レ「拝啓、お母様へ。今日紅魔館(旧名白夜館)の絨毯の毛を数え終わりました」
フ「何しょうもない報告をしようとしてるのよ、って言うか全部数えたの!?」
レ「ふ、おおよそ二週間以上一睡もしてないから異常にHIよ」
フ「ダメだこいつ、早く寝かさないと」
レ「さて、今作は1の二日後よ。詳しい説明をすると。
1、咲夜が女は度胸、なんでも作ってみる物よと薬を作成。
↓
2、紫が、面白そうな予感と奪って逃げる。
↓
3、妖夢、そして今回の人に配り、その後霊夢へ。
↓
4、紫が押し倒されている間妖夢は耐久ドリキャス。
↓
5、翌日妖夢八雲家襲撃。
とまあこんな流れよ。
そして今回の話は3から5までの間って感じ」
フ「わー、解りづらい」
レ「物語の展開上仕方無い事」
フ「何時に無く長いあらすじになったけど始まり始まりー」
「ちん、ねえねえ藤原さん」
「んー」
その日、慧音が飲みに来なかったので私は遅くまで飲んでいた。
大分酔いも回った頃、店主のミスティアが話しかけてきた。
「最近慧音さん忙しそうだよね」
「そうだな、寺子屋に新しく子供が入ってきて手一杯らしい」
「それでね、紫さんから貰った元気ドリンクをあげようと思って」
「へぇ、外のヤツ??」
「うん、なんだか紫色の液体だけど効果はあるんじゃないかな??」
む、紫!?それって危ないんじゃ………。
「えーと、リポ○タンDって書いてあるよ」
確かにラベルにはそうかいてあったし、紫の液体も入っていた。
直接匂った訳でもないのにアンモニア以上の刺激臭が漂っている。
早急に栓を閉め、軽く振ってみる。人の顔のような泡が出た。
「よかったらって薦めてみてよ」
「ミスティアは飲んだのか??」
「私は飲んでないよ、貰ったのは一本だけだったし、それほど疲れても無いしね」
折角貰ったんだしなぁ。
飲むのは慧音だし別にいいかな??
「あ、鬼さんいらっしゃーい。あれ新顔さんかな??」
帰路に着く私の背中の方から新たな客が来た事を知らせる声がした。
そして、新顔よりもこの一見したら毒物にしか見えない薬の方が気になっていた。
折角なので試してみようと私は布団の中で狸寝入り。
慧音の机の上にビンとメモを残し準備は万端。
そして、零時をとっくに過ぎ去った頃に慧音は帰ってきた。
「ああー、今日もまた真夜中の帰宅かぁ。なんで寺子屋なのに定時に帰れないんだぁ」
そりゃあ先生が慧音一人しかいないからだろ。
「ううー、またしても妹紅は寝てるし。年頃のじい様みたいに早く寝やがってー」
飲んでるのか??というか毎日こんな感じだったのか……。
慧音も苦労してるな、あと私は女だばあ様にしろ、せめて。
「んー??なんだこれ、元気ドリンク??怪しい物だな………」
ああ、私もそう思うよ。
何しろ大本があのスキマだしな。
「妹紅のメモ??『慧音が夜遅くまで頑張ってるようなのでこのドリンクを置いておきます。妹紅』
もこぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーー、私は飲むぞぉぉぉぉぉ」
ゴメン、慧音。
そんなに喜ぶとは思わなかったんだ。
「ごくごくごくごく、うぷっ。凄い味だ、匂いもキツイし、これホントに元気になるのか??」
うわぁ、ビンが空いたせいで匂いが部屋に充満してるよ。臭いなぁ。
ポンッ
ポンッ??
なんだ今の音。
「ふぁ」
「慧音??」
布団から這い出すと、そこには慧音が居た。
ただし十歳位の全力幼女姿で。
「けい、ね??」
「もこー、いっしょにねよー」
「あ、ああ」
一体何が起きたんだ??
これは夢??現??今は何所へ~~。
とりあえず八雲家は襲撃決定。
「もこーあったかーい」
「そうか??」
甘えてくる慧音も可愛いな。
なんというか、邪な下心も無しに純粋に甘えてくる感じだ。
「むにゃ」
「子供には遅すぎる時間だな、私も寝るか(少女逃避中)」
朝のジョギングもあるしな。
誰しも健康が第一だ。あはははははははは。
早朝五時。
気分を変えるべく、普段のジョギングコースとは別のコースを走っていた。
「はっはっはっ」
朝起きても慧音は子供のままだった。
あの薬の効果がどれ程で切れるのかは解らない。
しかし、まあ今のままでも当分は困らないだろう、たぶん、きっと、おそらく。
「あら、朝から精がでるわね」
「おまえは何をやってるんだ」
「見て解らない??店の仕込」
自称最強の妖怪、風見幽香は地に落ちていた。
なんでかは知らないが何時の間にか八百屋を経営。
そこそこ順調に利益を重ねているらしい。
ところでそれが既におかしいと思っているのは私だけなのか??
