Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

ゆゆみみ ファンタジア

2008/10/04 22:01:27
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※最初に
『ゆゆみみ Fantasy』
『ミゼラブルフェイト』
の2本を読んでおくことをおすすめします。連作ですので。















「うう…………」
どうやら気を失っていたらしい。
冷たい地面の感覚を頬に感じ、妖夢は目を覚ました。
「こ、ここは?」
周りを見渡せば、ここはどこかの洞窟遺跡のようだ。
「ってどうして!?確か、幽々子様の耳に吸い込まれて、それで────」
「どうやら、普通みたいね」
ふと、聞き覚えのある声の方に首を起こす。そこにいたのは、
「ル、ルナサどの!?」
「まさか妖夢さんまで落ちてくるとはねぇ」
ルナサ・プリズムリバーであった。
ルナサは、妖夢の傍に座り、ずっと様子を見ていたようであった。
久しく見ていないその姿に、妖夢は一種のなつかしさを覚えたほどだった。
「ど、どうしてあなたがここに?」
「妹たちとハイキングに行ったら、途中で吹雪にあって、洞窟に逃げ込んだらここだったのよ」
「どうして幽々子様の耳のなかに避難するんですか。入り口の形で気づきましょうよ」
妖夢は上体を起こして、それでもしっかり突っ込んだ。
「いや、視界が悪かったから。それはともかく、妹たちは外に出られたのかしら」
「え、ええ。確かに私が救出しました。耳かきで」
「そう。私も騒霊流洞窟脱出之紐召喚魔法を使っただけあったわね」
「なんか大層なことやってたんですね…………」
「とりあえず、あなたも早くここを出た方がいいわね」
ルナサはスッと立ち上がった。
「早くしないと、奴らが来るわ。命の保障はできないわよ」
「や、奴らって?」
「…………もう来ているわ。すぐそこまで」
すぐに妖夢は立ち上がった。言われてみれば、獣の気配がする。
「私も助太刀します」
「いいえ、さがってて。ここはそんなに甘くない世界よ」
ルナサがそう言った途端、何かが天井から降ってきた。
見れば、それはミスティア・ローレライ。しかも、ところどころが腐敗している。
「う、うがぁあぁぁぁあぁあ!」
「よ、夜雀、じゃないッ!?ゾンビ化してる!」
「詳しいことは後で話すわ。それより、まずはこいつを倒すわよ!」
「はい!未来永劫斬!」
たて一直線、妖夢は周りの遺跡ごと色々斬った。しかし
「て、手ごたえがない!?」
「があぁぁぁぁあぁぁ!!」
全然効いていなかった。
「だから言ったのよ、ここはそんなに甘くないって。ここでの戦いってのはね、こうやって──」
ルナサは、手持ちのバイオリンをミスティアに投げつけ
「こうやって──」
跳ね返ってきたバイオリンをキャッチし、のけぞるミスティアをそれで殴り
「こうやるのよ!『メガトン☆ルナサパンチ』!」
最後に、すねを蹴って、完全にミスティアを沈めた。ルナサは勝利した。
「どう?分かった?」
「いえいえ、何も。どういう基準なんですか。大体、ルナサパンチとか言ってしっかり蹴ってるじゃないですか!」
「勢いだけはパンチなのよ」
「形がキックならキックなんです」
「この世界では常識にとらわれてはいけないのよ」
「何だろう、この幻想郷の中の幻想郷は」
妖夢は深くため息をついた。
「それはともかく、このゾンビはいったい?」
「おそらく、幽々子さんが食べたミスティアのうちの1体ね。この中にはたくさんいるわ」

