Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

嫌がらせは稗田式で

2008/11/16 00:05:29
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「阿求ー、いるかー?」

ちっ・・・!!とうとう来やがったか・・・身の程をわきまえぬ牛が!!
奴が向こうから出向いてくる時はロクなことがない。

「あら、上白沢センセじゃない。何しに来たのかしら?」
「いや、この前ネタ集めに行くって言っておきながら何もしないから実は困ってるんじゃないかと思ってな」
「あー、いや別にネタなんて最初からなかったです」
「ハッハッハッハッハ・・・嘘をつくな」
「ヒィッ!すみません!決して地下に行くのがかったるいとか貴方の胸がデカイから虫の居所が悪いとかそんなの関係ないですからァ!!」
「・・・なるほど、理解した。いろいろと言いたいことはあるがこの前の間欠泉の異変のことだな?」
「そうッス!マジすいません!!」

悔しさ余って殺意が100倍☆とはよく言ったものだ。
今の私なら瞬獄殺もできるね!


「なるほど、確かにアレは面倒だが・・・行くしか無かろう」
「こ・・・」
「こ?」
「この前・・・天界に行った時も・・・私はあんなに苦労したというのに・・・ネタのストックは二人分」
「わかったわかった・・・だから泣くな」
「嫌だー!嫌だー!!このままチーズ蒸しパンになってカビ生えてしまいたい!」
「じゃあ私も付いて行ってあげるから・・・」
「巨乳と行動を共にしてたまるか!」






この稗田家当主、九代目阿礼乙女がこのような醜態をさらさねばならぬとは・・・
非常にワタクシ、悔しい気持ちでござる。しぐしぐとか言われてさらに悔しい気持ちでござる。
とりあえず飛び出すように出てきて里から随分離れてしまったが・・・
おのれ忌々しいハクタク星人め・・・
見てろ、私が怒ったら永久に貴様の悪口を保存してやる。もちろん、有ること無いことなァッ!!

「おや、阿求じゃないですか」
「うぉっ、貴方は・・・」

四季映姫ヤマザナドゥ・・・名前が長いとか、見た目が全然可愛いとか、スカートが短いとか言われ放題な方だがその実力は未知数・・・!!
どうでもいいけど白黒魔法使いに白黒はっきり付けるっていうギャグを部下に言ったら失笑されたそうだ。
かわいそうに。ギャグにすらなってないけど。

「何か変なこと考えてませんか?」
「いえ、全然そんなことはないと思うんですけど」
「それにしても里から離れたら危ないと思わないんですか?貴方は転生してまで幻想郷縁起を編纂し続けるという義務があるのであってこんな処で妖怪に襲われるとですね・・・・」
「いやいや、その幻想郷縁起のことでして」
「はぁ」

やっぱり説教されたが、私の天才的な話術でなんとか誤魔化せた。
『説教は百害あって一利だけ』 by寺子屋に通うA君の言葉は本当である。
話が脱線した。とりあえず目の前の閻魔に事の経緯を全部話してみる。

「なるほど・・・わかりました。私が助けてあげましょう」
「マジですか!ありがとうございます!!」
「この『空飛ぶミラクル卒塔婆V7』に乗って行けば大空を自由に飛べないあなたも地底に」
「怪しいんですけど」
「気にしたら負け犬です」
「わかりました・・・ありがとう、いい卒塔婆です・・・ではさようなら・・・」

あともう少しで挫けるところだったが、なんとか気を持ち直して間欠泉が出たというところまで飛んで行った。
成程、意外と安定感がありますよこの卒塔婆。わあ、卒塔婆の勘定してる私気持ち悪い。








地底の中は非常に涼しげで風の音がすごいし、結構暗い。あ、あと岩が飛んでくるとか何のSTGですか。
途中、桶が降ってくるし・・・和風STG?なんにせよ死にかけたのは事実です。

「なんか変な人間がいるねぇ」
「失礼な。私は稗田阿求と・・・」
「あー、悪い悪い。今時卒塔婆で飛ぶ人なんていないからねぇ」
「今時もくそもないと思いますよ・・・ところで貴方はヤマメさんで宜しかったですか?」
「そうそう。よく知ってるね」

天才的な私は事前に調べてあるのだ。ぶっちゃけ私の幻想郷縁起は人から聞いたものがほとんどでして、
信憑性とかよりも面白さを追求したものであって、
私がいちいち妖怪共に会いに行くのは絵を描くためでして・・・
絵柄がころころ変わるだって?気のせいですよアハハ。

