※注意※
オリキャラが出てくるとても短いお話です。
少しづつカオスになっていきます。
それでもOKとりあえず読んでやるよという心優しい方だけ下へとお進み下さいませ。
私は幻想郷の人里に住む何の変哲も無いただの人間、ただの中年、ただのおっさんである。
早朝、自宅の井戸にて桶一杯の冷たい水を汲み上げ、それを頭からざんぶとかぶり
「ぶるアァっ!」
と叫びつつ身震いするのが唯一の楽しみであるただの地味なおっさんである。
そんな何処にでも居る様な、世間一般で言うちょっとだけアブラギッシュでチョメチョメな健康的な中年がただいま非常に不味い状況に置かれている。
「わは~♪」
暗闇に潜む妖怪、宵闇の妖怪等と呼ばれているルーミアという妖怪に人里から一里ほど行った森で出会ってしまったのだ。
今朝方日課である行水をぶるアァっ!と一発終えた後、無性にエノキダケが食べたくなったので森へとキノコ狩りに赴いたところ…
「ちょっと酸っぱ苦い匂いだけど貴方は美味しそうな匂いがするのだ~♪」
という声と共に目の前が真っ暗になり、この妖怪に両腕をしっかと押さえられ今に至る訳である。
ちゃんと寝汗も行水して流したのに酸っぱ苦いとか言われておっさんブロークンマイハーツ、ちょっと悲しくなった。
私はこの歳になってからというもの、かなりナイーブになってしまっているというのに…
妖怪とはいえ見た目幼女なヤツにそんな事を言われたらおっさん傷ついて涙が出ちゃう、だっておっさんなんだもん。
もうちょっと気を使った言い方はできないのかとこの妖怪に小一時間問い詰めてやろうか…
だってそうでもしないとおっさんのアイデンティティーは一体なんなのか解らんとですたい。
…
……
………
あ。
いや、問題はそこじゃあない。
真の問題は私を食べる気満々であるというこの妖怪を如何にしてかわすかという事だったなセニョール…
「妖怪のお嬢さん、すまないが私は食べられない」
「そーなのかー」
「妖怪のお嬢さん、すまないが私は当の昔に旬を過ぎた不味い人間だ」
「そーなのかー…」
ほう、心なしか語尾が少し残念そうな発音になったな…
ヨォッシャバッチコーイこの調子で言い包めみせまするよおっさんは。
「妖怪のお嬢さん、すまな…」
「だいじょうぶーちょっとまずくてもお腹が膨れればそれで良いのだー♪」
ですよねーw
おっさんもちょっと紫色がかった豚肉とか鶏肉をとってもお腹が空いてたら腹が膨れりゃそれで良いとか思って食べちゃうしぃ、それと似たようなモンですよねーwww
…
……
………
似てねぇぇぇぇぇよッッッ!
私は断じて腐りかけなんかじゃあぁぁぁないわァッ!
まだちょっとだけ新ッ鮮ッなんだよッ!
八百屋の大将からいつも
「アンタはいつ見ても老けないねぇ、羨ましいぜブラザー」
とか言われてちょびっとエロスの天狗の鼻なんだよ畜生がぁぁぁッッッ!
…あぁ、いかんいかんまた考えが変な方向に行ってしまった。
クールでダンディズム溢れる思考を取り戻せ、そして見事この窮地から抜け出しエノキ溢れるパラダイースを目指すのだ、私よ。
「妖怪のお嬢さん…その考えはいけねぇや…」
「ふぇ~?」
「なんでんかんでん腹に収めりゃ良いってモンじゃねぇ」
「そーなのかー?」
「そうなのだぁ」
「ひっ!?」
私はこの妖怪にぐっと顔を寄せて神妙な面持ちでハッタリをかます事にした。
まぁそれは良いとして今の「ひっ!?」とはなんぞやもし…?
またおっさんの心をモーセの十戒よろしくザバァっとクパァっと海を叩き割るが如く…
この善良で健康的でナイスミドルなマイハーツを傷つける気かえ?
…あぁ、いかんいかんまたまたわっちの考えが変な方向に行っちまったい。
「アンタぁ…その不味いのを食って腹ぁ壊しちまうかもしれねぇんだぜ?」
「ど、どうしてなのだー?」
「さっきぃ…アンタぁ言ったな…」
「…何をー?」
「ちょっと酸っぱ苦い匂いだけど…となっ」
「う、うん~…」
「それがちょっとどころか全開バァリバリでそんな味だったらどうするんでぃ!?」
「ひぃっっっ!???」
「そんでもって大抵そんな味がするモンは腹ぶっ壊すと相場が決まってやがる!」
「う………そーなのか?」
「そう………フゥフゥフゥハーハーハーハァ!なのだぁ…ッ!」
「やぁぁ!こ、怖い~!もういらない!バッチィ!ペッってする~!」
おおうぅ!?
コケ脅しを死に物狂いでかけてみれば、おっさん突き飛ばされてルーミアたんの薄暗いテリトリィから脱出!
まさに九死に一生、九尾に黒猫!!!!!
イヤッホォォォイ!もう駄目かと1.5回ほど思ったけども頑張ったお陰であたしゃ生きてるぅぅぅ・よぉ!
…
……
………
…だけんども。
去り行く宵闇の妖怪の背中見つめて私はしみじみと思った。
色々犠牲にして生き残ってしまったなぁ…と。
主にプライドとかマイハーツを犠牲にして…
「やぁれやれ、おっさんてぇのはつくづく肩身が狭いもんだ…」
そう呟いた後、私は静かに立ち上がり服についた葉っぱや泥を払い落とし、またエノキダケを求めて森を彷徨うことにした。
ルーミアが少しかわいそうだが、おっさんはもっとwwwww
>【声の出演】
敢えて聞こう。ルーミアのCVは?
さっきまで、BAR若本を聞いていた自分には耐えられないほどの笑撃(誤字なし)が。
しょっぱなからやられたwww
おっさんインパクト強すぎるwwwww
どこにいるんだww
ああ、幻想入りして幻想郷のどこにでもいるってことか。
エノキダケがちくちくと笑いのツボを突いてくれる。頑張れおっさん。
幻想郷はいつの間に若本の侵攻を受けたというのだ……ッ!!
うん、出だしの「ぶるアァっ!」は反則だと思うんだ。
しかし口調がエロいおっさんですね(笑)
八百屋の大将は中田譲治で一つ。