Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

恋人の祟り神(中編)

2008/11/09 13:32:31
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(ちゅんちゅん…)
「……ん~…」
 鳥の鳴き声に眠っていた意識が少し目覚める
(あ~…眠たい…もう少し寝るとするかい…)
 もう一度、目を瞑って意識を消そうとする
(そうだ…せっかく柔らかい布団で寝てるんだ、もうちょっとぐらい…)
 魅魔の意識が落ちようとし時、違和感に気がつく
(…まて?何で私は布団で寝ている?)
 幽体なのだから、肉体的に疲れるという事は殆どないため
 ただ、目を瞑るという行為をしてはきたが 
 今、自分が居る場所は暖かい布団の中
 
 もう一度夢の世界に向かおうとしていた意識が
 少しずつ少しずつ現実世界へと戻ってきた
(え~と…確か昨日の…)
 そして、自分が昨日何をしたのか断片的に思い出してきた
「魔力が少し回復して…嬉しかったから飲んで…」
 自分が今まで出ることができなかった神社で
 霖之助が持って来たビンの中身を飲み干して…
「…あっ!」
 だんだんと魅魔の顔が青冷めてくる


「しまった…今は肉体があるから十分酔えるんだった」
 酔っている最中の事も思いでてきて
 思わず額に手を当てる
(うぁ~…私は何恥ずかしい事を言ってたんだい)
 思わず眠っていた枕に顔を突っ伏す魅魔
 だが、それでも記憶を思い出していき
 唐突にガバッと起き上がると、辺りを見渡した



 辺りに脱ぎ散らかった自分の服




 
 そして、大急ぎで今の自分を見ると
「うぁ…パジャマ姿じゃないか」
 魔法で着替えたパジャマ姿
 自分の失態に顔を赤く染めた
(あ~…これじゃあ祟り神としての威厳が台無しじゃないか~)
 酔っ払った挙句に、背中でいびきかいて寝て
 その上弱音をはいて、しかも人の目の前で着替えまでする
 そこには、神としての威厳は全く無かった
 
 もとより、神様と呼ばれる人に威厳があったためしは無いが
 
「…まあ、やっちまったことは仕方がないね」
 だが、伊達に博麗神社に長く居たわけではない
 そこは長年生きてきた経験で堂々とする事にする
(さて、ならば私がやるべき事は…)
 目が覚めた魅魔が威厳を回復するために行動を開始した









(ちゅんちゅん…ちちちちちっ)
「…ん……」
 朝日もかなり昇ってきた頃
 霖之助の意識が少しだけ夢の世界から戻ってきた
(…ああ…朝か……)
 だが、夢の世界の誘惑は強靭な物であり
(駄目だ…もうちょっとだけ寝よう)
 再び意識を手放そうとした
 そして、深遠の夢の中に落ちようとした時


「ほらほら、そろそろ起きな!」
 唐突に誰かに揺り起こされた
(ぐぅ…だがまだ眠い)
 だがそう簡単には霖之助も起きようとはしない
「…仕方ないね」
(よし、誰か知らないが諦めてくれたか)
 霖之助の意識がもう一度夢の世界に向かおうとしたとき


「…起きろ(ふぅ~♪)」
「mdwjkろfld!!?」
 耳に吐息を吹きかけられた事によって目を覚まさせられました

「…起きたかい?」
「…ああ、とんでもなく心臓に悪い目の覚まし方だったよ」
 夢の世界へ続く道を断ち切られて
 霖之助が目を覚ますと、傍に置いてあったメガネをかける
 そして、起した人物の方を向いて一言告げた
「メイド服!?」
 目の前に居たのは、ロングスカートのメイド服を着た
 祟り神の姿でありその姿に殆ど違和感を感じなかった
「ああ、着れる服が無かったから少し借りてるよ」
 魅魔がそう言うと、ふてぶてしく胸を張った
「ちょいと胸の方がきついけどその辺は気にしないさ」
「いやいや!それよりも何でメイド服!?」
 驚く霖之助の言葉に、魅魔が腕を組んで答える
「何故って、メイド服って言うのは機能的に
 色々な作業に向いている服装だからだよ」
 当然と言った感じでそう言うと
「ほらほら、それよりも起きたのなら顔を洗う!
 朝御飯ができてるから顔を洗ったら台所にきな」
「あ、ああ」
 まくし立てられるように、霖之助は顔を洗いに向かった 


「お、おお…」
 顔を洗った霖之助が台所で見た光景は
 久しぶりに見た、立派な朝食であった
 御飯と味噌汁にほうれん草と卵とベーコンを炒った物であった
「椅子に座ってな、今茶碗に御飯を盛るから」
 魅魔がメイド服の上にエプロンを着て
 お茶碗に御飯と味噌汁を二人分よそうと
 テーブルの上に並べると、両手を合わせた
「「頂きます」」

 

「……」
「どうしたんだい?さっきから黙っちまって」
 食事を食べてから、霖之助が黙り込んでいた
「いや、料理が美味しくて驚いていた」
 
 魅魔の料理の腕はかなりの物であった
 御飯はお米が一粒一粒立っていて
 卵とほうれん草とベーコンの炒め物も美味しかったが
 何よりも、赤出汁のお味噌汁が絶品だった
 
「そういってもらえると嬉しいね」
 その言葉に魅魔が喜びながら食器を片付け始める
「料理をするのはずいぶん久しぶりだったけどね…」
 食器を洗いながら、魅魔が懐かしそうに話を続ける
「昔は魔理沙に作ってやっていたんだよ…」
 その言葉を聞いて、料理が美味しかった事に納得がいった

「赤出汁の味噌汁が気に入ってくれていたんだけどね」
 魅魔の言葉に霖之助が反応した
「いや、今は白味噌が好きだと言っていたんだが…」
「あ~…私が赤出汁の味噌汁作りすぎたせいかな…」
 魅魔が少し悲しそうな顔になる
 それに対して、霖之助が首を横に振った
「いや、どうも君を思い出してしまうかららしい」
 甘える事はできない、故に師匠である魅魔を思いだす赤出汁の味噌汁は
 魔理沙は嫌いになったと霖之助は聞いていたのだ
「ははっ…まだまだ魔理沙も甘いみたいだね」
 魅魔は自分の弟子がまだ自分の事を
 覚えてくれていた事を心の底から喜んだ


「さあ、これからの事の話し合いをするよ」
 魅魔が食器を片付けると椅子に座っていた霖之助に声をかけた 
「よし、わかった」
 霖之助もそれに頷くと、魅魔と二人で向かい合う
「当面の目標は私の魔力を回復させる事なんだけど
 その方法として月の光を浴びるがあるけど
 それじゃあ時間がかかりすぎるから駄目だ」

 現にその方法で何とか今まで足りない魔力を
 少しだけとはいえ補ってきたのだ
 だが、幻想郷に帰るために必要な力はその程度じゃ足りない

「だから魔力を回復させる薬を作ろうと思うんだけど
 そのためにこのお店の中にある物を使わせてもらうよ」
 魅魔の提案に霖之助が少し考え込む
「因みに、あのビン詰めで言うとどの位魔力が回復する必要があるんだい?」
「そうだね…あのビンがお酒になる前なら10本」
 それがどれだけの量の魔力を持っているかは
 霖之助にも良くわかった
「…すまないねぇ…支払いは幻想郷に行ってから」
 魅魔が言い辛そうに霖之助に伝える
 幻想郷には、まともに支払いをしてくれる人自身が珍しいのだ
「無茶な物でなければお金は要らないから、幻想郷に帰る事が大切だからね」
「そう言ってもらえるとありがたい」
 霖之助の言葉に、魅魔がホッとした表情を見せた 
 
