Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

安眠道具は大切です

2008/11/17 21:12:11
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「神奈子!私の方が先だよ!」
「いや、絶対に私の方が先だ!」

 守矢神社の中で二人の神が言争っていた
 洩矢諏訪子と八坂神奈子
 かつて、日本と言う国を見守った二人の神が言争っているのは
 国の一大事を憂う為のものや
 人間達の行く末を案ずるもの…

「今回は引き下がれないよ!絶対に大きめの枕を買ってもらうんだから!」
「何度言ったらわかるんだい諏訪子!それは私とて同じ事なんだから!」

 …のような、崇高な物ではさらさらなかった
「あーうー!神奈子の嘘つき!去年は『来年は諏訪子に譲るから』って言ってたくせに!」
「あの時とはまた状況が変わったんだよ諏訪子…今は、暴力が全てを支配する時代なんだ」

 用は、二人とも冬用の安眠道具をめぐっての言争いであった
 外の世界に居た時でも、こうして言争っていたのだ

「おのれ~!神奈子許すまじ!受けよ、私の乙女心をえぐった代償!」
 諏訪子が構えを取ると、上空に飛び上がる
「狂ったか!?諏訪子!」
 それに呼応するように、神奈子も空中に飛び上がる


「洩矢飛衛拳!」
「八坂獄屠拳!」

 お互いが己の必殺技である飛び蹴りを繰り出す
 そして、お互いが地面に着地を決めると同時に
「にやり…」
「!?」
 神奈子が物凄い邪悪な笑みをこぼし
 それと同時に、諏訪子の額から汗が流れ落ちる

 そして、数瞬の沈黙の後…

『がっしゃ~ん!』

 室内で飛び膝蹴りをしたものだから
 その衝撃でその部屋の天井が壊れて落ちてきた






「…二人とも、何か言う事はありますか?」
「…ありません」
「あ、あれは諏訪子が…(ぎろり)…はい…ありません」
 神社の天井の一部を破壊してしまったことで
 二人とも今は早苗から全力で説教を受けていた
「どうやったら安眠道具の話で部屋を破壊できるんですか!」
「…ごめんなさい早苗」
「…すいませんでした」

 本来なら自分を祀るはずの巫女に全力で説教される神には
 最早信仰や、カリスマなどという物は一切なかった
 むしろ、子供に説教される駄目親といった方が似合う

「…もう、今度からやらないでくださいね」
「「はい!分かりました!」」 
 
 早苗の説教から逃れる時だけは二人とも息がぴったりであった
(あーう…足が…痺れた)
(奇遇だね…私も…)
 早苗がその様子にため息をつくと
 二人から背を向けて部屋から出て行こうとして
「神奈子様、諏訪子様…最後に一つだけ」
「な、なに?どうしたの早苗」
「な、なにか困った問題かい?」

 突然振り返った早苗に、神奈子と諏訪子がビクビクしながら答える
 その二人に対して、早苗がにっこりと笑うと一言告げた

「天井の修理費で、諏訪子様と神奈子様の安眠道具を買うお金はありませんから」
「ま、待って!そ、それだけは」
「御免なさい!御免なさい!」
 
 神二人が恥じも外見も無く土下座する
 その様子に、早苗が腕を組んで考え始める
「…でしたら、別の方からお金を出さないといけませんから…」
 新たな道を考えてくれる早苗を、
 キラキラと光る目で見つめる諏訪子と神奈子
 その二人に対して、早苗が出した結論は…
「神奈子様は今月一切の飲酒を絶つ事と、諏訪子様は今月一切
 里での駄菓子を買う事を禁止するのならいいですけど?」

 グッと突き立てた親指を下に持ってきて
 その上で、首を断ち切る動作を物凄い笑顔で答えた

「「神は死んだ!」」
「どっちにします?(笑顔)」

「「安眠道具は諦めます(号泣)」」
 結局、今年は安眠道具を買うの泣く泣く諦める事にした


「あ~う~…」
「うぅ~寒い寒い」
 その日の夜、神奈子と諏訪子の二人は寝室で寒そうにしていた
「…神奈子が約束を違えたせいだよ!」
「なにを!諏訪子が空中戦に持ち込まなければ!」
 二人が包まっていた布団から出てくるが
(ひゅ~)
「さ、さ、さ寒い!」
「そ、そそ、そうだね!」
 二人とも、大急ぎで布団に包まる
「な、何でこんなに冷えるの?」
「な、なんでって…」
 神奈子が天井を見上げると、そこから微かに見える綺麗なお星様
「…私達が天井の一部を破壊した代償…」
「…あ~う~…」
 早く天井を直さないと、いかに安眠器具があっても快眠は出来そうにない
(因みに、早苗の部屋は『奇跡的に』なんともなかった)

