Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

屋台での会話

2008/11/13 02:16:18
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「はあ・・・・・・」
「はあ・・・・・・」
「どうしたの、ため息ついて」
「そっちこそ」
「最近悩み多くってさ」
「あー私も」
「嘘。あんたに悩みなんてあるの?」
「あ、ありまくりよ失礼ね!」
「頭が春な方だと思っていたのに」
「な、なによそれ!あんなにいつも頭が春な巫女と一緒にしないでくれる!」
「だって馬鹿っぽいよ?虫の地位向上なんて」
「死活問題よ!」
「あー、やっぱり悩みってそれ?」
「それもなんだけど・・・・・・・最近ストーカーに遭っていて」
「ノロケ話ならよそ行ってやってよ」
「違うよ!リアルに怖いんだよ!死なない程度にいじめられるんだよ!」
「でたー。ノロケだ」
「違うってば!」
「いいじゃん。食べられちゃいなよ。あの花の妖怪でしょ?」
「絶対嫌」
「少しは食べられる恐怖って奴を味わえばいいと思う」
「食べられるの意味が違う」
「でた。ノロケだ」
「ノロケじゃないって!最近本気で殺されるんじゃないかと」
「あー、それは絶対ない。淋しがりやだってわかっているでしょ」
「まあ・・・・・・確かに別れるときすごく寂しそうな目でこっちを見るから」
「あーはいはい仲良くね」
「それだから余計に困るって言っているの!意外と繊細で邪険に扱えないのよ!」
「もういいよ。砂吐きそう。店主さん、なんか塩辛いもの頂戴」
「あいよ」
コトン
「なにこれ」
「多分ウサギの照り焼きだと思う」
「これで鶏肉だったら許せねえ」
「落ち着きなって。見た目も味もウサギだから」
「ふーん」
「食べてみなよほら」
「・・・・・・」
「おいしいでしょ」
「うん」
「ここってさ、焼き鳥屋だって書いてあるけど、うさぎ料理の方が凝っているよね」
「そうなの?」
「焼き鳥も美味しいんだけど」
「うわ。私の前でそれを言うか」
「そもそもここは焼き鳥屋でしょ。今更何を」
「そうなんだけど」
「そういやなんでここに来るの?」
「敵情視察ってやつよ。それに、常連になったら狙われる心配ないもの。うさぎ料理美味しいし」
「切実だね」
「全くよ」
「悩みってそれ?」
「まあ、主に」
「そーなのかー」
「パクリ?」
「パクリっていうか、口癖が移ったというか」
「・・・・・・」
「ミスチー?」
「最近さ、食べられそうになるんだよね」
「最近っていうかいつもじゃん」
「言うな。悲しくなる」
「それで、食べられるってどういうことよ」
「亡霊とか、頭が春とか、いつものことなんだけど」
「うんうん」
「私が言ってるのは他の人のことで」
「誰?白黒?」
「人間じゃない」
「え、じゃあ一体誰が」
「そーなのかー」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「マジ?」
「大マジなんだけど」
「あんたたち仲いいじゃん」
「端から見れば」
「確かにあいつは食いしん坊だけどさ」
「油断すると噛み付いてくる」
「そんなの見たことないんだけど」
「だって暗闇の中だし」
「あ、そうか」
「このごろあいつが私を見る目が本当に怖くってさ」
「なついているようにしか見えないんだけどな」
「飢えた獣っていうか。いつ食べられるんだか本当に怖くって」
「それは初耳ね」
「こないだなんかいきなり押し倒されたし」
「・・・・・・・」
「身ぐるみ剥がされそうになったし」
「・・・・・・」
「そいでいきなり顔近づけてきて」
「店主さん、焼き鳥頂戴」
「はいよー」
「オイコラ何焼き鳥頼んでんの!?私の前で食う気かよ!」
「塩辛いものが欲しくなって」
「だからって焼き鳥はないだろ焼き鳥は!アンタと友達で居られるのはアンタが私を絶対食べないからだって信じていたのに!」
「焼き鳥ぐらい食べるさ。あー甘くて砂吐きそう」
「あっさり認めやがって!絶交切ってやる!」
「大丈夫よ。ミスチーが食べられそうになったらルーミアが全力で守ってくれるから」
「それって狙われているってことでしょ!」
「色んな意味でね。よかったね。あ、大盛りで」
「よくねーよ!さりげなく大盛り頼むな!」
「はいよー」
「塩味で」
「しかも塩かよ!」
「大丈夫。ルーミアならきっとそのままの味で食べてくれるよ」
「全然うれしくないわ!」
「でも実際たれよりいいんじゃない?」
「それもそう・・・・・・いや私は食べられないから!」
「食べられればいいのに。あ、もしかして最近ルーミアが私に冷たいのってそのせいか?」
「鳥の話を聞け!」
「いいじゃん。いい奴じゃんルーミア。食いしん坊だけど」
「その食いしん坊っていうのが出会ったころから気になっていたのよ!」
「よかったね。出会ったころから気になっていたんだってさ」
「どっち向いて言っているのよ!台詞の一部分だけ強調するな!」
「あのー」
「何」
「何」
「お客さん、本当に焼き鳥出して平気かい?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「じゃあ、お持ち帰り用で」
「はいよ」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「結局食べるのね焼き鳥を」
「だってここ美味しいんだもん。それにしても店主さん優しいね」