「それと、次にすることはここでの生活だ」 
 魔力を回復させる薬を作るにしても
 しばらく時間がかかるかもしれない
 それまでの間、無事に生活をできるだけの
 環境を整えることが必要であった

「…それにしても、台所に殆ど食べ物が無かったじゃないか」
「ああ、最近は食事をするもの面倒で『お湯を入れて3分でできる』
 と言うありがたいものばかり食べていたからね」
「きちんと野菜も食べないと身体に悪いじゃないか!」
「まあ、半分妖怪だからそこまで気にしなくても…」
 霖之助が悪びれも無くそう答えた
 その言葉に魅魔がしばらく抱えるが
「…決めたよ、明日から私が料理を作る」
 その目に覚悟を籠めてそう宣言した  
「いや、そこまでしてもらわなくても…」
「後、お店の片付け、道具の整理整頓…」
 霖之助が何か言おうとしたが
 妙な責任感に駆られた魅魔を止める事はできなかった  
「なにか反論はあるかい?」
「…何もない…」
 結局、部屋の掃除や料理、洗濯やその他諸々
 全て魅魔がやる事を霖之助は認めざるおえなかった

「さて、次はお店の案内をしてもらおうか」
「わかった、ついてきてくれ」
 役割を(強制的に)決めた魅魔が次に決めた事は
 お店の中の案内であった

「まず、ここがお店の中だが…」
 霖之助が始めにお店の前に魅魔をつれてきた
 お店の中は、所狭しと色々な物が置いてある
 それを見た魅魔が一言告げた
「あ~もう、こんなごちゃごちゃに置いてたら
 何処に何があるか分からないじゃないかい!
 後で、棚の上の整理整頓と置いてある物の選別をするよ」
 乱雑に置いてある物を見て我慢ができなかったのだろう
 腕まくりをして、片づけをするやる気を見せていた 

「さ、さて次の場所は…」
 大急ぎで霖之助が次に向かうべき場所に魅魔を連れて行く
 台所やお風呂、香霖堂の中を全て魅魔に見せていく

「ここが最後になる部屋の倉庫だ」
「へぇ……」
 魅魔が部屋の中を覗いて驚く
「…この倉庫にある物は魔術に関係する物ばかりだ」
 そこには魅魔が幻想郷に居た頃でも
 なかなか手に入らない物もそこにはあった
「ベラドンナ…ロータス…それにマンドラゴラまで…」
「魔力を回復させる物が出来そうかい?」
 魅魔の目が嬉しそうに光る
「まだなんとも言えないけど、魔力を回復させる物ができそうだよ」
 口ではそう言っているが、魅魔は
 倉庫の中にある物を色々興味深そうに見ていた
「え~と…とりあえずこれでお店の案内は終わりだな」
「わかったわかった…」
 目の前にあるマジックアイテムの数々を見て
 それからどうやって魔力を回復する薬を作るか
 それを考えている魅魔には、霖之助の言葉は耳に入ってなかった

(…やれやれ…こういうところは魔理沙と同じなんだな)
 何か一つの事に夢中になると他の事になると
 周りの事は気にならない自分の妹分とその姿かぶって
 思わず霖之助の口元がにやけた
(とりあえず、これで大掃除にならずに済みそうだ)

 霖之助は、そのまま魅魔を倉庫に残して
 お店の中に戻って行った






 結局その日一日の間魅魔は倉庫の中に篭っていた
「…さて、お店を閉めるとするかな」
 そして、霖之助はお店の中で店番をしていた
 今日は珍しく数人のお客が来て居たが
「…むぅ…売れたのは謎のゴーレムだけか」
 初回版と書かれていた足の無いゴーレムの
 ミニチュアが売れただけであった
(まあ、それでも十分なんだがな)
 霖之助がそう思いながら、お店の外に人目に着きにくくなる
 マジックアイテムを出そうとしていた

「いや~参った参った、何があるのか調べていたら
 こんなに時間がかかっちまったよ」
 そんな時、倉庫の中から魅魔が笑いながら出てきた
「やあ、何かメドはついたかい?」
「ああ、ちょいと時間はかかるが何とかなると思うよ」
 霖之助の言葉に、魅魔がそう返すと
 お店に置いてある椅子の上に座り霖之助の手に持った物を指差した
「…で?お前さんが持っているマジックアイテムはなんだい?」
「ん?これかい?これは人目につきにくくする…」
 霖之助が効果を説明しようとしたら
 魅魔は首を横に振った
「いや、効果を聞いてるんじゃないよ、なんでそんな物を
 お店の外に出すのかと聞いてるんだよ…客が来なくなるよ?」
「ああ、実は理由があってね…」  

 霖之助がマジックアイテムを外に置く理由と
 こっちの世界にある面倒な常識の事を説明し始める
「…というわけでね、おおっぴらにお店を開く事が難しいんだ」
「なるほどねぇ…よし、ちょっとまってな」
 霖之助の説明を聞いてから魅魔が頷く
「いや…ちょっと待ってろといわれても…何をするんだい?」
「そんなもんに頼らなくてもいい方法がある」
 魅魔がそう言ってから、何処からか杖を取り出してお店の外にでる 
 霖之助も何事かをお店の外に出ると
 魅魔が目を瞑ってなにやら力を籠め始める
 そして、それに呼応するように辺りになにやら力が張り始める
「…よし」
 魅魔がそう呟くと、再びお店の中に戻り
 お店の中央の辺りに向かって進むと、地面の床を触り始めた
「この辺りだね」
「何をするんだい?」
 霖之助が嫌な予感がしたので声をかけると 
「こうするんだよ!」
(カツン!) 
 地面に向かって杖を思いっきり突き刺した
「な、なにをするんだ!?」
 霖之助が魅魔に抗議をしようとしたら
 魅魔が無言で手を突き出して霖之助の動きを止めると
 杖を地面に突き刺したまま詠唱を始める
 そして、その詠唱が止まると

「これでよし…」
 魅魔が地面に突き刺した杖を引き抜いた  
「な、なにをしたんだ?」
 霖之助が改めて魅魔に何をしたのか問いかけると
 魅魔が再び椅子の上に座りながら話を始めた

「な~に、ただこのお店の周囲に簡易の結界をかけただけさ」
「結界?」
 霖之助の言葉に目を瞑って頷く魅魔
「ああ…このお店の周辺に来た人に『このお店が昔からある』
 って無意識に思わせるようにする結界をね」
 魅魔がそう言いながら台所に移動をし始める
「昔からあると思えば、誰も怪しむ事は無くなるし
 お客も普通にやってくるはずだよ」
「なるほど…」
 魅魔の考えは確かに理にかなっていた
 周りから怪しまれる事が無ければ
 お店の事を詮索する者は居なくなるし
 普通にお店にやってくるようになる
「明日から、いつも以上にお店にお客が来るようになるよ?」
「まあ、期待しないで待つことにしようか」
 霖之助があまり期待しないでそう言って笑った 
 その日は特に何も無いまま終った




