幻想郷のどこかに存在すると言われる隙間妖怪の邸宅、マヨヒガにて。
「うぅーっ、うっ、うぐぉぉぉぉぉ……」
「紫様、紫様、しっかりしてください!」
「ハッ! ゆ、夢だったのね……」
「どうなさったんですか、酷くうなされていましたが。それに汗びっしょりですよ」
「悪夢よ、悪夢を見たのよ」
「はあ、悪夢、ですか。どんな?」
「妖怪の山に新しい神社が百個ぐらい転移してきて、要石が次から次へと空から降り注ぎ、地下の連中が遊び半分に核融合で幻想郷を吹き飛ばし……」
「うわぁ……」
「ふふ、次は月の民がコロニー落としでもかけてくるのかしら?」
「落ち着いてください、紫様。幻想郷の平和は今日も保たれておりますよ」
「それだっていつまで持つか……うう、みんな人の気も知らんと次から次へと想定外の厄介事を」
「心中お察しいたします」
「ありがとう、藍。ああ、悪いんだけどそこの箪笥から」
「胃薬でしたらこちらに」
「いつもすまないわねえ」
「それは言わない約束ですよ」
そんな二人の様子を、障子の陰から覗く猫が一匹。
翌朝その猫は、深刻な顔でいつも一緒に遊んでいる連中と向き合っていた。
「……というわけで、最近紫様が凄くつらそうなんだよ」
「そーなのかー」
「ふざけてる場合じゃないわよ、ルーミア」
「リグルの言う通り。なんかよく分かんないけど、あの人が倒れたら大変なんでしょ?」
「うん。紫様は幻想郷のいろんなところを見張ってるし、藍様に結界の修復の指示とかも出してるから」
「えぇっ、それじゃあ、紫さんが倒れたりしたら結界が壊れるかもしれないの!?」
「すげー、ゆかりったらさいきょーね!」
「感心してる場合じゃないってば」
「わたしたちにも何かできること、ないかな」
「……って言っても、余計なもめ事起こさないように気をつける、ぐらいしか」
「最初からもめ事起こせるほどの力ないけどね、わたしたち」
「うーん、じゃあ、結界の修復を手伝う、とか」
「それどうやってやるの?」
「分かんない……」
「うう、結局何も出来ないんだ……わたしはなんて役立たずな猫なんだろう!」
「泣かないで、橙ちゃん」
「そうそう。それに、できることだったらあるって!」
「え、なになに、なんなの、チルノ?」
「うっふっふ、まずは紙とペンを用意してね……」
その夜、所は再びマヨヒガ。
「う、うぅ……い、隕石、隕石が……ハッ! ま、また夢か……まさかマスドライバーで幻想郷を狙い撃ちとは……
ああ胃が痛い、ついでに頭も痛い……でもまだくじけるわけには……ん?」
ふと、枕もとに何か紙切れが置いてあることに気がつく紫。手に取って見てみると、
「『がんばって紫様 スキマ妖怪最高 みんなのおかあさん だいすき むりしないでね ゆかりったらさいきょーね!』……」
そんな紫の様子を、障子の影から見守る妖怪たちの影が。
「うっふっふ、みんなのはげましでゆかり元気になること間違いなし! あたいったらさいきょーね!」
「だ、大丈夫かな……天下の大妖怪に対してあんなちゃっちい寄せ書き……」
「馬鹿にされてると思って怒るんじゃ……」
誰もがハラハラドキドキしながら見守る中、紫の反応は、
「おふっ、えぐっ、うぉぉぉぉん……」
マジ泣きだった。
「うわっ、泣きだした!」
「やっぱりまずかったんだ!」
「ごめんなさい紫様ーっ!」
「うおおぉぉぉぉぉん、あんたたち、愛してる、愛してるわーっ!」
その日のマヨヒガには、ちびっ子妖怪たちを抱きしめて泣き叫ぶ紫の声が夜通し響いていたそうな。
「うぅーっ、うっ、うぐぉぉぉぉぉ……」
「紫様、紫様、しっかりしてください!」
「ハッ! ゆ、夢だったのね……」
