ここは幻想郷の東の果てにある博麗神社。
今日も今日とて人妖入り乱れた宴会が行われている。
時間は深夜、盛り上がりは最高潮に達していた。
「パッド、パッドって疑惑が一部で上がってるけど、実際どうなのよ見せてみなさい。て言ってやったのよ」
酔っ払ったレミリアがワイン瓶を片手に大声で話している。
周囲では八雲 紫、西行寺 幽々子、風見 幽香、八坂 神奈子といった名立たる実力者たちが笑みを浮かべながら聞き耳を立てていた。
「そしたら咲夜のヤツ『お嬢様、私はパッドなどつけておりません』なんて澄ました顔で言いながら服を脱いでいくのよ」
一息つくようにレミリアはワイン瓶に口をつけラッパ飲みをすると、もう片方の手で口を拭う。
「ブラジャー外したと思ったら『私、実は男なんです』とかいいながらオッパイをはずしやがんの。なんじゃそりゃー! って叫びながら飛びかかったところで目が覚めたわ」
言い終わると同時に周囲からドッと笑いが上がった。
「アハハハハッ、なんていう夢よそれは、ハハハハハッ! さて、次は誰の番かしらね~」
紫が笑いながらサイコロを振った。サイコロはコロコロと転がると西行寺 幽々子と書かれた面を上にして止まった。
「あら、次は私の番ね~。そうね私の見たちょっとエッチな夢といったら……」
実力者の面々がやっているのは、名前の書かれたサイコロを振り出た名前の者が面白い話をするというものだ。
この遊びは少し前に幻想郷へとやってきた八坂 神奈子と洩矢 諏訪子の二柱によってもたらされたもので、外の世界でも神々が集まった時の打ち上げや二次会などでよくやっていたらしい。この他にも、話す順番を決めて話の題目の書かれたサイコロ振り、出た題目の話をするものや、二つのサイコロ両方を使うものなどがあった。
「いつも妖夢の部屋の明かりが遅くまでついてるからなにしてるのかなーって、一度気になって覗いてみたら……妖夢君は自家発電中だったのです」
イヤーンとかキャーとかいう声が起こる。
「だから思わず『いただきます』って飛びかかったところで目が覚めたんだけど、気づいたら起こしにきた妖夢を押し倒してたわ」
再び笑いが巻き起こった。
話は尽きることなく続いていった。
舞台は変わって境内の端。即席で作られたステージではミスティア・ローレライと黒谷ヤマメがマイク片手に歌っていた。もちろんバックバンドはプリズムリバー三姉妹。にとり特製の自動スポットライトに照らされながら二人は歌い踊る。
マイクを向けると観客たちから合の手が湧きおこり、益々ヒートアップしていった。
盛り上がりを見せる宴会の中、東風谷 早苗は一人賽銭箱の前に腰かけ溜息を吐いていた。付き合いがあるとはいえ早苗は宴会が苦手だった。その理由は……
「早苗~、一人で何してるのよ。こっち来て同じ女の子同士楽しみましょうよ!」
突如目の前へと霊夢が現れ早苗の腕を掴むと、グイグイと引っ張っていく。進む先には魔理沙や咲夜、アリスなどが仲良く酒を飲んでいる。
「ちょ、ちょっとまってください霊夢さん。私は、あの、その……」
「いいから、いいから、遠慮しないの! 同じ巫女同士、一度腹を割って飲み合いたかったんだから」
抵抗する早苗などものともせずに霊夢は引っ張ってく。そもそも霊夢は早苗の言葉など聞いては、否、聞こえてはいなかった。だが、そんな姿に早苗の堪忍袋の緒が切れた。
「いいかげんにしてください!」
怒声と共に霊夢の手を振り払うと、睨みつける。
「私は今一人でいたいんです。少しは考えてください、まったく」
「ちょっと、何急に怒り出すのよ。お酒嫌いだったっけ?」
「嫌いとか好きとか言う以前の問題です。だいたいですねぇ、お酒は二十歳になってからなんですよ!!」
早苗が叫んだ瞬間、宴会場は水を打ったように静まり返った。
「え? あれ?」
雰囲気が変わったことに戸惑いながら辺りを見渡すと、全員の目が早苗へと向けられていた。
「あの、みなさん……どうかしましたか?」
「さ~な~え~、ごめんね~。早苗は好きなお酒が飲めなくて怒ってたのね」
霊夢が仏のようににこやかな笑顔を浮かべながら早苗へと近寄っていく。片手に酒瓶を持ちながら。よく見ると、全員笑顔で片手に酒瓶を持って早苗へと近寄ってくる。
「ヒイッ! こ、こないで……」
異様な迫力に腰をぬかしながらも逃げようと後ずさる早苗の両肩を、ガッシリと何者かが掴んだ。
「好きな酒が飲めない辛さはわかるよ」
「すまないねぇ、辛い思いをさせたみたいで」
顔だけで振り返ると、伊吹 萃香と星熊 勇儀が他と同じように笑みを浮かべながら早苗を捕まえていた。
「ご、ごめんなさい。ゆるしてください。おねがいします」
「や~ね~謝る必要なんてないわよ」
霊夢は袖から漏斗を取り出すと、素早く早苗の口へと突っ込んだ。
「ふぐ~っ! ふぐふぐふぐっ!!