 そして次の日… 
「…まいったな…こんなに人が来るなんて」
 魅魔の言ったとおり、その次の日から
 香霖堂にやってくるお客の数が段違いに増えた
 あまりの忙しさに魅魔までお店に出ることになったのだ
「これでツケの分は少しは返せたかい?」
 魅魔が口元をにやりとさせて霖之助を見る
 その表情を見て霖之助は苦笑しながら首を縦に振る以外できなかった
(やれやれ…流石は魔理沙の師匠、油断できないな)
 エプロンをつけて鼻歌を歌いながらお店の中を整理し始める
 祟り神を見ながら霖之助はため息をついた
 だが、楽しいと思う気持ちもまた事実であった
  



 
 夕方頃になり、お店を早く閉めた霖之助は魅魔と一緒に表を歩いていた 
 理由は単純で、夕飯の買出しである 
 霖之助一人だけならカップ麺を買ってきて終わりだったが
『あんなのは食事とは認めない!』
 と魅魔が激怒した為に、買い物をする事になったのだ

「此処が商店街だ大抵の物は此処で買えるはず…」
「よし、ちょっと行ってくるよ」
 霖之助が魅魔を近くの商店街につれて行くと
 魅魔が霖之助の財布からある程度のお金を貰って
 商店街の中に飛び込んでいこうとする
「ま、まて!あの中に向かうのかい!?」
 霖之助がそれを止めようとしたが
 魅魔は不敵に笑みを浮かべると
「あのぐらいの戦場を生き抜いて来れないと、幻想郷ではやっていけないよ」
 そう霖之助に声をかけてから単身戦場に向かっていった
 

 それは、男達では到底生き残れない過酷な戦場
 少しでも安くて良い物を得る為に激しい奪い合いが始まる
(今からタイムサービス入ります!特売ステーキ200円から!)
 その掛け声と共に、激しいバトルが繰り広げられた
「特売セール…これほどまでに恐ろしい所には僕はいけないな…」
 その激しい戦いを、霖之助はただ外から眺めている事しか出来なかった
 
 そして数十分後
「よ、よし…これで目的物は手に入れたよ」
「お疲れ様」
 眩しい笑顔で戦利品を抱える魅魔の姿が見られた
 手にあるのは大量の食材、その全てが
 普通に買うよりもはるかに安価に手に入れてあった
「そうそう、余った分のお金…」
「ああ、浮いた分は君が好きに使うといいさ」
 魅魔が買い物の残りのお金を取り出そうとするが霖之助が止めた
 元より、霖之助は余ったお金は魅魔に渡すつもりだった
 その言葉に魅魔が少しだけ嬉しそうに伝えた
「そうかい…ならありがたく貰っておく事にするよ」  
 魅魔が懐に貰ったお金を入れると
「ところで、女性に重たい荷物を持たせるきかい?」
「…わかった半分持つよ」
 そして手に持っていた荷物を半分霖之助に手渡して
 二人で一緒にお店に向かって歩き始めた


「ところで、魔力を回復させることはできそうかい?」
 夕日の中を歩きながら霖之助が
 魅魔に魔力を回復させる薬の事を話しかけた
「ああ、時間は少しかかるけれど作る算段はついたよ」
 霖之助の言葉を聞いた魅魔が首を縦にふった
「そういえば、どうやって君はこっちの世界に来たんだ?」
「…そうだね…」
 ふと疑問に思った事を霖之助は魅魔に聞いてみた
 その質問に、魅魔は少しだけ沈んだ顔になると小さく呟いた
「…一つ大魔法を使ったせいとだけ言わせて貰おうか」
「大魔法?」
「ああ、どんなものかは言えないけどさ…使って後悔はしてないよ」 
 魅魔が自信を持ってそう答える
 それに対して霖之助は
「そうか…」
 と聞くだけで精一杯であった  
 会話が途切れ、二人が静かにお店の傍まで歩く
 そんな時、魅魔がなにか思い出したかのように足を止めると
 霖之助に向かって声をかけた
「…それだね…もう一つ言えることがある」
「なんだい?」
 霖之助が足を止めた魅魔の方を向くと
 魅魔が心底楽しそうな顔で霖之助の額を指で突付くと
「お前さんとのこんな生活も…なかなか悪くないって事だよ」 
 そう言ってから、お店に向かって走り出した
 思わぬ言葉に霖之助が呆然としていたが
「…なるほど…確かに、こんな生活も悪くないかもね…」 
 そう呟いてから、魅魔の後ろを追う様に荷物を持って
 お店に向かってゆっくりと歩き始めた






 





「ごほごほっ…」
「おや?風邪かい?」
 晩御飯が終って霖之助が椅子に座っていたら
 唐突に咳が出てきた  
 食器を洗っていた魅魔が霖之助に声をかける
「いや…そういうわけでは…」
 半人半妖である霖之助はそう簡単には風邪をひかない
「そういえば、お前さんは何の妖怪なんだい?」 
「なんだろうね…僕自身も良く分からない」
 魅魔が呆れたように霖之助を見る
「なんだい自分の事もわからないのかい?」 
「僕は半分人間で半分妖怪だからね、別に知らなくても
 幻想郷で生きていく事はできたしね」
 霖之助の言葉を聞いて魅魔がなにやら真剣な顔で考え込む
「…妖怪なら…いや、半分人間ならそれで…」
 なにやらぶつぶつと魅魔が呟き始めるが
「ごほごほっ」
「…本格的な風邪をひかれると大変だからお風呂沸かすよ」
「待った、お風呂は使えない」
 魅魔が急いでお風呂の準備をしようとしたが霖之助がそれを止めた
「なんでだい?」
「水とお湯を沸かす火を準備する事が出来ないんだ」
 
 幻想郷に居た頃は、その辺は何とかできたが
 こちらの世界ではその辺に水が流れている所は無い
 その上、火をつける薪を手に入れるところが少ないため
「何時もはどうしてるんだい?」
「少し遠いが公衆浴場を使用しているよ」
 しばらく歩いた所で見つけた公衆浴場に入りに行っているのだ  
 いつもなら、それでいいのだが
「湯冷めしちまうじゃないか」
「まあ、仕方が無いと思っているよ」
 今日は湯冷めするとちょっと困る 
 風邪のひき始めにお風呂にはいるのは良いが
 湯冷めされると、逆に風邪をひきやすくなる
「…よし!少し待ってな今お風呂を入れてくるから」
「いや、だから…」
「まあまあ、良い方法があるんだ」
 魅魔がそう言うと、お風呂場に向かっていった
 そして、数分して出てきた

「お風呂が沸いたからすぐに入りな」
「まさか?」
 霖之助が驚きながらもお風呂場に向かう
 そして、浴場を見るとどうやったのか
 風呂の中にお湯が十分に張っていた
「…どうやったんだい?」
 驚く霖之助に魅魔が簡単に答えた
「簡単さ水の魔法を放ってから、片手を
 水の中に突っ込んで火の魔法を使った」
 魔法使いなら考えられるとんでもなく強引な
 お風呂の沸かし方であった
「さあ、冷めちまうといけないからすぐに入っちまいな」
「ありがたくそうさせてもらうよ」
 せっかく入れてくれたお風呂なので
 霖之助は遠慮せずにお風呂はいる事にした



