~紅魔館~
「お姉様、準備はいい?」
「ええ。行くわよ」
「「Trick or Treat!」」
本物の悪魔がやってきた。洒落にならない。
「きゃ…っ!!
お、お嬢様…妹様…脅かさないでください…
本当に怖かったです。カリスマの出しどころを間違ってます」
「何か言った?」
「いえ、何も」
「そんなことはいいから、お菓子くれないといたずらしちゃうぞー♪」
「はい、もちろんございますよ。
甘い甘いチョコレートです」
どこから出てきたか、それぞれ銀紙に包まれたチョコレート数粒。
「わーい!」
「よかったわね、フラン」
「うん!次はめーりんのとこ行こー」
「ええ」
~永遠亭~
「ねぇ、れーせん、今日は何の日だか知ってる?」
「ええ、もちろん」
「じゃあ、ね?
Trick or Treat!」
「はいはい、お菓子あげるから悪戯はだめよ」
「さすがれーせん、大好きウサ」
「うまいこと言って。
はい、私特製のキャロットケーキよ。ちゃんとテーブルで食べるのよ」
「はーい。あ、れーせんは食べないの?」
「そうね、一緒に食べちゃおうかな」
「うん、その方がいいよ」
ふた切れのケーキが無くなった頃。
「ねぇ、れーせん。私からもあげるものがあるの」
「え?なになに?」
「ちょっと外まで来てくれる?」
「そんなこと言ってぇ…落とし穴にでも嵌めるつもり?」
「そんなことしないウサ。
だから早くおいでよー」
「もー、しかたないなぁ」
鈴仙は警戒しつつも部屋の外へ出る。
屋内だと油断しきっていたのが悪かった。
「う、うおおおーっ!」
「れーせん、落とし穴は外だけじゃないよ。
Trick and Treat!」
~人里~
「「けーね先生ー!お化けだぞぉー!」」
「おお、こわいこわい、お菓子をあげるから許してくれ」
「やったぁ、ありがとう!けーね先生」
「慧音はやさしいな」
「当然のことさ。それに子供達の可愛い笑顔ときたら」
「ふふっ。慧音らしいな」
「妹紅の笑顔も見たいな」
「なっ…」
「……」
「私は子供じゃないんだ」
「そうか?ほとんど私に身の回りの世話をまかせてるくせに」
「何か誤解されそうな言い方をするな」
慧音は赤い飴玉を取り出して、
「…」
「…慧音…まったく。
Trick or Treat?」
「もこになら、イタズラされても、いいかも…しれないよ?」
「慧音、落ち着け」
~魔法の森~
「おーい、アリス!居るか」
「はいはい、居るわよ。何?」
「アリスは気が利かないな。今日という日に私を見て何も思わないのか」
「いつもどおり私の家に勝手に本を持って帰る少女がやってきたとしか思えないわね」
「まったく、アリスは面白くないな。
ハロウィンに魔女がやってきたらお菓子と紅茶でもてなすというのが常識だぜ」
「はいはい…魔理沙は何か違うような気がするけど。
来ることはわかってたわ。あがりなさい」
「あがるぜ」
「ん、この紅茶はいつもと違うな」
「私だって、今日が何の日かくらい知ってるわ」
「アリスは素直じゃないな」
「うるさいわね」
~マヨヒガ~
「藍さま!Trick or Treat!」
「ああ、今日は初めてクッキーを作ってみたぞ…!!」
「…らんさま?」
「(い、いかん!破壊力抜群だ…ッ!)
