Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

やっちまえ、妖々夢 前編

2008/11/19 22:32:42
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1

やっちまえシリーズ第二弾、前編。

あらすじ
はーるよこい、はーやくこい。
うわぁ、桜が降ってきた。









「桜が空から降って来た…と言う事は犯人は空の何処か、ね。それにしても去年といい、今年といい、どうして寒い異変が立て続けに起こるのかしら?また体を冷やすじゃないの…そうだ、いい事思い付いたわ」
霊夢は、何やら分厚い本を持ち、霧雨魔法店へ向かった。
本には『幻想郷巨乳奥義~さらば、貧乳生活~』と書いてある。パチュリーの書斎から盗み出した、今は発禁処分を受けた幻の逸品だ。





「…で、その本を譲る代わりに、香霖堂から懐炉をパクってこいと言うわけか」
霊夢曰く、この冬はあまりに長いので、懐炉を使い切ってしまったらしい。

「よし、この霧雨魔理沙さまに任せとけ。私の手にかかれば一発だ」
「恩に着るわ。じゃ、お願いね」




暫くして、魔理沙が帰って来た。
「お帰り…って、どうしたの?」
「ん?おわっ、何だこりゃ」
魔理沙のエプロンが赤く染まっている。

「くんくん…鉄臭いわよ。返り血を浴びたみたいね」
「うーん、お気に入りだったのになぁ…まぁいいや。あいつに弁償して貰おう。じゃあ、頑張って来いよ」





「はぁ~、温まるわぁ。し・あ・わ・s…」
「出たな、紅白!」
⑨参上。

「…あの時消滅したんじゃないの?」
「あたいはさいきょーだから、何度でもよみがえるのさ!!それより、前はよくもいじめてくれたな~、仕返ししてやる!!フロストコラムス!!」
「懲りないわね。また霧散させてあげるわ。二重結界」
両者のスペルが激突する、力と力のぶつかり合い。お互いが一歩も譲らない、緊迫した状況。

「どうだ、これがあたいの実力さぁ!!」
「思ったよりやるようね。でも、所詮は氷…」
「っ!?」
間もなく、チルノが作り出した霜柱が結界との摩擦で溶け出してしまった。

「私の勝ちね」
霊夢が勝利宣言をする。同時に、容赦なく結界がチルノに迫ってくる。そして…

「きゃっ…」
結界に押し潰され、チルノは霧散してしまった。





「…こんな感じだったら、もっと体も温まるのに…」
視線の先には、気持ち良さそうに昼寝をしているチルノがいた。

「ぐおー、すぴー…」
「何か腹立つわ。片付けておきましょ」



「アッーーーーー!!」
チルノ、消滅。
あれ?この展開、前にもあった?





チルノを吹っ飛ばした霊夢は、山道の奥へと入っていった。

「いきなりふぶいてきたわね。誰が犯人か…そこのあんたに聞いてみようかしらっ!!」
木に向かって針を投げ付けた。

「痛っ!」
吹雪が弱まり、視界が晴れる。

「姿は消せても、妖怪独特の気配までは隠し切れないようね」
「貴女、ただ者じゃないわね。いいわ、教えましょ。私はレティ・ホワイトロック。人間は私を雪女とも呼ぶわ」
吹雪の中から、妖怪が現れた。どうやら、こいつが黒幕らしい。

「辺りの妖精が噂してたわ。春を取り戻す為に巫女が動いたって。でも、それじゃ困るのよ。私は春には消えてしまうの」
「知らないわよ。邪魔しようってのなら、春が来る前に私が消してあげるわ」
「気に入らないわね、その減らず口。二度と叩かせないようにしてあげる」
また風が強くなった。再び吹雪が霊夢を襲い、体力を削っていく。

「くっ…」
「うふふ…貴女みたいな華奢で貧相な奴が、私の寒さに耐え切れるかしら?」

ぷちっ

「誰が貧相だああああああ!!」
「っ!?」
叫び声と共に、一瞬で風が収まった。

「ちょっと私よりグラマーだからって調子に乗ってんじゃないわよ!!」
「え、ちょ……」
「夢想封印・瞬!!」



レティ、敗北。
体つきが生死を左右するシビアな世界。それが幻想郷。そーなのかー。





「こんな山中に家なんてあったのね」
山中の、誰も足を踏み入れないような場所に、ひっそりと家が佇んでいた。
霊夢は立て看板が目についた。

「なになに…『ここはちぇんのおうち!!』…健気ねぇ」
「あっ、こらー!入っちゃダメ!!」
橙登場。側転で。

「私の家に何の用?」
「別に用はないわよ。てか、入ってないし」
「嘘だっ!!泥棒めぇ、とっちめて食べてやる!!」
「勘違いにも程があるわ…」
霊夢は懐から札を取り出し、それを丸めて明後日の方向へ投げた。

