ここは迷いの竹林と呼ばれる場所。その一角に、永遠亭と呼ばれる大きな屋敷がありました。
屋敷を訪れた者は「美味であった」と満足そうに戻ってくる人もいれば、「痛烈であった」と尻を押さえながら戻ってきた者もいたという。
屋敷には診療所と居住区、そして謎の部屋がある。
これは、そんな謎の部屋のお話である。
ある日、永遠亭に訪れた者が迷ってしまいます。その人物はどうすれば屋敷を出られるのか道を聞こうとして、ふと、ある部屋を見つけました。
部屋に誰かいるかもしれないと思った迷い人が障子を開けたところ、なんと部屋には自分が幾人もおりました。
それは鏡に写った迷い人。壁と天井、すべてが鏡になっている不気味な部屋に自分が映っていたのです。
迷い人はおそるおそる部屋に足を踏み入れるが誰もいない。困った、と腕を組んでいると頭のうえから声が落ちてきた。
『ようこそ我が部屋へ。どうぞ、その椅子にお座りください』
突然の声に迷い人は驚くも、誘われるように椅子に座った。
『それでは、タナゴコロを見つめてお答えください』
『朝、目が覚めるとあなたは知らない部屋にいました。あなたはなぜそこにいるのか思いだすことができません。
しかし、手の平にあるものがあったおかげで昨日のことを思い出しました。さて、そのあるものとは一体何ですか?』
よく通る、落ち着いた女性の声。
迷い人は戸惑いながらも質問に答えた。
ケース1~霧雨魔理沙の場合
「うーん、帽子、だな」
なぜそう思われましたか?
「寝る前には帽子を脱ぐだろ? それで逆さまにして、中にその日に手に入れた何かを入れておくんだ。
そうしたら次の日に帽子を被ろうとしたら中の物に気づく。それで昨日のことを思い出せると思うんだ。
私にとって大事なものだから絶対に忘れないしな」
ありがとうございました。
「診療所って儲かってるのか? ああ、儲からないからこんなことをしているんだな」
ケース2~十六夜咲夜の場合
「おそらく、時計ですわ」
なぜそう思われましたか?
「スイッチ……とでも言うのかしら。プライベートの私から仕事をしている私に頭を切り替えれば、自然と気持ちが引き締まって昨日のことが思いだせるかもしれないわ。
仕事柄どうしても時間を気にしてしまうから、きっとそのせいね」
ありがとうございました。
「そろそろ帰り道を教えてくださらない? 今日の献立を考えていたらうっかり迷ったのよ」
ケース3~魂魄妖夢の場合
「お、思い出せそうな物ですよね? えぇと………手鏡、だと思います」
なぜそう思われましたか?
「自分の顔色が悪かったりしたらきっと昨日あったことを必死で思い出そうとすると思うんです。
体調管理ができないようでは一人前になれませんから、悪い点があったら改善するように心がけているんです」
ありがとうございました。
「ところで前より兎が減っていませんか? いつもはにぎやかすぎるくらいなのに今日は控えめというか……」
ケース4~博麗霊夢の場合
「湯呑みかしらね」
なぜそう思われましたか?
「何となく。たぶん何かを持っていることに違和感を覚えるのよ。だって普通持ったまま寝ないでしょ、普通。
だから持ちながら寝る理由を考えるのよ。相手があんただったら淹れられたお茶に睡眠薬とか混入されているんでしょうけど」
ありがとうございました。
「お茶が美味しくなる薬ってないの? 妖怪が寄ってこなくなる薬でもいいけど」
「永琳」
「姫様、なんの御用でしょう」
「最近イナバたちが震えているんだけどどうしたのかしら」
「きっと発情期なのでしょう。ところで姫様、この廊下を突き当たって左へ行くと部屋があります。大事な話があるので、そこでお待ちいただけますか」
「いいわよ」
ケース5~蓬莱山輝夜の場合
「こんな部屋あったかしら……?」
お待ちしておりました、蓬莱山輝夜さま。
では、タナゴコロを見てお答えください。
「その声、あなた永琳ね。これはどういうこと、話があるんじゃなかったのかしら?」
朝、目が覚めるとあなたは知らない部屋にいました。あなたはなぜそこにいるのか思いだすことができません。
しかし、手の平にあるものがあったおかげで昨日のことを思い出しました。さて、そのあるものとは一体何ですか?