(ふぅ…)
 久しぶりに一人で入るお風呂はのんびりできた
(…だが風邪をひくなんてな…)
 幻想郷に居た頃でも、風邪をひく事は殆ど無かった
 そして、風邪をひいても一日眠っていたら治っていた
(この前から咳込んでいるが…)
 だがこの咳は一週間ほど前から出ていた
 辛くは無いのだが、少し心配だった
(…まあ、特に問題は無いからいいかな?)
 そのように考えてからお風呂場からあがることにした


「ふう、良いお風呂だったよ」
「そうかい、それじゃあ次は私が入るよ」
 霖之助がお風呂から上がって、寝間着に着替えてから
 次は魅魔がお風呂に入っていった
 
(ちょっと喉が渇いたな…)
 お風呂上りで少し喉が乾いたので、水を飲もうとしたが
(そうだな、少し表で飲み物を買ってくるか)
 お風呂上りに丁度良い飲み物を買ってくる事にした 
「少し表に出てくるよ?」
 お風呂場に向かった魅魔にそう声をかけると霖之助は表に出た



 

「こんな夜中でもお店が空いているのは、ありがたい事だな」
 近くにある24時間開いているお店から
 冷えた飲み物を買った霖之助がお店に戻る
「ただいま…!?」
「やあ、思っていたより早かったじゃないか」
 霖之助が香霖堂の中に冷えた飲み物を持って入ると
 そこにはバスタオル一枚を身体に巻いて
 髪をおろした祟り神が椅子に座っていた
「な、なんて格好してるんだ!?」
「ああ、今上がったばかりだからね」
 緑の長い髪をおろし、お風呂上りで蒸気した肌
 そして、大きめのバスタオルだけでは隠しきれない豊満な身体は
 霊夢や魔理沙等では出せない大人の色香が出ていた


「おや?良い物をもってるじゃないか」
 目のやり場に困っている霖之助を他所に
 魅魔が霖之助の持っている物を目ざとく見付ける 
「あ、ああ…冷たい飲み物を買ってきたんだ」  
 自分が緊張しているのをごまかす為に
 表で買ってきた冷たい飲み物を取り出すと
 テーブルの上に取り出すと
「僕はこれを貰うよ」
 真っ先にその中の一つを手にとった
 そして、足を肩幅に開き腰に手を当てぐっと飲みほした
 
 俗に言う『お風呂上りの一気飲み』の体勢である

「面白い飲み方をするねぇ」
「ああ、お風呂上りにこの飲み方をすると良いってこの缶に書いてある」
 霖之助がそう言うと持っていた缶を見せてから
 もう一本あるその飲み物を手渡した
「そうかい、じゃあ私も」
 手渡された缶を開けると
 足を肩幅に開いて腰に手を当てぐっと飲みほす
「なるほど、気に入ったよこの飲み方」 
「それは良かった…もう一本飲むかい?」
 霖之助の言葉に魅魔が頷くともう一本飲み物を受け取る
「これは牛乳かい?」
「いや、フルーツ牛乳って甘い飲み物らしい」
 甘いものと聞いて、魅魔が少し嬉しそうにする
 たとえ悪霊や神であっても女性であるが故に
 甘い物は嬉しいものである
「じゃあ早速」
 先ほどと同じ姿勢で肩幅を開いて腰に手を当てると
 フルーツ牛乳を飲み干すために顔を少し横にして飲もうとした

 そこまでは良かった…
 元々、バスタオルだけでは魅魔の豊満な体を隠すのは
 かなり無理があったのだ
 そんな状態なのに、無理がかかる体勢をしてしまったせいで

(はらり)
「ぶっ!?」
「…ん?」

 バスタオルが魅魔の体から落ちた  
 つまり今の魅魔は仁王立ちで素っ裸
「きっ…」
 思わぬ事態に霖之助が一瞬硬直したが
「きゃあああああああ!?」
 それよりも先に香霖堂に魅魔の悲鳴が響くと同時に
(ごきっ!)
 人の顔に全力のエルボーが決まったような音が響くと同時に静かになった







「……はっ?」
 霖之助が目を覚ますとそこは自分のベッドの上だった
「や、やあ…目が覚めたみたいだね」
「魅魔?…いっ…」
 すぐ傍から聞こえて来た魅魔の方を向こうとしたら
 霖之助の首に激痛が走った
「く、首が…」
「ああ、無理するんじゃないよ」
 魅魔が冷やしたタオルを霖之助の首に当てる
「え~と…確か冷たい飲み物を買ってきて…いたた」
 霖之助が何があったのかを思い出そうとするが
 思い出そうとすると、首筋に激痛が走る 
「た、倒れたのさお前さんは…」
 魅魔が少し慌てながら、霖之助にそう伝えた
「…そうなのか?」
「あ、ああ…全く風邪のひきはじめなのに、外に出るからだよ」
 そう言われて納得した
 霖之助は冷たい飲み物を買ってきて
 お店に帰ってきた後で倒れたのだと魅魔から聞いた
「そうか…すまなかった、わざわざベッドまで運んで来てくれて」
「あ~…き、気にしないでいいよ…ははっ」
 なにやら、魅魔の顔が赤いような気がしたが
 霖之助は気にしない事にした
「と、とりあえず…今日はもう眠りな、風邪が悪化するといけないからね」
「確かにそうだ…もう休ませてもらう事にするよ」
 自分が良く分からない所に来て一番恐ろしい事は、病気にかかる事である
 霖之助が行商をしていた時に学んだ事の一つであった 
(ああ、そうだな…魅魔には感謝しなきゃいけないな)
 もし、魅魔が居なかったらその場で倒れっぱなしだったかもしれない
 そう思った霖之助が、魅魔の方を向く
「…どうしたんだい?」
 自分の向かれた魅魔が不思議そうする
 そんな魅魔に対して霖之助はお礼を告げる事にした

「ありがとう…君が居てくれてよかった」
「!?」
 思ってもいないお礼の言葉に魅魔が言葉に一瞬詰まるが
「ば、馬鹿な事言わないでさっさと眠りな!」
 そう言って霖之助の居る部屋から出て行った

「…むぅ…お礼を言ったのになんで怒るんだ?」
 部屋から出て行った魅魔が
 なんで怒っていたのか分からないまま
 ベッドの上で眠るために目を瞑った 
 そして、夢の中に入る寸前に思った事は
(しかし…僕は一体どんな倒れ方したんだ?)
 どんな倒れ方したらこんな首が痛むのだろう?という事だった











「…まったく…いきなり何を言うかと思えば…」
 部屋から出た魅魔が珍しく冷静さに欠けながら
 倉庫に向かって歩いていた
「なにが『ありがとう』だよ…悪いのはこっちじゃないか」
 
 思わぬハプニングで悲鳴と共に放ったのは渾身のエルボー
 それが綺麗に霖之助の顎を揺らしたおかげで
 霖之助は前のめりに気絶したのだ 
 その後、魅魔は大急ぎで服を着てから霖之助をベッドに運んだのだ

(…何が『君が居てくれて良かった』だよ…)
 倉庫の中にたどり着いた魅魔は
 勝手に倉庫の中に改造した自分の工房にたどり着く 
 魔力の精製に使うだけと考えていたのだが
 いつの間にか魅魔の居住区に変化していた
 倉庫を勝手に掃除していた際に見つけた布団や毛布を使って作った
 手作りの寝床の上に横になる
「…まるで別れるような口ぶりじゃないか」
 寝床の上でそう呟くと枕に顔を埋めた

