パチュリーは目の前の出来事を受け入れられずにいた。
(何がいけなかったの?魔理沙が図書館に来た時点で本を渡さなかったから?
それともあの時レミィの忠告を無視しなければ魔理沙がこんなことになっているなんて知らずにすんだの?)
そう。それは今から少し前のことだった。
パチュリーは本を数冊持ってフランの部屋の扉を開けようとしていた。
「パチェ、何をしているの?」
「ああ、レミィ。妹様がこの前「今度魔理沙が来たら一緒に本を読むんだぁ」って言ってたから本を持っていこうと思って」
「へえ、フランも本を読むようになったんだ。どんな本?」
「魔理沙がいつも本を読んでいるからじゃない?マンガからだと親しみやすいと思ってこれにしたわ」
マンガで分かる幻想郷の歴史 著 上白沢慧音
「・・・パチェ、これはないんじゃない?」
「そうかしら?他にも持ってきたんだけど」
あの日見た西行妖 作 西行寺幽々子
ルナサのヴァイオリン弾き 作 プリズムリバー三姉妹
ミスティアが歌う頃に 作 ミスティア・ローレライ
赤メイド 作 十六夜咲夜
「・・・と、ところで今来ているの?白黒」
「ええ。さっきまで図書館でお茶を飲んでいたわ」
「ふーん。私もたまにはフランと遊ぼうかしら」
レミリアが扉を開けようと手を伸ばしたその時何かがキュピィーンと頭の中を駆け巡った。
(何この感覚!?開けてはいけない様な?)
「ねぇ、パチェ。魔理沙とフランの二人っきりの時間を邪魔したら駄目だわ。ね、本を持っていくのは今度にしましょう?ね、ね?」
「何を言っているのレミィ?妹様が本を読みたいと言っているんだから持って行かないと」
「分かった。分かったわ。じゃあ交換条件を出しましょう。パチェは前から私の吸血方法を知りたかったわよね?」
「ええ。何でレミィが大量に血をこぼすか知りたいからね」
「じゃあ教えるから本を持っていくのはまた今度にしましょう。それでどう?」
「・・・いいわよ。どうせ妹様も忘れているだろうし」
「そう。交渉成立ね。実は吸血鬼の吸血方法は、お子様がいる所では語れそうにないのよ」
(そんなに詳しく話すのね。首筋をガブってやってチューチュー程度ぐらいの話だと思ったのに)
「夜な夜な幻想郷中を飛び回り獲物を見つけたらまずあたりに他に誰かいないか確かめるの」
「何故?そいつも一緒に襲えばいいじゃない」
「吸血の最中は無防備なのよ。逃げてくれるならまだしも、かかってこられちゃ吸っている場合じゃないわ」
「倒してから吸えば?」
「反応が弱いのはつまらないじゃない。私はそういうのを大事にするの。それで見つけたら、気配を消して背後から近づき・・・・・・」
レミリアはその時を想像しているのか興奮をしている。
パチュリーはその後の行為の説明を聞き逃すまいと神経を集中させていた。
そしてレミリアの口から言葉が吐き出された。
「ケツを吸うのよ!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・は?」
「ケツを吸うのよ!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「ケツを「ロイヤルフレア」ぎゃーーーー!!!」
「全くそんな筈ないじゃない。第一それじゃ血が出ないでしょう。嘘をついたんだからこの約束は無しよレミィ。妹様、失礼します。本をお持ち・・・・・・」
扉を開けた先では魔理沙がフランにケツを吸われていた。
パチュリーの持って来た本読みてえ。
絶対に首筋とか、せめて腕の関節とかの方が太めの血管は近いと思う。
…じゃなくて、本のチョイスがw
最後の文で思いっきり吹いたwwwww
盛大に噴いた