Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

裏会議

2008/09/21 04:35:20
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 紅魔館の中の重要な話…

 紅魔館の主であるレミリア・スカーレットが自分の考えを
 
 十六夜咲夜、パチュリー・ノーレッジ等を筆頭に伝える事がそれにあたる

 その決定はよほどの事が無い限り、レミリアのわがままなわけであるが殆ど確定する



 だが、それはあくまで表の会議である

 レミリアも知らない、それとは対を成す裏の会議がある

 こちらは、紅魔館の内部をどうするかと言うのを決める事である 

 だが、その会議が何処で行なわれるのかは誰も知らない…




 そして、どれだけかぶりにその会議が行なわれる事になる








「………」
 
 とある広い空間…その中で女性が一人、目を瞑ってじっと待っていた

「…すいません、少し遅れました」

 その人物の背後にもう一人の女性が現れた

「大丈夫よ、私も今来たところだから…」

 目を瞑っていた女性が、背後からきた女性の方を振り向いた

「…お疲れ様、美鈴」

「咲夜さんもお疲れ様です…」




 紅魔館の裏会議が始まる

「…で?今回の話はなにかしら…」

 いつもなら、メイド長である咲夜から、議題を提出するのだが
 
 今回は、門番長である美鈴がこの会議をすることを決めたのだ

「はい、門番の守備に関する議題なのですが…」

「また?」

 しばらく前までは、紅魔館の門の守備率は

 ほぼ100%に近い状態であった…

 だが、紅霧異変以降、守備率は低下の一方をたどっていた

 というのも…

「…はい、また白黒の件です…」

「まあ、確かに凄く困った問題ではあるけどね…」

 霧雨魔理沙…白黒の魔法使いと呼ばれている困った人間であった

 異変の際に、紅白の巫女と一緒にやってきて
 
 弾幕勝負の果てに館の主と対等以上に戦った人物であり

「…パチュリー様と妹様も気に入っていますし…」

「…だから余計に性質が悪いのよ…」

 図書館の中で本を読み、表に興味が無かったパチュリー

 紅魔館の地下に閉じ込められていたフランドール

 この二人を魔理沙は倒してしまった…

 そのおかげで、パチュリーは外に出るようになり

 フランドールも、地下から開放されたのだが…



「…お嬢様達は楽しんでますけど、門番隊が一番被害を受けているんです」

 魔理沙が紅魔館の門の前にやってくると

 必ず門を破壊していく…

「貴方が魔理沙を止めればいいじゃない」

「そ、それは…」

 確かに咲夜の言葉は正論である

 その言葉に、美鈴が言葉が詰まる

 困った顔の美鈴を見て、咲夜が笑う

「…冗談よ、確かに止めればいいけれど、
 相手はお嬢様と対等に闘った程の猛者だからね」

「…ううっ…面目ないです…」 

 
 本来、守るよりも攻める方が楽なのだ 

 ある程度の相手なら、美鈴は負けることは無い

 だが、接近戦主体の美鈴のとって、スペルカードルールは苦手である

 その上、霧雨魔理沙の戦い方は、高速移動の重火力タイプ

 遠距離から高速移動で突っ込んできて

 挙句に、広範囲の大火力の一撃を加えると同時に

 一気に戦域から離脱(門の中に入る)するため

 美鈴との戦いの相性は最悪だった

「でも、何とかしないと…」

「そうね、門の修理費と、図書館の修理費…洒落にならないものね」


 
 広範囲の一撃は、守りに出た門番隊を一掃して

 挙句に紅魔館の門や屋敷の一部を破壊していく 
 
 その修理に当たるのは、門番隊…

 そしてその責任は全て隊長である美鈴がとらされるのだ

「もう、今月どうやって生きていけばいいか…」

 そのため、美鈴の給料は半分以下に減らされている

 本来ならそこまで減らされる事は無いのだが

「何も貴方一人で部下達の分まで責任取らなくても良いのに…」

「皆も苦労してるのに、それ以上に給料下げさせるなんてできませんよ」

 門番隊の皆の分の給料を減らすまいと、美鈴がその分減らされているのだ
 
 そんな美鈴だからこそ、門番隊の皆は彼女についていくのだ…

  