 本来なら、魔力を回復する薬を作るはずなのだが
 その作業は滞っていた 


 なぜかは知らないが、心の中がもやもやしていて
 薬を作るのを極力伸ばそうとしている
(一体なんで……?)
 幻想郷に帰りたいと言う気持ちはあるが、
 幻想郷に戻るのを伸ばしたいと思う気持ちもある
 その矛盾に魅魔は自問自答を繰り返す
(此処が楽しい?)
 歩けるようになってから、魅魔も外に出るようになっている
 幻想郷とは違って、興味深い物は一杯ある
 それが楽しいのはわかる
 だが、それよりも今の幻想郷の方が楽しい事はあるはず
 それなのに、今はこっちの世界の生活も楽しいと思っている
(幻想郷に無くて…この世界だから楽しい事)
 解けない矛盾に魅魔は頭を悩ませる
 そして悩みながらいつの間にか、魅魔は眠っていた




「あっ?」
(かしゃん!)
 魅魔の手から、洗っていた皿が落ちて割れる
「おいおい、大丈夫かい?」
「…ごめん」
 霖之助をエルボーで気絶させてから数日の間
 魅魔はずっとこんな調子だった
 料理中に卵を焦げ付かせ、砂糖と塩を間違えたり
 掃除の時にバケツをひっくり返したり
 お皿を割ったのは今のを含めて三枚目であった
「…疲れているんじゃないのかい?」
「だ、大丈夫だよ……いっ?」
 霖之助も魅魔の様子に心配そうに魅魔を見つめる
 その様子に魅魔は心配かけさせまいと片手を振って答えるが
 今度は片付けていたお皿の破片で指を切ってしまう
「あたた…」
「手をかして」
「えっ?」
 魅魔が切った所を痛そうにしていたら
 霖之助が怪我をした手を掴む
「な、なにを…」
「動かないで」
 突然手をつかまれた魅魔が慌てるが
 霖之助がそれを言葉で止めると
 怪我した指を口に含んだ
「な…」
(ドクン)

 突然自分の顔の近くに霖之助の顔が近づいたので
 魅魔の心が一瞬高鳴り頬が赤く染まる

「…後は絆創膏だな」
 そんな魅魔の様子に一切気がつかず
 霖之助が魅魔の指から口を離すと
 救急箱を急いで持ってきて
 血が止まった指の上に慣れた手つきで絆創膏をまく
「これでよし…少し座っているといい」
 霖之助が魅魔にそう言うと魅魔を椅子に座らせると
 割れた、皿を片付けはじめた
 
「………」
 一方、椅子に座った魅魔は頬を少し赤く染めながら
 絆創膏を巻かれた指をじっと見つめていた
(き、傷を治すためだからねぇ…普通、普通…)
 そう頭の中では思いながらも、先ほどの事を思いすと
 何故か魅魔の頬は赤くなるのを止めれなかった
(ああ、もう!何でこんな事位で動揺するんだい私は!)


 魅魔が頭の中で必死に動揺を消そうとしている間
(…そういえば、魅魔が此処に来てから家事の殆どを任せていたな)
 霖之助は皿を片付けている間に、自分を少し恥じていた
 自分ひとりなら、ご飯や掃除等はかなり適当にするし
 場合によってはご飯を抜く事もある
 掃除も、毎日ではなく一ヶ月に数回位なのだが
(毎日家事をしてくれているからな…疲れない方がおかしいよな)
 此処最近の失敗もそう考えれば納得できる
(そうだな、今日一日は魅魔に休んでもらうか) 
 

「なあ…魅魔」
「えっ!?あ、ああ~ごめん!今すぐに朝ご飯を…」
 絆創膏を巻かれた指を見ながら頬を染めていた魅魔が 
 霖之助に声をかけられて、驚いて椅子から起き上がると
 慌てたままで、料理を作ろうとフライパンを手に持つ
(じゅ~…)
「熱っ~!?」
「い、急いで水で手を冷やせ!火傷の薬を今出すから!」  
 先ほど熱していた事をすっかり失念していたせいで
 もう片方の手も怪我をする事になってしまった



「ご馳走さまでした」
「…ご馳走様…」
 結局、怪我をした魅魔の代わりに
 霖之助が朝ご飯を作る事になった
「……ふぅ」
 朝から二回も失敗をした魅魔は食事が終った後も
 凹んだままだった
「な、なあ…魅魔」
「ああ、すまない!今食器を…」
 霖之助に再び声をかけられて、食器を片付けようとしたら
 霖之助に食器を持とうとした腕をつかまれた
「な、何するんだい?」
 魅魔が再び驚くと、霖之助がため息をついて答えた
「そっちの手で持つと、凄く痛むぞ?」
「うっ…」
 食器を持とうとした手は火傷で包帯で巻いてある
 何かを掴むと、まだ痛みが走るので
 下手したらもう一枚お皿が割れるハメになる
 何時もの魅魔ならそのぐらい頭に浮かぶはずであったが
「だ、だったら…」
「もう片方の手は水につけたら凄くしみる」
「じゃ、じゃあ…」
 それでも何かしようとする魅魔に対して
「少し落ち着け」
(すこん!)
「あたっ!?」
 霖之助が魅魔の額に軽い手刀を落とした
 手刀を受けた額を両手で押さえる魅魔に対して霖之助が優しく声をかける
「…今日はもういいから」
「…えっ?」
 霖之助の言葉に痛む額の事も忘れて振り向く
「だ、だけど…家事は私が…」
 突然のお休みに、魅魔がうろたえながら反論しようとした時
 霖之助が魅魔の口に人差し指を当てて喋るのを止めた
「なにか、悩んでいる事があるんだろ?」
「!?」
 心を言い当てられて目を見開く魅魔
 確かに、今の自分は悩んでいる
「今の君だと、何をしても危ないからね」
 この世界に留まりたいと思う気持ちがなんなのか
 それが分からない限り、確かに何をやっても上の空だろう
「たまには君も外で息抜きをしてくるといい、今日は僕が家事をするから」
 だから、霖之助の提案は魅魔にとってはありがたいものであった
 しばらくの間考え込んでから、魅魔は無言で頷いた
 






(とは言われたものの…どうしたものかね?)
 霖之助の好意を受け取って、外に出てみたものの
 別段やろうと思う事もない
 ついでに言うなら、お小遣いも貰っているが
 特に買いたいと思う物も思いつかない
 それでも、何か買おうとして考えても
「…駄目だ、晩御飯の食材しかでてこない」
 そんなものしかでてこない自分に少し自己嫌悪しながら
 魅魔は、近くで買い物をしている商店街に足を伸ばした
(そういえば、朝から来るのは初めてだね)
 何時もは夕方にタイムセールの時に来て
 激しい戦いに向かっていくだけなので
 こんな時間に来るのは初めてだった
(…せっかく来たんだ、少し散策してみようかね)
 息抜きになるかどうかわからないが
 このまま立っていても仕方が無いので
 商店街の中を魅魔が歩く 

