※この作品は百合成分が含まれております。
また独自解釈、独自キャライメージ、場合によっては設定無視が存在するかもしれません。
あと会話オンリーです。
それらをご了承のうえよろしければお進みください。
「こんにちわ。」
「あら、いらっしゃい。と言っても私が言うことじゃないでしょうけどね。」
「でも今はここが家みたいなものでしょ。ならそれでいいんじゃないかしら。」
「そういうものかしら。」
「そういうものなのよ。」
「みんなは元気にしているの?」
「あら、あなたが他人を気にかけるなんて珍しい。」
「たまにはいいでしょ。・・・それで、どうなのよ?」
「全員に会っているわけではないけれど元気みたいよ。この前も湖のあたりでなんか爆発していたし。」
「いつものことね。まあ考えてみればちょっとやそっと何かがあったくらいでどうにかなる奴らじゃないか。」
「ところで、私には聞いてくれないの?」
「あんたは元気いっぱいでしょうが。わざわざここに来るくらいなんだし。」
「ごほっごほっ。あなたに会うために病に侵された身体をおしてまで来たのよ。」
「そういうのはもっと病人らしくしてから言いなさい。」
「も~、少しくらい心配してみてくれてもいいのに。」
「そういえば転生するまでもう少しだったかしら?」
「そうらしいわよ。私にはよくわからないけど。」
「あらあら。となるとこうしてお話できるのもあと少しなのね。寂しくなるわ。」
「私は清々するけどね。」
「あらつれない。」
「そりゃあ死んでからもこうもしょっちゅうやってくればね。あんたちょっかいばかりかけてくるし。」
「・・・もしかして迷惑だった?」
「そうは言ってないでしょ。ちょっとばかし喧しかっただけよ。」
「そう。それならよかったわ。」
「そういえば聞きたかったことがあるんだけど。」
「なにかしら?」
「なぜ私をただの人のままにしておいたの。あなたの力なら単に寿命をいじるのもそれ以上に妖怪にするのも簡単でしょ?」
「あら何でそんなことを聞くのかしら?」
「だってあんた私のことが好きだったでしょ?」
「今でも好きよ?」
「茶化さないで。で、それなのに何であんたは私をそのままにしておいたの?ほしいものをみすみす見逃すあんたじゃないでしょ。」
「では逆に聞くけれど、もし私がそうしようとしたらあなたはどうする?」
「全力でお断りするわ。それは私が”私”でなくなることのような気がするから。」
「でしょ?私もそう思ったわ。あなたが”あなた”でなくなるんじゃないかって。」
「ふ~ん。」
「でも今では少し後悔しているわ。その考え方は間違っていたんじゃないかって。」
「それはどうして?」
「たとえ肉体がどう変化しようとも”あなた”という魂は変わらなかったのではないか。そしてそれはつまりあなたは”あなた”のままだということ。最近そう思うようになったわ。」
「まあその魂とも言うべき幽霊である今の私も”私”だしね。」
「でしょう?だから失敗したなって思うわ。」
「それはご愁傷さま。今さら言ってもしょうがないわね。」
「ふふっ、そうね。」
「ねぇ、一つ賭けをしない?」
「どんな?」
「あなたが生まれ変わっても”あなた”なのかどうか。」
「何言ってるのよ。転生するんだから”私”であるわけがないじゃない。」
「でも転生とは魂が輪廻をめぐって新たな生を、肉体を得ることよ。だとしたら魂は変わらないかもしれないじゃない。」
「ずいぶんロマンチックな話ね。そもそも何処の誰に生まれ変わるかもわからない私をどうやって探すの?」
「探すわ。世界中を駆け回ってでも。たとえ何十、何百年かかろうとも。」
「・・・・・・。」
「どう、この賭けにのらない?」
「あんたが勝ったらどうするの?」
「私の恋人になってください。」
「はぁっ!?」
「今度は寿命なんかに縛らせない。私とあなた、どちらかが完全に擦り切れるそのときまで一緒に生きて。」
「何言ってるのよ。そもそも何で私とあんたが恋人同士なんかに。第一その魂が”私”のままだなんてどうやって証明するのよ?」
