てゐは鈴仙の耳についている黒い物が何なのかが気になって、欲求不満状態だった。
痺れを切らしたてゐは、とうとう本人に聞いてみる事にした。
「れーせんちゃん、れーせんちゃん」
「どうしたの?てゐ」
「あのね、れーせんちゃんのお耳についてる黒いのってなぁに?」
「え…えっと…これはね…その…」
「その?」
「き、禁則事項ですっ」
「…れーせんちゃんのケチ」
「あんたみたいな守銭兎に言われたくないわっ」
「いーじゃんか、何で教えてくれないのぉ?」
「ダメ、ダメったらダメ!!」
「ふんだ、いいもん!こうなったら、自分で確かめるから!!」
「ちょ…てゐさん…?」
「ウサーーーーー!!」
「うわぁ!!ひぇぇ~、助けてぇ~」
「待て~ゐ!!」
永遠亭の風物詩、兎の鬼ごっこ。だが、今日は立場が入れ代わっていた。
永遠亭の客間。そこで永琳と慧音が他愛もない話をしていた。
が、当然そこにも二人の醸し出す騒音が入って来る訳で…
どたどたどた…
「待て~!!耳の秘密を教えろ~!!」
「いやぁ~、誰かぁ~」
「貴女も随分苦労してるんだな」
「まぁ、面白いから退屈しないけどね…けれど、お客様の前ですることじゃないわ。ちょっと待っててね」
「あ、あぁ…」
一人残された慧音が出されたお茶を啜る…
「ぎゃああああああああああ!!」
「ぶっ!!?」
慧音が勢いよくお茶を吹き出した。
「師匠、待って下さい、そんなんで殴ったら死んじゃあああああああ!!」
「永琳さま、待って、目が怖い!!目が全然笑ってないでふおおおおおおお!!」
「………」
「全くもう、そこで反省してなさい!あっ、ごめんなさいね、お忙しいところ来て頂いたのに、待たせてしまうなんて」
「それは構わないのだが、永琳殿…少しやり過ぎではないのか?」
「いいのよ。罪にはしっかり罰を与えないと」
「そ、そうか…」
慧音は深く問わなかった。
黄昏時。明日は寺子屋があるので、その準備で忙しいということで、慧音は帰ることにした。
「今日は来て頂いて有難うね」
「いや、結構楽しかったぞ。またいつでも誘ってくれ。その都度、時間を作っておこう」
「えぇ、ではまた今度…あ、ちょっと待って下さい、渡したい物が。えっと…あ、これね」
「っと…随分重いな。私にか?」
「いいえ、姫が妹紅さんにですって。姫が言うには、和平の証らしいわよ」
「そうか、あの二人もとうとう仲直りする気になったか。よし、帰るついでに渡しておこう。では」
「お気をつけて~」
永遠亭から出る途中、庭に頭から埋まった二人の兎がいたが、下着以外は見なかったことにした。
因みに、片方は縞パン、もう片方は人参柄だったらしい。
「おはよう、えーりん…ふわぁ…」
「姫、もう黄昏時ですよ。あ、例の物、渡しておきました」
「ん、よくやったわ。ご苦労様」
「ところで姫、あれは一体?」
「ん~?よく分からないのよね。」
「…は?」
「納屋を掃除したら見付けちゃってね。用途が分からないし、何も飾り気もない。とにかく邪魔だから持ってって貰おうと思ってね」
「は、はぁ…では、和平の証と言うのは?」
「それは本気。殺し合いしてたらモンハンする時間がなくなるんだもん」
