正義の名の下に悪即斬してもわたしは許されるに違いない。
しかし、従者としての意識がわたしの凶行をあと一歩のところで思いとどまらせていた。
すごいわたし。
自分を褒めたい。
しょうがないので言葉による絡め手を使うことにする。
「姫。やっぱりパンツのほうがいいですよ。ドロワーズは蒸れます」
「あー、まあ、そう言われてみればそうねぇ」
足でぼりぼりとふともも掻くのやめて……。
人間として堕ちるところまで堕ちたら、ただの豚よ。
パンツを穿くという約束をとりつけて、とりあえずその日は終わった。
予想したとおり、てゐも穿いていた。
これは……。
うん、似合うわ。
幼女にドロワーズ。
似合う。
うう……。
わたしは自室に戻って、ひそかに通販購入していた白いものを手に取る。
そう、ドロワーズ。
実はわたしもいいと思っていた。
しかし、わたしのような、どっちかというと美麗な感じのタイプには、こういう……、かわいい系は似合わないんじゃないかしら。
実はとてもかわいいものに目がないのだ。
部屋の中に作り出した超ノルム空間には、でっかい熊さんのぬいぐるみが論理的なレベルで圧縮し隠されている。
ひとりきりになったら、思いっきり愛でて、抱っこして、寝ているのだ。
ああ……、もうゴールしてもいいよね。
みずからの業の深さはわかっているつもりだ。
絶望的なまでに似合わない。
絶望的なまでにカオティック。
こんなわたしが――人間の形をしたコンピュータだと思われているようなわたしがかわいいものなんて身につけても、その似合わなさに絶望するに違いないのだ。
けれど、わたしは……。
けれど、結局、ドロワーズの可愛らしさに屈した。
かわいくなくても、
似合ってなくても、
わたしは、ここにいる。
愛される準備をしておこう。
なにかがおかしくないだろうか。
認識論的なズレは世界そのものの異変に等しい。
てゐはともかく、うどんげが、あの真面目を絵に描いたようなうどんげが、なぜかドロワーズをはいていた。
ドロワーズは基本的に膝のわずか上あたりまでの長さがあるから、うどんげのようなミニのプリーツスカートを着装している場合、白い下着がいやでも見えてしまうことになる。
「弾幕ごっこが……」
というのが彼女の言い分だった。
わたし、八意永琳は普段から彼女に対しては厳しく接している。
確かにショーツよりかはいくぶん扇情的ではないし、弾幕ごっこにおけるドロワーズの有用性はすでに公理へとなっている。
公理系の無矛盾性はその公理性の内部で完全に証明することはできないが、今にいたるまでとりあえずのところ反証は見つかっていない。
慧音あたりなら、歴史的な価値があるとかいいそうだ。
歴史的証明がなされているとかいいそうだ。
『歴史は延々と連なる実体の連鎖であり、唯物論的な観念でとりこぼしてしまいがちな、我々の『生きる時間』に対する考察を深めてくれる』
とかなんとかいいそうだ。
クソ。
アホか。
死ねよ。
歴史に価値なんてねーよ。
数学の永遠の定理の前に、豚のような悲鳴をあげて敗北しろ。
いまいましい。
うどんげの自主性にまかせすぎた……。
どこで教育をまちがったのだろう。
もっとふわりとした長いスカートならわかる。どこぞの吸血鬼やどこぞの魔法使いがふわっとしたフリル満載のスカートをはいているが、それとドロワーズはよく親和すると思うのだ。しかし、どう考えてもあなたのスカートとドロワーズは似合わない。
似合わないとかいうレベルを飛び越えて、すでに完全に不調和状態よ。
カオスアトラクタを形成しているわ。
「でも、パンツがまるみえとかいわれて……恥ずかしくて」
だったらドロワーズはいいのか。
あの白いふりふりの。
幼女趣味的な。
ロリコンさん万歳な。
あの白いのが。
あの白いのがおまえは満足なのか。
小一時間問いたい。小一時間問いつめたい!
ともかく、わたしが言えることはひとつだけだ。
「ドロワーズはやめておきなさい」
「はい、わかりました」
その日はそれで終わったのである。
しかし、次の日。
輝夜もドロワーズを穿いていた。
着物にドロワーズ。
もはやありえなさを通りこして、斬新を通り越して、永遠に死に続けてほしいと思ってしまった。
なにその不調和。
なにその着物の裾からちらりちらりと覗く白いの。
輝夜はあいかわらずやる気がなさそうに、外の世界から取り寄せたスーファミをしている。
アホかと、バカかと……。
どうしてドロワーズ穿いているのかをわたしは尋ねたが、輝夜の返事は簡単なものだった。
「あ? ラクいじゃん」
しねええええええ。どんぺいちゃんしねええええええええっ!
おまえはパンツの神聖を穢した。
今、正義の名の下に悪即斬してもわたしは許されるに違いない。
しかし、従者としての意識がわたしの凶行をあと一歩のところで思いとどまらせていた。
すごいわたし。
自分を褒めたい。
しょうがないので言葉による絡め手を使うことにする。
「姫。やっぱりパンツのほうがいいですよ。ドロワーズは蒸れます」
「あー、まあ、そう言われてみればそうねぇ」
足でぼりぼりとふともも掻くのやめて……。
人間として堕ちるところまで堕ちたら、ただの豚よ。
パンツを穿くという約束をとりつけて、とりあえずその日は終わった。
予想したとおり、てゐも穿いていた。
これは……。
うん、似合うわ。
幼女にドロワーズ。
似合う。
うう……。
わたしは自室に戻って、ひそかに通販購入していた白いものを手に取る。
そう、ドロワーズ。
実はわたしもいいと思っていた。
しかし、わたしのような、どっちかというと美麗な感じのタイプには、こういう……、かわいい系は似合わないんじゃないかしら。
実はとてもかわいいものに目がないのだ。
部屋の中に作り出した超ノルム空間には、でっかい熊さんのぬいぐるみが論理的なレベルで圧縮し隠されている。
ひとりきりになったら、思いっきり愛でて、抱っこして、寝ているのだ。
ああ……、もうゴールしてもいいよね。
みずからの業の深さはわかっているつもりだ。
絶望的なまでに似合わない。
絶望的なまでにカオティック。
こんなわたしが――人間の形をしたコンピュータだと思われているようなわたしがかわいいものなんて身につけても、その似合わなさに絶望するに違いないのだ。
けれど、わたしは……。
けれど、結局、ドロワーズの可愛らしさに屈した。
かわいくなくても、
似合ってなくても、
わたしは、ここにいる。
愛される準備をしておこう。
乗り遅れを気にしたら負けなんだぜ!
こっちからしたら充分乗ってるからww
で、なんでそんな短時間でSS書けているんですか貴方はw
確かに鈴仙にドロワは似合わないだろうけども、輝夜のは裾の丈的にめくらないと分からないだろうに。
……ハッ、まさか永琳はめくって確認を(アポロ13
皆様感想ども。
しかしこれをシリアスに流用するのは危険かもw