「わかるわよ、あなたの魂なら。魂同士が惹かれあうとでも言うのかしら。そんな感じで。」
「はぁ~、本当にずいぶんとロマンチックなことを。いやこの場合は夢物語とでも言うのかしら。云千年生きてきたやつの言うことじゃないわよ。」
「酷いわね~、私はいつまでも夢みる少女よ?」
「はいはい。流石が幾つになってもそんな服を着ている人は言うことが違うわね。」
「きついお言葉で。それで賭けにはのってくれるの?」
「のらないわよ。そんなの。」
「ひどいわ~。泣いちゃうわよ?」
「・・・・・・だって意味がないもの。」
「?」
「もし私が生まれ変わっても”私”のままだったなら、私は必ずまたあんたを好きになるから。」
「・・・・・・。」
「だからそんな賭けなんかいらないの。って、何泣いているのよあんた!?」
「だって、だってうれしいんですもの。」
「そろそろ夕食の時間なんじゃない?」
「あらもうそんな時間?やっぱりあなたと話していると時が経つのも忘れるわね。」
「そういえば二人にはまだ会ってないんじゃないの?あいさつくらいしてったら?」
「ん~、今日はよしておくわ。気を使ってくれてたみたいだし。こっちもお腹をすかせた子どもたちが待っているしね。」
「それはあんたのことでしょ?片方はともかくもう片方は食事の仕度はおろか仕事までさせられている苦労人でしょ。」
「むむむっ。痛いところを突かれたわ。でもあの子を育てたのは私だもの。あの子の功績は私のものでもあるのよ。」
「はいはい。それじゃあ健気に親を待つその可哀想な子どものためにもさっさと帰ってあげなさい。」
「は~い。それじゃあまた会いに来るわね。」
「あんたグータラだからね。少しくらい遅くなっても待っててあげるわ。またね、紫。」
「あなたに会うためなら不眠不休でも大丈夫よ。待たせることなんてないから安心してなさい。またね、霊夢。」
おしまい
また独自解釈、独自キャライメージ、場合によっては設定無視が存在するかもしれません。
あと会話オンリーです。
それらをご了承のうえよろしければお進みください。
「こんにちわ。」
「あら、いらっしゃい。と言っても私が言うことじゃないでしょうけどね。」
「でも今はここが家みたいなものでしょ。ならそれでいいんじゃないかしら。」
「そういうものかしら。」
「そういうものなのよ。」
「みんなは元気にしているの?」
「あら、あなたが他人を気にかけるなんて珍しい。」
「たまにはいいでしょ。・・・それで、どうなのよ?」
「全員に会っているわけではないけれど元気みたいよ。この前も湖のあたりでなんか爆発していたし。」
「いつものことね。まあ考えてみればちょっとやそっと何かがあったくらいでどうにかなる奴らじゃないか。」
「ところで、私には聞いてくれないの?」
「あんたは元気いっぱいでしょうが。わざわざここに来るくらいなんだし。」
「ごほっごほっ。あなたに会うために病に侵された身体をおしてまで来たのよ。」
「そういうのはもっと病人らしくしてから言いなさい。」
「も~、少しくらい心配してみてくれてもいいのに。」
「そういえば転生するまでもう少しだったかしら?」
「そうらしいわよ。私にはよくわからないけど。」
「あらあら。となるとこうしてお話できるのもあと少しなのね。寂しくなるわ。」
「私は清々するけどね。」
「あらつれない。」
「そりゃあ死んでからもこうもしょっちゅうやってくればね。あんたちょっかいばかりかけてくるし。」
「・・・もしかして迷惑だった?」
「そうは言ってないでしょ。ちょっとばかし喧しかっただけよ。」
「そう。それならよかったわ。」
「そういえば聞きたかったことがあるんだけど。」
「なにかしら?」
「なぜ私をただの人のままにしておいたの。あなたの力なら単に寿命をいじるのもそれ以上に妖怪にするのも簡単でしょ?」
「あら何でそんなことを聞くのかしら?」
「だってあんた私のことが好きだったでしょ?」
「今でも好きよ?」