「えーっと、何の用だい?この前も変な人間が暴れていってさぁ」
「はぁ・・・じゃあちょっとインタビューさせて貰います」
「お!インタビューかい!?いいねぇ、私も有名人になったもんだ」
「河童について一言」
「瓶詰めにして三途の川に沈め・・・いやなんでもないよ・・・」

『黒谷 ヤマメ
 
 危険度:普通
 人間有効度:高い
 河童有効度:殺

 備考:ノーモアカッパ ノーモアダンマク』




ふぅ・・・こうやって適当なことをインタビュってメモっておけばいいんです。
どーせ絵を描くだけなんだから。
さて、土蜘蛛に別れを告げて・・・次は・・・

「妬ましい」
「ごめんなさい(こいつだよ・・・)」
「この前暴れて行った人間が妬ましい、貴方の乗っている卒塔婆が妬ましい」
「何にでも嫉妬しないで下さいよ」
「貴方の胸は・・・特に妬ましくないわね」
「!!」

嫉妬の妖怪か・・・一番面倒なタイプだ。
どれぐらい面倒かっていうと、「私の前ではあんな笑顔を見せないくせに!!」とか言っちゃう女ぐらい面倒。

「・・・というわけで攻撃する理由はいくらでもあるわ」
「・・・嫉妬するだけ己の心が空しくなるとは思わんかね」
「わかっていたわ・・・しかし・・・メンタルな面で攻撃してくるとは・・・ゴフッ!」

『水橋 パルスィ

 危険度:高ッ!
 人間有効度:貴方の寝言にも嫉妬しちゃうんだから!

 備考:パルスィはいつでも妬ますぃってか(うまいこと言った)』






農家娘に別れを告げ、しばらく進むと今までよりも明るいところに出た。
まるで街道のようになっている辺り、ここは地獄の代官山といったところか。ウォシャレっていうのか確か。

「はぁ、また人間か」
「・・・貴方のキャラはそんなんじゃなかったはずだと伺っておりますが」

こいつは鬼の四天王の一人とかいう恐ろしい者だ。豪快な性格のはずだが・・・
大方、この前変な人間達が暴れまわってちょっとやさぐれているんだろう。
仕方ない。この方法はとりたくなかったのだが・・・

「地霊殿はこの先だよ」
「いや、まだ何も言ってないですよ・・・今日はちょっと山の者たちの伝言を」
「あんまり聞きたくないなあ」
「まずは河童からですが・・・『渡る世間は鬼ばかりっていうドラマ見て、まるで自分たちのことのように思えて泣いた』と言っていました」
「あのドラマと私達鬼は関係ないだろう・・・」
「次に天狗ですが・・・『ネタが足りねぇ!地下の巨乳でも激写すっか!!』だそうで・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「それで次は最近山にやって来た2P色巫女なんですが・・・」
「も、もうやめろ!!」

『星熊 勇儀

 危険度:普通
 人間有効度:高「かった」

 備考:巨乳は閻魔に裁かれればいいと思う』






あの鬼・・・泣いていたな・・・後で謝っておこう。
そんなことを考えていたら床が派手な館についた。ちょっとセンスを疑うね。

「はい、あー、チッ・・・初めまして、私がこの館の主、いわばザ・ボスです」
「いやあのですね」
「へぇ・・・『うわこいつ舌打ちしやがったよ・・・』ですと。まあ舌打ちもしたくなりますわね」
「何か」
「ふむ・・・「何か今日は皆病んでいませんか』ねぇ・・・まぁ、いろいろあったからね。
 楽しいことも・・・そうでないことも」

これは厄介だ。私が嫌われているのか、この前の嫌な事件の所為なのか、地下に潜ってきたときから
出会う妖怪のテンションが低い。天界に行った時は逆にテンションアゲアゲでうるさい程だったのに。
・・・さたでい☆ないと☆ひーばーとか言っていたっけ。あの真面目そうな人が豹変した時は
泣いて謝ったほどだ。いや、あれは怖いんですよホント。隣にいた不良天人も泣いてたから。

「そういえば貴方、ここに来るまでに結構鬼畜じみたことをしてきたのね。稗田・・・悪魔の一族か」
「だめだこいつ」
「心を読む前に毒舌が飛び出すとは・・・やはり・・・」
「あ、いやスイマセン。あの、それより私とボーリングでもしませんか?」
「ぼーりんぐ・・・?玉転がしゲームのことかしら」
「まあそうです」

気分転換ならボーリング・・・とまではいかないが里でサッカーが流行る前は確かにボーリングが流行っていたのだ。 フッ・・・スコア92の私に勝てる者は殆どいない!