「にゃーーーん♪」
橙が反応し、飛び掛かった。やっぱり猫だ。動くものに目がない。
そして、橙が札を広げた瞬間…

「に゛ゃーーー!!」
夢想封印・集が発動した。

「冷静に私の話を聞けば助かったのに…」



橙、敗北。
習性なら仕方ない。





山奥にたどり着いた霊夢は、釘を打つような音を耳にした。
音のする方に行くと、藁人形に五寸釘を打ち込んでいる少女がいた。

「何してるの?」
「ひゃっ!?」
アリスが怯えた目で霊夢を見つめている。
だが、その目つきはやがて憎悪に変わっていく。

「見られた…許せないわ。呪術の邪魔をするなんて。あんたたち、あの二色をやってしまいなさい!!」
アリスがそう言うと、あちこちから人形が出てきた。
そして、一斉に弾を放出した。

「多勢に無勢ね。ならば…封魔陣!!」
スペル発動と同時に、弾を掻き消し、次々人形を破壊していく。

「もう終わりかしら?」
「あまつさえ、人形を壊すなんて…上等な事してくれるじゃないの。もう怒った。あんたを人形にして、散々なぶった後に四肢をバラバラにして殺してあげるわ!!上海、蓬莱、あの二色を死なない程度に痛めつけなさい!!」
「シャンハーイ」「ホーラーイ」
二体の人形が現れ、レーザーを照射した。

「そんなのお断りよ!!二重結界!!」
霊夢は自身を守る防御壁として、結界を展開した。だが、このレーザー、威力がかなり強い。

「………」
「どう?私の可愛い上海と蓬莱の力は!!」
結界が歪む…

「………」
「アハハハハハハ!!守りながら戦える筈がないじゃないの。さぁ、いい加減諦めなさい!!」
結界が軋む…

「………」
「終わりよ!あんたの人生が此処で潰えるのよ!!」
結界にヒビが入り、そして…
パリン…
霊夢の結界が崩れた。霊夢の体を二対のレーザーが貫く。

「アハッ、アハハハハハハハ…!!」
アリスの高笑いが山奥に響き渡る…

「残念だけど、私は此処よ」
「!?」
振り返ると、貫かれた筈の霊夢がいた。そして…

「はぁっ!!」
「くぅっ!!」
霊夢がアリスの腹に蹴りを入れた。

「やっと大人しくなったわね」
「あんた…一体…」
「霊符、博霊幻影よ」
「…私の負け…ところで、何処へ行くつもりだったの?」
「空よ。山の頂からなら、簡単に辿り着けるからね」
霊夢はそう言い残すと、山道を進んで行った。



アリス、敗北。
何かシリアスに。
アリスとシリアスって、なんか似てる!!ふしぎ!!





後編へ。
電磁波です。
前回の方が面白いかも。反省。

アリス編がシリアスになったのは、アリスとシリアスの両方に「ア・リ・ス」の文字が入っているからです。
ごめんなさい、無理矢理でごめんなさい。



後編は藍、紫まで行けるかなぁ…
行けなかったら、その話はEX編として書き上げます。
電磁波
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
>「懲りないわね。また霧散させてあげるわ。二重結果」

同じ結果ってこと?w
2.名前が無い程度の能力削除
>勘違いにも程があるわ
強盗ですからね。「略奪開始ー」
3.電磁波削除
>名無し1さま
申し訳ありません、誤字です。修正しておきました。
ご指摘有難うございます。

>名無し2さま
霊夢は悪い子です。
4.謳魚削除
アウトロー巫女道中記、妖々夢までごり押しで永夜抄(えいやっしゃー)から高度な脅迫や搦め手が主と予想。
そしてレティをグラマーにして頂けてほんにありがとうございます。