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<ゾンビミスティア>
ゆゆ様に喰われたミスティアが、腹中で執念とガッツで中途半端に復活したゾンビ。
ゾンビ化に伴い凶暴性があがったが、鳥頭はいつまで経っても鳥頭である。
伝説によると、600羽ほど存在しているらしいが、実際はもっといそうである。
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「な、なんか、不思議な解説がはいりましたよ?」
「作者の気まぐれで、新しいモンスターには解説が入るらしいわ」
「そんな身も蓋もないことを………ところで、“伝説”って?」
「千羽のみすちー伝説よ。幻想郷にいた千羽のみすちーのうち、
600羽は、幽々子さまのお腹におさまりました。
300羽は、ルーミアのお腹におさまりました。
2羽は、タンドリーチキンの材料として、紅魔館に拉致され、美味しくいただかれました。
2羽は、フライドチキンの材料として、紅魔館に拉致され、美味しくいただかれました。
1羽は、悪魔の妹の遊び相手として、紅魔館に拉致され、楽しく弄ばれました。
6羽は、閻魔の仕事の手伝いを命じられ、全員が過労で倒れました。
3羽は、飢えた紅白の巫女に拉致され、食料の乏しい冬に備えて塩漬けで保存されました。
1羽は、飢えた紅白の巫女に、溜まり溜まったツケを請求しに行って、それ以来帰ってきません。
9羽は、うまい話にのせられて、薬師の実験の被験体になり、それ以来ホルマリン漬けです。
5羽は、不死の炎に焼かれて、焼き鳥になって、子供に笑顔を咲かせました。
7羽は、やっぱり永遠亭に拉致されて、1枚の羽毛布団になりました。
2羽は、マヨヒガに遊びに行って、帰り道を忘れて、今も彷徨っているかもしれません。
1羽は、河童の手によって機械化され、口からミサイルを吐くようになり、まもなく故障しました。
6羽は、忘れられかけた秋の神様の恵みを受けそこね、飢えたところを同属に食べられました。
2羽は、稗田家に、標本として保存される為に捕らえられ、未来永劫伝えられることになりました。
50羽は、岡崎教授と北白河助手が、実験材料として乱獲していきました。
残った2羽のうちの1羽は、ミスティア・ローレライの名を名乗り、文花帖でハブられました。
そして、残ったたった1羽、そう、もっとも恵まれた、最後まで生き残れた1羽は、神主の酒の肴となりました。
────って物語」
「初耳です………って、あれ?全部足しても999にしかなりませんよ?」
「そう。この伝説が本当なら、まだ1羽、最後の1羽が、どこかで未だ野望を燃やしているわ。
しかも、私はここを彷徨ううちに、この洞窟こそが最後のみすちーのアジトだと分かったのよ」
「なんか本当にラストダンジョンっぽくなってきた………」
「確かに、最後のみすちーが何をしでかすか分からないけど、止めないと最悪、幻想郷が滅びるわ」
「じゃあ、その魔王ポジションのみすちーを倒せばいいんですね」
「そういうこと。でもあなたは戦闘力が低いから帰りなさい」
「そ、そんなに低くないですよ!私だって5面ボスですよ!」
「じゃあ、あなたのステータスでも見る?」

魂魄 妖夢
Lv.05
HP 030 / 030
MP 000 / 001
攻撃力 023
防御力 010
写真うつり -50
カオス度 12.6 % 
少女力 23点(要追試)
エンゲル係数 81
融点 37℃
円周率 3.14
清水の舞台から飛び降りるまでにかかる時間 37分52秒
総合評価 <⑨>

ルナサ・プリズムリバー
Lv.46
HP 530 / 532
MP 799 / 720
攻撃力 295
防御力 220
写真うつり 300
カオス度 78.1 % 
少女力 92点
エンゲル係数 02
融点 120℃
円周率 4.71
清水の舞台から飛び降りるまでにかかる時間 00分01秒
総合評価 <上級冒険者>

「あの、明らかに戦闘に関係ないもの多すぎですよね。って言うか私の融点はもっと高いし、円周率とか意味分かんない。
写真うつりとかエンゲル係数とかマジで放っておいてください。大体ルナサどの、あなたMP限界突破してますよ」
「…………だから?」
「“だから?”って、私だって好きで突っ込んでる訳じゃないんですよ、もう」
妖夢のため息は絶えない。
「とりあえず、これを見て分かっただろうけど、今のあなたの戦闘力ははっきり言ってゴミ程度ね」
「し、しかし、この事件の責任は私にもあります。故に、魔王を倒す手助けをしたいのです」
「もしあなたが本気で私についてくるって言うんだったら武器を貸してあげるけど」
「本当ですか!?是非お願いします!」
「えっと、あなたが使えそうな武器ねぇ…………霊刀とかあるけど?」
「それはどういうものですか?」
この世界に来て、妖夢は初めて目を輝かせた。
もしかしたら、まだ自分が知らないとんでもない秘剣かもしれない。
「大昔、何匹もの霊を吸って育った刀で、一振りで魔物を散り散りにさせたって伝説があるの。
確か、この辺にしまっておいたはずなんだけど…………あぁ、あったわ」
ルナサはバックの中から、それを取り出して妖夢に渡した。
その刀は、刀身から青白く光を反射し、どことなく冷気を発していた。そして、生臭かった。
「ル、ルナサどの、これは一体…………」
「霊刀『散魔』よ」
「いえ、どこからどう見ても冷凍秋刀魚です」
「見ては駄目。感じるのよ」
「もうやだ、帰りたい」
妖夢のため息は絶えない。大切なことなので、2度言いました。