「ちょっとさとり様・・・何やってんですか」
「イェ~イ!さとり様私も混ぜて~!!」

ご主人に向かって苦言を呈しちゃったこの猫は知っている。あの人間たちをして「何度も出るから殺意の波動に目覚めた」と言わしめたほどなのだから。
で、ご主人に向かってタメ口を聞いたのは鳥。っていうか説明するまでもないよねこいつに関しては。
さて、現在は7投目で私のスコアは65。対して、地霊殿の主のスコアはオールG!
5投目辺りで笑いが堪え切れなくなって危うく殺されかけた。怒りんぼってつくづく嫌ですね!

「くっ・・・さっきからガーターばかり・・・」
「お前の人生ガーターや(うまいこと言った)」
「グハァッ!!おのれ・・・私が死んでも・・・最近妙に生意気になってきたペット共がお前を殺しに行くだろう・・・」
「さ、さとり様~!!」
「誰が小生意気な小娘よ!!」

またやってしまった。今回は穏便にいこうと思ったのに得意の毒舌が飛び出してしまった。
過ぎたことは仕方ない。とりあえずメモっちゃう私はどこまでも優秀かつ冷酷ですね。

『古明地 さとりん

 危険度:貴方の心の隙間を(以下略
 人間有効度:ドーン!!

 備考:人の心が読めるというのは必ずしも良いことではないのですねぇ・・・オーホッホッホッホッホ』


「「この・・・人間風情がー!!」」

くっ・・・ヤバい!流石に怒った猫とアホ烏に囲まれてしまった!!
稗田存続のピンチだ・・・ッ!!


「さとり様の仇!お姉さんに特に恨みはないけど討たせてもらうよ!!」
「やいお燐、特に恨みないんかい!!」
「何でこんな時に漫才してるんですかァ!!」

駄目だこいつら。
私は薄れゆく意識の中、的確なツッコミを入れながら闇に沈んでいった・・・






「ここは・・・」
「御機嫌よう。お姉ちゃんと貴方がいきなり倒れたって言うから慌てて飛んで来たんだけど」

見ると私は寝室で布団の上に寝かされているようだった。
隣にはさっきの主人と愉快なペット達が仁王立ちでこっちを見降ろしている。
これは・・・これから起こる惨劇の序章に過ぎないのかい!どっちなんだい!!

「まさか精神攻撃を私にしてくる人間がいるとか驚きだわ」
「いやー、お姉さんが白眼で暴れだしたからびっくりしちゃったよ」
「あ、その布団私のなんだからね!」
「どうでも☆いい☆です(白眼で暴れたのか私・・・)」
「うにゅ、どうでもよくないよ!私の布団は」
「それにしてもなぜ助けてくれたんですか?私ぶっちゃけ自分でも腹黒いと思ってるんですけど」
「いやなんかね、貴方が乗ってきた卒塔婆が・・・」
「聞け!!私の布団は他の人に使わせたことがないんだからねッ!!」

地霊殿の主から語られた話によると、私の乗ってきた卒塔婆が光り出して
覚醒した私(with 白眼)が「フォースの力を舐めるな」とか「よかろう、ジェ○イの掟に従って!!」とか言い出して手に負えないからとりあえず殴って気絶させたと。
で、そこの妹さんが「人殺しとかマジ殺伐」とか言い出して助けてくれたと。
私狂ってね?いや、この世界が狂っているんだよ、多分。

「ねぇねぇ、外の世界の話を聞かせてよ」
「え・・・ああ、いいですよ。貴方には助けて貰ったのだし」
「なんか私たちが悪いみたいじゃないのよ~」
「あー!何か館の外に八雲紫がー!!」
「「「チクショウ!ぜってぇ追い返す!!」」」

とりあえず嘘をついて漫才トリオを追い返した。何か収拾がつかなくなりそうだったから。
それにしてもどれだけ嫌がられてんだスキマ妖怪。むしろ可哀想になってきた。私のせいだが。
おっとメモるのを忘れていた。あのペット二人は良いキャラだと思う・・・もちろんネタ的に。

『おりんりん(本名不詳)

 危険度:普通
 人間有効度:いい・・・のか?