 なにやらキッチリとした服を着て、鞄を片手に歩くおじさん
 ミニスカートを着て鞄を片手にお話をしながら歩く数人の女の子
 面倒くさそうに道端で座り込み、小さな機械を弄る優男
 魅魔の居た頃の幻想郷では信じられない程賑やかである
「……」
 だが、魅魔の心は晴れない
 辺りは賑やかではあるが、皆足早にその場から去っていく
 誰もが己の事だけを見ていると言うのが魅魔には読み取れた
 これだけ大量に人がいる事が
 余計に自分が一人であると思い知らされる
(…はぁ…なんだか余計に気分が沈んできたよ)
 
 魅魔はため息をつくと、近くで見つけた公園の中に入ると
 ボロボロになっているベンチの上に座り込む
「ふぅ…」
 再びため息をついてから、改めて問題を考え始める
(この世界の何に未練があるんだろうね…)
 ぼーっと空を見ながら考え込む 
 だが、この世界に未練を残すような事は全く無い
(この世界に未練はない…となると考えられるのは…)
 その時、魅魔の頭に一つの考えが出てきた

「…幻想郷に戻るのが…怖い?」
 口に出してみて『まさか?』と思ったが
 考えれない事ではなかった
 自分が居たのは『昔』の幻想郷なのだ
 帰るのは『今』の幻想郷…
 知っている人が居ないかも知れない
 居たとしても、拒絶されるかもしれない
 魅魔の頭にさまざまな事が浮かんでくる

(いや、それでもこっちの世界よりはマシなはず…)
 だが、こっちの世界ではそれすらも無い
 拒絶されたり、知っている人が居る居ない
 以前の問題だから幻想郷に戻る事が怖いのではない
(幻想郷に戻って困る事で、こっちの世界だから困らない事)
 
「あ~!もう訳が分からなくなってきた!」
 矛盾を解くはずが余計に分からない事になってしまった 
「せめて何かヒントでもあれば…」
(ぐぅ~)
 魅魔が再び考えようとした時お腹がなった
 気がつけば太陽も真上に上がっている
 つまり、もうお昼になっていた
(…今はこれ以上考えても仕方が無いか…)
 魅魔はそう結論付けてから公園のベンチから立ち上がると
「さて、何処か美味しそうなお店を探すとするかね」
 気持ちを切り替えてお昼を食べるお店を探し始めた


 商店街の中を魅魔が歩く
(ファミリーレストランか…ちょっとねぇ)
 値段も手ごろだが人が多すぎる
(ファーストフードは駄目だ…)
 値段は安いが、こういう物は魅魔は好まない
(麺類か…悪くないんだけどねぇ)
 パスタやラーメンと言われる物も悪くないのだが
「やっぱりお米を食べないと」

 そう言いながら、色々な食事のお店を見ていく
 だが、なかなか魅魔の目に適うお店は見つからない
 その上お昼になって商店街を歩く人が増えてきたので
 もう一つ困った問題が出て来た 

「お姉さん今暇?良かったら遊ばない?」
「すいません、実は私○○スタジオの者ですが…」

 ナンパと勧誘が魅魔に集まってきた
 まあ、魅魔程の女性ならある意味当然の事ではあるが…
(まったく面倒だねぇ)
 当人としては面倒な事この上無い
 とりあえず拒否をして、それでも声をかけてくる奴には
「消えろ♪」
 少しの殺気を込めて一言告げると逃げて行った

(人が少ない所に…)
 大きな通りの裏の方に魅魔が周る
 そのとたん、人が一気に少なくなり
 少し古臭い家が立ち並ぶ場所が広がる
「…こんな所もあるんだね…おっ?」
 魅魔がその辺を見渡していると一つのお店を発見した
 裏道にひっそりと存在しているそのお店に魅魔が惹かれた
(決めた、此処で食事をする事にしよう)   
 
 堂々とお店の中に魅魔が入ると、椅子の上に座る
「いらっしゃい…」
 そこに現われたのは、いかにも職人と言った感じの店主
(これは、当たりの予感がするね)
「何にしましょうか?」
 魅魔が嬉しそうにすると、その店主が声をかけてくる
「お任せするよ…」
「分かりました」

 魅魔そう言うと、店主が厨房に入って行く
 しばらくすると食欲を増進する良い匂いが魅魔の元まで漂ってきた
「お待ちどうさま」
 そして魅魔の前にそれがドンと置かれた
「おぉ!?」
「特製海老天丼です」

 どんぶりの上に特大の海老の天麩羅が乗っている
 しかも、それだけでなく他にも色々な具材が
 魅魔が早速箸を割ってそれに挑みかかる

(こ、これは…)
 程よいサクサク感と特大の海老のプリプリ感
 しっかりとしたお米と、上にかけられた特製のタレ
(…大当たりだ!)
 無言のまま魅魔が一気にその海老天丼を食べつくす
 そして、最後に熱いお茶を飲み干すと
「ご馳走様!」
 無事に完食した
 その様子を見て店主も嬉しそうにする
「いや~見ていて嬉しくなるような食べっぷりだったよ」
「ああ、実に美味しかったからね」
 魅魔も満足げにそう告げる



「ふぅ…満足満足…」
 良い穴場を発見できて、満足げに爪楊枝を口にくわえる魅魔
 お店を出たその足で再び先ほどの公園に戻る
(さて、また考え始めるとするかね…)
 お腹が膨れたところでもう一度
 先ほどの問題を考えようとベンチに座り込む

「うわ~~ん!」
 そんな時、魅魔の近くで泣き声が聞こえて来た
(まず、私が幻想郷…)
「お~か~ざ~ん!ど~こ!」
 イライラ

(…え~、こっちの世界で)
「うぇ~~~ん!」
 イライラ

(……つまり)
「おか~さ~ん!うわ~ん!」 
「あ~~!もう!」 
 魅魔がベンチから立ち上がると
 泣き声が聞こえる方に向かう
(まったく、集中できないじゃないか)
 泣き声の元にたどり着くと
 5歳ぐらいの女の子が泣いていた 
 魅魔がその女の子の前に進むと
 女の子の目線と同じ高さになるように座り込む
「何で泣いてるんだい?お嬢ちゃん…」
 そして、優しい声で話しかけた
 女の子が声をかけられて少しだけ泣き止む
「お、おがあざんが…ひっぐ…居なくなって」
 
 つまり、目の前の女の子は迷子になっているわけだ
(…また、面倒な事になったねぇ…)
 出来ればこのまま逃げたかったが
 そういうわけにはいかない
(まったく…祟り神が聞いて呆れるよ…)
 そう思いながらも、目の前の女の子を泣き止ませようとする

「…それじゃあ、お母さんとこの公園に来たのかい?」
「えっぐ…ひっぐ……うん」
 なかなか泣き止まない女の子に根気強く話を続ける魅魔
(となると、下手に動くと余計に大変か…)
 入れ違いになると面倒になると判断した魅魔は
「泣きやみな…良い物を見せてあげるから」
「…ひっぐ…良い物?」
「ああ、よく見ていな?」
 今だ泣いている女の子の傍で星屑の弾幕を放った

「うわぁ~♪」
 キラキラと光る星を目の前で見た女の子は
 すぐに泣き止むと、その綺麗な星を見つめた
「…どうだい?綺麗だろ」
「うん!もう一回見せて!」
「わかったわかった…少し下がってな?」

 すっかり泣き止んだ女の子は、星の弾幕を見て無邪気に喜ぶ
(…そういえば、初めてこれを見せた時も喜んでたっけ)
 ふと、魅魔が昔の魔理沙の事を思い出した
 一番初めに教えた、星屑魔法

(魅魔様!もう一回!もう一回~!)
(はいはい…後で復習しておきなよ?)

