いつも通り作者の妄想漂う呆れた幻想郷です。
静寂が辺りを包む夜の魔法の森、そこに佇む一軒の洋風建築。
アリス・マーガトロイドは玄関のドアから聞こえてきた音に人形を繕う手を止めた。
テーブルの上に並ぶ修繕を終えた人形達の列に繕っていた人形を置くと、玄関へと向かう。
玄関に着くとドアが "どん" と叩かれ、そしてしばしの間を空けて再び "どん" と叩かれた。最初はノックかと思ったが、ドアを叩く間隔が長すぎる。
そもそもアリスの周りにノックをして悠長に返事を待つ知り合いは殆どいない。ましてや今は夜中である、こんな時分に訪れる者も滅多にいない。
アリスは腕を組み、顎に手を当ててドアを眺める。
「こんな夜更けに悪戯かしら? ……しょうがない輩ね」
そう言うと顎に当てていた手が滑るように動いて顔の横まで上がり、指を弾いた。 "パチン" と小気味良い音が辺りに響くと、テーブルに置かれていた人形の一体がふわりと浮き上がりアリスの方へと飛んできた。
「上海、ちょっと外の様子を見てきて頂戴」
上海と呼ばれた人形は手を挙げて了解すると玄関から一番近い窓を開け、外へと飛び出していき、すぐに戻ってきた。何やら興奮した様子で手をバタバタと振り、必死に何かを伝えようとしているようだ。
「何を興奮してるのよ? それで悪戯者の正体はわかっ……ちょっと、どうしたのよ?」
上海はアリスを窓辺まで引っ張り、興奮醒めやらぬといった状態で玄関の方を指した。
「直接見ろって事?……なんの為に貴女を出したのよ……あら?」
アリスが文句を言いつつ玄関の方を見ると、地面に突っ伏している湖の氷精、チルノの姿が目に入った。
アリスが何事かと眺めているとチルノが顔を上げて浮かび上がり、ふよふよとドアに向かって行き。
"ごん"
ドアにぶつかった。
ドアに当たった反動か先程まで突っ伏していた位置までふよふよと後退していき、そこでぺたりと地面に着地した。
再びドアに頭突きをするチルノの顔をよく見ると目は殆ど開いておらず、一本の線のようだ。更に地面に着地してから起き上がるまでの規則正しい呼吸……そう、あれは。
「寝ぼけてる……」
アリスは微笑ましい訪問者に顔を綻ばせながら窓を閉じて玄関に向かうとドアを引く、チルノはまたふよふよとこちらに飛んできているところだ。
アリスは膝立ちになり両手を開いてその時を待つ、チルノはへろへろと家の中へと入り、待ち構えていたアリスの胸に激突した。
チルノはぶつかったアリスの体を手でまさぐり、それが柔らかいと分かるとぎゅっと抱きついた。位置を定めようとしているのかすりすりと体を摺り寄せてくる。
アリスは片手でチルノを抱いてやり、ドアにぶつかって赤くなった額を優しく撫でて目尻に溜まった涙を拭ってやる。
「やれやれ、とんだ悪戯者が飛び込んで来たわね。上海、ドアを閉めておいて頂戴」
上海がドアを閉めるのを待たずにアリスは寝室へと歩き始めていた。
「く~ く~」
幸せそうに眠るチルノを胸に抱いたままアリスはベッドに入る。
「さて、少し驚いたお返しにお仕置きでもしちゃおうかしら? 明日の朝は覚悟なさい」
「っくちっ!」
返事の代わりに小さくクシャミをしたチルノに微笑みかけると、アリスはランプの火を吹き消した。
翌朝、チルノはアリスのベッドで眠っていた事と、アリスが用意した食べきれない程の朝食に非常に驚いたという。
あぁ…俺もアリスの胸に顔から激突したいn(シャンハーイ
ドアを見てみたら、ぶつかっていた辺りが凍ってそう。
「アリねぇおかわりー!」
「はい、ちょっと待っててね」
「アリス、私もおかわりお願いします」
「はいh……って久しいわね『冬の忘れ物』まだ冬じゃないわよ?」
「あんもう名前で呼んでって言ってるのに~」
チルアリが好きです。
が、レティアリ+チーちゃんが有っても良いじゃない!(涙目)
アリスは黒幕母娘の嫁!