 備考:ツッコミ役。でもたまにボケるから両刀使いとか呼ばれている哀しい運命を背負った猫』




『れいちょうじ そら(読めない)

 危険度:CAUTION!
 人間有効度:DANGER!(という訳でもないのだが)

 備考:天才科学者である天○博士によって作られた原子力で動く最強の生物兵器。』





「お姉ちゃん・・・なんかメモしてるときニヤニヤしていて怖い・・・」
「私の唯一の楽しみみたいなもんですから」
「・・・外の世界は怖いんだね」
「そんなことよりさっき外の世界の話を聞きたいと?」
「・・・ああ、うん!そうだよ!!」
「じゃあわかりました。ちょっと切ない話を」





昔、と言ってもそう遠くない過去のことです。
魅魔という悪霊さんと、うふふと笑うちょっと可哀想な弟子がいました。
ある日、神綺という魔界の神様と土地の利権を巡って争った時に、
神綺を陥れようと取り込み詐欺をやったことがバレてしまいました。
その所為で、魅魔は「悪霊のくせにもっと自重をせんかー」と是非曲直庁という怖い権力組織に捕まってしまったのです。
独り、取り残されたうふふな弟子は毎晩むせび泣いたそうです。



・・・それから数年後、許されて舞い戻って来た魅魔は「弟子に会わせる顔がない」と言って弟子に会わず仕舞いでした。
しかし、幽香という妖怪に「アンタ、弟子を独りにするつもり?」と言われ、
電車に乗って弟子の所に行きました。
魅魔はその時、弟子が待っているだろうとは信じていませんでした。

駅に着くと駅員さんが走ってきて

「バカヤロウ!お前のお弟子さんは帰ってきたという知らせを聞いてから終電まで毎日ずっと待っていたんだぞ!!」

と嬉し泣きをしながら魅魔に向かって叫びました。
そこにはうふふな弟子がやつれた様子でベンチに座っていました。

「み・・・魅魔様・・・」
「魔理沙・・・」

二人はもう離れないと誓いました。それは、とても美しい師弟愛なのでした。





「泣いた」
「泣けたっしょ?」
「ええ、ホント。そういえば魔理沙ってこの前来てた人だよね。そんなことがあったんだー」
「いや、これ作り話だから」
「え?」
「ぶっちゃけ世の中そんな甘くないよ。魅魔は蒸発、魔理沙はグレちまったし」
「え?・・・ええ?」
「そんなものは『幻想』なんだよククク、ていうか幻想郷に電車ねーし!」
「・・・よくも・・・私の純情な心を踏みにじったなァァ!!」
「ヒィッ!これはそういう教訓を込めた物語で・・・大体、最初に『切ない話』っていったじゃないですかァ!」
「許さん・・・!!ハゲろ・・・!!ハゲ生えろ・・・!!ハゲてしまえェェェェェッ!!」
「いやああああああああ!!髪の毛引っ張らないでェェェ!!すいませんでした、マジすいませ」


『古明地 こいし

 危険度:常時変動
 人間有効度:常時変動
 
 備考:普段優しい人が起こるとすっごく怖いんだぞ! by Dr.ドリ○ル』
どうも、かなりおかしなストーリーになってしまいました。
このSSで笑ってもらえれば本望です。


以下おまけ

「むぅ・・・阿求は何処に行ったのだ・・・」
「よぅ、慧音じゃないか。こんな森の入口で何やってんだ?」
「ま・・・魔理沙・・・調度良かった、阿求を知らんか?」
「そんなことより魅魔様を知らないか?歴史に詳しい慧音なら知っているんじゃないかと思ってな」
「魅魔か・・・その名を聞くのは久しぶりだ」
「おお、知ってるのか!」
「いや、未だに消息不明だ。残念だが」
「そうか・・・時間をとらせてスマンかった。阿求は見なかったぜ。」
「ああ・・・そうか・・・力になれなくて悪かったな・・・」
「随分と寂しがっているようだねぇ、魔理沙」
「そ、その声は!!み、魅魔様・・・!!」
「いやー、あの後(怪綺談)、魔界でくつろいでいたら幻想郷と繋ぐ門を閉じられちゃってねぇ、
 第二の悪霊ライフは魔界かよ!
 とか思っていたんだけどいろいろあって帰ってこれたわ」
「うわああああん!!魅魔様ー!魅魔様ー!!」


「感動の再開か・・・フフ・・・私も涙もろくなったもんだ・・・今日はもう家に帰るか」

阿求放置END
次はノーマル以上で相手をあまり怒らせないようにしよう!!
T-7
コメント



1.GUNモドキ削除
あ、阿求ウゥゥゥゥゥ!!
放置ですか、放置なんですか!?
というか、腹黒いな、阿求よ!!