「茶化さないで。で、それなのに何であんたは私をそのままにしておいたの?ほしいものをみすみす見逃すあんたじゃないでしょ。」
「では逆に聞くけれど、もし私がそうしようとしたらあなたはどうする?」
「全力でお断りするわ。それは私が”私”でなくなることのような気がするから。」
「でしょ?私もそう思ったわ。あなたが”あなた”でなくなるんじゃないかって。」
「ふ~ん。」
「でも今では少し後悔しているわ。その考え方は間違っていたんじゃないかって。」
「それはどうして?」
「たとえ肉体がどう変化しようとも”あなた”という魂は変わらなかったのではないか。そしてそれはつまりあなたは”あなた”のままだということ。最近そう思うようになったわ。」
「まあその魂とも言うべき幽霊である今の私も”私”だしね。」
「でしょう?だから失敗したなって思うわ。」
「それはご愁傷さま。今さら言ってもしょうがないわね。」
「ふふっ、そうね。」
「ねぇ、一つ賭けをしない?」
「どんな?」
「あなたが生まれ変わっても”あなた”なのかどうか。」
「何言ってるのよ。転生するんだから”私”であるわけがないじゃない。」
「でも転生とは魂が輪廻をめぐって新たな生を、肉体を得ることよ。だとしたら魂は変わらないかもしれないじゃない。」
「ずいぶんロマンチックな話ね。そもそも何処の誰に生まれ変わるかもわからない私をどうやって探すの?」
「探すわ。世界中を駆け回ってでも。たとえ何十、何百年かかろうとも。」
「・・・・・・。」
「どう、この賭けにのらない?」
「あんたが勝ったらどうするの?」
「私の恋人になってください。」
「はぁっ!?」
「今度は寿命なんかに縛らせない。私とあなた、どちらかが完全に擦り切れるそのときまで一緒に生きて。」
「何言ってるのよ。そもそも何で私とあんたが恋人同士なんかに。第一その魂が”私”のままだなんてどうやって証明するのよ?」
「わかるわよ、あなたの魂なら。魂同士が惹かれあうとでも言うのかしら。そんな感じで。」
「はぁ~、本当にずいぶんとロマンチックなことを。いやこの場合は夢物語とでも言うのかしら。云千年生きてきたやつの言うことじゃないわよ。」
「酷いわね~、私はいつまでも夢みる少女よ?」
「はいはい。流石が幾つになってもそんな服を着ている人は言うことが違うわね。」
「きついお言葉で。それで賭けにはのってくれるの?」
「のらないわよ。そんなの。」
「ひどいわ~。泣いちゃうわよ?」
「・・・・・・だって意味がないもの。」
「?」
「もし私が生まれ変わっても”私”のままだったなら、私は必ずまたあんたを好きになるから。」
「・・・・・・。」
「だからそんな賭けなんかいらないの。って、何泣いているのよあんた!?」
「だって、だってうれしいんですもの。」
「そろそろ夕食の時間なんじゃない?」
「あらもうそんな時間?やっぱりあなたと話していると時が経つのも忘れるわね。」
「そういえば二人にはまだ会ってないんじゃないの?あいさつくらいしてったら?」
「ん~、今日はよしておくわ。気を使ってくれてたみたいだし。こっちもお腹をすかせた子どもたちが待っているしね。」
「それはあんたのことでしょ?片方はともかくもう片方は食事の仕度はおろか仕事までさせられている苦労人でしょ。」
「むむむっ。痛いところを突かれたわ。でもあの子を育てたのは私だもの。あの子の功績は私のものでもあるのよ。」
「はいはい。それじゃあ健気に親を待つその可哀想な子どものためにもさっさと帰ってあげなさい。」
「は~い。それじゃあまた会いに来るわね。」
「あんたグータラだからね。少しくらい遅くなっても待っててあげるわ。またね、紫。」
「あなたに会うためなら不眠不休でも大丈夫よ。待たせることなんてないから安心してなさい。またね、霊夢。」
おしまい
こ れ は や ら れ た
作者と紫と霊夢と次世代霊夢に乾杯。
個人的には別にわかりにくくなかったと思います。最後に書くのもありだと思います。
(うざいコメントごめんなさい)