どうも里の人たちはまったく気にしてないような…………。
「こっちの方を走るのは久しぶりだから知らなかったが…………」
「そうね、私は知ってたけど」
「なんで」
「そりゃあ畑から野菜を運んでくる途中で良く見るから」
うーん、私は見た記憶がまったく無い。
何時、どうやって運んでいるんだ??
「ところで、何か買ってく??」
「そこで売るのかっ」
「売るわ」
し、仕方無いな、トマトでも買ってくか。
ここの目玉商品だし。
「毎度」
………私は和食派なんだけど、今日の朝食はサンドイッチにしよう。
このトマトを無駄にしない為に。
家に帰ると当然のように慧音は眠っていた。
えーと、几帳面な慧音だから服も取ってる筈。
「あ、あった」
押入れの奥深く。
随分と古い葛篭の中に慧音の今の服の小さい物が入っていた。
どんだけ気に入ってるんだよ、慧音。
ちなみに緑のバージョンも存在していた。
「とりあえず置いておけば自分で着るだろ、さて朝食を作らないと」
大抵は私の方が起きるのが早い為、私が良く作っている。
えーと、食パン、食パン。
「お、紅魔パンがあるじゃないか。さて、慧音が起きてくる前に作るか」
「もこー」
「って早いな」
しかし、慧音はてこてこと歩いて足元まで来ると、パタンッと倒れてしまった。
親を求める赤ん坊ですかアナタは。
「はぁ、負ぶってするか」
なんか昔のお母さんみたいなスタイルになってきたな、私。
まあ今更だから気にしないけど。
「もこーのごはんおいしい」
「そうか、それはよかった」
和食の方が得意なんだがな………
まあ慧音が喜んでよかったよかった。
「ん??あれは妖夢か」
なんだか物凄い勢いで空を駆けていっていた。
一体何があったんだ??
「もこーあそぼー」
「はいはい、そう引っ張るな」
朝食を食べ終われば子供は大抵遊ぶ。
それに見事に巻き込まれた私。
洗物とか洗濯とかどうしよう。
「きゃははは」
「そっちにいったぞー」
「オーライオーライ」
恐ろしい事に子供達は簡単に慧音の事を納得してしまった。
もはや常識に囚われてはいけないと言う事を悟ってしまったのだろうか??
「何諦めの境地に達したような顔をしてるのよ」
「今日はよく会うな」
「そうね」
なんでか荷車を引いた風見幽香が其処に居た。
首に巻いたタオルが無意味に農家の人っぽさを増長させている。
幽香の野菜運搬の疑問が解けた嬉しさと、幽香のイメージが崩れた悲しさがなんとも言えない。
「あらあら、何処かで見たような子供が居るわね。隠し子??」
「違う」
「ふーん、てっきり私はアナタと守護者の子供だと思ったんだけど、似すぎてるし」
「っていうか守護者本人だぞ」
「…………………大丈夫よ、世間の目が冷たくても私は味方。さ、永遠亭に行きましょ」
「ちょ、なんで可哀想な人を見るような目をしてるんだよっ。涙を拭くなっ」
「解ってるわ、たとえアナタが男でも私は気にしないわ」
「どんな誤解をしてるんだぁぁぁぁぁぁ」
その後一時間は下らない問答を繰り広げていた。
何をやっているのだろうか………私は。
「はぁはぁ、解ったわ。アナタが女だと言う事は」
「いや、普通に解ってるだろ」
つ、疲れる。
「ところであの子他の子と一緒にどっか行ったわよ??」
「嘘ぉぉぉーーーーーーー」
先ほどまで子供達がサッカーに精をだしていた広場には誰も居なかった。
なんて事だ。
「くっ、探しに行かないと」
「頑張ってね」
「少しは手伝えっ」
「えー、畑の面倒とかあるのに」
こうなったのもオマエの所為でもあるんだから少しは誠意を見せろっ。
まったく、この農家りんだけは本当に。
「今失礼な事考えたでしょ、ねえ」
「黙れ」
「あらら怒っちゃった」
ずるずると襟首を掴んで引きずって行っているのだが、元気だな。
さすが妖怪。
「あれじゃない??」
「そう、だな」
里の端の方でようやく見つけた慧音は変な男に声をかけられていた。
フードをすっぽり被り怪しいことこの上ない。
「何を話してるのかしら??」
「まさか誘拐をしようと??」
ありえる………幾ら治安が良いとは言っても他と比べたらだ。
人間の里にも脳みそプリオンなヤツが結構いたりすのだ。
「くっ、こうなったら」
「まあ落ち着きなさいな」
「どうやって落ち着けるんだっ」
今の慧音は穢れを知らぬ十歳時。
そんな慧音がロリコンの存在を知っている訳がないっ。
「とりあえずあの男を付けましょ」
「家に連れ込まれたらどうするんだっ」
「その時はデュアルスパークで吹き飛ばしてあげるわよ」
「慧音まで吹き飛びそうなのは気の所為か??」
「ええ、勿論よ」
いざとなったら私が突入しよう。
コイツに任せたら絶対何もかも吹き飛ぶ。
「ここみたいね」
「大分里から離れたな」
むう、幼女を連れ込むには十分すぎる条件だな………。
「幽香コップ」
「無いわよ、というか持ってたら怖いわよ」
準備の悪いヤツめ。
仕方無い、耳を引っ付けて聞くか。
「――――――――どうだ??――――いか??」
「――――、――――いよ。それに―――も美味しい」
「―――よかった、もっと―――か??」
…………何が美味しいんだぁぁぁぁぁぁぁ。
くっ、イマイチ聞こえないぞぉぉぉぉ。
「何暴走してるのよ、気付かれるじゃない」
「む、スマン」
続きだ、続き。
「続きも―――か??」
「うん、――――」
もう、我慢できん。
突入あるのみっ。
「あーあ」
「うおりゃ」
ガシャーーーン
「何ヤツっ」
「あ、もこー」
家の中では慧音が本を読んでいた。
そしてお茶菓子を食べていた。
「あれ??」
「私のように窓から覗けばよかったのに」
「お主は風見幽香!?」
「あら知っているの??」
…………だれこの爺さん。
「儂の名前は魂魄妖忌。子供向けの文学を執筆しておる」
「その作家が慧音に何のようだい」
「何、子供達の評価が気になっての。それで家に呼んだわけじゃ」
へー、なるほど。
つまり私の早とちり??
