「分かるか、霊夢。時代は涼を求めている」
「あーうんそーねーあーつーいー」
「日本人なら句読点を使え。せめて句点だけでも使ってくれ」
「あ゛ーづーい゛ー」
この夏はとにかく暑かった。
幻想郷の夏は外の世界の人々が自然の暑さを冷房という方法で忘れれば忘れるほどに暑かった。
つまりは、超暑い。むしろ熱い。
二人とも茹っていた。完全なる暑気あたりであった。
訂正する、霊夢は夏バテどころか、むしろ熱射病一歩手前だった。
「そう、私は気付いたんだ。今、幻想郷に必要なのは涼ある弾幕だということに!」
「よし! チルノをしばくわ!」
「ああ、チルノはお前が構いすぎた所為でオーバーヒートしているぞ。氷の精の癖に体温が今、36度もあるらしい」
「あっつー」
再びダレはじめる。
一瞬霊夢は「服を脱ぎ捨てたらもう少し涼しいかも」なんて思った。
が、いくら頭が春と呼ばれているとはいえ、彼女もまた花も恥らう少女なのだ。
服を全て脱ぎ捨てるような変態のごときな真似はしなかった。
それでも腋は全開。素晴らしいまでのこだわりだ。
何事にも関心がないわりにはポリシーがあるらしい。無論、止めずにいて欲しい。
これに関しては幻想郷の住民の総意が得られるに違いが無い。
つまるところ腋が開いてるのは恥ずかしくないけど、全裸、乃至は半裸が恥ずかしい程度の恥じらいはあった、
まったくもって乙女心とは度し難いものである。
「うーだーるー」
「おい、霊夢。いくらなんでもそいつははしたないうえに扇情的すぎるぞ」
ただしはしたなかった。その姿は同性の魔理沙から見ても扇情的すぎた。
ただでさえ、腋が大きく開いてて横から男なら誰しもが一度は憧れるアヴァロンの母性の象徴、つまるところ艶符「桜色と肌色の境界」が見えそうなのだ。
なのに、この巫女ときたら、服の上から器用にサラシを取り払うといった芸当を為しえていた。
横から見れば、そのこれからの成長が楽しみな、普段は覗けぬ二重結界の内側をうかがうことが容易に可能とされている。
最早、博麗の巫女の二重結界のうちの一枚である繋縛陣は解除された。
そこに残るは博麗式巫女服という警醒陣のみ。
全裸や半裸は恥ずかしくても、腋が全開なのに下着レス。
まったくもって乙女心は度し難い。
一方、魔理沙の純情な乙女心はあまりの扇情的な霊夢の姿にボーダーオブライフである。
「いいじゃない。どうせあんたしかいないんだし」
「いや、少しは気にしろよ。お前、私と違って少しはそこの部分、成長してるっていうのに」
「いーのよ。どうせ、気にするようなやつ、ここにはこないって。どうせ参拝客なんていないわよ!」
「逆ギレをするな。あー……それと非常に言いにくいんだが」
「何よ」
「参拝客ではないが、私が呼んだ男がそこにいる」
酷く気まずそうに魔理沙が指を指す。
魔理沙の方を向いていた霊夢は当然、そちらのほうへ体を向けていた。
そしておそるおそる顔を正面に戻した先にいたのは予想通りの人物であった。
「やあ、お邪魔させてもらうよ。霊夢、君はもう少し身だしなみに気をつけたほうがいいようだ」
「ちょっ、ちょっと!? 魔理沙、これは一体どういうことなの!?」
霊夢は気まずそうに視線をそらしている魔理沙に食ってかかり、両肩を掴み激しく揺さぶりながら問いただす。
当然、その間も魅惑的な警醒陣は揺れる。
彼女が纏う最後の一枚の結界。その内側がチラリチラリと蠱惑的に晒される。
しかし、そこにいた男。森近霖之助は慌てず騒がず、長くを生きただけあり、相応の重みを持って霊夢に言い放った。
