※地霊殿キャラ登場ネタバレ注意
「ここが霊夢の言っていた温泉ですね」
博麗神社の端に建てられた脱衣所に入り、さとりは入浴準備を始めた。
ちなみにこの脱衣所は温泉をより良く楽しむために霊夢が萃香に建てさせたものだ。
この日地上へと遊びにきたさとりは噂の温泉とやらに入っていくことにしたのだ。
心を読むことのできるさとりにとっては、昼前の入浴者の少ない時間帯が一番の狙い目だった。
さとりは裸になるとタオルで前を隠しながら温泉へと向かった。
「まあ……いい眺めね」
暖簾をくぐったさとりは目の前に広がる雪景色に感嘆の声を上げる。神社の端にあるため、温泉からは幻想郷が一望できるようになっていた。
「それでは失礼して」
温泉へと足をつけ、湯加減を確認するとゆっくりと浸かっていく。
『温泉にはタオルを漬けるものではないんですがね。知らないのでしょうか? でしたら教えてあげないと……』
「あ、すみません。タオルを漬けてはいけなかったんですね」
咎めるような思念に、さとりは慌ててタオルを温泉の縁に置きそれから肩まで浸かった。
『あら私、今注意しましたっけ』
「ああ、いえ……私は古明地さとり、心を読む事ができるのです」
再び思念の聞こえた方向へと顔を向けると、青髪の女性がお猪口を片手に不思議そうな顔をしていた。だが、すぐに納得したような顔になり何度もうなづいた。
「なるほど、あなたが霊夢さんたちの言っていた地霊殿の主の方ですね。はじめまして私は……」
「竜宮の使いの永江衣玖さんですね。そうですか今日は久々に仕事が休みなんですね、それで朝から温泉に浸かってお酒を? いつも苦労なさってるのですね」
衣玖の言葉を遮りさとりは納得したように喋る。その様子に衣玖は言葉を失った。
「なるほど、会話要らずだけどつき合い辛いと魔理沙さんが言っていたのも頷けますね」
「ああ、ごめんなさい……やはり迷惑でしょうか、でしたら失礼しますね」
『いえいえ、大丈夫ですよ。気にしてませんから。それにこうすれば問題ないでしょう?』
「え? そうですけど、思念で会話なんて……」
さとりは少し驚きながら衣玖を見詰めた。
『問題ないようですね。では、どうですこの出会いを祝してお酒でも。生憎私の使っていたお猪口しかありませんが』
「ありがとうございます、かまいませんよ」
少し嬉しそうにさとりは微笑んだ。
『そうですか、ではそちらにお邪魔しますね』
衣玖は立ち上がり縁に置いていた徳利を手に取るとさとりの所までやってくる。近寄ってくる衣玖のスタイルの良さにさとりは少し顔を赤らめた。
『はい、どうぞ』
差し出されたお猪口を手に取ると、衣玖はさとりに密着するように座りお酒を注いだ。
「いただきます」
クイッと一気に飲み干す。ほんのりとした甘味の中にキリリとした芯を感じさせる。
「おいしい……」
『いい、飲みっぷりですね。どうぞ、もう一杯』
「どうも」
勧められるまま、さとりは二杯、三杯と酒を嚥下していった。すると身体が熱くなってくる。
「温泉に浸かりながらお酒をこんなにもおいしいなんて思いませんでした」
『そうですね、でも飲み過ぎに注意しないと血行が良くなってますからすぐに酔いが回って潰れてしまいます。だからほどほどにしておくのがいいんです』
「なるほどー」
さとりは顔を赤くし眼をとろんとさせながらお猪口を衣玖に返した。受け取った衣玖は瞳に妖しげな光を宿らせながらお猪口と徳利を縁に置いた。
『ところでさとりさん……』
「なんでしょうか?」
『さっき、私の裸を食い入るように見詰めてましたよね』
「ええっ! き、気のせいでしよ、気のせい」
どもりながら否定するが語尾がおかしくなり焦っているのがまる分かりである。
『気のせいですか、そうですか……』
沈黙が二人の間に広がっていく。気まずい雰囲気にさとりが耐えきれなくなり上がろうとした時だった。
「ほんとうにそうですか?」
衣玖がさとりの腰に手を回し、あごに手を当て軽く上を向かせ、顔を近づけながら問いただす。
「あうっ、な、なにを……」
「興味があるんじゃないんですか? こういうことに」
衣玖は目を細めながら、自分の唇をさとりの唇へと近づけて……
「や、やめてください!」
さとりは衣玖を押し返し後ずさった。
「ど、どうしました突然叫んで?」
