初投稿です
アリスがなぜかおかしくなってます
稚拙で短い文章ですが、よろしければどうぞ
------------------------------------
「トリックオアトリート!!」
暗闇に包まれた魔法の森の一角、ぽつんと明かりが灯っている家の玄関、漆黒の夜にまるでそこだけ日が射している様な満面の笑みで彼女は立っていた。
「―――――ハァ?」
突然の、しかも普通の人なら出歩かないであろう時間の来客に戸惑いながらも応対したこの家の住人は、その来客者の第一声を聞いてさらに混乱した。
「だからトリックオアトリートだぜアリス、今日が何の日かわからないことはないだろ? さぁ選べ!お菓子かイタズラか! 別にトリートはお菓子じゃなくてもいい、ずっと魔界から持ってきたあの魔道書でも、最近お前が手に入れた魔道具でもな、早くしないと魔理沙さんの『R-21』なイタズラが始まるぞ?もしかしてそっちをお望みか? あぁ、なんならアリスが寝るときに抱いて寝る霊夢によく似た人形で―――――――ぶべっっっっ!!!!」
相手が混乱していることをいいことにマシンガンのようにしゃべり続けた普通の魔女は、七色の魔女のキレのあるハイキックによって崩れ落ちた。
やはり頼るべきは鉄の塊より己が肉体であろう。
そして冷静になったアリスは、昏倒中の(当たり所によっては今頃彼岸の船頭と談笑中かもしれないが)魔理沙に向かって話しかけた。
「あの人形は私の宝よ、貴女が私の物を持っていってもいままで大目に見てきたけどあれに手を出そうとするなら、私は全力をもって貴女を閻魔の元に送らなければならないわ」
現在進行形で閻魔の元に向かっているかもしれない魔理沙を見るアリスの目は、突き刺さる様に鋭く冷たかった。
「でもせっかくのハロウィンに来客ですものね、人形は無理だけど昼に焼いたクッキーならまだ残ってるわ。持ってくるから少し待っててね」
アリスはそう告げると家の中に戻っていった。
もちろん魔理沙はそのままである。
ピクリともしない。
1時間ほどしてようやく出てきたアリスは、手に持っているクッキーが入っている袋のうちの1つを先ほど家の中に引きずり入れた魔理沙の枕元に置いた。
さすがに魔法の森に一晩中置いておくのは気が引けたので客間のソファーに寝かせたのである。
それに彼女はつい先ほどアリスの恩人となったのだ。
彼女の放った一言が、アリスに今日が何の日かを思い出させてくれた。
『トリックオアトリート』
そう、今日はハロウィンなのである。
この魔法の言葉と共に家の中に突撃することによりイタズラと引き換えにお菓子がもらえる日、言い換えれば『お菓子がなければイタズラされればいいじゃない!の日』である。
つまり、お菓子を用意してない=イタズラされてもかまわないといった答えに、常日頃から『弾幕はブレイン』を唱えているアリスがたどり着くことはもはや避けようがないことであった。
そしてアリスが思いを寄せる相手―――
―――もといイタズラしちゃいたい相手とは、幻想郷が誇る赤貧、楽園の素敵な巫女、博麗霊夢であることは先ほどの霊夢人形に対するアリスの偏愛っぷりから見ても間違いないであろう。
ただでさえ生活苦で知られている霊夢がお菓子など出せるはずもなく、出てきたところで精々出がらしのお茶ぐらいのものだ。
「そんなもので私(イタズラ)を止められると思ってるの!?」
神社に向かう途中、空を飛びながらアリスは勝ち誇ったように叫んでいた。
その体は歓喜のあまりか震えており、鼻からは七色の中の1色が止め処も無く溢れ出していた。
もはや彼女を止めるものは何も無く、何時もの半分も掛からずに神社へとたどり着く。
境内の風は肌寒く、しかしてそれを苦にすることなど無いような熱気を帯びてアリスは歩を進めた。
「さすがに寝るにはまだ早い時間よね、縁側でお茶でも飲んでるのかしら」
そうしてアリスは頭の中で様々な妄想を繰り広げながら何時もの縁側に向かう。
「もうお風呂には入ったのかしら? まぁそっちのほうが何かと好都合よね」
だんだん独り言が危なくなってきた、こんなに声をだして勘の良い霊夢に気付かれないのだろうか?
だが今の彼女にそんな些細なことを考える頭は残っていない。
恋する乙女はいつでも盲目なのである。
不穏な空気を纏ながら歩くアリスの先に明かりの漏れている縁側が見えた。
「起きてるみたいね。――――寝ていたほうがやりやすかったんだけど」
目的が、イタズラ→夜這いに変わっている、どうやら彼女の妄想は一回りして別次元に行ってしまったようだ。
しかし本質は冷静なアリス、目標を前に何時もの冷静さを取り戻すと深く深呼吸をする。
そして目標に向かって飛び出すと本日限り有効の魔法の言葉を――――――
「トリックオアトr 」
そこまで言いかけて―――――
「ビックリした、誰かと思ったらアリスじゃないの。」
彼女の目に飛び込んできたのは―――――
「どうしたのよ? そんな格好して?」
少々驚いた顔をした霊夢と―――――
「あぁ、これね。何時も妖怪退治ご苦労様って里の人たちから、」
その横に大量に積まれた―――――
「こんなにお菓子もらっちゃった!」
「ちくしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
そしてアリスは風になった、神社の縁側にクッキーの袋を残して――――――
「結局アリスは何がしたかったのかしら? なんか真っ赤な包帯巻いてたみたいだけど。」
でも元気そうだったからいいや―――――と
霊夢はアリスの残したクッキーに手を伸ばした。
家に帰ると魔理紗が普通に起きてクッキーを食べていた。
持て余した情熱を沈めるためにアリスは魔理沙にイタズラを・・・・・・
------------------------------------
例えば「魔理沙はそのままである、」の所は、文が終わっているので、「、」ではなく「。」を使いましょう。
所々で、こんな間違いがありました。注意です。
「。」はわかりやすいですが、「、」での区切りはセンスがいりますね・・・。
日本語は難しい。
アリスの鼻から出た、七色の内の一色とはズバリ青ですね!自分と同じ色の血が流れているハズがない。そう思いたい。
テメェらの血は何味だ!!
「霊夢の腋と同じ味よっ!」