「こんにちわ~」
妖怪がいっぱいな博麗神社にそう言ってやってきたのは
幻想郷では珍しい、真面目な人間であった
「あら、いらっしゃい早苗…素敵なお賽銭箱はあっちよ」
「あ、はい…百円で良いですか?」
「…え、嘘!?本当に入れてくれるの!?」
神社の縁側で横になっていた霊夢が驚いて起き上がる
驚いた霊夢を無視して早苗がお賽銭箱に
(ちゃりん♪…ぱんぱん)
「…お待たせしまし…って!何で良い笑顔で片膝を地面についているんですか!?」
「博麗神社に来て…私、初めて『鳴らずの賽銭箱』にお金が入る所を見れたわ…」
「れ、霊夢さん!…地面に倒れそうにならないでください!」
喜びの余り、口から血を出しそうになりながら嬉しそうに
地面に倒れようとする霊夢を早苗が抱きとめる
「…ありがとう…早苗…私、もう未練は無いわ…」
「だ、駄目です!まだ生きてください!」
目から涙をこぼしながら、霊夢の目が閉じられる
そして遂に霊夢が事切れようとしたその時
「せっかく御饅頭持って来たのに…」
「ふっかーつ!博麗の底力!」
7000万パワーで蘇った
「お茶しかないけどいい?」
「あ、はい、それじゃあ御饅頭でお茶にしましょう」
天気の良い縁側で早苗と霊夢が御饅頭を片手にお茶を飲む
「「ほっ…」」
甘い御饅頭の少し濃い目のお茶
「ああ、日本人に生まれてきてよかったわ~(ずずずっ)」
「そうですね~」
天気にも恵まれて、最高のお茶日和となっていた
「そういえば、この前里に新しいお店が…」
「え、本当?…行って見たいわね」
そして、早苗と霊夢の他愛も無いお話が始まる
早苗が神様二人の愚痴を話したり
霊夢が神社に妖怪しか集まってこない事を愚痴ったり
二人にしか分からない苦労をお互いに話し合っていた
そんな中、早苗が霊夢にふと思った疑問をぶつけてみた
「そういえば、霊夢さんの収入って何処から来ているんですか?」
早苗の神社には、お賽銭を入れてもらったり、
里で神への奉納品として作物や金品を少し貰ったりする代わりに
妖怪のトラブルを解決したりする事をしているのだが
博麗神社がそのような事をしているというのは聞いたことが無い
では、霊夢がどうやっているかと言うと
「…お賽銭…」
「えっ?で、でもさっき『鳴らずの賽銭箱』って…」
「…だから、無収入」
早苗は絶句した
そんな早苗に霊夢が慌てて説明する
「ほ、本当は妖怪退治してお金貰っていたんだけど…」
「貰っていたんですけど?」
「…最近はタダで妖怪退治しちゃう人が多くなっちゃって」
「仕事、してないんですか?」
早苗の呟きに、力なく首を縦に振る霊夢
「仕方ないじゃない…異変解決する度に変な人増えていくんだから」
「は、はあ…」
「人間が大好きで蓬莱人間がもっと好きな上白沢慧音でしょ…
面白いからってすぐ首を突っ込む魔理沙もいるし…」
霊夢が口々に人の名前を挙げていく
それだけ居れば、誰もお金がかかる人よりも
タダで退治してくれる人のところに向かう
「…そのくせ、皆この神社を破壊していくし」
「そ、そうですね」
この前は遂に地震で博麗神社が倒壊したのだ
それも、二回も…その時の霊夢がしばらく放心していたのを
早苗は思い出していた
「あの時、早苗に助けてもらわなかったらどうなっていた事か」
「困った時はお互い様ですよ」
そして、神社が再建する間、霊夢は早苗の元で生活をしていたのだ
「でも、ほかにいっぱい頼る所があったんですよね?」
早苗の言葉に、霊夢が首を横に振る
「ああ、無理…紅魔館に行ったらメイド服着せられそうになったし
永遠亭に行ったらナース服着せられそうになったし
白玉楼に行ったら紫が私の姿見て笑おうと準備してたり」
固定の大きな組織の元に行けば
絶対に笑いものにされる、それは霊夢も嫌だった
「あと、魔理沙の家は足の踏み場はないし
アリスの家は、料理は美味しいけど、人形達から怖い目で睨まれるし」
個人の家に泊まるのは、少し気が引けた
「本当は、霖之助さんのところで生活しようと思っていたんだけど
やっぱり…その…男の人と二人っきりって言うのは…
と、とにかくあの時は本当に助かったわ!ありがとう」
その辺はやっぱり女の子、霊夢が頬を少しだけ赤く染めながらそういった
「どういたしまして」
早苗は、あえて深く聞こうとはしないで話をそこで一旦きると
お茶を再び啜り持って来た御饅頭をもう一つ摘んだ
「でも、妖怪退治の仕事が無いという事は、霊夢さん今お金は…」
早苗がお饅頭を食べながら再び霊夢にそう言うと
霊夢はため息をつきながら早苗にぼやいた
「…ええ、一切無いわ…はあ、また冬の間の食料を何とかしないと」
「た、大変ですね…」
「早苗の所も信仰とか、大変なんでしょ?」
「あ…はい、実はなかなか大変で…」
早苗が苦労している事を話そうとしたとき
「…あっ!」
「どうしたの?早苗」
「良い事思いつきました!」
早苗の頭の中に、良い考えがでてきた
「霊夢さん!協力してください」
「めんどくさい事はカンベンしてよ」
「まあまあ、良いですか?耳かしてください」
「なになに?」
(ごにょごにょ…)
「売れるかしら?」
「利益の三は霊夢さんの所でどうですか?」
「…五ね」
「ですけど、準備とかのお金はこちらが持つんですよ?」
「よ、四でお願いします!(土下座)」
「そ、そこまでしなくても良いですって」
利益の分配が決まったら、霊夢が土下座から起き上がる
「よし、そうと決まったらどういうの出すか決めないといけないわね」
「私は一旦神社に戻って神奈子様と諏訪子様に話つけてきます!」
二人はそう言って頷き合うとお互いがするべきことの為に行動を開始した
「許可とって来ました!あと、にとりさんの所で生産してくれるそうです」
「初版はあんまり量を多くしない方が良いわ、その代わりプレミアつけて」
「分かっています!では、写真撮りましょうか」
「じゃあ、早苗こっちに来て」
行動に入った霊夢と早苗の動きは早かった
わずか一日で、取るべき行動の殆どを済ませると
「…後は、売れる事を祈るだけね」
「大丈夫です!絶対に売れますよ」
早苗の答えは正しかった
『巫女二人』と名づけられた毎月一枚づつ
早苗と霊夢の二人の艶やかな姿が書かれたカレンダーが
その年の冬に幻想郷中で大量に売れる事になった
なお、初回特典は早苗と霊夢の『サラシ』の一部が入ったお守りで
現在、幻想郷中の各組織がその特典を得る為に走り回っているそうだ
「カレンダー」も手に入れる「自らの命」も守る。両方しないといけないのが辛いところだ。
まぁ美鈴写真集の初版を持ってる私には、このカレンダーは関係ない話ですがね・・・
・・・おや、お客さんかな?