「敵だけどね」
「聞こえてる聞こえてる」
「それにしても・・・・・・なんで私はいつも食べられる側なんだろうね」
「鳥だからじゃん?」
「根本的すぎて嫌になる回答だわ」
「しょうがないよ。生まれたときからの運命っていうの。私だって地位向上目指したいわよ」
「それは難しい話ね」
「そんなにきっぱり言わなくても」
「難しいものは難しいものよ。それとも気休めでも言って欲しいの?」
「それもそうだよね。はーあ」
「所詮は1、2面ボスだもの」
「それ言ったら終わりだし」
「最近さ、精神状態がヤバイんだよ」
「どうしたのいきなり」
「どいつもこいつも私を食べようとしている気がしてさ」
「でもルーミアが居れば安心じゃん」
「何か言った?」
「別に」
「でね。本当最近思うんだ。心許せる奴はアンタ以外に居ないんじゃないかって」
「ちょ、いきなり何言っているのよ」
「だって食べそうにないのってアンタだけだし」
「まあ、焼き鳥は食べるけどね」
「だからこうして一緒に飲めるっていうか」
「なんか照れるな」
「アンタは、食べないよね」
「へ?」
「私のこと、食べたりしないよね」
「ああ、うん。食べないでしょ友達だもん」
「・・・・・・」
「あれ?泣いてる?」
「泣いてないわよ。ぐすん」
「こんな時ルーミアが居ればな」
「食べられるわよ。最近ルーミアまで怖いんだもん。1面なのに」
「実はEXだからしょうがない。でも多分ミスチーを物理的に食べたりはしないと思うんだ」
「現に押し倒されたけど?」
「それは別の意味で、って言ってもわからないか。うーん、とにかくルーミアとは少し落ち着いて話してみたら?」
「話している間に食べられるかもしれないじゃん」
「えー、あー、そしたら私も含めて3人でってことで。すっごい微妙だけど」
「付き添ってくれるってこと?」
「まあそういうこと」
「・・・・・・」
「何?どうしたの」
「アンタってさ」
「?」
「いい奴よね」
「はあ。ありがとう」
「時々惚れそうになるわ」
「マジで!?」
「冗談だけど。花の妖怪に殺されるし」
「・・・・・・」
「絶対この会話を口外しないでね。冗談でも消されるわ」
「消されるっていうか、多分私も消される」
「いや、あんたの場合、消される一歩寸前で留まるはずよ。大好きだから、あんたのこと」
「鳥肌が立つわ。鳥じゃないのに」
「いい加減受け止めてあげれば?」
「無理。絶対無理」
「とか何とか言って、本当は放っておけないんでしょ」
「・・・・・・」
「図星ね」
「いや、まあ、なんというか・・・・・・うん」
「いいなあ幸せなやつは。店主さん、もー一杯」
「そっちだって同じようなもんでしょ。気が付いてないだけで」
「イナゴの煮付けも」
「はいよー」
「って今なに注文した。嫌がらせか」
「だって鳥だし。主食虫だし。嫌がらせの意味も込めているけど」
「やっぱり嫌がらせじゃん」
「ノロケ話ばかり聞かされているこっちの身にもなって欲しい」
「私にしてみればそっちこそノロケに聞こえるわ」
「どこがノロケよ。生存の危機が迫っているっていうのに」
「気付かないもんかねえ」
「何か言った?」
「いいや別に」
「・・・・・・」
「そーいや最近、人間食べないの?」
「人間にはトラウマが。つか飽きた」
「鳥目にしてやるんじゃなかったの?」
「だって強いんだもん。食べたいけどこっちが食べられそうになるんだもん」
「妖怪の風上にも置けない奴め」
「それより屋台開いたほうが儲かるし」
「食べられないもんね。屋台開いてりゃ。でも私がいる前でイナゴを食べるのは」
「虫って共食いするでしょ」
「しねーよ」
「あ、おいしいよ」
「目の前で食べないでよ微妙な気持ちになるから」
「食べてみたら?」
「いらない」
「種族違うでしょ」
「私は全ての虫の味方なの」
「でも共食いするって図鑑に」
「少なくとも私は食べないから!」
「店主さん、もう三皿」
「三皿もかよ!」
「これ滅茶苦茶おいしいわ。はまりそう」
「さっきから吐きそうなんだけど」
「やっとわかった?いつも宴会場で鳥鍋をつつく姿を遠目で見ている私の気持ちが」
「十分わかったからこれ以上私の前で食べないで。悲しくなるから」
「一口食べればいいのに」
「その台詞そっくりそのまま返してやるわ」
「私食べたことあるけど」
「うそっ」
「冗談よ」
「あーそうだよねー。いくらなんでもってオイさりげなく私の皿にイナゴをよそるな」
「え?虫って共食いするんじゃ」
「しないってさっきから言っているでしょ!絶対食べないから!」
「おいしいのにー」
「そんなこと言うと焼き鳥食べるわよ」
「それは勘弁だわ」
「ならこのイナゴをどけろ」
「おいしいのに」
「生理的に無理」
「やっぱりアンタもそうなのか」
「そーなのかー」
「やめて。その言葉を聞くと寒気がするわ。生命の危機が」
「単なる勘違いだと思うんだけどね。そしてこれは仕返しよ」
「アンタがそう言うのなら少しは信じてやってもいいけど・・・・・・ってやっぱり仕返しだったか」
「本当にあいつは食べたりしないと思うんだけど」
「でもこの間耳に噛みつかれてさ。もう少しで食べられるかと」
「すいません店主さん焼き鳥一本」
「おいコラ、何頼んでんだ」
「甘いのばっかりだと飽きるでしょ。あー砂吐きたいわ」
「私がいつ甘い話をしたよ」
「む、焼き鳥うまいよ。店主さん酒追加でー」
「美味しそうに喰うな。吐き気がするわ。ちくしょー3皿平らげてやる。店主さんもう一杯!」