寝ぼけてると言えば布団を抜け出して階段の一番上の段に腰かけて寝てたことが。
本当に寝ぼけている人はその間の記憶がないから怖いよ! おもに自分。
>>1様
お読み頂き有り難うございます。
いつも短い文で済みません……そしてお褒め頂き有り難うございます。
>ああ…俺もアリスの胸に顔から激突したいn(シャンハーイ
アリス女史のカウンターは強烈です、どうぞご注意を……
>>欠片の屑様
お読み頂き有り難うございます。
下手をするとドアが開かないかも知れませんね。そして壮絶なチルノちゃん争奪戦により魔法の森が震えるのです……いやはや私という者は…
>>3様
お読み頂き有り難うございます。
貴方が幸せな気分になれるならば、それは私の幸せと喜びにもなります。
そのお言葉を胸にこれからも書かせて頂きたいです。有り難うございました。
>>喚く狂人様
お読み頂き有り難うございます。
チルノちゃんは可愛い! チルノちゃんは愛くるしい! チルノちゃんはめんこい! 本当に大事な事なので言葉を変えて三回言いました。
>>5様
お読み頂き有り難うございます。
妄想以前の問題でしたか、いやはやお恥ずかしい限りです。
これからは文に起伏が出来る様精進致します、ご意見有り難うございました。
よろしければこれからもご指導をお願い致します。
>>謳魚様
お読み頂き有り難うございます。
貴方の気持ちはよく分かります! しかし! 一つ疑問があります!
アリス女史はレティさんとチルノちゃん、どちらの嫁なのでしょうか? もしかして両ほ(アーティクルサクリファイス
※チーちゃんという愛称に悶えたのは秘密です。
>>名前を表示しない程度の能力様
お読み頂き有り難うございます。
「あたいってば可愛いの?」
だから可愛いんですってば!
ちなみに私は休日に寝ていたら会社から電話がきて、遅刻したと思い相手に平謝りした苦い思い出があります(乾笑)
でもとりあえずチルノに立ち位置を代わってもら(霧の倫敦人形
>>10様
お読み頂き有り難うございます。
可愛いんです、チルノちゃん。
>でもとりあえずチルノに立ち位置を変わってもら(霧の倫敦
「アリスのここはあたいんだ!」
「誰のモンでもないわよ!」
「え? じゃああたいのじゃないの?」
「うっ!」
上目遣いに目尻涙は反則でせう……
(朝ご飯を食べつつ)
ア「そうだチルノ、ウチの子になr「(ドガッ)んな事許すかぁ!」…………冗談に決まってるでしょ霊夢」
チ「あっ、おはようれいむ!」
霊「ん、おはようチルノ」
ア「……レティにもその位優しくしてあげなさいよ……またウチに来たのよ?」
霊「むぅ、普通に接してるとは思うけれど」
ア「じゃあどんな接し方か言ってみなさい」
霊「おはようとおやすみなさい、それと出かける際にはちゅーは欠かしてないわよ」
ア「ふむ、問題無いわね」
霊「ご飯の時は三人で『あーん』したりするし」
ア「OK」
霊「あとは一緒にお風呂入ってるし布団も三人一緒よ」
ア「そう、じゃあ(チーちゃんの耳を塞いで)『(スキマ検閲)』は?」
霊「あ」
ア「多分それだわ……全く何処までバカップルよアンタ達」
霊「レティが私に愛想尽かすまで」
ア「んな事一生無いじゃないの……まぁ私の大切な友人を泣かすんじゃないわよ」
霊「泣かせるもんですか鳴かせはするけれどね……ってどしたの?え、後ろ?(むにぃん)Oh……レティさん……当たってるんですが……」
レ「……当ててるんだもん……」
ア「………………はぁ…………二階でよろしくね…………チルノは見ててあげるから」
霊&レ「「はぁーい」」
ア「全く……さてチルノ、何して遊びましょうか」
チ「あたい外で遊びたい!」
ア「ふむ……なら皆の所に行きましょう、大勢の方が楽しいだろうし」
チ「うん!」
霊夢さんとレティさんが自重しないのです。どうしましょう。
大「諦めて下さい」
レティアリとか言ってるコメントが昔の私です。
どこまでも冷静でお姉さんなアリス女史が良いですねぇ、良いです。
流石は幻想郷三大お姉さんです。