「どうなさったんですか、酷くうなされていましたが。それに汗びっしょりですよ」
「悪夢よ、悪夢を見たのよ」
「はあ、悪夢、ですか。どんな?」
「妖怪の山に新しい神社が百個ぐらい転移してきて、要石が次から次へと空から降り注ぎ、地下の連中が遊び半分に核融合で幻想郷を吹き飛ばし……」
「うわぁ……」
「ふふ、次は月の民がコロニー落としでもかけてくるのかしら?」
「落ち着いてください、紫様。幻想郷の平和は今日も保たれておりますよ」
「それだっていつまで持つか……うう、みんな人の気も知らんと次から次へと想定外の厄介事を」
「心中お察しいたします」
「ありがとう、藍。ああ、悪いんだけどそこの箪笥から」
「胃薬でしたらこちらに」
「いつもすまないわねえ」
「それは言わない約束ですよ」
そんな二人の様子を、障子の陰から覗く猫が一匹。
翌朝その猫は、深刻な顔でいつも一緒に遊んでいる連中と向き合っていた。
「……というわけで、最近紫様が凄くつらそうなんだよ」
「そーなのかー」
「ふざけてる場合じゃないわよ、ルーミア」
「リグルの言う通り。なんかよく分かんないけど、あの人が倒れたら大変なんでしょ?」
「うん。紫様は幻想郷のいろんなところを見張ってるし、藍様に結界の修復の指示とかも出してるから」
「えぇっ、それじゃあ、紫さんが倒れたりしたら結界が壊れるかもしれないの!?」
「すげー、ゆかりったらさいきょーね!」
「感心してる場合じゃないってば」
「わたしたちにも何かできること、ないかな」
「……って言っても、余計なもめ事起こさないように気をつける、ぐらいしか」
「最初からもめ事起こせるほどの力ないけどね、わたしたち」
「うーん、じゃあ、結界の修復を手伝う、とか」
「それどうやってやるの?」
「分かんない……」
「うう、結局何も出来ないんだ……わたしはなんて役立たずな猫なんだろう!」
「泣かないで、橙ちゃん」
「そうそう。それに、できることだったらあるって!」
「え、なになに、なんなの、チルノ?」
「うっふっふ、まずは紙とペンを用意してね……」
その夜、所は再びマヨヒガ。
「う、うぅ……い、隕石、隕石が……ハッ! ま、また夢か……まさかマスドライバーで幻想郷を狙い撃ちとは……
ああ胃が痛い、ついでに頭も痛い……でもまだくじけるわけには……ん?」
ふと、枕もとに何か紙切れが置いてあることに気がつく紫。手に取って見てみると、
「『がんばって紫様 スキマ妖怪最高 みんなのおかあさん だいすき むりしないでね ゆかりったらさいきょーね!』……」
そんな紫の様子を、障子の影から見守る妖怪たちの影が。
「うっふっふ、みんなのはげましでゆかり元気になること間違いなし! あたいったらさいきょーね!」
「だ、大丈夫かな……天下の大妖怪に対してあんなちゃっちい寄せ書き……」
「馬鹿にされてると思って怒るんじゃ……」
誰もがハラハラドキドキしながら見守る中、紫の反応は、
「おふっ、えぐっ、うぉぉぉぉん……」
マジ泣きだった。
「うわっ、泣きだした!」
「やっぱりまずかったんだ!」
「ごめんなさい紫様ーっ!」
「うおおぉぉぉぉぉん、あんたたち、愛してる、愛してるわーっ!」
その日のマヨヒガには、ちびっ子妖怪たちを抱きしめて泣き叫ぶ紫の声が夜通し響いていたそうな。
日頃胡散臭い風を装っているのは底を知れないようにしていたんだよ!!>な、なんだっt(ry
けど、緋想天の台詞にもあったから、家族と一緒の時はこんな感じなのかな?
確かに。
激同。
マヨヒガ=妖の二面、橙が猫を手なづけようとしている
紫の家=未登場、幻想郷の端に位置する(紫&藍と橙は同居もしていない)