驚いた衣玖の声にさとりが我に返ると、衣玖がお猪口と徳利を置いた姿で固まり、さとりを見詰めていた。
「え? あれ? さっき……いえ、ちょっと酔ってきたみたいです」
苦笑しながら衣玖の隣に少し間をあけ背を向けて座った。
『だいじょうぶですか? 酔ってきたなら無理せずあがったほうがよろしいのでは』
衣玖は心配するようにさとりの肩に手を置いた。
「大丈夫です、お気になさらずに……」
『なら……どうして背を向けているのですか?』
衣玖はさとりの両肩をガッシリと掴むと、身体を密着させる。さとりの背中が柔らかい感触に包まれる。
「ひゃっ!」
さとりはビクリと身を震わせ逃れようと身体を動かすが、衣玖の力は強く振りほどけなかった。
「期待しているでしょう……」
「ひゃあうっ」
耳元で艶めかしく囁かれ息を吹かれる。さとりの背筋にゾクゾクとした感触がはしり思わず色っぽい悲鳴が漏れた。
「うふふふふっ、楽しみましょう。二人っきりなんですし、温泉だから裸の付き合いは大事ですよ」
衣玖の手が肩から徐々に降りていく。左手は胸の近くで止まり、右手はお腹を撫でるとさらに下へと……
「わ、私はそんな事に興味はありません。やめてください!」
さとりは衣玖を押しのけて立ち上がると、お湯かき分けながら反対側まで走っていく。そして、自分の体を抱きしめながら振り向き睨み返した。
「あ、あの……さとりさん? ほんとうに大丈夫ですか?」
衣玖が片手を宙に浮かせたままこちらを向き呆然としていた。
「あれ? あれ? あれあれ? さっきのは……また勘違いを?」
突っ立ったまま首を捻る。だが酔いの回った思考では余計に混乱するだけだった。
「のぼせる前にあがったほうがよろしいですよ」
衣玖は立ち上がりさとりへと近寄っていく。
「あう、あ、あ、あのその……」
近づいてくる衣玖の姿にさとりは顔が熱くなっていくのを感じた。
「……違う違う、酔いが回ってるだけです。興奮してるわけでもなんでもないです」
さとりはブツブツと自分に言い聞かせるように呟いた。そんなさとりの額に暖かいものが触れる。
「少し熱があるのでは?」
それは衣玖の手だった。さとりは目の前に迫った衣玖の顔を目にし声を詰まらせる。
「さとりさん?」
衣玖の呼びかけにも答えず、さとりは口をパクパクとさせると意識を手放した。
「おっと、危ない」
気絶し倒れていくさとりを抱きかかえると、衣玖は妖艶な笑みを浮かべた。
「うふふふふ、少しからかい過ぎましたね。でも、あの程度の妄想を想像するだけで気絶するなんて、ウブですね~。さて、このままだと風邪をひいてしまいますからね」
さとりをお姫様抱っこすると、衣玖は脱衣所へと戻っていった。
「う……ここは……」
「気が付きましたか」
さとりが目を覚ますとそこは神社の一室だった。そこへ衣玖が安心したように声をかけた。
「わたしはいったい、え? 温泉でのぼせたんですか? それで衣玖さんが着替えさせてここへ運んだと……申し訳ありませんご迷惑をおかけしました」
さとりは起き上がると衣玖に頭を下げる。
「いえ、わたしもお酒を勧め過ぎたみたいですから、気にする必要はありませんよ」
衣玖は苦笑しながら手を振った。
「それでは私はこれで失礼しますね。さとりさんはもう少し休んでいくといいですよ」
「衣玖さん、ありがとうございました」
部屋を後にする衣玖へと声をかける。
「お礼なんていりませんよ……うふふふふふっ」
衣玖は口元に手を当て含み笑いを漏らすと戸を閉めて去っていった。部屋に残されたさとりの表情は呆然としていた。
「衣玖さん……『いい思いをさせてもらいました。ごちそうさまです』って……どういうことですか、ねえ!?」
「ここが霊夢の言っていた温泉ですね」
博麗神社の端に建てられた脱衣所に入り、さとりは入浴準備を始めた。
ちなみにこの脱衣所は温泉をより良く楽しむために霊夢が萃香に建てさせたものだ。
この日地上へと遊びにきたさとりは噂の温泉とやらに入っていくことにしたのだ。
心を読むことのできるさとりにとっては、昼前の入浴者の少ない時間帯が一番の狙い目だった。
さとりは裸になるとタオルで前を隠しながら温泉へと向かった。
「まあ……いい眺めね」
暖簾をくぐったさとりは目の前に広がる雪景色に感嘆の声を上げる。神社の端にあるため、温泉からは幻想郷が一望できるようになっていた。