 魔理沙が小さい頃の記憶が思い出される
(…結局、三日で出来るようになったっけ)
 魅魔が昔の記憶を懐かしむ
「ねえねえ!もっとやってよ~」
「あ?あ、ああ…ほら!」
 声をかけられて、女の子の言うとおり
 再び小さな星屑を見せる
 それを見た女の子が目を輝かせて魅魔を見つめる
「すごいすごい!お姉ちゃんって魔法使い!?」
 その言葉に、魅魔が一瞬言葉を失うが
 女の子の頭に軽く手を乗せて答える
「ああ、大魔法使いさ」
「すご~い!」
 子供の夢を壊すわけにはいかない
(まあ、本当の事なんだけどね)
 魅魔は小さな魔法を女の子に見せ続ける

  
「満足したかい?」
「うん!」
 すっかり泣き止んだ女の子が笑顔を見せる
「ねえねえお姉ちゃん…私も魔法使いになれるかな?」
 女の子のその言葉を聞いて、魅魔が静かに答えた
「…いいかい?魔法使いになんてなるものじゃないよ」
「え~?でも魔法って何でもできるんでしょ?」
 魅魔が女の子の頭に手を乗せて話を続ける
「そんな何でもできる訳じゃないんだよ…」
「そうなの?」
 子供が悲しい目で魅魔を見る
 魅魔が付け加えた
「お嬢ちゃんのお母さんを見つけてやる事も出来ないしね」
 魅魔がそう言うと同時に公園の中に
 誰かが子供の名前を呼ぶ声が聞こえ始めた
 その声を聞いて、女の子が振り向く
「あ、お母さんだ!」
 女の子が嬉しそうに答える
「…もう大丈夫だね…さあ行きな」
 魅魔がそう言うと、女の子が頷く
「ありがとう、魔法を使ってくれて」
「えっ?」
 女の子の言葉に魅魔が不思議そうな顔をすると
 女の子が頭を下げて口を開いた
「魔法でお母さんを呼んでくてありがとう!魔法使いのお姉さん!」
 そう言って、女の子が自分のお母さんの声がする方に向かっていく
 その途中で魅魔の方を向いて
「また、魔法をみせてね!」
 そう言って、声がする方に走っていった 



 遠くの方で、無事に女の子がお母さんに抱きつくのを
 見届けてから魅魔は公園から出る事にした
(やれやれ…結局問題を解決できなかったね)
 すっかり夕方になってしまったが
 不思議と魅魔の心は気が楽になっていた
(そうだ、久しぶりにお酒でも飲もうか)
 商店街から帰る途中の酒屋でそう考えた魅魔は
 酒屋でお酒を買い込むと
「まだ、帰るには早いから…神社にでも行ってみるかね」  
 香霖堂の近くにある神社に向かって足を進める 
  

 ボロボロになった神社に魅魔がたどり着くと
 そこから、夕日に照らされて紅一色に染まった街が見える
「…此処に来るのも随分久しぶりに思えるねぇ」
 霖之助に出会ってから此処にくる事は無かった
(ははっ、今となっては此処に居た事も懐かしい記憶だね)
 魅魔がそう思いながら、買ってきた缶を一本開けると
「先に一本だけ頂きます」
 香霖堂の方角に向けてビール缶を軽く上げて
 麦酒をぐっと飲み干した
(…こっちの世界で心配なくて…幻想郷で心配するもの)
 ふと、そんな考えが頭に浮かぶ
 答えが随分出て来たような気がするが
(最後のピースがでてこないねぇ)
「う~ん…」
 出て来た問題に頭を悩ませながら
 魅魔は手に持ったお酒を飲み干して行く
 その中に、通称『レディキラー』と呼ばれる
 スクリュードライバーと呼ばれる酎ハイがある事に気がつかずに 












「…遅いなあ…」
 香霖堂の中で霖之助が呟く
 既に時計の小さな針は8を示していた
「せっかく、焼き肉を準備したのに」
 後は魅魔がやって来てから肉を焼くだけなのだが
 その人がなかなか帰ってこない
(…何かあったか?)
 心配になった霖之助がお店の外に出てから少し考える
「…闇雲に歩いても、入れ違いになる可能性もあるな…」
 お店に少し戻ると書置きを残して
「心当たりがあるところに向かうとするか…」
 霖之助が商店街の方に向かって歩き出す
 
 商店街で魅魔が居そうな所を歩き回るが
(…居ない…一体何処に行ったんだ?)
 魅魔の姿は何処にも見えなかった 
 霖之助が不安に駆られる
(事件に巻き込まれた?)
 そう考えてから、首を振る
(まさか、魅魔なら事件を解決するか、もっと大きくするはずだ)
 事件を大きくする魅魔を思い浮かべて、苦笑しながら
 再び、商店街の中を調べようとした時
 心当たりがある場所で調べて居ないが頭に浮かぶ
「そうだ…あの場所を忘れていた」
 大急ぎで商店街から踵返し
 忘れていた場所に向かって走り出す
(あの神社だ…多分)

 神社に向かう為の獣道を登り始める
 普段から動いてない体を酷使して節々が痛む
 だが、それでも霖之助は走った
「まったく…魔法使いって奴は…」
 口ではそう言いながらも
 霖之助の心にはもう一つ思う気持ちがある
(…また一人になったら…僕は耐えれない)
 怖いのだ、一切の人との付き合いがないあの状態
 誰からも必要とされないあの心が磨り減っていく状態が
(彼女も同じはずだ)
 そして、霖之助よりも長い間この世界にいた魅魔も

 
 そう思っているうちに、霖之助が神社の前にたどり着く
「魅魔?居るのか!」
 声を出しながら、神社の近くに向かっていく
 相変わらず、ボロボロの神社の境内
 霖之助と魅魔が一緒にお酒を飲んだその場所に
「魅魔!?」
 祟り神が上を向いて倒れていた
 霖之助が大急ぎでその傍に近づくと

「…ZZZ…」
 かなりのお酒の匂いを漂わせて気持ち良さそうに眠っていた
 その様子に、霖之助はため息をつくと
「…まあ、事件に巻き込まれてなかっただけましか」
 そう言って魅魔を起そうと揺り動かす
「おい、起きろ…」
「ん~…イヤ…眠い」
 どれだけ揺り動かしても、眠ると決めた神は起きない
(仕方が無い…)
 このまま置いていくわけにはいかない
 もうすでに日も落ちて寒くなっている
 この場に置いておいたら風邪をひいてしまう
「…苦情は聞かないぞ?」
 霖之助が苦笑しながら魅魔を背負うと
 お店に向かってゆっくりと歩き始めた





(…ん~…暖かい…)
 目の前の暖かい物に気がついて魅魔の意識が少し覚醒する
(あれ?私は確か神社でお酒を飲んでいなかったっけ?)
 その疑問に気がついてから、意識が更に覚醒する
 そして、今の自分の状態に気がつく
「…あら?」
「ようやく目が覚めたのかい?」