ち、ちぇん…」
「ど、どうしました?具合でも…」
こあくまちぇんの上目遣い。
「ちぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!!!」
「に゛ゃっ!?ら、藍さまぁぁ」
~紅魔湖~
氷精。
「よーし、みんな!突撃よ!」
大妖精。
「楽しみだね、みんな」
蛍。
「今年は何がもらえるのかな?」
暗闇。
「あまいのー」
門番。
「わぁ、みんな…」
「「「「トリック オア トリート!!」」」」
「はい、アメ玉ですよ。のどにつまらせないでね」
「やったー!」
「こんなにたくさん、ありがとう」
「蜜の味がするー」
「わはー」
~妖怪の山~
「私たちのところには誰も来ないわ!どうして!?」
「そんなに興奮しないで、穣子」
「けど、姉さん…せっかくスイートポテトまで作ったじゃない。
飾りだって工夫したし」
「そうだけど…仕方ないわよ。私たちで食べましょう」
「なんだかなぁ…」
何か悶々としたままむくれる。
「ひっく…ひっく…」
「ん…?姉さん、あの子どうしたのかしら」
「こんな山に子供…?天狗達は何をしてるのかしら」
「とりあえず事情を聞いてみましょう。
ねぇ君、どうしたの?お友達とはぐれたの?」
「ひっく…ぐすっ…あのね、ともだちに赤い館に行けって言われたから、やだって言ったらいじめられたの…」
「ふぅん…そんなことがあったの」
「そりゃあ怖いよね。あの館には本物の悪魔が住んでるって言うし」
「うん…ぐすっ」
「もうすぐ暗くなるし、みんな心配してるわよ?
あなたをいじめた子だってきっと悪いことしたって思ってるわ」
「だから…ね?山は危険だから帰りなさい。送ってあげるから」
「うん…」
人里が見えてきた。
「ここでお別れね」
「あ、そうだ。このスイートポテト、よかったら食べて?」
「わぁ、ありがとう!お姉ちゃん!」
「いいのいいの。たくさんあるからみんなで食べてね」
「お姉ちゃん…本当にありがと…」
「もう泣かないの。さぁ、早く戻りなさい」
「うん!ばいばい、お姉ちゃん!」
「無駄にならなかったわね」
「ええ、喜んでくれて嬉しかったわ」
「来年も作りましょうか、穣子」
「そうね」
喚くロードオブザ⑨氏と違って農家さんにキュンっ!と来ました。
そんな私は間違なく末期イン末期!
んなこたぁどうでも良く秋姉妹は良い姉妹!
いえ、決してスカーレット姉妹がノンカリスマとか『お嬢様はドロワで寝て起きる度にベッドに大きな世界地図を作製するのがデフォ』とかそんなk(そしてスカーレットは過去を刻むミゼラブルブレイクの波紋
秋姉妹いいなぁ
ところで白玉楼は?あそこは外しちゃいけないでしょ~
メディが作った毒野菜、食う覚悟は出来たか?
俺は出来ている。
嬉しすぎて背中から翼が生えそうです…
秋姉妹は、いい姉妹。
>喚く狂人さん
書いてる途中にのうかりんが脳裏に浮かんでしまった僕を許さないでください。
>謳魚さん
のうかりんにトキメく貴方は末期なのでしょう。無論僕も。
ドロワは咲夜さんが毎日替えるという羞恥プレイがあっても、いいと思います。
>3番目、4番目の名無しさん
ゆゆさまがとても喜びそうな行事ですが、これ以上書くと詰め込みすぎかな?なんて思ってしまったので、泣く泣く登場させませんでした。
まさか他にも書いてほしいなんてお言葉を頂いたので、また書かせていただくかもしれません。
ゆ「ようむー」
よ「何でしょうか?」
ゆ「今日はハロウィンね」
よ「そうですね」
ゆ「とりっくおあとりーと」
よ「今日は豆大福です。すぐにお持ちしますね」
ゆ「違うのよー、ようむ。
わかってないわねぇ」
よ「そう申されましても…」
ゆ「もう、じゃあしかたないからあなたにいたずらするわ」
よ「そ、そんな!」
ゆ「うふふ
こんな話があってもいいですよねぇー!
>5番目の名無しさん
>赤いアメ玉をもこと「一緒に」食べたかった
そ の 発 想 は な か っ た
>6番目の名無しさん
ああ、出来ている、出来ているとも
私が食わずにどうするのだ…!