「なにを言ってるのかしら?」
「う~れみりあ、わかんなーい」
「おそらく、早く飲ませてくださいと言っているのですよ。それを叶えてあげるのが今の私たちに出来る唯一の善行です」
「さあ、どうぞ~」
漏斗へと日本酒、ワイン、ブランデー、バーボン、ビール……様々な酒が一斉に注がれる。
甘い、辛い、苦い……訳の分からなくなるような味と共に喉がカッと熱くなり、早苗は意識を失った。
世の中には決して触れてはならないモノがある。タブーとも呼ばれるものがそうだ。
''お酒は二十歳になってから''
命が惜しいなら、幻想郷において彼女たちの前でこの言葉は言ってはならない。
しばらくして、酒まみれになった早苗がゆっくりと起き上った。その目は据わっており、顔は真っ赤だ。
「そうでした、ここでは常識に囚われてはダメなんでした。とおぉーっ!」
掛け声とともに飛び上がると、ステージへと降り立った。
「ミュージックスタート!」
突然の出来事にプリズムリバー三姉妹が戸惑っていると、空気を読んだ衣玖がすかさず耳打ちすると共に早苗の前にスタンドマイクを置く。その後にとりの元へと去っていった。
チャンチャラチャチャ チャチャチャ~ン♪
チャンチャラチャチャ チャチャチャ~ン♪
エロチックな音楽と共に早苗をピンク色のスポットライトが照らし出す。
「ちょっとだけよ~ん」
早苗はクネクネと腰を動かし誘惑するように踊り出す。そして、横になると片足を高々と上げ履いていた足袋を脱ぎ捨てる。同じようにもう片方も脱ぐと起き上がり、袴の結び目へと手を添えた。
突然始まった早苗のストリップショーに宴会場は今夜一番の盛り上がりをみせる。
「あんたもすきね~ぇ」
早苗は袴の結び目をゆっくりとほどいていった。
今日も今日とて人妖入り乱れた宴会が行われている。
時間は深夜、盛り上がりは最高潮に達していた。
「パッド、パッドって疑惑が一部で上がってるけど、実際どうなのよ見せてみなさい。て言ってやったのよ」
酔っ払ったレミリアがワイン瓶を片手に大声で話している。
周囲では八雲 紫、西行寺 幽々子、風見 幽香、八坂 神奈子といった名立たる実力者たちが笑みを浮かべながら聞き耳を立てていた。
「そしたら咲夜のヤツ『お嬢様、私はパッドなどつけておりません』なんて澄ました顔で言いながら服を脱いでいくのよ」
一息つくようにレミリアはワイン瓶に口をつけラッパ飲みをすると、もう片方の手で口を拭う。
「ブラジャー外したと思ったら『私、実は男なんです』とかいいながらオッパイをはずしやがんの。なんじゃそりゃー! って叫びながら飛びかかったところで目が覚めたわ」
言い終わると同時に周囲からドッと笑いが上がった。
「アハハハハッ、なんていう夢よそれは、ハハハハハッ! さて、次は誰の番かしらね~」
紫が笑いながらサイコロを振った。サイコロはコロコロと転がると西行寺 幽々子と書かれた面を上にして止まった。
「あら、次は私の番ね~。そうね私の見たちょっとエッチな夢といったら……」
実力者の面々がやっているのは、名前の書かれたサイコロを振り出た名前の者が面白い話をするというものだ。
