紅魔館が幻想郷に着てから、一番困ったことが良質なドロワーズを仕入れるということだった。
少女の中の少女、ロリ幼女とも言うべき吸血鬼姉妹の肌は、赤ちゃんの肌のそれと変わらない。
柔らかでいて敏感な尻を包むのは、卓越された技術に裏打ちされた、上質な生地でなくてはならない。
私こと十六夜咲夜は、愛らしいお尻がかぶれてしまうその前に、幻想郷の遙か深奥に住むと言われる伝説のドロワ職人を訪ねなくてはならないのだ。
「くっ、なんだこの森は」
先程から珍獣の鳴き声が断続的に響いている。
群生している植物も気持ちの悪い形態をしていて、ウネウネとその身を捩じらせているとてつもない奴もいる。
しかし、この植物たちの繊維から、桃尻を包む奇跡の布地が生まれるのだと思うと尊敬の念すら覚える。
人間の里で大金を積み、ようやく手に入れた地図を手に、グルカナイフをふるって道を開いた。
目指すは、少女の肌を包むドロワのみ。
「あなたが・・・・・・。伝説のドロワ職人・・・・・・」
私は、名高きドロワ職人がまだ歳若い少女であることに驚きが隠せなかった。
しかしそのオーラ(ドロワ職人の腕は、体から発せられるオーラでわかる)は迸っていて、その技量のほどが伺えた。
「あなたは私を見た目で判断したりはしないようね」
職人が、穏やかに微笑んだ。
「ええ、少女の気持ちがわからぬものに、良いドロワは作れませんから」
「いい心がけね」
私はふと、まるで母親の腕の中に抱かれているかのような安心感を覚えた。
少女愛好のシンパシー、触れればこれでもかというほどに反発をするであろう、マシュマロの桃。
このまま一晩、ブランデーを片手に語り明かしたい衝動にも駆られたが、そうはいかない。
直履きスパッツを薦める天狗や、ドロワがなければショーツを履けばいいじゃないという山の風祝の魔の手が既に伸びようとしているのだ。
何も言わずとも、ドロワ職人は一つの箱を取り出した。
「これは?」
「開けてみなさい」
私は生まれて初めて、完全で瀟洒の体現をそこに見た。
素材は最高級のシルク。
流麗な触り心地が、万が一のおねしょをしたときも、快適な睡眠を約束する。
約束された、(少女愛好の)勝利のドロワ。
「お代は」
「いらないわ」
ふっと優しく微笑み、そのままドロワ職人はティーカップを持った。
「私の気の変わらないうちにね」
「ありがとう、ありがとう!」
これで私は胸を張って、紅魔館へと戻れる、戻れるのだ。
待っていてくださいお嬢様、咲夜がこの手で、このドロワを履かせてさしあげますから。
深々と一度お辞儀をし、私はまた薄暗い森へと戻った。
薄暗いはずの森に、なぜか陽光が降り注ぐような心持ちだった。
ノリいいね皆w
>>約束された、(少女愛好の)勝利のドロワ
ねーよw
電気羊さんは下着の話が光ると思うよ!
>アリイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイス
これのおかげでやっと職人の正体に気付けました、本当にありがとうございました。
あんたかww
でもきっとこれは始まりだと信じてるんだ☆
おk。すべてを理解したwww