こうして、妖夢とルナサの冒険が始まった。


[ぷチルノが出現した!]
「うわ、ちっちゃ!」
「妖夢さん、油断は禁物よ」
「きゅぅぅぅぅ………(ぷチルノの鳴き声)」
「あの、すごく可愛いんですけど」
「いいから斬っちゃって。ぷチルノは成長すると手に負えないから」
「チルノになるからですか?」
「いいえ。ぷチルノ⇒チルノ⇒チルノん、って進化するのよ。チルノんの強さは八雲家なみね」
「めっさ強いじゃないですか」
「だからさっさと斬っちゃって」
「きゅぅぅぅぅ………(ぷチルノの愛しい鳴き声)」
「駄目です!私には斬れません!」
「じゃあ私が」
「いやいやいやいや、これ斬るって方が罪ですよ!例え将来⑨になるとしても!」
「倒さないと経験値たまらないのよ?レベルアップしないのよ?」
「こんなぷチルノ斬って得られる経験値なんていりません」
「攻撃力も円周率もあがらないのよ?」
「円周率なんてあげてどうするんですか」
「倒せば写真うつりあがるのよ?」
「よし、ぷチルノ、覚悟しなさい!『散魔ドリル』!」
「きゅぅぅぅぅぅぅぅッ!!」
[ぷチルノを倒した]

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<ぷチルノ>
チルノの未熟段階。そんなに強くない上、言葉も喋れない。
あまりにもほやほやで弱々しいが、幼女ポイントはレミリアのはるか上を行く。
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<チルノ>
幻想郷でも見られる一般的なチルノ。井戸の中のチルノ。
アイシクルフォールは勿論EASY。パーフェクトフリーズで自分も凍る。
『ゆゆみみの洞窟』に迷い込んだ1匹のチルノが増殖して増えた。集団で襲われると厄介。
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<チルノん>
チルノの最終形態。どの弾幕もラスボスなみの密度をほこる。1体でも倒すのは大変。
体力がゼロになり力尽きると、あたりに大量の胞子をばら撒く。
これがやがてぷチルノになり、成長してチルノになる、という生態系を築いている。
ちなみに、好きな飲み物は液体窒素。
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[ぶんぶんが出現した!]
「あややや、あなた方、侵入者ですね。排除します!」
「あ、向こうで魅魔さま復活記者会見やってますよ」
「えッ!?どこどこ?ウェア イズ マイ 特ダネ!?」
「今だ!『散魔スクリュー』!」
「いぎゃあぁぁぁぁぁ!」
[ぶんぶんを倒した]

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<ぶんぶん>
幽々子に喰われた射命丸が、俊足で溶かされる前に消化器官から脱出した成れの果て。
新たな主人『アルティメット・ミスティア』の元で働きながら記者をやっている。
一応ゾンビなのだが、肌年齢、脳年齢共に若く、見かけは普通の天狗である。
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[モンスター軍団が出現した!(メンバーは下記)]
「………ルナサどの、ここは何でもありですね」
「ごった煮ね。とりあえず片っ端から倒していけば間違いないわ」