この遊びは少し前に幻想郷へとやってきた八坂 神奈子と洩矢 諏訪子の二柱によってもたらされたもので、外の世界でも神々が集まった時の打ち上げや二次会などでよくやっていたらしい。この他にも、話す順番を決めて話の題目の書かれたサイコロ振り、出た題目の話をするものや、二つのサイコロ両方を使うものなどがあった。
「いつも妖夢の部屋の明かりが遅くまでついてるからなにしてるのかなーって、一度気になって覗いてみたら……妖夢君は自家発電中だったのです」
イヤーンとかキャーとかいう声が起こる。
「だから思わず『いただきます』って飛びかかったところで目が覚めたんだけど、気づいたら起こしにきた妖夢を押し倒してたわ」
再び笑いが巻き起こった。
話は尽きることなく続いていった。
舞台は変わって境内の端。即席で作られたステージではミスティア・ローレライと黒谷ヤマメがマイク片手に歌っていた。もちろんバックバンドはプリズムリバー三姉妹。にとり特製の自動スポットライトに照らされながら二人は歌い踊る。
マイクを向けると観客たちから合の手が湧きおこり、益々ヒートアップしていった。
盛り上がりを見せる宴会の中、東風谷 早苗は一人賽銭箱の前に腰かけ溜息を吐いていた。付き合いがあるとはいえ早苗は宴会が苦手だった。その理由は……
「早苗~、一人で何してるのよ。こっち来て同じ女の子同士楽しみましょうよ!」
突如目の前へと霊夢が現れ早苗の腕を掴むと、グイグイと引っ張っていく。進む先には魔理沙や咲夜、アリスなどが仲良く酒を飲んでいる。
「ちょ、ちょっとまってください霊夢さん。私は、あの、その……」
「いいから、いいから、遠慮しないの! 同じ巫女同士、一度腹を割って飲み合いたかったんだから」
抵抗する早苗などものともせずに霊夢は引っ張ってく。そもそも霊夢は早苗の言葉など聞いては、否、聞こえてはいなかった。だが、そんな姿に早苗の堪忍袋の緒が切れた。
「いいかげんにしてください!」
怒声と共に霊夢の手を振り払うと、睨みつける。
「私は今一人でいたいんです。少しは考えてください、まったく」
「ちょっと、何急に怒り出すのよ。お酒嫌いだったっけ?」
「嫌いとか好きとか言う以前の問題です。だいたいですねぇ、お酒は二十歳になってからなんですよ!!」
早苗が叫んだ瞬間、宴会場は水を打ったように静まり返った。
「え? あれ?」
雰囲気が変わったことに戸惑いながら辺りを見渡すと、全員の目が早苗へと向けられていた。
「あの、みなさん……どうかしましたか?」
「さ~な~え~、ごめんね~。早苗は好きなお酒が飲めなくて怒ってたのね」
霊夢が仏のようににこやかな笑顔を浮かべながら早苗へと近寄っていく。片手に酒瓶を持ちながら。よく見ると、全員笑顔で片手に酒瓶を持って早苗へと近寄ってくる。
「ヒイッ! こ、こないで……」
異様な迫力に腰をぬかしながらも逃げようと後ずさる早苗の両肩を、ガッシリと何者かが掴んだ。
「好きな酒が飲めない辛さはわかるよ」
「すまないねぇ、辛い思いをさせたみたいで」
顔だけで振り返ると、伊吹 萃香と星熊 勇儀が他と同じように笑みを浮かべながら早苗を捕まえていた。
「ご、ごめんなさい。ゆるしてください。おねがいします」
「や~ね~謝る必要なんてないわよ」
霊夢は袖から漏斗を取り出すと、素早く早苗の口へと突っ込んだ。
「ふぐ~っ! ふぐふぐふぐっ!!