「まあ、なんだ。霊夢。君ももう大分いい年頃なのだろうから多少は気にしたほうが良いね。ここに居たのが僕と魔理沙だからよかったものの、そのぐらいの成長具合が丁度良いいう人もいるからね」
「お前は!」
「黙ってて!」
あまりにも普段通りすぎるその対応もまた乙女心的に気に喰わなかった。
そりゃあ、欲情して襲い掛かられても困るのだが、まったく平然とされてるのも嫌なのである。
そして霖之助の意識は、二色×2で計三色の二人による、全力全開で非致傷で「痛い。凄く痛い。死ぬ程痛い。けど、死なない。ショック死すら許されない」的な天誅により葬りさられた。
その誅罰はブレイジングスターによる高速移動タックルからの零距離ファイナルマスタースパークによりバウンドしたところへの亜空穴からの飛び蹴り、さらにもう一度バウンドしたところへの天覇風神脚、しかも追い討ちには夢想天生と八方龍殺陣が惜しまれずふんだんに使われた。
しかし、それでも彼は意識が刈り取られる直前に言葉を残した。
「ああ、あのぐらいでも空気抵抗と重力と慣性の影響を受けるのか。男にはわからぬ神秘だ」
ありがとう、香霖!
君の犠牲は忘れない!
僕達に神秘の実況をしてくれてありがとう!
こーりん! こーりん!!
いやっほーーーぅっ!! こーりん、サイッコオオオオオオオオオウッ!!
ビクンビクン
ガクン
ささやき えいしょう いのり ねんじろ!
* おおっと *
「あーうんそーねーあーつーいー」
「日本人なら句読点を使え。せめて句点だけでも使ってくれ」
「あ゛ーづーい゛ー」
この夏はとにかく暑かった。
幻想郷の夏は外の世界の人々が自然の暑さを冷房という方法で忘れれば忘れるほどに暑かった。
つまりは、超暑い。むしろ熱い。
二人とも茹っていた。完全なる暑気あたりであった。
訂正する、霊夢は夏バテどころか、むしろ熱射病一歩手前だった。
「そう、私は気付いたんだ。今、幻想郷に必要なのは涼ある弾幕だということに!」
「よし! チルノをしばくわ!」
「ああ、チルノはお前が構いすぎた所為でオーバーヒートしているぞ。氷の精の癖に体温が今、36度もあるらしい」
「あっつー」
再びダレはじめる。
一瞬霊夢は「服を脱ぎ捨てたらもう少し涼しいかも」なんて思った。
が、いくら頭が春と呼ばれているとはいえ、彼女もまた花も恥らう少女なのだ。
服を全て脱ぎ捨てるような変態のごときな真似はしなかった。
それでも腋は全開。素晴らしいまでのこだわりだ。
何事にも関心がないわりにはポリシーがあるらしい。無論、止めずにいて欲しい。
これに関しては幻想郷の住民の総意が得られるに違いが無い。
つまるところ腋が開いてるのは恥ずかしくないけど、全裸、乃至は半裸が恥ずかしい程度の恥じらいはあった、
まったくもって乙女心とは度し難いものである。
「うーだーるー」
「おい、霊夢。いくらなんでもそいつははしたないうえに扇情的すぎるぞ」
ただしはしたなかった。その姿は同性の魔理沙から見ても扇情的すぎた。
ただでさえ、腋が大きく開いてて横から男なら誰しもが一度は憧れるアヴァロンの母性の象徴、つまるところ艶符「桜色と肌色の境界」が見えそうなのだ。
なのに、この巫女ときたら、服の上から器用にサラシを取り払うといった芸当を為しえていた。
横から見れば、そのこれからの成長が楽しみな、普段は覗けぬ二重結界の内側をうかがうことが容易に可能とされている。
最早、博麗の巫女の二重結界のうちの一枚である繋縛陣は解除された。
そこに残るは博麗式巫女服という警醒陣のみ。
全裸や半裸は恥ずかしくても、腋が全開なのに下着レス。
まったくもって乙女心は度し難い。