「それでは失礼して」
温泉へと足をつけ、湯加減を確認するとゆっくりと浸かっていく。
『温泉にはタオルを漬けるものではないんですがね。知らないのでしょうか? でしたら教えてあげないと……』
「あ、すみません。タオルを漬けてはいけなかったんですね」
咎めるような思念に、さとりは慌ててタオルを温泉の縁に置きそれから肩まで浸かった。
『あら私、今注意しましたっけ』
「ああ、いえ……私は古明地さとり、心を読む事ができるのです」
再び思念の聞こえた方向へと顔を向けると、青髪の女性がお猪口を片手に不思議そうな顔をしていた。だが、すぐに納得したような顔になり何度もうなづいた。
「なるほど、あなたが霊夢さんたちの言っていた地霊殿の主の方ですね。はじめまして私は……」
「竜宮の使いの永江衣玖さんですね。そうですか今日は久々に仕事が休みなんですね、それで朝から温泉に浸かってお酒を? いつも苦労なさってるのですね」
衣玖の言葉を遮りさとりは納得したように喋る。その様子に衣玖は言葉を失った。
「なるほど、会話要らずだけどつき合い辛いと魔理沙さんが言っていたのも頷けますね」
「ああ、ごめんなさい……やはり迷惑でしょうか、でしたら失礼しますね」
『いえいえ、大丈夫ですよ。気にしてませんから。それにこうすれば問題ないでしょう?』
「え? そうですけど、思念で会話なんて……」
さとりは少し驚きながら衣玖を見詰めた。
『問題ないようですね。では、どうですこの出会いを祝してお酒でも。生憎私の使っていたお猪口しかありませんが』
「ありがとうございます、かまいませんよ」
少し嬉しそうにさとりは微笑んだ。
『そうですか、ではそちらにお邪魔しますね』
衣玖は立ち上がり縁に置いていた徳利を手に取るとさとりの所までやってくる。近寄ってくる衣玖のスタイルの良さにさとりは少し顔を赤らめた。
『はい、どうぞ』
差し出されたお猪口を手に取ると、衣玖はさとりに密着するように座りお酒を注いだ。
「いただきます」
クイッと一気に飲み干す。ほんのりとした甘味の中にキリリとした芯を感じさせる。
「おいしい……」
『いい、飲みっぷりですね。どうぞ、もう一杯』
「どうも」
勧められるまま、さとりは二杯、三杯と酒を嚥下していった。すると身体が熱くなってくる。
「温泉に浸かりながらお酒をこんなにもおいしいなんて思いませんでした」
『そうですね、でも飲み過ぎに注意しないと血行が良くなってますからすぐに酔いが回って潰れてしまいます。だからほどほどにしておくのがいいんです』
「なるほどー」
さとりは顔を赤くし眼をとろんとさせながらお猪口を衣玖に返した。受け取った衣玖は瞳に妖しげな光を宿らせながらお猪口と徳利を縁に置いた。
『ところでさとりさん……』
「なんでしょうか?」
『さっき、私の裸を食い入るように見詰めてましたよね』
「ええっ! き、気のせいでしよ、気のせい」
どもりながら否定するが語尾がおかしくなり焦っているのがまる分かりである。
『気のせいですか、そうですか……』
沈黙が二人の間に広がっていく。気まずい雰囲気にさとりが耐えきれなくなり上がろうとした時だった。
「ほんとうにそうですか?」
衣玖がさとりの腰に手を回し、あごに手を当て軽く上を向かせ、顔を近づけながら問いただす。
「あうっ、な、なにを……」
「興味があるんじゃないんですか? こういうことに」
衣玖は目を細めながら、自分の唇をさとりの唇へと近づけて……
「や、やめてください!」
さとりは衣玖を押し返し後ずさった。
「ど、どうしました突然叫んで?」
驚いた衣玖の声にさとりが我に返ると、衣玖がお猪口と徳利を置いた姿で固まり、さとりを見詰めていた。
「え? あれ? さっき……いえ、ちょっと酔ってきたみたいです」
苦笑しながら衣玖の隣に少し間をあけ背を向けて座った。
『だいじょうぶですか? 酔ってきたなら無理せずあがったほうがよろしいのでは』
衣玖は心配するようにさとりの肩に手を置いた。
「大丈夫です、お気になさらずに……」
『なら……どうして背を向けているのですか?』
衣玖はさとりの両肩をガッシリと掴むと、身体を密着させる。さとりの背中が柔らかい感触に包まれる。
「ひゃっ!」