「ところでコレは慧音殿本人なのか??儂は隠し子かと思っていたのだが、どうもお主が慧音殿と言う物でな」
「そうだよ、変な紫色の薬で小さくなっちゃった。って隠し子??」
「紫色の薬??うーむ、そういえば昔『全世界のPHU(ぺったんこ、ほそい、うすい)を愛する人へ。禁断のツルペタ薬の作り方』という本を見たな」
なんだよその本のタイトル………。
怪しいとか、そういう次元じゃないぞ。
「確かそれで紹介していた薬の完成形が紫色だったのだ。それに効果も飲みすぎたら体が縮むと書いてあった」
どんな本なんだよ、それ。
「しかし所々説明のおかしな本であった、うむ」
「何所でソレを見たの??慧音を直す方法が有るかもしれないし」
「里の本屋で販売しておった、しかし今では紅魔館の図書館だぞ」
「何故っ」
「あそこの司書が買って行ったらしい」
よりにもよって紅魔館かぁ。
幻想郷の負の中心、全人類の負の象徴、桃魔館、ムキムけーねにしてくれた場所。
うわぁ、最低な評判だぁ。
でもこれも慧音の為っ。
「行くよ慧音」
「わーい、かたぐるまぁー」
うおおおおおおおっ。
「む、最後まで聞かずに出て行きおった」
「まだ何かあるの??」
「うむ、あの薬は一定時間で切れるらしい」
「あーあ、完全に無駄骨になりそうね」
(気になるのは『一定時間で元に戻る、筈。たぶん、きっと』とか書いてあったことだろうか。まあなんとかするだろう)
走るー、走るー、私たーちー。
「もこーはやーい」
「そうだろー、もっと加速するぞー」
「わーーー」
ハーーーーーーッハッハッハッー。
これなら世界も狙えるぞーーー。
博麗結界にぶつかって泣くおまえの顔なんて見たくないからな!
「性がでる」→「精」ではないかと。2か所ありました。
妹紅さん転ばない様に気を付けて。
まさか、この後咲夜さん辺りが某デモベみたいに○○○○かクールで冷酷なキャラに変貌して立ちはだかるんじゃ……無いかそれは。
・2、が、面白そうな予感と奪って逃げる。→主語の「紫」が抜けていますか?
・先ほどまで子供達がサッカーに性をだしていた広場には→精をだしていた
・その時はヴュアルスパークで吹き飛ばしてあげるわよ→デュアル?
・貧乳革命1を読み直したら例の本の「P」は「ぺったんこ」の略でした(何指摘してるんだ俺…)。
慧音が良い子だ。さすが慧音。この話はわりと平和。幽香が良い人でなごむ。
ところで絨毯の毛は何本でしたかww
出たリアルバッファローマンww
紅魔館はまだ負の象徴ってレッテルを払拭出来てないんですか(笑)
そういえばちょっと前のSSで幽香と慧音て友達になったんでしたっけ
1>
妹「私は何所まで疾走してるんだ………」
2>
け「わーいもこー」
妹「更に加速するz(石)――――ぶべらっ」
け「きゃーーー」
妹「うおおおっ、届け私の手っ」
この後歩いて行くことになりました。
修正しました。
3>
いえ、もう紅魔館の皆(門番、妹を除く)が○○○○じゃないd(紅色の幻想郷)
4>
修正しました。いやー恥ずかしいミスの連続ですなぁ。
レ「一兆と二千億本よ、八千万からどうでもよくなったわ」
5>
幽「友達………いい響きね」
それにしても今回は(あくまで)他に比べて平和なお話。
農k……もとい幽香のイメージが最強クラスの妖怪から人の良い八百屋になって吹いたw
ところでトマト以外にオススメはありますか?
すみません、脳からスッコンと抜け落ちてました。
4>氏も折角指摘してくれたのにすみません………。
いや、むしろ妹紅に飲ます。そんでお持ち帰り。