Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

アリスって言ったらクローンだろ? STG的に考えて

2008/10/17 22:27:13
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※20世紀末は色んな意味で青春ですた。
※アリスクローンは関係ないそうです。
※プチ30の「ウサギって言ったら~」「悪魔って言ったら~」と設定的に繋がっています。


















「あら、アリスちゃんのお友達かしら? ごめんなさいねー、アリスちゃんは今留守にしてるのよ」


 2度あることはサンドアール。そんな言葉を改めて痛感する私を出迎えたのは見ず知らずの女性でした。

「三度目の正直って諺は幻想にすら忘れ去られちゃったんですかねー」
「はぃ?」
「ああ、すいません。こちらの話です。――ところでどなた様でしょうか?」

 ゆったりとした朱色の法衣、見る者に不思議な安らぎを与える朗らかな笑顔、そして頭頂部付近で束ねられた
一房のたくましい髪。どことなーく浮世離れした感じの不思議な女性です。

「あらあら、ごめんなさいね。私、アリスちゃんの生みの親で魔界神の神綺と申します」
「や、これはこれはご丁寧にどーも。私、鴉天狗の射命丸あ――んですとぉっ!?」

 生みの親!? 魔界神!? 確かにアリスさんに関して魔界出身だの神の娘(※ラニーニャに非ず)だのといった噂がまことしやかに囁かれています。
 もし、この方の言っていることが真実なら超スクープじゃないですかっ!

「そ、それでその魔界神ともあろう御方が、どうしてまたこの様な場所に?」
「私的な寄り合いでちょっとしたゴタゴタがあってね。疲れちゃったから寄らさせてもらったのよ。離れて暮らすってのは普段寂しいけど、こういったときは便利よねー」
「ああ、独り暮らしする子供の部屋を宿代わりにするよーなもんですね……」

 まぁ確かに便利でしょうけど、押し掛けられる側は堪ったもんじゃありませんね。
 しかしまぁ、随分と腰が低いわやけに俗っぽい話をするわで、この方、ホントーに神様なんでしょうか? 守矢の2柱はもちろん、秋神様だってもうちょっと尊大な態度で接してきますよ。
 ふーむ。これは内容が内容だけにしっかり裏を取らないと、数少ない読者の方にも見限られちゃいますね。

「あー、そう言えば自己紹介が途中でした。私、実は新聞を発行してるんですが、東西異文化交流の特集を組んでいましてね。本日アリスさんをお訪ねしたのは取材のためなんです。ほら、アリスさんって名前とか雰囲気が異国情緒に溢れていますよね?」

 ここで相手の顔色を窺います。身内を探られていると知れば、普通あまり良い顔はしないものですが……。

「でしょ、でしょ? やっぱアリスって異国情緒溢れる響きよねー。『不思議の国の○リス』はもちろん、『キャプテンア○ス』とか『アリ○ったらもう』とか『るぷ○ぱう』だとか、アリスって名前の娘が登場するお話ってすっごくファンタジックだもの。ほら、私って魔界神なのに名前が漢字で違和感バリバリじゃない。だからこそ世界に即したネーミングって大切だと思うのよ」
「そ、そーですねー」

 なにやら喜色満面で食い付いてきました。しかも聞いてないことまでペラペラと喋り出す有様です。それにしてもオリジナル以外の引き合いが目茶苦茶マイナーです。判る方がどの程度いらっしゃるか……。

「まぁ、そう言ったわけで異文化のお話を伺いに参上した次第でありますが……洋の東西どころか異世界出身ってことになるんですよね?」
「ええそうよ。尤も次元を隔ててる訳じゃないから、その気になれば割と簡単に越えられるわよ。特に幻想郷ってその境目が曖昧になる傾向にあるみたいだし、冥界や彼岸よりちょっと遠い程度かしら」

 なるほど、割とご近所の異世界なんですか。まぁ、異文化といえば異文化でしょうし、例によってここで帰ってしまうと新聞の発行がままなりません。今回は番外編と割り切ってこのまま取材を慣行してしまいましょう。
 神綺さんも乗り気のようですし、アリスさん本人から聞き出せないような秘密も聞き出すとしますか……。