「なにを言ってるのかしら?」
「う~れみりあ、わかんなーい」
「おそらく、早く飲ませてくださいと言っているのですよ。それを叶えてあげるのが今の私たちに出来る唯一の善行です」
「さあ、どうぞ~」
漏斗へと日本酒、ワイン、ブランデー、バーボン、ビール……様々な酒が一斉に注がれる。
甘い、辛い、苦い……訳の分からなくなるような味と共に喉がカッと熱くなり、早苗は意識を失った。
世の中には決して触れてはならないモノがある。タブーとも呼ばれるものがそうだ。
''お酒は二十歳になってから''
命が惜しいなら、幻想郷において彼女たちの前でこの言葉は言ってはならない。
しばらくして、酒まみれになった早苗がゆっくりと起き上った。その目は据わっており、顔は真っ赤だ。
「そうでした、ここでは常識に囚われてはダメなんでした。とおぉーっ!」
掛け声とともに飛び上がると、ステージへと降り立った。
「ミュージックスタート!」
突然の出来事にプリズムリバー三姉妹が戸惑っていると、空気を読んだ衣玖がすかさず耳打ちすると共に早苗の前にスタンドマイクを置く。その後にとりの元へと去っていった。
チャンチャラチャチャ チャチャチャ~ン♪
チャンチャラチャチャ チャチャチャ~ン♪
エロチックな音楽と共に早苗をピンク色のスポットライトが照らし出す。
「ちょっとだけよ~ん」
早苗はクネクネと腰を動かし誘惑するように踊り出す。そして、横になると片足を高々と上げ履いていた足袋を脱ぎ捨てる。同じようにもう片方も脱ぐと起き上がり、袴の結び目へと手を添えた。
突然始まった早苗のストリップショーに宴会場は今夜一番の盛り上がりをみせる。
「あんたもすきね~ぇ」
早苗は袴の結び目をゆっくりとほどいていった。
そりゃ法律が幻想入りしてないし
ということは我々は神々から遊びを輸入?すごいなwww
なんで幻想郷ではお酒は二十歳になってからがタブーなのか納得できないから違和感だけが残りました。
二十歳以下でも平気で呑んでるから、外の常識を持ち出すのは無粋だって事なんでしょうか?
ちなみに海外だと十六歳で飲酒可能になる国も幾つかあったりしますね。
お酒を飲むのは二十歳になってからというのがタブーなのは、飲むことじゃなくって、
他の人妖にとって、自分達が年寄りだと言われているのを遠まわしに言われている様に思ってしまうから、タブーなんですね。
見た目は幼女なレミリアでも495才ですしね。
まあ、女性にとって年齢の話はある意味タブーですからねぇ。
このコントはそれからが始まりだ!!w
に脳内変換されると言うことですね!!
私の認識が間違っていなければ成人女性を少女と呼ぶことはないはずです。でも少女だと飲酒がおかしいことになります。
幻想郷には飲酒に関する法律は無い(設定には出てきてない)ので問題はないのですが、彼女たちはみんなお酒大好きの飲兵衛です。
そこへ『お酒は二十歳になってから』と言うと、少女である彼女たちはお酒を否定されることになる。お酒=命とも言える彼女たちにとってそれは耐えれない事だと思います。かといって飲酒を肯定すると、少女であることを否定することになる。二律背反になるこの言葉に彼女たちは怒ったというわけです。
とはいえ、読んだだけでは理解できない方も多かったようで、話の練りが足りず説明不足だったことを反省します。
最後に、妖怪たちは何百年や何千年も生きているのに少女なのはおかしいのではと思う方もいるでしょうが、人と妖怪ではそもそも時間に対する間隔が違うと思うので、妖怪たちは自分が少女だと思っていると私は考えてます。
そして気になっていた三馬鹿トリオ(←小説版儚月抄第4話参照)のタブー(年齢)の疑問。
霊夢の場合は博麗の巫女によるその力で年を取らない。魔理沙の場合はキノコやら薬草やらヤバイもん結構食って、その効能で若さを保つようになった。そして咲夜さんの場合は自分の能力で自分の“時”を止めている…
つまりこの3人は10代に見えて、実際はハタチなんてもうとっくの昔に過ぎt(夢想封印&マスタースパーク&殺人ドール)!!!
…ゴメンナサイ<(_ _)>
でもね、閻魔様は止めてあげるべきだと思うんだww