※いつもと作風が違うかもしれない。
ある冬の朝のこと
───幽々子さま、室内におはいりになったらどうです?縁側は冷えるでしょう
「妖夢もこっちにいらっしゃい。外はいい景色よ」
───は、はぁ
「もう庭も真っ白ねぇ。雪に埋もれた幽霊たちがどこに行ったか分からないわ」
───掘り起こしましょうか?
「いいわよ。自分から表面に出てこない幽霊は生前から冬眠する習慣があったのよ、きっと」
───寝冷えしそうですね
「雪は、音を吸い取ってしまうから、いびきも聞こえないわ。理想の布団ね」
───そう言われてみれば、冬は静かですね。もとからここは静かですが。
「雪は音を吸い取るわ。だから、雪が解ける春になると、騒がしくなるのよ」
───なるほど、そういうことだったんですね
「人里の子が雪合戦をすると騒がしいでしょ。あれも、雪玉が砕けて、中の音が」
───それはたぶん違います
「あら、そう?」
───誰も好き好んで雪玉の中に「わー」とか「ぎゃー」とか吹き込みませんよ
「そうかしらねぇ。まあ、いいわ。それより妖夢、お花見でもしない?」
───今は冬です。雪でいびきこそ聞こえませんが、桜だって眠っているのですよ
「あらあら、妖夢、桜は庭中にあるじゃない」
───お花見の季節にはまだ早いです。蕾1つありませんよ
「目で見なくてもいいのよ。花を見れば」
───うぬぬ、分かりません
「例えば、そこの桜の木、あの桜は春になればどんな花を咲かせるかしら」
───いつもどおり、綺麗な桜の花を咲かせると思います
「ほら、上出来よ」
───え?
「あなたは今、目に見えない桜を見た、と言ってるの」
───は、はぁ
「春を恋焦がれる心を持っていてこそ、桜は美しいの。冬は桜が1番美しい季節なのよ」
───私には分かりかねます
「さあ、妖夢、お茶の準備をしてちょうだい」
───あれ、お花見は?
「焦げは熱湯で洗うとよく落ちると言うわ」
───か、かしこまりました
「さあ、小休止よ。物事を長く続けるときには、ときに休息も大切なの」
───よく分かりませんが、とりあえずお茶の準備をしてまいります
「私のお花見も長いわねぇ」
ある冬の朝のこと
───幽々子さま、室内におはいりになったらどうです?縁側は冷えるでしょう
「妖夢もこっちにいらっしゃい。外はいい景色よ」
───は、はぁ
「もう庭も真っ白ねぇ。雪に埋もれた幽霊たちがどこに行ったか分からないわ」
───掘り起こしましょうか?
「いいわよ。自分から表面に出てこない幽霊は生前から冬眠する習慣があったのよ、きっと」
───寝冷えしそうですね
「雪は、音を吸い取ってしまうから、いびきも聞こえないわ。理想の布団ね」
───そう言われてみれば、冬は静かですね。もとからここは静かですが。
「雪は音を吸い取るわ。だから、雪が解ける春になると、騒がしくなるのよ」
───なるほど、そういうことだったんですね
「人里の子が雪合戦をすると騒がしいでしょ。あれも、雪玉が砕けて、中の音が」
───それはたぶん違います
「あら、そう?」
───誰も好き好んで雪玉の中に「わー」とか「ぎゃー」とか吹き込みませんよ
「そうかしらねぇ。まあ、いいわ。それより妖夢、お花見でもしない?」
───今は冬です。雪でいびきこそ聞こえませんが、桜だって眠っているのですよ
「あらあら、妖夢、桜は庭中にあるじゃない」
───お花見の季節にはまだ早いです。蕾1つありませんよ
「目で見なくてもいいのよ。花を見れば」
───うぬぬ、分かりません
「例えば、そこの桜の木、あの桜は春になればどんな花を咲かせるかしら」
───いつもどおり、綺麗な桜の花を咲かせると思います
「ほら、上出来よ」
───え?
「あなたは今、目に見えない桜を見た、と言ってるの」
───は、はぁ
「春を恋焦がれる心を持っていてこそ、桜は美しいの。冬は桜が1番美しい季節なのよ」
───私には分かりかねます
「さあ、妖夢、お茶の準備をしてちょうだい」
───あれ、お花見は?
「焦げは熱湯で洗うとよく落ちると言うわ」
───か、かしこまりました
「さあ、小休止よ。物事を長く続けるときには、ときに休息も大切なの」
───よく分かりませんが、とりあえずお茶の準備をしてまいります
「私のお花見も長いわねぇ」
>雪玉の中に「わー」とか「ぎゃー」とか吹き込む
なんかそれは面白いと思ってしまった。
確かにそうかもしれませんね。
白玉楼の冬の景色が目の前に広がりました。
確かに雪が降ると普段より静かに思えますね。
短いながらも読後感がすっきりしていてさっくり読めました。
調子に乗ってサーセン
ゆゆさまは大食いキャラにされることが多いけど、自分としてはこっちの方が好きです
きれいなゆゆさまをありがとうwww