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<モンスターけろ帽>
幽々子に喰われたケロちゃんの怨念が集まってできたモンスター。
冒険者の頭にかぶさり、がじがじ攻撃を仕掛けてくる。倒すとZUN帽として使用できる。
しかし、両目から撃たれるビームは防御不可能なので注意。
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<ゾンビチルノ>
ゆゆみみの中で増殖したチルノが、誤って消化器官にはいってしまった成れの果て。
ただし、体から常に冷気を発しているため、腐敗はまったくすすんでいない。
ちなみに、発する氷には毒が含まれているため、注意が必要。
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<諭吉さんの銅像>
幽々子に喰われた河童が、暇をもてあました結果できた謎のロボット。
口からのびーるアームを吐き、腹からマスタースパーク、手には龍魚ドリルを装着。
ちなみに燃料は正露丸。また、御柱を装着した亜種もいるらしい。
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<おくう with 地球破壊爆弾>
幽々子の体内に散乱する放射性物質を集めて爆弾を作る習性がある。
そして敵に会うと、それが爆発するとどうなるか全然考えないで使う。幻想郷一危険な⑨。
もし爆弾を使わせずに倒した場合、地球破壊爆弾を入手できるが、当然使ってはいけない。
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<蟲シスター>
幽々子に、佃煮にされて喰われた蛍と土蜘蛛が中途半端に溶かされ、混ざった姿。
大量の毒虫や病原菌を放って攻撃してくるが、本体は非常にひぇぇ。
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<悪魔のいぬにく>
幽々子に、ホットドッグとして喰われた悪魔の狗が、メイドパワー全開になった姿。
装着している冥土服は、いかなる攻撃も無効化する最強アーマー。しかも即死攻撃を乱用。
手ごわい強敵だが、倒すとレアアイテム『さっきゅんエンブレム』が手に入る。
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[モンスター軍団に勝利した!]
「ぜぇぜぇ、こ、これで全滅ですね」
「妖夢さんもだいぶ強くなったわね………あら、その頬の傷、ちょっと見せて」
「たいしたことありませんよ。かすり傷です」
「いいから」
少女診断中
「弱い毒性の傷ね。でも一応毒を吸い出しておいたほうがいいわ。さ、頬をこっちに向けて」
「ちょっと、吸い出すって、まさか口でですか!?」
「そうよ」
「いや、だからちょっと待ってください、私にも心の準備ってものが(ちゅーちゅー)ひゃぁぁぁッ!」







[こうして、妖夢がこっちに来てから、2ヶ月が経った]

魂魄 妖夢
Lv.21
HP 350 / 350
MP 007 / 007
攻撃力 156
防御力 164
写真うつり 007
カオス度 43.1 % 
少女力 52点
エンゲル係数 46
融点 48℃
円周率 3.14
清水の舞台から飛び降りるまでにかかる時間 05分14秒
総合評価 <魚肉キューカンバー>

「妖夢さん、強くなるの早いわね。これなら魔王の城に行っても大丈夫だわ」
「ほ、本当ですか!?」
「写真うつり以外のステータスはほぼ完璧よ。太刀打ちできるわ」
「1番上げたいステータスが上がらないんですが」
「ステータス上げは一旦終了。今は、最後のミスティアを止める時よ」
「は、はい!」
「さあ、いざ、魔王の城『三半規管』へ!」
「………そう言えば、ここって一応耳の中だったんですよね」



と、こんな感じで、妖夢とルナサはゆゆみみの中核『三半規管』に殴りこんだ。
「メガトン☆ルナサパンチ!」
「散魔ランチャー!」
「長女権限『めらんこりっくボッシュート』!」
「霊刀散魔奥義『おでこから後頭部までトンネル開通斬』!」
1つ技を繰り出すたびにチルノが散り、ゾンビミスティアが吹っ飛ぶ。
ぶんぶんもモンスターけろ帽も諭吉さんも悪魔のいぬにくも地球破壊爆弾も、2人の勢いを止められない。
「雑魚に用はないわ」
「邪魔をするなら全て斬る!」
三半規管中のザコが一斉に妖夢とルナサに襲いかかるが、やはり止まらない。
「妖夢さん、もうすぐコアに着くわ」
「あの扉の向こうですか!?」
群がるザコの向こうに、重苦しい鉄の扉が見える。
「ええ、そうよ」
「ならば、扉ごと斬る!」
霊刀散魔を振りかざし、妖夢はザコごと扉を斬った。
扉の向こう側には、(耳の中ということを考えると)ありえないほど巨大な空間が広がっていた。
「こ、ここはいったい?」
「さあ、私も初めて来たわ。おそらくボス部屋ね」
2人がヒソヒソ話していると
『ふふふ、侵入者がここまで来たのはこれが初めてよ。歓迎するわ』
どこからともなく声が木霊し、同時に2人の前に黒マントを羽織ったミスティアが舞い降りた。
「私は、アルティメット・ミスティア。千羽のみすちーの最後の生き残り」
「現れたわね、アルティメット・ミスティア。あなたの野望が何なのか、教えてもらおうかしら」
「決まってるわ。我らが夜雀をこけにした幻想郷の住民への復讐よ」
アルティメット・ミスティアは得意そうに話し始めた。
「もう分かっていると思うけど、この洞窟では大量のチルノを栽培しているわ。
もし、そのチルノの胞子を幻想郷中にばらまいたら、どうなるか、分かるわよね」
「おなかが冷える」
「それは大変です」
「ちがーう!チルノの胞子を取り込めば、吸い込んだ者も⑨になるのよ!
今まで、たくさんのミスティアを毛玉同然に扱ってきた罪の償いにふさわしいわ!」
ルナサは決意した。この最後のミスティアを必ず蹴り潰すと。
幻想郷の全てが⑨になる、この前代未聞の大惨事を食い止めるために。
妖夢は決意した。この最後のミスティアを必ず斬り潰すと。
こんなくだらないもののために自分は特訓を重ねたのか、という怒りをぶつけるために。
「行くわよ、妖夢さん!」
「はい!」
それぞれの武器をかまえる2人。それに対して、
「私の復讐、誰にも邪魔はさせないわ!いでよ、我が最強のしもべ!」
アルティメット・ミスティアは召喚魔法を発動した。
同時に、地面がおおきく揺らぎ、壁から巨大な2本の手と首が突き出した。
それはどう見ても、空腹時の幽々子だった。
「ついに現れたわね、デストロイヤー・サイギョージ!」
「そんな変な名前なんですか!?」