 暖かい物の正体がようやくわかる
「な、なんで?」
 自分が霖之助に背負われているのだろう
「まったく…あのまま神社で寝ていたら風邪をひいている所だったぞ」 
 その言葉で全てを理解するつまり自分は
(ま、また酔っ払って…)
 顔がまた赤くなる、一度ならず二度までも酔っ払った顔を
 目の前の男に見られたのだから
 
「…ところで、悩み事は解決できたかい?」
 そんな魅魔の事など知らずに、霖之助が声をかける
「えっ?…あ、ああ…まだだけど…」
「でも、息抜きはできたみたいだね」
「ああ、気が楽になったよ」
 霖之助が嬉しそうにそう伝えるの聞いてそう返した

「しっかり掴まっていてくれ…落ちると困る」
「あ、ああ…」
 霖之助の言われる通り、首の方に巻いている手に力を入れる
(…暖かい…)
 寝ている間に、随分身体が冷えていたのだろう
 霖之助の背中が暖かいと感じられる
(…ここでなら、あの問題も解けたりしてね…)
 魅魔が冗談半分でお昼に考えた問題を思い返す
(幻想郷に戻って困る事でこっちの世界だから困らない事)

「あっ!?」
 魅魔の頭の中に唐突に問題の答えが浮かんだ 
「ど、どうした?」
 突然魅魔が大声を出したので霖之助が心配そうに声をだす
「あ、ああ…すまない、たいした事じゃないよ」
「そうか…あまりびっくりさせないでくれよ」
「ご、ごめんごめん」
 必死に霖之助に謝りながら
 魅魔は顔を赤くしながら出た回答を思い返していた
(…このお人よしと…一緒に入れるかどうか)

 こっちの世界なら、霖之助と二人で生活できる
 だが、幻想郷に帰ればこの男のもとに知り合いが集まるだろう
 そうなれば、魅魔も知り合いの一人に成り下がる
 実に単純な事だったのだ 
(なんだ…つまり私は…)
 目の前のおぶってくれる男が
(霖之助の事が気に入っているのか…)

 答えを知って顔が赤くなるが口元はにやけた
(だったら…このお人よしに祟ればいいじゃないか)
 魅魔はそう思うと霖之助の背中に更に抱きついた
「魅魔?…どうした…」
「ん~…酔った勢いで誘惑してる…」
「…酔いすぎだ、せっかく焼肉の準備をしていたのに」
「ああ、それなら喜んで頂くとするよ」
「それだけ言えるならもう降ろしてもいいのかな?」
 霖之助の言葉に魅魔が小さく答える

「嫌だね…お店まで運んでもらうよ?」
 その言葉に霖之助がため息をつきながら了承した
(ああ…やっぱりこのお人よしの背中は…暖かい)
 もうすぐそこまで見えているお店までの間に
 魅魔は精一杯背中に顔を埋めておく事を決めた
 どうも…主役になれない脇役です

 やはり、大人の女性という事でバスタオルはらりをやっちゃったんですけど
 やりすぎたかな?って思う気持ちもあります
 でも!自重しない!自嘲する!
 本当は後編で終るはずでしたが終らずに長く長くなってしまいました
 次はデート入れる予定!
 頑張って魅魔様に萌えをしてもらう予定です


 
 では、次回の予定
「外の世界に魔理沙がやってきた」
「魔界神怒りの涙目」
「隙間妖怪、意外な純情」
 の三本です(予定は未定で大嘘)



 さて、執筆の邪魔が入らないようにこの絶対安全カプセルに入って…っと
(がちゃ!)
脇役
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
魅魔かぁいいわ~

最高っす!
2.名前が無い程度の能力削除
なんと言うか・・・香霖に対する想いに気がついてしまった時の魅魔様が可愛すぎましたw
3.謳魚削除
自嘲しないで!脇役さんは日々自超しておられるじゃないですか!
つまり「バスタオルはらり」はGJです。
三本のお話が実現したらとんでもない事に……!
4.欠片の屑削除
ああ あーーあ。
こりゃあ きのどくなことになった。

とまぁ定番はここまで、で。
脇役さんが香霖を描くといい男過ぎて困るw
魅魔サマより香霖に惚れてしまいそうだ。
5.名前が無い程度の能力削除
かなり面白いです。
ふと思ったのですが、魅魔様は魔力回復させなきゃいけないのに、あんなに魔法使っても大丈夫なんでしょうか?
くだらない質問ですいません。
6.名前が無い程度の能力削除
あらかわいい
7.思想の狼削除
霖之助さんの背中…、広くて暖かそうです…。
(って、何書いてんだ、僕はw)

じょ、冗談は置いといて、次回の予想は『人形師、ゴーレムを大人買いする』の4番目でw
しかし魔界神ですと、子供を連れて来そうで怖いですw
8.名前が無い程度の能力削除
霖之助も逆ナンされてそうw
9.名前が無い程度の能力削除
>>絶対安全カプセルに入って…っと
脇役ー!それはダメだーー!!死ねないフラグだーーー!!!

魅魔様かわゆすw
いいなあほのぼのしてて
10.名前が無い程度の能力削除
魅魔様をこんなに可愛く書けるというのは、脇役様ならではかと
11.名前が無い程度の能力削除
そ~れコロコロ~っと。

さすが脇役氏の霖之助……幻想郷の淑女全員を落とすのもそう遠くないのかもしれませんな。
12.名前が無い程度の能力削除
ミマサマカワイイヨミマサマ
13.イスピン削除
お約束だ!ハラリだなんて、なんというお約束だ!!
素晴らしいじゃないか、お約束!!!脇役さん、ありがとう!!!!
14.名前が無い程度の能力削除
なんて夫婦だ……次回にも期待!!
15.ギブン長削除
ひとまずは誤字報告を・・・
>>お店の事を散策する者は居なくなるし
・詮索
>>スクリュードライバーと呼ばれる中ハイ
・酎ハイ
とりあえずこれくらいかな?


何という姉さん女房ww
魔理沙の威勢のよさは、間違いなく魅魔様ゆずりですな。
というより、あの性格でい続けることで魅魔様を忘れないようにしてるのかも・・・
そんな裏設定を幻視しました。
ともかくも、今回もさすがの天然ジゴロでしたwww
霖之助さんには外の世界では忘れ去られた父性が宿ってるに違いない!!

MOTHER3ではEDを1回リセットしてしまったヘタレですwww
あれは、映画のように一回でじっくり楽しむ作品だったんだ。
そう思ってます。
16.てるる削除
>>絶対安全カプセルに入って…っと
脇役さん・・・さよなら・・・・・・・
MOTHER3は同じくリセットしましたね~;

さて、次回予定が楽しみで仕方がないんですがww
17.削除
脇役さんの作品は面白いのでいつも楽しみにしています。後、代理店長シリーズはもう書かないのですか?どちらもとても面白かったので、続きをたのしみにしています。
18.名前が無い程度の能力削除
うは~魅魔様かわいすぎwww
何この素敵な姉さん女房。

次回の予定が色々楽しみすぎます。
19.名前を表示しない程度の能力削除
魅魔様があまりにもかわいすぎて絶対安全カプセルを転がすしかないと思いました。

そこをどけ霖之助、おんぶは俺の役目だ!
20.名前が無い程度の能力削除
あばばばば
ミマサマ モエス
21.名前が無い程度の能力削除
お と め か ★