一方、魔理沙の純情な乙女心はあまりの扇情的な霊夢の姿にボーダーオブライフである。
「いいじゃない。どうせあんたしかいないんだし」
「いや、少しは気にしろよ。お前、私と違って少しはそこの部分、成長してるっていうのに」
「いーのよ。どうせ、気にするようなやつ、ここにはこないって。どうせ参拝客なんていないわよ!」
「逆ギレをするな。あー……それと非常に言いにくいんだが」
「何よ」
「参拝客ではないが、私が呼んだ男がそこにいる」
酷く気まずそうに魔理沙が指を指す。
魔理沙の方を向いていた霊夢は当然、そちらのほうへ体を向けていた。
そしておそるおそる顔を正面に戻した先にいたのは予想通りの人物であった。
「やあ、お邪魔させてもらうよ。霊夢、君はもう少し身だしなみに気をつけたほうがいいようだ」
「ちょっ、ちょっと!? 魔理沙、これは一体どういうことなの!?」
霊夢は気まずそうに視線をそらしている魔理沙に食ってかかり、両肩を掴み激しく揺さぶりながら問いただす。
当然、その間も魅惑的な警醒陣は揺れる。
彼女が纏う最後の一枚の結界。その内側がチラリチラリと蠱惑的に晒される。
しかし、そこにいた男。森近霖之助は慌てず騒がず、長くを生きただけあり、相応の重みを持って霊夢に言い放った。
「まあ、なんだ。霊夢。君ももう大分いい年頃なのだろうから多少は気にしたほうが良いね。ここに居たのが僕と魔理沙だからよかったものの、そのぐらいの成長具合が丁度良いいう人もいるからね」
「お前は!」
「黙ってて!」
あまりにも普段通りすぎるその対応もまた乙女心的に気に喰わなかった。
そりゃあ、欲情して襲い掛かられても困るのだが、まったく平然とされてるのも嫌なのである。
そして霖之助の意識は、二色×2で計三色の二人による、全力全開で非致傷で「痛い。凄く痛い。死ぬ程痛い。けど、死なない。ショック死すら許されない」的な天誅により葬りさられた。
その誅罰はブレイジングスターによる高速移動タックルからの零距離ファイナルマスタースパークによりバウンドしたところへの亜空穴からの飛び蹴り、さらにもう一度バウンドしたところへの天覇風神脚、しかも追い討ちには夢想天生と八方龍殺陣が惜しまれずふんだんに使われた。
しかし、それでも彼は意識が刈り取られる直前に言葉を残した。
「ああ、あのぐらいでも空気抵抗と重力と慣性の影響を受けるのか。男にはわからぬ神秘だ」
ありがとう、香霖!
君の犠牲は忘れない!
僕達に神秘の実況をしてくれてありがとう!
こーりん! こーりん!!
いやっほーーーぅっ!! こーりん、サイッコオオオオオオオオオウッ!!
ビクンビクン
ガクン
ささやき えいしょう いのり ねんじろ!
* おおっと *
ならねェーッ!おわったァーッ!
少なくとも、僕たちの心の中に・・・・・・・・・・・・。
その凄まじき生き様に敬っ!礼っ!
彼は、☆になってしまいました。霖之助先生の次回作にご期待下さい!
>>2さん
含蓄ありますよ! 神秘は○しかなくても古典力学がきっちり働くって含蓄ありますよ!
>>K-999さん
王大人の断言は、常に疑ってかかるべきである。・・・出典:美鈴書房『幻想的信頼度評価百選』
>>謳魚さん
彼の凄まじい生き方はラッキースケベの星の元に成り立ってます。是非、入れ替わりたいものです。
>>喚く狂人さん
実際、霖之助さんは○してしまいました。頑張れ、こーりん君。
>>6さん
女心符『この体を通して出る得体の知れない怒り』とかでどうでしょうか。
>>7さん
ゲージ一本どころかコイン一個持っていかれたようです。