さとりはビクリと身を震わせ逃れようと身体を動かすが、衣玖の力は強く振りほどけなかった。
「期待しているでしょう……」
「ひゃあうっ」
耳元で艶めかしく囁かれ息を吹かれる。さとりの背筋にゾクゾクとした感触がはしり思わず色っぽい悲鳴が漏れた。
「うふふふふっ、楽しみましょう。二人っきりなんですし、温泉だから裸の付き合いは大事ですよ」
衣玖の手が肩から徐々に降りていく。左手は胸の近くで止まり、右手はお腹を撫でるとさらに下へと……
「わ、私はそんな事に興味はありません。やめてください!」
さとりは衣玖を押しのけて立ち上がると、お湯かき分けながら反対側まで走っていく。そして、自分の体を抱きしめながら振り向き睨み返した。
「あ、あの……さとりさん? ほんとうに大丈夫ですか?」
衣玖が片手を宙に浮かせたままこちらを向き呆然としていた。
「あれ? あれ? あれあれ? さっきのは……また勘違いを?」
突っ立ったまま首を捻る。だが酔いの回った思考では余計に混乱するだけだった。
「のぼせる前にあがったほうがよろしいですよ」
衣玖は立ち上がりさとりへと近寄っていく。
「あう、あ、あ、あのその……」
近づいてくる衣玖の姿にさとりは顔が熱くなっていくのを感じた。
「……違う違う、酔いが回ってるだけです。興奮してるわけでもなんでもないです」
さとりはブツブツと自分に言い聞かせるように呟いた。そんなさとりの額に暖かいものが触れる。
「少し熱があるのでは?」
それは衣玖の手だった。さとりは目の前に迫った衣玖の顔を目にし声を詰まらせる。
「さとりさん?」
衣玖の呼びかけにも答えず、さとりは口をパクパクとさせると意識を手放した。
「おっと、危ない」
気絶し倒れていくさとりを抱きかかえると、衣玖は妖艶な笑みを浮かべた。
「うふふふふ、少しからかい過ぎましたね。でも、あの程度の妄想を想像するだけで気絶するなんて、ウブですね~。さて、このままだと風邪をひいてしまいますからね」
さとりをお姫様抱っこすると、衣玖は脱衣所へと戻っていった。
「う……ここは……」
「気が付きましたか」
さとりが目を覚ますとそこは神社の一室だった。そこへ衣玖が安心したように声をかけた。
「わたしはいったい、え? 温泉でのぼせたんですか? それで衣玖さんが着替えさせてここへ運んだと……申し訳ありませんご迷惑をおかけしました」
さとりは起き上がると衣玖に頭を下げる。
「いえ、わたしもお酒を勧め過ぎたみたいですから、気にする必要はありませんよ」
衣玖は苦笑しながら手を振った。
「それでは私はこれで失礼しますね。さとりさんはもう少し休んでいくといいですよ」
「衣玖さん、ありがとうございました」
部屋を後にする衣玖へと声をかける。
「お礼なんていりませんよ……うふふふふふっ」
衣玖は口元に手を当て含み笑いを漏らすと戸を閉めて去っていった。部屋に残されたさとりの表情は呆然としていた。
「衣玖さん……『いい思いをさせてもらいました。ごちそうさまです』って……どういうことですか、ねえ!?」
(龍魚ドリルバッチコーイ!)
後は、ネチョバージョンを東方夜伽話にUPしてくれる時を静かに待ってるぜ!!
なるほど衣玖さんいい女だな
そこにシビれる!あこがれるゥ!
てこずっているようだな手を貸そう
アッー!!!
この衣玖だァーーーーッ!!!
「あんたの負けだ、お若いレディ」
キャーイクサーン
そして衣玖さんがノリノリであることに吹いた
>1
魚符『龍魚ドリル』!! しょっぱなからコレですか、もう……
>2
はい、衣玖はここにいますよ
>3
そんなに褒めないでください、照れてしまいます
>4
魚符『龍魚ドリル』!! またですか
>5
そうですね、念ずれば叶うかもしれませんね
>6
お酒を飲ませて思考を鈍らせるのがポイントです
酔わせてしまえば総領娘様でもかわいい……おっと
>7
空気を読んだだけですのに……ありがとうございます
>8
ドリルいっておきますか?
>9
そんな叫んだりしませんわ
でもそうですわね。永琳さんにキノコの生える薬を作ってもらいましょうか?
>10
うふふふ、経験の差ですわ
>11
無いなら創ればいいのですよ
>12
さとりさんはかわいいですよね。妹もいらっしゃるとか……
姉妹丼フフフッ
・・・あれ?手が勝手に・・・