『幻想郷の東西交流③ 番外編 ~魔法の国からコンニチワ!~』

 皆さんごきげんよう。幻想郷の東西交流を訪ねて、第3回目は魔法の森は人形の家、アリス・マーガトロイド邸へとアプローチを試みた。しかし、ここで当社特派員はある重要な事実を知ることになったのだ。

 さて、アリス・マーガトロイド(??歳)氏と言えば一般的には自律人形の制作をライフワークとして、日々研鑽を続ける人形遣いにして魔法使いであり、その名前や容姿などから海外移住組の1人として認識されている。
 ところが彼女の出自等が実際どういったものかは全くもって不明のままで、その事について本人の口から語られることは今までも、そしてこれからもきっと無いだろう。

 しかし、幸運なことに当社特派員は偶然マーガトロイド邸を訪れていた彼女の関係者(????歳)と接触することができた。希望により正体を明かすことはできないが家族とも言える極々近しい関係者であり、アリス氏について驚くべき真実を聞き出すことに成功した。
 まず、アリス氏は西洋の出身ではない。では本邦出身かといえばそうでもなく、なんと『魔界』という異世界出身だと言うのだ。前回訪ねた紅魔館の小悪魔氏も異世界出身だったが、あちらは西洋の地獄に相当する世界だったの対して、こちらの異世界は洋の東西といった概念にとらわれない『魔法の世界』なのである。

 今回の東西交流は番外企画として、先述の魔界関係者をコメンテーターに迎え、和とも洋とも異なる世界について色々と伺ってみることしよう。



 ――それではよろしくお願いします。
「は~い」

 ――まず、貴方とアリスさんとの御関係は?
「端的に言えば造物主と被造物ね。でもアリスちゃん達は魔界運営の補佐となるよう、私が身を削って生み出した特別な魔界人なの。だから母娘と呼んでも差し支えないわ」

 ――魔界運営の補佐とは?
「私だけで全部やるのは骨が折れるし、なにより手が回らないことだってあるでしょ? だから分担できる所は任せちゃおうってわけ。娘達はそれぞれ得意分野が違うけど、専門の分野に於いては私より秀でてるわよ。例えば長女の夢子ちゃんは戦闘力。次女のルイズちゃんは諜報能力といったふうにね」

 ――造物主より強い被造物なんて在ってもいいんですか?
「ストリートファイト上がりの市長や亜米利加映画の大統領じゃあるまいし、私は創造主であって独裁者じゃないわ。それに所詮は造物主と被造物の関係。生殺与奪の権はこっち側にあるのよね。それでもなお、あの娘達が揃って反旗を翻すのなら――それこそ真の意味で自立って呼べるんじゃないかしら?」

 ――意味深長ですね。では、アリスさんにも秀でた部分があるんですか?
「アリスちゃんの場合はちょっと特殊でね、先に生みだした5人の能力を統合した万能型なのよ。尤も分野ごとの能力は各専門分野の娘に劣るから器用貧乏な感は否めないけどね」

 ――それぞれの能力といったものは任意に決められるものでしょうか?
「当然だわ。初期値や上限値に違いはあってもどの魔界人も生まれたては真っ新なの。そこにボーナスポイント(通常5~9点、極々希に60点前後のケースも)を振り分けて経験値稼がせたり、必須能力や様々なスキルを覚えさせながら8年間じっくりと育てたりするのよ。前者は主に一般魔界人で娘達は後者のタイプね」

 ――つまり、娘さん達には魔界運営の手助けとなる様々なことを学ばせたんですね?
「ええそうよ。まずは宿屋でバイトさせて体力と資金を蓄えたら、武術や魔法や礼儀作法とか学ばせるの。モチロン他のバイトから得るものだってたくさんあるし、手っ取り早く武者修行に出すのも一興ね。それから仕事ばっかでもモラル低下や病気になっちゃうから、色々とお話ししてあげたりバカンスとかに連れてって休養させるのも創造主としての腕の見せ所よ。それから日々の発育状態を確かめるためムフフなモード(98版)の大活用は当然の成り行きね」