「………(何処で教育を間違えたのかしら…)」
「もーこもーこもこ貴族の子、奴を殺しにやーってきた、もーこもーこもこ不死鳥だ、輝夜を憎む女の子♪」
竹林に佇む妹紅の家。中から随分愉快な歌が聞こえる。
どんどんどん
「はーい、誰ぇ?」
「妹紅、いるか?私だ。開けてくれ」
「おぉ、慧音か」
引き戸を開けて慧音を出迎えた。
「どうした?」
「実はな、永遠亭の姫からお前に贈り物があるんだ」
「輝夜からぁ?どうせ、外の世界で話題になってる何とかが入ってる妙な食い物とかだろ」
「はは、それはないだろう。和平の証だそうだ」
「ふん、あんな奴が和平なんか求める訳ないだろ。大体あいつは…」
「妹紅」
慧音の声が真剣になる。
「お前達の喧嘩には嫌気が差してるんだ。そろそろ仲直りしたらどうだ?」
「何…?私達の仲を承知で言ってるのか?」
「勿論だ。もういい加減にしたらどうだ。折角あの姫が手を差し延べたんだ。無下に断って申し訳ないと思わないのか?」
「慧音!!」
「…頼む、私からもお願いだ、この通りだ」
慧音が土下座をして妹紅に言う。
「むぅ…くそっ、分かったよ、慧音がそこまで言うなら受け取ってやるよ。」
妹紅は渋々受け取った。
「有難う、妹紅。じゃあ、私は明日の準備があるから、またな」
そう言って、慧音は里へ帰って行った。
「やっぱり怪しいな…取り敢えず封を切ってみるか」
適当に封を切ると、中から黒い箱の様なものと、手紙が入っていた。
『もこたんへ。これ、何だかよく分からないのよね。ま、和平の証として、有り難く受け取ってね(はぁと)』
「…誠意のかけらもないな…まぁいいや。慧音もああ言ってるんだ。一応休戦状態にしとこう…納得行かないけど」
永遠亭。漸く鈴仙とてゐが解放された。永琳に乱暴に引っこ抜かれただけだが。
「酷い目に遭ったわ…てゐのバカ。私は悪くないのに…」
「れーせんちゃんが悪いんだよ?触らせてくれたらこんなことにならなかったの!」
「諦めが悪いわね。ダメったらダメ!」
「しょうがない…隠密に事を運びたかったけど、こうなったら最後の手段に出るから!」
「な、何するつもり…?」
「スペル発動、秘薬『えーりんの薬No.8556号』!!」
てゐがスペルを発動させた。すると、鈴仙の体を霧が覆う。
「これは…まさか…っ!!」
「薬が効いてきたみたいね。どう?動けないでしょ。ウササササ」
てゐが奇妙な笑いを上げる。
「さぁて、お耳の秘密、教えて貰うよぉ」
手が耳に伸びる…
「らめえぇぇぇぇぇぇ!!」
カチッ…
「もーこもーこもこ貴族のk…
どっかーーーーーーーーーーーん
「何だ!?今の音は!!」
慧音が慌てて外に出る。竹林の方から煙が上がっている。
「…妹紅!!」
慧音が妹紅の家に着いた時、そこには瓦礫の山が積んであった。
「妹紅、妹紅!!」
「うおおおおおおおおおお!!」
「うわぁ!!」
瓦礫の山から不死鳥が現れた。
「あのバ輝夜め!!今度と言う今度は許さん!!」
「待て、妹紅!落ち着けぇぇ…!!」
「ア蓬莱山、バ輝夜ぁ!!」
「え、何?もこたん!?」
「死ねえぇぇぇぇ!!」
「うわっ」
ばきっ、めきょっ
『めきょっ』?
