Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

地上の地獄

2008/11/04 00:24:56
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ページ数
1

※台無し注意
※ほのぼので止めておきたいなら、途中で読むのを止めたほうがいいかもしれません。
※念のためボーダー引いておきました。

※ドリル注意
























「お燐、そろそろ行きますよ」

「…………………」

「昨日、行く約束をしたじゃないですか」

「さとり様が勝手に行くって決めたんだ。あたいは行きたくない」

「身から出たさびでしょう」

「…………………」

「地上の地獄は、灼熱地獄のような苦しみはないと聞いています」

「でも痛いんですよね」

「ええ、それは、まあ」

「じゃあ行かない」

「…………………」

「…………………」

「お燐、よく聞きなさい」

「…………………」

「あなたが怖がっていることは、よく分かります」

「それは、さとり様が心を読めるせいです」

「いいえ、私とあなたは、長い間ここで一緒に暮らしているからです」

「…………………」

「あなたの考えていることなど、第三の目に頼る必要すらないんです」

「…………………」

「だから、分かります。あなたがどれほど恐れているか、心を読むよりも、鮮明に」

「…………………」

「しかし、お燐にも分かってもらいたいのです。私たちがどれほど心配しているか」

「……………!!」

「先日、おくうが私のもとに来ました。お燐が何かを隠して強がってるって」

「あれほどさとり様には言うなって言ったのに…………」

「おくうを責めるのは筋違いです。彼女は、あなたを心の底から心配していました」

「…………………」

「あなただって、おくうが神の力を飲み込んだとき、心配し、怨霊を地上におくったでしょう。
 私はこれを咎めませんでした。古き友人の身を心配するのは、誰だって当然だからです」

「…………………」

「あなたがおくうを心配する心と、おくうがあなたを心配する心、何が違うんですか?」

「…………………」

「ずっと地上の地獄にいるわけでもないでしょう。終わればまたこちらに帰ってこれるのですし」

「………さとり様もついてきてくれますか」

「ええ、お望みならば」

「………地上の地獄………………あたい、行きます」

「そうですか。なら、身支度をしなさい」

「はい」

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「それじゃ、行きますよ」

「はい」

『おーい、お燐ー!』

「!!中庭の穴から…………………おくうの声だ」

『私は一緒に行けないけど、泣くんじゃないわよー!』

「な、泣くわけないじゃない!」

『本当!?もう声が泣き声だよ!?』

「泣いてない!泣くもんか!さ、さとり様、行きましょう!」

「ハンカチ、いります?」

「失礼します(ちーん」

『さとり様ー、お燐のことよろしくおねがいしまーす!』

「さあ、行くわよ、お燐」

「ぐすっ」

「あら、まだ怖がっているんですか?」

「そうでないことくらい分かってるくせに」

「そうですね。あなたは立派な友人をお持ちで、うらやましいです」

「よーし、地上の地獄だかなんだか知らないけど、この地獄のお燐は負けないわよー!」


















---地上の地獄------------------------------------------------------------------------




「もーやだぁ!やだやだやだやだぁ!」

キュイ──────────────────ン

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

長いドリル音と悲鳴のあとに、扉がひらき、泣きべそをかいた紅い吸血鬼(姉)がメイドにつれられて出てきた。

『さあ、次のかたどうぞ』

「お燐、あなたの順よ」
「はい、いってきます」

そう言って、お燐はさとりの隣をはなれ、扉の中に入った。

「今日はどうなされました?」
「奥歯がちょっと虫歯に……………」

 
ドリルはロマンだというのなら、歯医者も立派なロマンになる、というお話(嘘




リリカのキーボードから、歯医者さんのドリル音と子供達の悲鳴が流れる日は、まだまだ遠い。
地球人撲滅組合
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
本編4行目でオチが読めたぜヒャッハー!
そしてなんとなくおぜうさまも巻き込まれるだろうなぁとか思ってたぜキョー!
GJです。
2.名前を表示しない程度の能力削除
歯医者のドリルは子供のトラウマ。
ああ、思い出しただけであの音が脳内再生される……。
3.喚く狂人削除
歯医者がロマン。そんな貴方にチェンジ!シカイダー
ドリル注意とお燐と地上の地獄発言で落ち解読余裕でしたw


え?お嬢様?
………たまたま今日はれみりゃだったんだよ!
4.名前が無い程度の能力削除
うちの近所の歯科医は痛くないから苦労したことはなかったな
しかしそこは永遠亭か?
5.謳魚削除
ああもうお燐ちゃん可愛いよ可愛いよお燐ちゃん。
>「な、泣くわけないじゃない!」
この台詞でようやく理解。皆様方凄ぇ。
ごめんね、お嬢様。
『良く似合う』としか言の葉が紡げない…………っ!
6.名前が無い程度の能力削除
すぐに気付きました。歯医者だと。
何かを隠して強がっている~らへんで確信しました。
おぜう様は・・・吸血鬼の牙が金歯になってたりするのでしょうか?
吸血鬼は歯が猪木ボンバイエー
7.名前が無い程度の能力削除
同じく最初でわかった
というか、地下でも歯医者は地獄なんだな
8.名前が無い程度の能力削除
最近は痛くない歯医者も増えてるみたいですね…
いつか本当に幻想入りしてしまうかもw
9.名前が無い程度の能力削除
何となく想像はついたが結局吹いたwwww

まだ虫歯になったことないのでどれほど痛いのかは分かりませんが………
歯石沈着の除去でもかなり痛いですよね。
10.名前が無い程度の能力削除
最初の注意書きのせいで、落ちがわかった時に衣玖さんがあのドリルで歯を削っている映像が
浮かんでしまった。
読み直してそうではないと気がついたら、今度は歯医者の格好をした永琳が浮かんだが、
なぜか彼女はマスクの他にサングラスをかけていた。
もうだめだ。
11.地球人撲滅組合削除
この作品書いて、レス読んで、1つの決心ができました。 By作者

>1
貴公はもしや、『画面越しに心を読む程度の能力』ですか?
レミリア嬢にしたのはそのときの気分。ネタ帳段階では、萃香がこの役を担当していました。
>2
うちの近所の歯医者は、妙に筋肉質なおじさんだったことは覚えています。
その笑顔は、ドリル音とともに、我がトラウマです。
>3
『ドリル注意』を書いたのは、仕方なかったのです。
最近は、ドリルを嫌う人が現れたということで、注意書き欲しいかな、と。
>4
人里の歯医者ということにしておいてください。
永琳に歯科医は、似合うという自分と似合わんという自分がいたので。
>5
いや、本当に、あなたも含めて皆様方凄いです。
あと、お嬢様に関しては、合掌。
>6
きっと、乳歯をぬいてもらったのですよ。
で、次の乳歯がすぐはえる、と。
あ、でもそうなるとドリル使わない…………
>7
分かりやすいですよね、やっぱり。精進します。
>8
そうしたらリリカのキーボードから幻想の音として聞けますね。
なんて痛々しいライブになるんでしょうww
>9
ありがとうございます。『吹いた』の3文字は私の燃料ですので。
それはそうと、虫歯がないって、素で尊敬に値するのですが。
>10
注意書きとは難しいものですね。痛感しました。
それにしても、いずれにせよマッドプレシデントですねwww
前者は余計なところまで削っていきそうだし、後者はもう、なんとも言えないwww