 ――特に大変だった点や印象に残ったことはありますか?
「前者では『あ』とか『あああ』といった水子の供養に心を痛め、後者では『俺の嫁(MSX版)』追加に感激したわ」


 ――なるほど、親がバカなんですね。わかります。



 ――次の質問に移りましょう。アリスさんはどうして幻想郷にやって来たんでしょうか?
「魔界には『魔女を志す者、異世界で修行すべし』って習わしがあるの。アリスちゃんの他にもサラちゃんやユキちゃんとマイちゃんも現在進行形で修行してるのよ。勿論、一般魔界人も大勢お邪魔させてもらってるわ」

 ――ということはアリスさん以外の魔界人も来ているんですね? それは知りませんでした。
「人間界(幻想郷含む)に限った話じゃないけど、基本的に留学先では正体を偽ることがある種のお約束なの。夢子ちゃんの時はメイドさんだったし、ルイズちゃんは酒場でウェイトレスさんだったかしら。でも最近は魔法とか弾幕が日常的な世界(幻想郷含む)が増えてバレてもそんなに問題ないみたいよ? まぁ、その分殺伐とした世の中になっちゃったってことでしょうけど……」

 ――なぜその様な習わしが?
「留学についてはウチの魔界が手狭で学べることに限界があるから。余所の世界で見識を広げるのってとってもステキでしょ? それに色んな人達と交流することは心を育てることにも繋がるしね。正体を偽る件についてはやはり波風を立たせない政治的配慮と見えそで見えないチラリズム的ナニかじゃないかしら」

 ――なるほど。それでは留学の成果のほどは?
「色々と刺激されるのか、劇的な成長や変化を遂げて帰ってくるわね。ただ、現地人達との交流の結果、例えばルイズちゃんみたく恋に落ちて、魔女(時には魔界人)の道を放棄しちゃうこともあるから、正に一長一短よ」

 ――幻想郷にはプレイガール白黒や無重の引力巫女などが居ます。その点、心配はありませんか?
「実はアリスちゃんがこっちに来た理由の半分って、その娘達に仕返しするためなのよ。だからそう言った意味では最初から手遅れだったわけ。でもまぁ、仕返しが終わったにせよ現在進行形にせよ、私が貸し与えた究極の魔導書(創世の極意書)抱えて日々研鑽し続けてるみたいだし、手向けに送った魔人マーガトロイドの称号も誇らしく名告ってるからそんな心配は要らないわね」

 ――ありがとうございました。最後に娘さんになにか一言。
「サラちゃんユキちゃんマイちゃんアリスちゃんみてるー? お母さん新聞でインタビューされちゃった~。えっとね、みんなが修行に出かけちゃって魔界のお仕事も大変だけど、そのぶん夢子ちゃんやルイズちゃんと頑張ってるから心配しないで勉強してね。あ、それからお正月ぐらいは帰ってきなさいな。あと、お土産とか忘れないでくれるとお母さん嬉しいかなぁ――」

 ――救いがたい親バカですね。本日は本当にありがとうございました。
 (※幾つか匿名の意味を成さない箇所があるが、本人たっての希望でほぼ全文を掲載した為であり御容赦願いたい)


 以上の事柄から考察するに、魔界は成り立ちこそ伴天連の教えと似たようなエピソードがあるものの、その実は『めるへん』とか『ふぁんたじぃ』といった和の電波で形作られた世界であろう。特筆すべきはこの世界がたった1柱の神により創られ運営されていると言うことだ。
 噂によるとこの神は割と頻繁に魔界と幻想郷とを行き来しているらしいので、もしかしたら何処かで会える(或いは既に会っている)かもしれない。また、現在魔界は秋の観光キャンペーン実施中とのことなので、実際に訪ねてみるのも一興だろう。アクセスは博麗神社裏山の洞窟から特設観光魔界ゲートを通ってすぐ(※旅券は不要だがビザ申請は必要)。