「何よそれ、心理ゲームのつもり? いいわ、答えてあげましょう。私の答えはタナゴコロよ」
なぜそう思われましたか?
「簡単よ、私が一人で知らない場所へ行くはずがない。常にあなたが一緒なのよ。何かあったとしても私があなたの手を離すことはない。だから答えは永琳、あなたのタナゴコロよ」
姫様…………。
残念、ボッシュートです。
「ええっ!? ちょっと待ちなさいよ、私、今いいこと言ったじゃない!」
甘えないでください。いつまでもいつまでも永琳、永琳と。
そんなことだから妹紅や他の者に引きこもりだと言われるのです。いい加減、自立なさってください。
「永琳が感動する場面はどこへ行ったのよ!?」
姫様の答えを意訳すると、『側に永琳がいてくれるから自分が思い出す必要はない』という風になります。
つまりあなたは自分が持ちたい何かをすべて私に委ねている。極論すれば、甘え、ではありませんか?
「ギクッ」
姫様には少し、反省なさってもらったほうがいいかもしれません。
なので、私から特別に姫様専用のお仕置きコースをご用意いたしております。
「ギクギクギクッッ」
しかし私も鬼ではありません。あなたは私の主、痛めつけるのは本意ではありません。
「ホッ………」
よって。
至高の座薬フルコース行きにさせてもらいます。
「いやああああああああああああああああっっっっ!!!!」
オプションで妹紅の家の前に簀巻きで放置、庭の竹に縛って一週間断食、レミリアのサンドバッグの三つがついてきますがどうしましょう?
「どれもいらない! いらないから!!」
全部したい、と。さすがは姫様。この永琳、うれしゅうございます。
「イナバー!! イナバー!! お願いよ、誰か助け――――――」
悲鳴が途切れる。目の前には蓬莱の薬師、部屋に閉じ込められた輝夜は抵抗すらできなかった。
その後、一ヶ月ほど輝夜の姿を見たものはいない。
妖夢のセリフがなければネチョーなんだけど、こわっ!
何だかんだ言っても「至高」で済む所が愛かと。
>昨日会ったことを(妖夢の場合) →有ったorあった
手鏡持ってる妖夢かわいいw
>正解・極上兎鍋
残念・特上座薬一時間コース
兎がこの心理テスト(?)を受けたらどっちも最悪だw
>結果
回答に「自分で考える」というのが入っていないとだめ、ということですか?
咲夜が何で×なのかがいまいちわかりません。
仕事→レミリアに依存→レミリアに甘えてる、だからか?
ってか、なんで輝夜ハッピーなんよww
1>ちょっ、これ、ホラー!ホラー!!
そして誰もいなくなるか。ウサギたちの命はコイン一個じゃ買えません。
鈴仙とてゐの行方は誰にもわからない。
2>何だかんだ言っても「至高」で済む所が愛かと。
あ な た が マ ゾ か
3>回答に「自分で考える」というのが入っていないとだめ、ということですか?
咲夜が何で×なのかがいまいちわかりません。
その考え方で間違っていません。答えはオチにあるとおり、輝夜のように甘えてはならない
という意味を込めて質問を作りました。
妖夢と同じ仕事の人だけど咲夜の場合は主の世話をしている人で、とても良くレミリアに尽くしている。でも
尽くすという行為は自分自身へ向ける愛情も相手に注いでしまう。それは依存と同じじゃないかなと思う。
本音は咲夜をいじめたかっただけ。反省はしていない。
4>ってか、なんで輝夜ハッピーなんよww
つ永琳の愛の鞭