「貴様ぁ、何が和平だ!!許さんっ」
「あああああ、私の(ピー)SPがあああああ…妹紅~!!」
「漸く来る気になったか!!行くぞ、バ輝夜!!」
「私がバカなら貴女は屑がいいところよ!!PS(ピー)の弁償するまで許さないんだから!!」
不毛な争いは終わらない。
「れーせんちゃんの耳は、起爆装置っと、メモメモ…」
「てーゐーちゃーん!?」
「わっ、れーせんちゃん…えっと…逃げろおおおおっ」
「待て~ゐ!!!」
こっちの争いも終わらない。
永琳「あの爆弾、どういう仕組みで爆発したのかしら…」
痺れを切らしたてゐは、とうとう本人に聞いてみる事にした。
「れーせんちゃん、れーせんちゃん」
「どうしたの?てゐ」
「あのね、れーせんちゃんのお耳についてる黒いのってなぁに?」
「え…えっと…これはね…その…」
「その?」
「き、禁則事項ですっ」
「…れーせんちゃんのケチ」
「あんたみたいな守銭兎に言われたくないわっ」
「いーじゃんか、何で教えてくれないのぉ?」
「ダメ、ダメったらダメ!!」
「ふんだ、いいもん!こうなったら、自分で確かめるから!!」
「ちょ…てゐさん…?」
「ウサーーーーー!!」
「うわぁ!!ひぇぇ~、助けてぇ~」
「待て~ゐ!!」
永遠亭の風物詩、兎の鬼ごっこ。だが、今日は立場が入れ代わっていた。
永遠亭の客間。そこで永琳と慧音が他愛もない話をしていた。
が、当然そこにも二人の醸し出す騒音が入って来る訳で…
どたどたどた…
「待て~!!耳の秘密を教えろ~!!」
「いやぁ~、誰かぁ~」
「貴女も随分苦労してるんだな」
「まぁ、面白いから退屈しないけどね…けれど、お客様の前ですることじゃないわ。ちょっと待っててね」
「あ、あぁ…」
一人残された慧音が出されたお茶を啜る…
「ぎゃああああああああああ!!」
「ぶっ!!?」
慧音が勢いよくお茶を吹き出した。
「師匠、待って下さい、そんなんで殴ったら死んじゃあああああああ!!」
「永琳さま、待って、目が怖い!!目が全然笑ってないでふおおおおおおお!!」
「………」
「全くもう、そこで反省してなさい!あっ、ごめんなさいね、お忙しいところ来て頂いたのに、待たせてしまうなんて」
「それは構わないのだが、永琳殿…少しやり過ぎではないのか?」
「いいのよ。罪にはしっかり罰を与えないと」
「そ、そうか…」
慧音は深く問わなかった。
黄昏時。明日は寺子屋があるので、その準備で忙しいということで、慧音は帰ることにした。
「今日は来て頂いて有難うね」
「いや、結構楽しかったぞ。またいつでも誘ってくれ。その都度、時間を作っておこう」
「えぇ、ではまた今度…あ、ちょっと待って下さい、渡したい物が。えっと…あ、これね」
「っと…随分重いな。私にか?」
「いいえ、姫が妹紅さんにですって。姫が言うには、和平の証らしいわよ」
「そうか、あの二人もとうとう仲直りする気になったか。よし、帰るついでに渡しておこう。では」
「お気をつけて~」
永遠亭から出る途中、庭に頭から埋まった二人の兎がいたが、下着以外は見なかったことにした。
因みに、片方は縞パン、もう片方は人参柄だったらしい。
「おはよう、えーりん…ふわぁ…」
「姫、もう黄昏時ですよ。あ、例の物、渡しておきました」
「ん、よくやったわ。ご苦労様」
「ところで姫、あれは一体?」
「ん~?よく分からないのよね。」
「…は?」
「納屋を掃除したら見付けちゃってね。用途が分からないし、何も飾り気もない。とにかく邪魔だから持ってって貰おうと思ってね」
「は、はぁ…では、和平の証と言うのは?」
「それは本気。殺し合いしてたらモンハンする時間がなくなるんだもん」
「………(何処で教育を間違えたのかしら…)」
「もーこもーこもこ貴族の子、奴を殺しにやーってきた、もーこもーこもこ不死鳥だ、輝夜を憎む女の子♪」
竹林に佇む妹紅の家。中から随分愉快な歌が聞こえる。
どんどんどん
「はーい、誰ぇ?」
「妹紅、いるか?私だ。開けてくれ」
「おぉ、慧音か」
引き戸を開けて慧音を出迎えた。
「どうした?」
「実はな、永遠亭の姫からお前に贈り物があるんだ」
