Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

現実は脳内より平和

2008/10/18 00:43:45
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9月ころのお話だよ。脳内の時間軸を戻してね。























残暑が続く今日この頃。
霊夢は久しぶりに自宅の氷室を開けた。
普通、氷室は食料保管のためにあるものだが、この神社には茶葉以外の食料はない。
よって、この氷室もただ冷たいだけの空洞なのである。
「まったく使っていなかったから、そろそろ掃除しようかしら」
戸をガラリと開ける。やはりどこかほこりっぽいが、涼しい。
氷室としての役割は十分に果たしている。
「やっぱりここは涼しいわね」
残暑漂う外の比べれば、氷室の中は当然涼しい。
「いっそここに住もうかしらねぇ」
霊夢ははたきで埃を払いながら、氷室の中を進む。
先代はここに莫大な酒を保管していたので、無駄に広いのだ。
まだ酒の在庫はあるが、これを“食料”と位置づけるのは難しい。
右を見ても酒樽。左を見ても酒樽。見る限り酒樽。酒樽。酒樽。白岩。酒樽。酒樽。酒樽!
「って、白岩ぁ!?」
ナイスノリつっこみ。酒樽と酒樽の間にすっぽり収まる白岩、ことレティ・ホワイトロック。
しかし、何か違う。主に横幅。横幅著しく減少。
「ちょ、レティ、あんたこんなところで何寝てるのよ!」
「ん、んん、なにぃ?まだ冬じゃないでしょうぅ、Z Z Z」
「こんなに痩せちゃって………ろくに何も食べてないんでしょう!」
「夏季休眠中は何も食べないで、ぐっすり寝て、力を蓄えるのよ。大体、ここ、食べ物ないじゃない」
「なんだってこんな寒いところに1人でいたのよ!ああ、もうこんなに体温が下がってるわ」
「私は冬以外、涼しいところで過ごすのよ。夏場で涼しいところなんて、人気の無い氷室くらいだもの」
「とりあえず、なんとかしなくちゃ。こんなところで遭難者を見つけるとは思わなかったわ」
「ねえ、さっきから私の話聞いてる?」
「寝るな!寝たら死ぬわよ殺すわよ!」
「こっちは夏季休眠中なのよ。だからゆっくり寝かせてよ」
「馬鹿ッ!諦めちゃ駄目よ!このまま貴方を死なせはしないわ!」
誰がどう言おうと、霊夢の脳内では今、雪山であり、レティは遭難者なのである。
霊夢はロープを押入れから持ってくると、レティおぶって、さらにロープで自分にくくりつけた。
「こんなに冷え込んで…………待ってなさい、すぐに病院に連れて行ってあげるから」
「………放っといて」
「有無は言わさないわ!」
すっかり痩せたレティは、思ったより軽かった。
すぐに霊夢は永遠亭目指して、氷室を出て、神社も出た。
日差しが2人を照りつける。
「れ、霊夢…………私を殺す気………?」
レティとしては地獄である。充電未完了で弱っている中、無理やり強い日光にさらされるのだから。
だが、何度も言うが、霊夢の脳内では、ここは猛吹雪の雪山である。
「死なせない。あなたはゼッタイ死なせないわ!」
「ああ、日差しが強すぎるわ………溶ける…………」
「大丈夫、あと少しだから、頑張って」
霊夢は必死だった。レティも必死だった。言うまでもないが、2人の目的地は正反対である。
特に、レティはもう限界だった。ただでさえエネルギー充填が終わってない状況で、さらに弱点にさらされている。
視界がかすむ。もう駄目だ、と思ったときであった。
「レティ姉!」
レティの姿を見つけたのか、舞い降りるチルノ。
それは、レティには天の声のように聞こえた。実際はチルノである。
それは、霊夢には雪山に住む熊の雄叫びに聞こえた。実際はチルノである。
「レティ姉!どうしたの、まだ秋だよ!?」
「ち、チルノ、助けて………この思い込み巫女を止めて……………」
「よし来た!パーフェクトフリー『夢想封印!』」
チルノは散った。レティの最後の希望も、砕け散った。
しつこいようだが、霊夢の脳内では、ここは雪山であり、レティは遭難者、チルノは遭難者を狙う熊である。
「大丈夫よ、レティ。チルノはやっつけたわ」
「私があなたに何をしたって言うのよ………いいからここで降ろして…………」
「諦めちゃ駄目!永遠亭はすぐそこよ!」
こうして霊夢は、レティを背負って、“敢えて飛ばずに”“敢えて日陰を避けて”永遠亭目指して歩き続けた。




「先生!レティは、レティは助かるんですか!?」
「最善を尽くすけど、難しいわ」
永遠亭、特別診療室。
手術台にくくりつけられたレティを、霊夢と永琳が見下ろす。
なぜか診療室の隅でストーブが焚かれている(霊夢のリクエスト)
「やめて………もう、死ぬ……………」
「先生!レティが弱ってます!ストーブを強くしてください!」
「分かったわ、最大火力にするから」
永琳はストーブの火力を上げ、それをレティの近くに近づけた。
「先生、心拍数が弱まってきています!」
「最終手段ね。霊夢、今すぐあのお方を連れてきなさい。このノリからなんとなく分かるでしょ」
「わ、分かったわ!」
すぐに診療所を飛び出した霊夢は、3分ほどで帰ってきた。
「先生、連れてきました!リリー・ホワイトです!」
「春じゃないけど、春ですよー」
その刹那

「死ねない、自機に、なるまで、死ねな………」




















ピ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――











「レティーーーーーーーーーーーーッ!!」



 
 



今年は、幻想郷に冬は来ないかもしれない。








【作者の自己満足スペース】
どうも。ペンネームが覚えにくいと苦情が来ている作者です。
実は今回、これが25作品目になります。ちょっとキリのいい数でうれしいです。
話は変わりますが、先日、友人に言われました。
「おまえの作品、虹川多くね?」
そこで、キリのいい数でもあることだし、ちょっと数えてみる企画(下)。
(リクはもうちょっと待って)




【数えちゃいました】
地球人撲滅組合プロデュースのうち、
Ⅰ プリズムリバー3姉妹出演作品(1人でも出てればカウント)  10作品
Ⅱ レミリア嬢出演作品                        13作品
Ⅲ 魔理沙どの出演作品                       6作品
Ⅳ チルノ出演作品                          8作品

…………やっぱ多いわwwww
      4割プリズムリバーかよww



【追記・反省と謝罪と次回までの(あたし自身への)課題】
レス欄を見て反省。
さすがにこれはまずかったか。まずかったね。
実はこの作品、9月ごろに書いたものだったんです。
書いた直後に投稿しなかった理由
『これはさすがにまずくね?』
以上。
なのに今回、微弱な手直しだけで満足し、投稿してしまったことに深く謝罪。
申し訳ございません。

次回までに、この悪い腕と頭のほうを何とかします。
せめて見られる作品になるよう、頑張ります。このたびはまことに申し訳ございませんでした。
地球人撲滅組合
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
あ~、多分分ってるんだろうけど、この感想しか思い浮かばん
リリーと違ってレティが冬を告げるわけじゃないのよね
ん?
冬になる前にリリーが来たからって事?
でも、それだと秋も来なかったってことに・・・
2.名前を表示しない程度の能力削除
思い込みって超怖ぇー。

しかし地球人撲滅組合氏+虹川だとどうしても前々回の扱いが酷すぎるリリカが出てきて困るww
3.名前が無い程度の能力削除
>今年は、幻想郷に冬が来ない。


…で?

このあとがあれば良かったんですけどこれじゃあ只のレティいじめに見えちゃう。