「はぁ…今年は大きな枕を手に入れたかったのに」
 諏訪子がため息を突きながらそう呟いた
「…私だって暖かい抱き枕がほしかったのに」
 それに対して神奈子もぼそぼそと呟きをいれる
「でも、今はそれよりも早く天井が直ってくれないと」
「ああ、私達にとっては死活問題だからね」 

 蛙と蛇…二人とも寒さに弱い
 冬の間は、冬眠と言うわけではないが
 二人とも睡眠時間が長くなる
 故に、二人とも安眠道具を欲したのだ

「ヘックシ!」
「おいおい…大丈夫かい?諏訪子」
 くしゃみをした諏訪子を心配する神奈子
「あ~う~…やっぱり寒い」
「まあ、確かに寒いからねぇ…」
 神奈子がそう言ってから、しばらく考え込むとポンと手を叩いて
「そうだ、良い事考えた」
「良い事?」
 諏訪子が寒そうにしながら、神奈子の方を向く 
「ああ…私の安眠道具の代わりになる良い物を見つけた」
「え~…良いな神奈子…で?それは何」
 諏訪子が羨ましそうに神奈子を見つめる
「ああ、それはね…」


















 次の日、神奈子の胸枕で眠る諏訪子と
 諏訪子を抱き枕にして眠る神奈子の二人の神の姿を早苗が発見した
 二人とも、とても暖かそうだったので
「良いな~、私も大きな枕と抱き枕が欲しい」
 早苗は羨ましそうに二人と見つめる事にした
 どうも、脇役です…寒いです!
 今年もレティが暴れまわってくれそうです 
 チルノも何か別の物に進化しそうな勢いで寒いです
 だが、毛布が無いので布団一枚で頑張ります!

 ああ、諏訪子様抱き枕と神奈子様胸枕の二つがほしい!
 早苗さんは…布団の代わりに俺の上n(此処から先はオンバシラにつぶされて見えない)




「早苗!」
「早苗~!」
「あれ?神奈子様と諏訪子様…どうしたんですか?」
「ああ、安眠道具の最終形態を考えたんだんだよ」
「さ、最終…形態?」
「そうそう!早苗もこっちに来て!」

 諏訪子が早苗に抱きかかえられその後ろに神奈子が居る

 諏訪子が早苗の胸を枕にして
 早苗が諏訪子を抱き枕にした上で、神奈子の胸を枕にする
 最後に神奈子が早苗を抱きかかえて

 
 三神『守矢神社の三つの寝顔』

 スペルブレイクすることは多分ないと思われる
脇役
コメント



1.地球人撲滅組合削除
>「天井の修理費で、諏訪子様と神奈子様の安眠道具を買うお金はありませんから」
一瞬、『これはまさか、な○られ屋、再オープンか!』と思った自分がいるwwww
でもまあ、この安眠道具に敵うものはないでしょうから、結果オーライですね。

>三神『守矢神社の三つの寝顔』
こ、これは並の攻略法じゃ無理だ。
そうだ!文花帖スタイルにすれば、寝顔写真ゲットでk(オンバシラプレス
2.Unknown削除
何ィ!?神奈子はいつの間に南斗孤鷲拳を会得していたと言うのだ!?ww



>>三神『守矢神社の三つの寝顔』

それでもフリーのあややややなら…射命丸なら何とかしてくれる…!
3.電磁波削除
>>三神『守矢神社の三つの寝顔』
 
紫や霊夢の力を持ってしてもスペルブレイクしないでしょうねぇ。
いかん、鼻血とニヤニヤが…
4.名前が無い程度の能力削除
膝枕をしつつ、抱き枕になるってどんな格好だ?
っと思って読み返すと胸枕・・・胸枕?・・・なん・・・だと?

どうでもいいが、タイトルの安眠ときて、脇役さんとあったから、美鈴の話かと思った。私は美鈴が大好きだ。
5.名前が無い程度の能力削除
なるほど・・・脇役氏の頭撫でに変わる必殺技はずばり「枕」だな!
6.名前を表示しない程度の能力削除
>グッと突き立てた親指を下に持ってき
>その上で、首を断ち切る動作を物凄い笑顔で答えた
あまりにも容易に想像できてしまったのでちょっと早苗さんにスパイラル土下座してきます。