*このお話は萃夢想出演者達が、鍋を囲んで駄弁る(無駄話をする)だけの一話完結型のお話です*
駄弁り場:白玉楼
主役鍋:すき焼き
今宵の視点:魂魄妖夢
PM18:55、いただきます
皆さん凄い勢いで箸を突っつき始めました。
そんなにすき焼きが物珍しいのでしょうか?
まぁ、私もそんな頻繁に食べる物ではないですが。
ちなみに今回具材を入れる役は、アミダくじの結果美鈴さんに決定したようです。
この役になると高い確率で食材にありつけません。食べる物と言えば、最後の残り物ぐらい。
・・・私も一回やらされたので、その辛さは十分味わっています。
けど落ち込まないで下さい。割り下とお肉の味がしみ込んだネギは美味しいですから。
「・・・毎回思うんだが、何ですき焼きには卵が必要なんだ?」
「きっと考えた人が卵好きだったからよ」
魔理沙さんは、すき焼きに使う卵に疑問を抱いていたようです。
確かに気になります。卵を付けなくても十分美味しいのに、何で卵が必要なんでしょう。
まさか、養鶏団体による卵の売り込みを目的とした行動!?
・・・そんな訳ありませんよね。養鶏家の皆さん、勝手な妄想ごめんなさい。
「だから私はキノコが嫌いなのよ!貴女だって知ってるでしょう!?」
「好き嫌いは良くないぞ~。それそれ、もっと入れてやる~!」
こっちでは萃香さんがアリスさんの小皿にえのき茸を大量に入れてます。
そういえば、アリスさんは大のキノコ嫌いだったんですよね。
何でもその原因を作ったのが魔理沙さんだと言うのですが、本当でしょうか。
でもアリスさん、好き嫌いはあまりよろしくありませんよ。
何でも食べれば元気に育つ。幽々子様は食事の際にそう言っていますし。
あ、お肉がいい感じになったので、私も頂きましょう。
PM20:00 酒も入り、駄弁り開始
「・・・魔理沙。そろそろ『ハラー・ヘッターと焼肉定食・上下巻セット』を返して貰えるかしら?」
「まだ途中だぜ。上巻だけで5000ページ越えとか、作者は気が狂ってる。
そもそも、名前からしてふざけてる。『トン・デ・ミーナ』なんてダサすぎると思わないか?」
先程からパチュリーさんと魔理沙さんが言い争っているようです。
それにしても、『ハラー・ヘッター』とは何でしょうか?聞いた事がありません。
きっと、お腹が空いた人を描いた本なのでしょう。
「咲夜、もし3日経っても返却する様子がないなら、家に行って回収して来て頂戴」
「畏まりました。パチュリー様」
「泥棒宣言とは、何とも大胆じゃないか」
「それ、貴女が言える台詞かしら?」
魔理沙さんの答えに、咲夜さんは呆れ返っています。
そりゃそうでしょう。魔理沙さん、普段から泥棒まがいの行動をしていますし。
「いつか返す」とは言ってますが、本当に返す気はあるんでしょうか?
「魔理沙、その『ハラー・ヘッター』って何かしら?それも外の書物?」
「ああ。この前紅魔館の書斎で見つけたんだ。10章まで続くシリーズ物らしい。
『ハラー・ヘッター』って言う魔法使いの卵が世界中の食べ物を食べる話だが、これがまた滑稽なんだ。
どのページも笑いが止まらないぜ。特にうまい棒とチョコバットで殴りあう場面なんて最高にバカバカしい」
・・・霊夢さん、頭の上に?マークが大量に浮かんでいます。私もですけど。
と、とにかく。魔理沙さんやパチュリーさんはそんな本に夢中になっているようです。
「あら、その本なら私の家にもあるわよ」
「え、紫様の家にもですか?」
ここで話に加わる紫様。意外だ。紫様がそのような本を持っていただなんて。
ただ、魔理沙さんの話を聞く限りだと、その本は紅魔館にしかないそうですが・・・
一体何処で手に入れたのでしょう?とても気になる・・・
「あら。紫もその本を持ってるのね。貴女もあの魔女から借りてるのかしら?」
「持ってるも何も・・・あれを書いてるのは私よ?」
*場の時が止まりました。復旧には時間を要しますので、その間に水羊羹でもどうぞ*
あ・・・ありのまま(ry
まさか紫様が、ハラーヘッターシリーズの著者だったとは。
しかし、何故紫様はそんな本を書こうと思ったのでしょう。
「やっぱり。あんなオッペケペーな物語なんて、紫以外に書けないでしょうね」
「可愛い癖して随分と生意気な口じゃない。そんな子にはお仕置きしてあげるわ」
紫様。レミリアさんのお皿にネギを盛るのは流石に大人げないです。自重して下さい。
そしてレミリアさんも、山盛りのネギを美鈴さんに回さないで下さい。カリスマが急降下中です。
・・・ついでに霊夢さん。残った肉を独り占めしないで下さい。美鈴さんの分も忘れないで下さい・・・。
あ、焼き豆腐がいい感じになってます。誰も食べなさそうなので、全部食べちゃいましょう。
PM21:15 具がなくなったので〆タイム
「すき焼きの〆と言ったら雑炊だよな。早速ご飯を入れて・・・」
「ちょっと。すき焼きの〆はうどんを入れるべきよ。それくらい常識でしょう?」
「おいおい。すき焼きにうどんだなんて考えが古いな。今はご飯と卵で雑炊を楽しむんだぜ」
互いにいがみ合う魔理沙さんとアリスさん。どうやら、すき焼きの〆について揉めているようです。
確かに〆は迷いますよね。雑炊もいいですけどうどんも捨てがたい。
でも私としては、卵をとじた雑炊が食べたい。いやいや、うどんで〆るのも悪くはない。うーん・・・
と、何かを言いたい様子のレミリアさんが立ち上がって一言。
「何を言ってるのよ。すき焼きの〆と言ったら、スパゲッティに決まってるじゃない!」
おぜうさま カリスマなんて いりません ~詠み人知らず~
・・・すき焼きスパゲッティ投入事件は未遂に終わり、レミリアさんは不満そうにスパゲッテイをしまってます。
問題はここから。〆はご飯かうどんにするか。鍋の温度が下がる前に決めたいですが・・・
「・・・じゃあ、どっちも入れればいいじゃない」
・・・幽々子様の一言により、第一次すき焼き〆戦争は終戦へと導かれました。
見よ。鍋の中には互いに終戦を喜ぶご飯とうどんの姿。見てるだけで目頭が熱くなってきました。
しかし魂魄の名において、今この場で泣きはしません!泣くなら布団の中で泣きます!
「・・・妖夢。貴女どうしたの?」
「あ、いや、何でもありません!」
霊夢さんに言われ、ハッとする私。
危ない危ない。どうやら私の頭の中で勝手に物語が進んでいたようです。
とりあえず第一次すき焼き〆戦争の件は忘れて、うどん雑炊を頂く事にしましょう。
・・・みょんに細長い黄色の麺がありますが、きっとマロニーちゃんです。ええそうに違いありません。
え、マロニーちゃんは黄色くないだろう?・・・そうです!これはカレー味のマロニーちゃんですよ!
PM21:50 ごちそうさまでした
結論:すき焼きの〆?・・・マロニーちゃんを入れればいいと思うよ!!
・・・スパゲッティ、か・・・今度、試してみようか(何!?
コスモスパですね。わかります。