数え方教えて下さい!w
は、別として
よし、今から逆刃刀を持って香霖堂に行くか
待ってろよ・・・
でも私は『鳴らずの賽銭箱』にお賽銭が入った瞬間に立ち会いたいです。
お賽銭が入らないまま幾星霜を重ねて来たのか非常に気になりますので。
霖ちゃん逃げて。
むしろ生きて。
結局「巫女二人」はどこもSoldOutで買えなかったけど
「限定版幻想従者録(咲・妖・藍・永・衣の文特選写真集)」を手に入れたのでいいかな……。
嬉しいのでレスを返させてもらいます
>1様
落ち着いてください!香霖もまだ死ぬとは決まったわけでは…あ、やっぱ無理
>僻人様
そう関係ないね…ごめん嘘!ぜひ譲ってくれ…いや、やっぱり殺してでも奪い取る
>3様
め、美鈴写真集初回版!?ば、馬鹿!大声で言っちゃ駄目!咲夜さんが来るぞ
>4様
どうも、脇役です、初回版を回収に来ました
>幻想の旅人様
お守り落ちてましたよ?(ふふっ、すでに中身は抜いてある)
>万葉様
貴方もですか…(涙)
>7様
ゴメンナサイ!素で間違えてました!誤字修正しましたが
もしなんなら『700億万パワー』と呼んでもらえば結構ですOTL
>時空や空間を翔る程度の能力さま
多分、ついた頃にはもう全てが終った後になっていると思います
…もう少し早ければ
>9様
『鳴らずの賽銭箱』は、長い間お賽銭が入らない事でのろわれたアイテムになっております
混乱、死の宣告、毒、スロー、バーサク等がかかります
255回お賽銭を入れると呪いが解けて『英雄の賽銭箱』になります
結構生活ギリギリで呑気にしてる場合じゃないのにww
そんな訳で、巫女写真集はいらないので香霖堂写真集の初回版をくださいw
神奈子と諏訪子なら探す必要ないのでは。一緒に住んでるんだし
こうりん(PSPだと変換できないorz)なら珍しい道具を渡せばきっとカレンダーとお守りを譲ってくれる。
という訳で、部屋の中の物を適当に引っ掴んでダァァッッシュ!!!
では『レス返し…二の刻』
>10様
7000万パワー乙女咲夜さん!
『特命門番長紅美鈴』も何とか書いていきたいのでしばらくお待ちを
>欠片の屑様
生活がギリギリでも霊夢は生きていける…博麗の巫女とはそういうものです
早苗さんは…まあ、何とか何とか
>思想の狼様
香霖堂写真集は300歳以下購入禁止なので
魔界神や隙間妖怪等に見せてもらってください
>14様
神奈子様と諏訪子様は、後から早苗に聞かされました
だから、手に入れそこねたので大急ぎで里に向かいました
>15様
そうか!よし!私は今から急いで香霖堂に向かう
貴方は敵を倒した私の後からついてきてください!
早苗のサラシっておいしい出汁がでそうだな
各勢力も、霊夢を泊めればサラシの切れ端なり写真なり楽に手に入っただろうに…
「魔界神一家写真集」初版限定ホームステイチケット付を手に入れたぞ
やはり、初版の本を皆手に入れているという事か…
いや、別の初版本がかなり出回っているけど
では『レス返し…終の刻』
>17様
ロ、炉利写真集…だが、私はその中に入っていない
『炉利魔界神』の写真を持っている!
>てるる様
まて、それは死亡フラグだ!テスト前に買いに行ってください
>19様
元ネタはキン肉マンですよ
早苗さんのサラシで出汁を取る…一回しか使えない大技だ
それよりも、何回もガムのように噛むのが一番だ
>20様
皆、情報がきたのが少し遅かった為に
霊夢も早苗も、もう手元になかったんです
>21様
妖忌カレンダーは50年前に絶版になっています
手に入れるのはちょっと…
>22様
そ、それをよこせ!私は魔界神の料理を食べてみたいんだ!
厄神様の初回特典付きカレンダーはまだ予厄できますか?