※メタ的な要素を多大に含みます
暇な彼岸
「お話があります」
「どうしたの?」
「四季様、一緒に緋想天に出ましょう」
「残念だけど私はあっちの異変には基本的に不干渉なのよ。そもそも天人の迎えは死神の役目だから私が出て行くわけにはいかないし」
「そんなこと言ってまともな出番がどんだけ無いと思ってるんですかあなたは。おかげで色々と大事なものが置き去りじゃあないですか」
「此岸は此岸でバランサーが頑張ってるんだからいいじゃない。あれが彼女の役目なのだし」
「八雲の妖怪ですかい?」
「彼女は彼女で色々大変みたいね」
「確かに、あの妖怪はあの妖怪で幻想郷の秩序のために奔走してるみたいでしたけどね。余波でのされましたし。その後四季様にもっとのされましたけど……いやしかし、一緒に緋想天に出ましょう」
「ここで突然のデジャヴ」
「今からでも遅くありません」
「遅いと思うのだけど。たった今、緋想天内の出来事を語ったのはあなたよ。もう事後よ。事後なのよ」
「一夜の過ちみたいに言わないでください。私は、四季様と出たかったんですよ」
「小町……」
「花映塚から一人ぼっちの出演だったんですから」
「班行動になるといつも孤独だったでしょう」
「レジャーシートも小さいの持っていって、お弁当とか一人で食べたんですから。永夜の兎も似たような環境でしたが、私のほうはEDもほとんど一人ですよ」
「そう言えば緋想天のしおりには『おやつは三百円まで、彼岸に還るまでが人生』とあったわね」
「そうそう、緋想天では紅魔館にお邪魔してみたわけですが、そこで同じような事情を抱えている門番や吸血鬼妹とも話してきました」
「オフレコで?」
「オフレコで。事情は察していたつもりでしたから、オブラートを重ねて遠まわしに話題を振りました」
「そして?」
「健気にも、大事な人の出番があるのならそれでいいと」
「いい話ね」
「いやそこは他人事じゃなく。竹林の月姫だってまだ他メディアで出番があるんですから。ボスとしての己の在りようをもう少し……」
「一部の人々が微妙に反応する呼称を使わない。それに、紅魔の面々だってそう言ってるんだから特に気にしなくていいと言う話ではなかったの?話が繋がっていないわ」
「それはそれ、これはこれです」
「意味のある前フリをしなさい」
「そこで出番の少ない四季様のために、あたいが一肌脱ぐぜ記念館」
「妙な館を建設しない」
「多目的に使えるんです」
「それはない。でも、小町に私を出演させる権限はないじゃない」
「権力の無い人間がすることと言えばいつだって情への訴えかけです。四季様が出るまで、情に厚い私のキャラで訴えかけ続けます」
「どうやって」
「人里離れた山奥で滝に打たれ続けます」
「無意味ね」
「『普段サボってばかりのあの子が滝に打たれながら猿と生活している……!』と言う感動路線を狙います」
「その路線の最終局面は野生への帰結もしくは大自然との一体化よ」
「暇ですね」
「ええ」
のんきな雰囲気が好きです。
>おやつは三百円まで
大金じゃないか!と思った(すみません。揚げ足取りのつもりはないです。)
>>1
バナナはおやつに入りませんが、チョコバナナは入ります。
>>2
ありがとうございますー!
三百円=大金については……すいません今気づきましたw
盲点だった。