次回、「幻想郷の東西交流④」は宵闇の赤提灯。『八目鰻処みすち庵』をお送りいたします。

                                                   ~文々。新聞より抜粋~








「……あー、すいません。取材させ貰っておいてなんですが、今ひとつ貴方が神様であるという実感が湧かないのです。なにか証拠になるような――例えば神力のひとつでも見せていただけませんか?」
「そうねぇ。余所様の世界で好き勝手はダメだけど、神々の争いってヤツを見せてあげるわね」
「か、神々の争い……ですか?」

 天地を創り自然を司る神々。妖怪よりも圧倒的なパワーを秘めた文字通り人知を越えた超自然の存在。そんな神々が争ったらいったいどうなってしまうのか?
 生物としての本能が警鐘を鳴らすなか、ジャーナリストとしての好奇心がそれを抑え付けます。

「是非とも拝見させてください!」
「それじゃあ『神様』って呼んでごらんなさい。余程のことが無い限り応えてあげるのがルールだから」
「は? えぇっと、かみさまぁー?」

 なんだかよく判りませんが言われるがままに声に出した瞬間、強力なパワーをもった複数のナニかが物凄い勢いでマーガトロイド邸へと殺到してきました。

「神と聞いて色づき始めて来ましt――「散ってお帰り!」
「神と聞いて焼き立てで来まs――「ホッカホカでお帰り!」
「神と聞いて回転して来m――「回れ右してお帰り!」
「神と聞いて木落しでk――「川渡ししてお帰り!」
「神と聞いて遊びn――「遅くならないうちにお帰り!」

 次々に顕れる葉っぱ、芋、厄、オンバシラ、ケロケ■ケロッピな神々。そしてその口上を述べきる前にことごとく邪魔をした異界の神に批難の視線を浴びせかけます。
 しかし、魔界神は不敵な笑みを浮かべると、神々しく輝く3対の翼を広げて宣言しました。

「神と聞いて既に歩いて来てましたっ!」
「「「「「どちくしょぉぉぉぉぉぉぉっっ!!!」」」」」

 早い者勝ちの苛烈な競争社会。遅れてやって来た神々は泣きながら走り去るほかありません。

「ね、凄いでしょ?」
「意味わかんネェーよッ!」
メガテンは兎も角、アシュラブレードは斜め上でした。


ピザ修正しました。 
どーやら日本誤変換システムが要らん気を利かせてくれたよーです。
ぎゃあ
http://
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
ネタの多くが分らなかったけど、面白かった!
(メガテンもアシoラブレードもよく知らないorz
2.名前が無い程度の能力削除
ピザが必要なんですか。C.Cですか。そうですか。
おそらくビザですね。
とりあえずピザ注文してきます。かっ勘違いしないでよねっ!?別に魔界の神様を一目見たいからとか、ひざまづいて一生おつかえしたいなんて考えてないんだからっ!!
ああ、新聞を読んでふるふると拳を握らせているアリスが見える・・・
3.欠片の屑削除
この、がーっとした感じが好きです。
でも、メガテンにいくなら黒・赤おじさんをお忘れなく!!
4.名前が無い程度の能力削除
魔界人育成はプリメなのか…
5.名前が無い程度の能力削除
イガジデガエザン!!
6.名前が無い程度の能力削除
まさかアシュラブレードという単語をきくとは思わなんだw
7.名前が無い程度の能力削除
アリスでクローンと聞くと、とりあえずエスプガルーダが思い浮かんだ。
8.回転魔削除
お姫様製造者かよwww
9.名前が無い程度の能力削除
最後がw
10.名前が無い程度の能力削除
東方関連の小ネタ(留学とか)が面白かったです。そしてオチがwww
>専門の分野に於いては私より秀でてるわよ。例えば長女の夢子ちゃんは戦闘力
思わず納得した…(すみません)
11.名前が無い程度の能力削除
ボーナスポイントというとWizだと思ったが……