「何々、最近屋台が春な話題ばかりで嫌になったって?別によくある話じゃないか。え、何?だから私も・・・・・・って妹紅?なんで私の上に乗っかっているんだ!待て!落ち着け落ち着くんだ妹紅!今日は満月だから手加減してあげられな」
過去作見て、ミスチーは2回ほど食べられそうになっていました。
彼女の心の叫びを形にしてみました。







でも本当に書きたかったのはけねもこだったんじゃないかという罠
sirokuma
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
3人ともお幸せに。
2.名前が無い程度の能力削除
満月なのにへたれとは珍しい
3.名前が無い程度の能力削除
なんかノリが銀魂っぽかった
面白かったっす。
4.名前が無い程度の能力削除
この「やってられねー」って雰囲気がもう最高。
平和だw(兎をのぞいて)。
5.名前を表示しない程度の能力削除
季節はまだ秋なのに「春ですよ~」の台詞が脳内再生された。
しかしみすちーは食事的でなく○的な意味でルーミアに狙われてるのね……。
6.名前が無い程度の能力削除
すっげーだるそうなふいんきがツボにはまりましたw
7.名前が無い程度の能力削除
屋台の主人のもこたんがすっげーいい気の使い方してますね
しかし、途中からそれがアホらしくなって、イナゴや焼き鳥をスパスパ出してくのは
なんというか、本当に妹紅らしいwww
ていうか、ラストと後書きのせいでこれ妹紅SSになってませんか?www
8.名前が無い程度の能力削除
ゆったりしているのに全然飽きない素晴らしい作品ですねw
9.名前が無い程度の能力削除
このダラっとした空気がたまらねぇ

GJである。実にGJである!