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<デストロイヤー・サイギョージ>
アルティメット・ミスティアが作り出した、西行寺 幽々子の虚像。
顔の大きさだけで10mはある、いかにもラスボス。しかし、実はただの召喚モンスター。
食欲とアルティメット・ミスティアの命令とによって行動する。思考回路は持たない。
顔は吸い込み or 目からビーム、両手は波動砲 or チルノ召喚で攻撃してくる。
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<アルティメット・ミスティア>
千羽のみすちーの最後の生き残り。
幻想郷の住人に復讐をするべく、ゆゆみみの中で着々と準備を重ねてきた。
今では、ゆゆみみの帝王であり、このダンジョンのラスボスである。
今は、チルノの胞子を撒き散らし、幻想郷にバイオハザードを起こすべく行動中。
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「妖夢さん、行くわよ!これで全てを終わらせるッ!」
「ああ、もう何が何だか分からない…………」
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戦闘開始から、おおよそ2分後。
「ぜぇ、ぜぇ、妖夢さん、大丈夫?」
「お、思ったより、強いですね………」
「ご、誤算だった、わ……」
妖夢もルナサも雑巾にされていた。
「なんだ、ここまで来るからどれほどの者かと思ったけど、そんなに強くないのね」
アルティメット・ミスティアが、2人をあざ笑いながら見下ろした。
「仕方、ないわね。妖夢さん、最後の手段を、使うわよ」
「??」
「ちょっと耳貸して(ヒソヒソ」
少女作戦会議中。
「分かった?」
「で、でも、そうしたらルナサどのは?」
「私のことはかまわないで。幻想郷を救うにはこうするしかないの」
「しかし………」
「いいから行って!幻想郷を救えるのはあなたしかいないのよ!」
「………分かりました」
妖夢とルナサは、再び各々の武器をかまえた。
「ルナサどの、最後に約束していただきたい」
「?」
「あなたも必ず、生きて帰ると」
「…………そうね。もし生きて帰れたら、一緒に杯を交わしましょうか」
「必ず、必ずですよ!」
妖夢はあふれる涙を拭いて走り出した。この部屋の出口の方に向かって。
「逃がさないわ!行け、デストロイヤー・サイギョージ!」
アルティメット・ミスティアの命令を受け、妖夢に襲いかかろうとするが、それをルナサが弾いた。
「あなたたちの相手は、この私1人で十分よ」
妖夢が部屋を出たことを確かめると、ルナサはそのドアの上部を攻撃して、岩盤を崩し、退路を断った。
「いきがっていられるのも今のうちよ!まずはあんたから始末してやるわ!」
妖夢をとり逃した腹いせに、アルティメット・ミスティアとデストロイヤー・サイギョージはルナサに襲いかかった。
「本日は、このルナサ・プリズムリバーのソロライブにお来しいただき、まことにありがとうございます。
私の最後の生演奏、どうぞ最後までごゆっくり聞いていってください」
(信じてるわよ、妖夢さん。あなたならきっとできると…………
あなたのパートナーであったことを誇りに思うわ。さようなら。運があったらまた会いましょう)


