玄関を開けて、早苗が入ってくる。
「お帰り。あ、どうした」
早苗は真っ赤に腫れた目で諏訪子をちらり、と見ると赤いランドセルを畳の上に放り投げて部屋に駆け込んだ。
「あ、おい。あれ、どうしたんだい?」
赤いセーターを着てコタツに足を突っ込んだ神奈子は「知らん」と言ったきりカップラーメンを啜る。
「ふうん。この二枚舌」
「知らんて言ったら知らん。私、何かしたかね」
本当に無神経な奴だ。
諏訪子は憤慨する。
「大体、今そんなの食って夕飯食えるのか?」
「食えるよ」
諏訪子は、ふん、と鼻息荒く立ち上がった。
「おうい、さ・な・え」
諏訪子は早苗の部屋の襖を叩く。
「開けてくれよう。そこはストーブ無くて寒いだろ」
中から、鼻をすする音が聞こえる。
「入っていいかい」
「諏訪子様だけ?」
「うん」
返事が無かったので、諏訪子は襖を静かに開ける。
早苗は押し入れの布団が重ねてある隙間から、泣きはらした顔を出した。
「どうした。話してみろ」
「神奈子様が」
諏訪子は口元を歪めた。
「やっぱりな、今度は何言われたんだ?」
「神奈子様が、ペンギンが」
「ペンギン?」
早苗は布団から這い出して諏訪子の膝に頭を埋め、擦り付ける。
諏訪子が早苗を抱え上げると、今度はその肩に顔を埋めた。
まだ涙があふれ出してくるらしく諏訪子の肩が濡れた。
「前、神奈子様がペンギンは「ペンペン」って鳴くって言ったから、友達に教えてあげたら早苗は馬鹿だって」
諏訪子は早苗を抱きしめた。
「そうかそうか。「ペンペン」とは鳴かないよなあ。酷いやつだ」
「「ペンペン」って鳴かないって」
「そうだなあ。「ペンペン」はないよなあ、神奈子はどうしようもないなあ」
諏訪子は早苗を抱えたまま、立ち上がる。
「ホットケーキを焼いてやる。食べよう」
「食べる」
諏訪子は早苗を片膝に乗せて、片手で襖を閉めた。
「もう神奈子の言うことなんか聞くな。私がぶん殴っておく」
「うん。強くぶん殴ってね」
「ああ、いいとも。あいつは今、カップラーメンを食ってる。後ろから突き飛ばしてやれ」
早苗は廊下に下りると、勢いよく居間へ走っていく。
「あっ、ちょっと待て」
「え」
諏訪子は早苗の耳元に囁いた。
「ここだけの話しだがな。ネコってのは20才になると卵を産む」
「う、うそ」
「本当だ。誰にも言うなよ、内緒だぞ。さあ、カップ麺をぶちまけてやれ」
「うん」
諏訪子は小さくなる早苗の背中を見送ると、爽やかな心地で洗濯物に取りかかった。
空は雲一つ無くどこまでも青かった。
「お帰り。あ、どうした」
早苗は真っ赤に腫れた目で諏訪子をちらり、と見ると赤いランドセルを畳の上に放り投げて部屋に駆け込んだ。
「あ、おい。あれ、どうしたんだい?」
赤いセーターを着てコタツに足を突っ込んだ神奈子は「知らん」と言ったきりカップラーメンを啜る。
「ふうん。この二枚舌」
「知らんて言ったら知らん。私、何かしたかね」
本当に無神経な奴だ。
諏訪子は憤慨する。
「大体、今そんなの食って夕飯食えるのか?」
「食えるよ」
諏訪子は、ふん、と鼻息荒く立ち上がった。
「おうい、さ・な・え」
諏訪子は早苗の部屋の襖を叩く。
「開けてくれよう。そこはストーブ無くて寒いだろ」
中から、鼻をすする音が聞こえる。
「入っていいかい」
「諏訪子様だけ?」
「うん」
返事が無かったので、諏訪子は襖を静かに開ける。
早苗は押し入れの布団が重ねてある隙間から、泣きはらした顔を出した。
「どうした。話してみろ」
「神奈子様が」
諏訪子は口元を歪めた。
「やっぱりな、今度は何言われたんだ?」
「神奈子様が、ペンギンが」
「ペンギン?」
早苗は布団から這い出して諏訪子の膝に頭を埋め、擦り付ける。
諏訪子が早苗を抱え上げると、今度はその肩に顔を埋めた。
まだ涙があふれ出してくるらしく諏訪子の肩が濡れた。
「前、神奈子様がペンギンは「ペンペン」って鳴くって言ったから、友達に教えてあげたら早苗は馬鹿だって」
諏訪子は早苗を抱きしめた。
「そうかそうか。「ペンペン」とは鳴かないよなあ。酷いやつだ」
「「ペンペン」って鳴かないって」
「そうだなあ。「ペンペン」はないよなあ、神奈子はどうしようもないなあ」
諏訪子は早苗を抱えたまま、立ち上がる。
「ホットケーキを焼いてやる。食べよう」
「食べる」
諏訪子は早苗を片膝に乗せて、片手で襖を閉めた。
「もう神奈子の言うことなんか聞くな。私がぶん殴っておく」
「うん。強くぶん殴ってね」
「ああ、いいとも。あいつは今、カップラーメンを食ってる。後ろから突き飛ばしてやれ」
早苗は廊下に下りると、勢いよく居間へ走っていく。
「あっ、ちょっと待て」
「え」
諏訪子は早苗の耳元に囁いた。
「ここだけの話しだがな。ネコってのは20才になると卵を産む」
「う、うそ」
「本当だ。誰にも言うなよ、内緒だぞ。さあ、カップ麺をぶちまけてやれ」
「うん」
諏訪子は小さくなる早苗の背中を見送ると、爽やかな心地で洗濯物に取りかかった。
空は雲一つ無くどこまでも青かった。
作品全体が可愛かったです。
諏訪子さまって大人なようで子どものような
実体験かいwwwww
素直な早苗がかわいそう過ぎるww
楽しかったw
普通に信じてたの思い出した
そうだよなぁ許せんよなぁ
今になってようやっと食せる事が出来る様になったのですが味が分かりません。
そんな私のキャラソート不動の1位はにとりん。
ごめんねにとりん。
ちょいと逸れましたがとてもほのぼのギャグで良い感じです。
でも神奈子様の食べかけのカップ麺はいただk(ry
絶対マロニーちゃんと間違えたんだ…
yuz氏のSSは切れ味がありますねw
ちなみに上の人のスイカの種が臍から芽が出るってのはスイカの種は消化に悪くて腹痛の原因になるから食べさせないように作ったお話だよ。
いたいけな子供に誤った知識を教えるなんと卑劣な神かと思ったが
実際、そんな小さくて素直な早苗さんがいたら・・・!!!
俺には何も、何もいえないッ!!!
でも数年後にまじで鯛並にでかくなったころには、もう嘘だって気がついてたなあ。
コーラってコーラの木から出来るらしいよ
ガキの頃、それを本当に信じてクラス中から笑い者にされたなぁ……
誰だ小学校低学年の頃の自分にこんなことを教えた奴は。
しかし諏訪子も神奈子も何やってんだww
「○○に食べて貰えるのが嬉しくて踊ってるんだよ」とか言われたなぁ
なんで態々子供に間違った事教えるんでしょうね
と、あえて言ってみる
ナイスだじっちゃんww
と、言って
いは毛無き俺を、母の友人は騙した。
なぜだろう…。