「輝夜からぁ?どうせ、外の世界で話題になってる何とかが入ってる妙な食い物とかだろ」
「はは、それはないだろう。和平の証だそうだ」
「ふん、あんな奴が和平なんか求める訳ないだろ。大体あいつは…」
「妹紅」
慧音の声が真剣になる。
「お前達の喧嘩には嫌気が差してるんだ。そろそろ仲直りしたらどうだ?」
「何…?私達の仲を承知で言ってるのか?」
「勿論だ。もういい加減にしたらどうだ。折角あの姫が手を差し延べたんだ。無下に断って申し訳ないと思わないのか?」
「慧音!!」
「…頼む、私からもお願いだ、この通りだ」
慧音が土下座をして妹紅に言う。
「むぅ…くそっ、分かったよ、慧音がそこまで言うなら受け取ってやるよ。」
妹紅は渋々受け取った。
「有難う、妹紅。じゃあ、私は明日の準備があるから、またな」
そう言って、慧音は里へ帰って行った。
「やっぱり怪しいな…取り敢えず封を切ってみるか」
適当に封を切ると、中から黒い箱の様なものと、手紙が入っていた。
『もこたんへ。これ、何だかよく分からないのよね。ま、和平の証として、有り難く受け取ってね(はぁと)』
「…誠意のかけらもないな…まぁいいや。慧音もああ言ってるんだ。一応休戦状態にしとこう…納得行かないけど」
永遠亭。漸く鈴仙とてゐが解放された。永琳に乱暴に引っこ抜かれただけだが。
「酷い目に遭ったわ…てゐのバカ。私は悪くないのに…」
「れーせんちゃんが悪いんだよ?触らせてくれたらこんなことにならなかったの!」
「諦めが悪いわね。ダメったらダメ!」
「しょうがない…隠密に事を運びたかったけど、こうなったら最後の手段に出るから!」
「な、何するつもり…?」
「スペル発動、秘薬『えーりんの薬No.8556号』!!」
てゐがスペルを発動させた。すると、鈴仙の体を霧が覆う。
「これは…まさか…っ!!」
「薬が効いてきたみたいね。どう?動けないでしょ。ウササササ」
てゐが奇妙な笑いを上げる。
「さぁて、お耳の秘密、教えて貰うよぉ」
手が耳に伸びる…
「らめえぇぇぇぇぇぇ!!」
カチッ…
「もーこもーこもこ貴族のk…
どっかーーーーーーーーーーーん
「何だ!?今の音は!!」
慧音が慌てて外に出る。竹林の方から煙が上がっている。
「…妹紅!!」
慧音が妹紅の家に着いた時、そこには瓦礫の山が積んであった。
「妹紅、妹紅!!」
「うおおおおおおおおおお!!」
「うわぁ!!」
瓦礫の山から不死鳥が現れた。
「あのバ輝夜め!!今度と言う今度は許さん!!」
「待て、妹紅!落ち着けぇぇ…!!」
「ア蓬莱山、バ輝夜ぁ!!」
「え、何?もこたん!?」
「死ねえぇぇぇぇ!!」
「うわっ」
ばきっ、めきょっ
『めきょっ』?
「貴様ぁ、何が和平だ!!許さんっ」
「あああああ、私の(ピー)SPがあああああ…妹紅~!!」
「漸く来る気になったか!!行くぞ、バ輝夜!!」
「私がバカなら貴女は屑がいいところよ!!PS(ピー)の弁償するまで許さないんだから!!」
不毛な争いは終わらない。
「れーせんちゃんの耳は、起爆装置っと、メモメモ…」
「てーゐーちゃーん!?」
「わっ、れーせんちゃん…えっと…逃げろおおおおっ」
「待て~ゐ!!!」
こっちの争いも終わらない。
永琳「あの爆弾、どういう仕組みで爆発したのかしら…」
隠れてねぇwwwww
隠してるけど隠れてねぇwwww
>電磁波です。
挨拶で受け答えしとるw
突き抜けています。現代社会で生きていくには大変でしょうが、プチで頑張ってください。
鈴仙可哀そうに。逃げていたら怒られるとは、逃げずにやられてしまえというのか。
「そんなんで殴ったら」という鈴仙のセリフが一番気になってしまった。
いったい何を使って殴ったんだ永琳www
隠れてます。もう、凄い勢いで隠れてます。
>喚く狂人さま
偶然…いや、奇跡の結果です。早苗さんもびっくり。
>名無し3さま
有難うございます。現代社会を生き延びてみせます←
鈴仙は、この物語では二番目に可哀相な人だったり。
>匿名さま
人間が殴られたら死んでしまうものです。それは何か…うふ、うふふふふ←
>名無し5さま
「藤原妹紅」はどうやっても上手くいきませんでした。しくしく。