魂魄 妖夢は走った。足がもげるのではないかと思うほど走った。
今まで生きてきたどの時よりも、速く、強く、鋭く、刃のように走った。
できるだけ振り向かず、ただ、ゆゆみみの出口めざして走った。
無論、追っ手も来ている。
「あややややー!侵入者さーん、逃がしませんよー!あややややー!」
パパラッチ魂全開でぶんぶんが追ってきたが、カメラをかまえた瞬間、壁に激突して沈んだ。
遠くに出口の光が見える。ここは本来、アルティメット・ミスティアによって封印されていた通路だ。
それが今、ルナサとの激戦によって封印が薄らいで、通行可能になったのだ。
「ルナサどの、ありがとうございます」
妖夢は最後まで突っ切った。突然、視界にあふれんばかりの光が舞い込んでくる。
同時に、妖夢は何か、背後から猛烈な追い風を感じ、刹那、吹き飛ばされた。



起き上がると、冥界だった。

「か、帰ってきた………………?」
妖夢は周りを見渡した。
今、自分が立っているのは、自分で作った畳である。
今、自分が見ているものは、自分で手入れした庭である。
今、自分の足元で寝ているのは、自分の主人である。
「ゆ、幽々子さま?」
「むにゃむにゃ…………もう食べられない、うん、おかわり」
寝ているようだ。
「幽々子さま、先に無礼を詫びておきます!」
妖夢は、手にもっていた霊刀散魔を持ち直し、


「これで最後だ、アルティメット・ミスティア!」
横になった幽々子の右耳に、貫通するほどの勢いで突き刺した。




「ひぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
幽々子は貫通した散魔、いや、秋刀魚の辺りを手でおさえながら転げまわったが、
やがて白目を向いて沈黙した。そして、その口から黒い靄が出てきた。
『こ、これしきで諦めてなるものか!我が復讐、次こそは成し遂げてみせる!
その時は、この恨みをきっとおまえにも晴らしてやるわ!』
そう言って、黒い靄、いや、アルティメット・ミスティアはどこかに消えていった。
残されたのは、妖夢と、顔の両脇から秋刀魚の頭と尾が突き出し、どう見てもフランケンシュタインな幽々子だけ。
「…………そうだ、ルナサどの!」
妖夢はあわてて幽々子のもとに駆け寄り、秋刀魚を抜こうとしたが、抜けない。
「ルナサどの!ま、まさか……」
万が一のことを考えると、涙がこぼれおちる。
「ルナサどの、ひどいですよ……約束したじゃないですか…………」
しかし、返事はない。
「ルナサどののバカ─────────!」
「外に出ていきなりバカ扱いされるとはねぇ」
返事はふと、妖夢の背後から帰ってきた。そこにいたのは──────────────────
「る、ルナサどの!?」
「約束したでしょ。一緒に杯を交わすって」











( Is it the end ? No, It may be "Start".)
 
【後日談】
ある夜、永遠亭に1人の妖怪が訪れた。
「あなた、確か名前はルーミアと言ったわね」
「(こくり」
「それで、今日はどうしたの?」
「耳の中がゴロゴロするの」
「よく分からないわね。とりあえずウドンゲに耳掃除してもらいなさい。ウドンゲー?」


物語は終わらない。





【謝罪、もしくは懺悔】
やっと書き終わったよー!
まだ覚えてくれてますかー、地球人撲滅組合ですよー!
ここまで待たせてゴメンなさい!ゆゆみみ、ついに完結です!
ぶっちゃけ、ここまで長いの書くのは初めてで苦労しました。
7回書き直して、これがバージョン8、やっと投稿できました、涙々。
え?ウドンゲがその後どうなったかって?あたしゃ知りませんよ。





【履歴】
バージョン1:グロ表現が多すぎた為書き直し。
バージョン2:工口表現が多すぎた為書き直し。
バージョン3:いつのまにかチルノが主人公になった為書き直し。
バージョン4:ルナサが序盤で死んでしまった為書き直し。
バージョン5:最後の最後でゆゆ様が台無しにした為書き直し。
バージョン6:どう見てもスポ根になった為書き直し。
バージョン7:妖夢とルナサがゆゆみみの中で未来永劫暮らすことになった為書き直し。
バージョン8:やっと投稿!
バージョン⑨:?????





