やっちまえ、紅魔郷

あらすじ
幻想郷は霧に覆われ、氷河期になってしまった!!
危機的状況を救えるのは君しかいない。頑張れ、霊夢。略して頑張霊夢。










「ふぅ…寒いわ…」
暦の上では夏だと言うのに、火燵で丸くなってる霊夢。

「全くもう…寒くて異変解決する気にもなれないわ。やらなきゃいけないけどねぇ…」
「そーなのかー」
隣にちょこんと金髪少女が座っている。

「えぇ。あーあ、妖怪も大変ねぇ。これだけ寒いと里人も外に出たがらないから、こうやって家の中にまで侵入しないと人を喰えないんでしょう?」
「うん」
「で、貴女は参拝者?」
「違うよ?おいしそうだから食べに来t…「夢想天生」



ルーミア、撃破。
ところで…霊夢さん、それは永夜抄のラストワードですよ?





「ふん、賽銭も持たずに暖を取るなんて、図々しいにも程があるわ」
霊夢は愚痴を零しながら、出発準備を整えた。

「さてと…行きましょ。腋が寒いけど仕方ないわね。神主の命は絶対ですもの」





「…」
霊夢は絶句した。

「や゛い、ぞごの゛ごうはぐ!!あだいどだんま゛ぐしょうぶしろ゛!!」
「…貴女、氷精よね?」
「あだいごぞがぢるの゛だぁ!!」
明らかに声が可笑しい。ご丁寧にマスクまでつけている。

「(氷精なのに風邪…しかも、何?あの鼻声…くくっ…笑うな…笑ったら負けよ…)」
霊夢は身を震わせて悶えている。

「はっはっはぁ、あだいの゛み゛りょぐに゛おじげづいだがぁ!!」
「(し、しかもっ、鼻水垂れてるしっ…も、もうだめっ…)あっはははははははは!!ひぃ、ひぃ、あっはははは!!」
とうとう、霊夢は腹を抱えて笑い出してしまった。

「隙ありぃ!!くらえっ、アイシクルフォール(Easy)!!」
「えっ…きゃあああああ!!」



霊夢、敗北。





「よし、この鼻声作戦ならあの紅白も倒せるわ!!あたいってばさいきょーね!!」



「なんて事があるか、この⑨がぁっ!!博麗弾幕結界!!」
「アッーーーー!!」



チルノ、消滅。
霊夢ってば最強ね。





「霧の濃度が濃くなって来たわ…やっぱり此処だったのね」
霊夢の目の前に堂々と聳え立つ紅い屋敷。霧は此処から出ている様だ。

「こういう屋敷には門番がいてもいいんだけどって…あら?人が倒れてるわ」
ふと横に目を遣ると、中華服を着た人(妖怪)が倒れていた。
この寒さの中、中華服で外に何時間もいれば、当然凍り付くわけで…

「あの、ちょっと聞きたいんだけど…」
「………」
へんじがない、ただのしかばねのようだ。

「ふーん。戦わずして攻略って感じ?」



美鈴、凍死。
南無～。





「ここは書斎…ね。随分快適だわ。冷暖房完備かしら?」
「そこの紅白!!私の場所(フィールド)に土足で踏み入るなんて…一体何の用?」
「なっ…誰!?」
上空から声がした。見上げると、顔面蒼白の魔女がいた。

「私は、七曜の魔女、パチュリー・ノーレッジよ」
「いや、あんたじゃなくて、紅白って誰?」
パチュリーは頭からずっこけた。この巫女、実は天然入ってるかも知れない。

「それより、何の用なの?」
「霧の犯人と、豊胸に関する本を探しに来たわ。理由としてはこれで満足?」
「どっちが本当の目的?」
「後者よ」
「へぇ、何で胸なんか大きくしたいのかしら?」
「女の子だからよ。貴女だって、そんな貧相な胸だと誰も近付いてくれないわよ?」


すっ
「!!」
パチュリーが霊夢の目の前に舞い降りた。

「…」
「な、何よ、本当の事を言っただ………!!」
パチュリーが服を脱いで、胸をあらわにした。



パチュリー、敗北。
何が起きたかは霊夢とパチュリーしか知らない。
「うわーん、あんな着痩せ魔女なんか幻想郷からいなくなっちゃえー!!」





「しくしく、あんな不健康そうな魔女に負けるなんて…」
「うぅ、寒い…お嬢様も霧の量を調整して頂かないと、私の身が持ちませんわ」
「「あ」」

「侵入者よ!!標的はあの紅白!!」咲夜の一声で、一斉に妖精メイド達が飛び出して来た。

「誰が紅白よ…封魔陣!!」
「きゃっ!!」「ひゃん!!」「いやぁ!!」
ことごとく妖精を倒していく。

「妖精ごときで私に勝てると思った?」
「ふん…ザ・ワールド」


宣言するや否や、世界が反転し、時が止まる。
咲夜が夥しい量のナイフを展開させ…



パチンッ

咲夜が指を鳴らすと、世界が元に戻った。

「なっ!!」
ナイフが霊夢に向かって降り注ぐ。

「…終わったわね」



「油断禁物よ。夢想封印・集」
「!?」

バンッ
「ぐっ!!」
咲夜が壁にたたき付けられ、吐血した。

「どうして私の技が…」
「そんなの簡単よ」





「私の当たり判定、小さいもん」





そんなの…………ありかよ……



咲夜、敗北。
当たり判定が小さいって便利!!





「待っていたわ」
冷たく、鋭い声。

「貴女が此処に来る事は、定められた運命。私を止めに来たんでしょう?」
「分かってるじゃないの。だったらさっさと始めましょう。姿を現しなさい」
「何を言ってるの?貴女の目の前にいるわ」
「…?」
霊夢は目を凝らすが、何も見えない。

「足元を見てご覧なさい」
…いた。
…物凄く小さい。



「何でそんなに小さいのよ。蟻といい勝負じゃない」
「分かり切った事を。力を使い過ぎたのよ」
「あんたアホか、何でそんなになるまで霧を出したのよ」
「カリスマたる者、何事も偉大に、大規模でなければならないの。威厳を示すために、ね」
「その容姿で言われても、説得力のかけらもないわよ…」
「言ってくれるじゃないの。愚かな人間が…」
レミリアが翼を広げる。爪や牙も鋭くなって行く。

「吸血鬼の、夜の王の力に平伏すがいいわ!!」



ぷちっ



レミリア、敗北。
カリスマのご利用は計画的に。







こうして、幻想郷に光が戻ったのでした。
めでたし、めでたし。







「ちっともめでたくなんかないわよ。何なのよ、この扱いは。咲夜の方が戦闘シーンがあって私より生き生きしてるじゃないの」
「申し訳ありません、お嬢様」
「まぁいいわ。ところで、パチェ、霊夢に何をされたの?」
「私の口からは言えないわ。色々ヤバいし」
「咲夜さーん…私なんて凍死ですよ?」
「あんたはその程度の役割が妥当よ」
「しくしく」






「私なんて出演すらしてないわよ…作者の馬鹿…」

妹様、ごめんなさい。




妹様が倒せない電磁波です。
久々の投稿です。



今回紅魔郷を書いたわけですが、魔理沙ルートは…申し訳ありません。どうしてもという方は、本作の霊夢を魔理沙に脳内変換して下さい。

妖々夢、永夜抄も書けたら書きます。勿論、霊夢ルートで。



あと…パチュリーは巨乳ですよね?




11月18日
不適切な表現を修正