【最後まで読んでくれた特典】
今なら、最後まで読んでくれた読者に、ぷチルノをプレゼント。
「きゅぅぅぅぅぅ…………」
地球人撲滅組合
コメント



1.喚く狂人削除
どうしよう、もうこれどうしようwwwwカオスwwww
地球破壊爆弾が出てきたのはそういうことかww
2.紅魔削除
読んだよ、さあ早くぷチルノを寄こすんだっ。
あとバージョン2は投稿しなさい。

妖夢、秋刀魚を粗末に扱うんじゃないよ………。
ところでルナサって自殺すること躊躇わないのな。
3.等品 骸削除
えーと、俺はどこからどこに突っ込みゃいいのさ。
とりあえず、円周率は4.892に決まってい……あれ?
4.名前を表示しない程度の能力削除
>「ああ、もう何が何だか分からない…………」
やはりこの一言に尽きますね、冗談抜きで。
あまりにもカオスすぎるwwwwwwww
どれくらいカオスかって言われると、何か突っ込もうとしてたはずなのにそれが霞むくらいカオスでした。
しかし前回数えて足りないと思った1羽のミスティアはラスボスだったのか…。

次回、地球人撲滅組合先生による「るーみみふぁんたじぃ」にご期待ください。
5.時空や空間を翔る程度の能力削除
耳の中であんなに騒いでるのに
幽々子様は何で「へーぜんな顔」をしてるのか・・・

ある意味耳以外の場所に行ったらどうなるのだろうか??
6.名前が無い程度の能力削除
隠しダンジョンはルーミア、か。
お見事な作品でした。
「散魔」を「ざんま」って読んじゃったのは私だけでいい。
あと鈴仙嬢、……生きろよ……っ!
7.Unknown削除
>>ホットドッグにされて食べられた悪魔の狗

これkwsk!!

秋刀魚を耳に突っ込まれても死なないはずだぜ、亡霊だし
8.名前が無い程度の能力削除
こんなのツッコミ切れねえ!!誰かヒゲでデブの縦縞パジャマ商人連れて来い!!

あと作者は今までのバージョン全てを公開すること。これがあなたの出来る最後の善行よ。
9.名前が無い程度の能力削除
阿智○郎の作品で、冷凍秋刀魚を獲物にする暗殺者の話を思い出した。
バージョン2はもちろん、3も気になる。
しかしちょっと待ってください。紅魔館とか焼き鳥食べた子供の耳の中は…
>両目から撃たれるビームは防御不可能なので注意
もちろん上に誘導できるんですよね?
10.名乗ることが出来ない程度の能力削除
読んでて某世紀末リーダー伝思い出しましたw 楽しかったです。
ゆゆ様は何にしろ最後に残念なことになってないですか?w

続くような書き方したのにこれで終わりとは。読者としてはこういう話は決着が見たいです。
11.地球人撲滅組合削除
なんだか耳の中がゴロゴロいってます地球人撲滅組合です。
アルティメット・ミスティアの侵攻を受けないうちにレスを返しますね。

>1
あたしゃ『地球人撲滅組合』ですぜ。
地球の1個や2個滅ぼして何が悪いんですかwww
>2
ゆゆみみの中のぷチルノ全部もってけ在庫処分!
ルナ姉はね、飛び降りたところで思い直せば飛べるから(あれ、妖夢は?
>3
(円の面積)=(半径)×(半径)×4.892…………あれ?
>4
妖夢を主役にすると、作者は作品のカオス度を50割増しできるのです(笑)
え?るーみみ?マジで!?
>5
例えば、腹の中。敵も味方も溶かされて終わり。
例えば、脳内。食い物に溢れていて冒険できません。
>6
れーとーさんま ¥98
れいせん ¥20
>7
ゆゆ様の珍味狩りツアーの犠牲者です。
咲夜
「あーれー」
幽々子
「よいではないか、よいではないか」
>8
今までのバージョン?
『Ctrl + A』→『Deleat』→『Ctrl + S』してますが、何か?
>9
濃度の問題。100羽以上食べなければ問題ありませぬ。
ビームは無論、上に誘導。また、ガジガジしている最中は、ビーム攻撃を行いません。
>10
終わったのは『ゆゆみみ』だけ。
『アルティメット・ミスティア』の復讐はこれからも続くのさ!
(しばらく間をあけて、再び始動します。それまでお待ちを)


よし、レス返し終わった。耳掃除をしよう。
………………あれ?おかしいな、耳からチルノが出てきたぜ。