「…というわけで、色々門番隊の皆で色々分析をしました」

「それで、何かわかったの?」 

 咲夜の言葉に、美鈴がその場から移動する

「まず、私と魔理沙さんとの総合戦力差はあんまり無いんです」

 移動した美鈴が今度は椅子の上に座る 

「総合戦力?」

「戦闘自体の経験は私の方が上ですが
 弾幕と言うルールはかなり近年に作られたものですから
 魔理沙さんとの差は余りないと考えられます」

 魔理沙が紅霧異変を生き延びてきた猛者であるように

 美鈴も長い間紅魔館の門の前にやってくる侵入者を退治してきた猛者である

 闘いをこなしてきた量は美鈴の方が上だが

 魔理沙は密度の高い弾幕を経験してきているので

 経験の量は、お互い引けを取る事は無い

「弾幕の鍛錬度合いは?」

「…魔理沙さん、物凄い努力家って聞きますから…」

 美鈴が少し困った顔をすると

 咲夜が笑みをこぼしながら答えた
    
「そうね…それじゃあ深夜に特訓している貴方と互角ね…」

「あっ…」

 思いがけない言葉に美鈴が驚く

 深夜に特訓している事は誰にも秘密だったのだが…

「…そうでしょ?」

「…はい!」





 しばらくして、二人とももう一度広い空間に入る

「スペルカードでの戦いなら私も魔理沙さんもほぼ互角のはずなんです」

「…そこまで戦力が分析できているのなら、何で負けるの?」

 咲夜が隣にいる美鈴にそう言うと美鈴が結論を述べる

「マスタースパークです」

「ああ、なるほどね…」

 美鈴の回答に咲夜も納得する

「魔理沙さんの弾幕と私の弾幕は性能は違いますけど
 力はほぼ同じです…でもそれにマスタースパークが加わると…」

 つまり魔理沙の弾幕=美鈴の弾幕ではあるが

 魔理沙の弾幕+マスタースパーク>美鈴の弾幕の構図ができる

「…確かに、あれは分が悪いわね…」

 咲夜も喰らった事があるのでその威力は知っている

「それに、広範囲で高威力で貫通ですから…」

「被害甚大ね」

 門の前に立っている美鈴を攻撃するだけでなく

 門番隊とその背後にある門にも被害がでるのだ

「つまり、魔理沙さんの弾幕は我々門番隊のように守る者には
 とても相性が悪いんです…」

「なるほどね…」

 その言葉を聞いて、咲夜も腕を組んで悩む 

 門番隊の戦闘力の解析は確かである

 




「…それで、ここからが本題なんですけど…」

「なにかしら?」
 
 そんな時、美鈴が真面目な顔で本題を切り出した

「毎回、毎回やられてたまるかと門番隊全員で
 『対マスタースパーク』について色々と実験と検討をしました」

 門番隊もただやられているだけではなかった

 幻想郷で最もマスタースパークに会っているのは

 問答無用で紅魔館の門がトップである

 故に、マスタースパークの威力、性質等の研究も

 他の組織よりもはるかに進んでいるのだ
  
「……なにか良い方法でも?」

「壊された門の残骸を使って『対マスタースパーク兵器』を
 作ろうと思っています…」

 美鈴が構想と案、そして門番隊で計算した結果を咲夜に伝えた



「…というわけです…作戦の許可をお嬢様に進言してくれませんか?」

 美鈴の言葉を聞いて、咲夜がしばらく目を瞑ると

「…分かったわ、お嬢様に進言するのと『対魔理沙予算』から
 予算を出してあげるわ」

「ありがとうございます!」

 こうして、今日も無事に裏会議が終った…






「じゃあ、美鈴そろそろ体洗いましょうか?」

「はい!…でも、咲夜さん毎回話し合いの会場お風呂にするの止めません?」

 誰にも知られる事の無い裏の会議…

 それは、毎回紅魔館の深夜のお風呂場で行なわれる… 

「…ふふふっ…美鈴、身体を洗ってあげるわ」

「…や、止めておきます…って咲夜さん?なんで手をわきわきさせているんですか!?
 …ちょ、や、やめてください!あ~!?」

 余談だが、毎回会議が終った後は
 
 メイド長は何故かすっきりした顔になるという

















 それから一周間が過ぎて…

「隊長!霧雨魔理沙の反応です!」

「よし、各員!配置につけ!」

 美鈴の掛け声と共に、門番隊が準備をする

 そして、美鈴もその兵器に乗り込む…


「ひゃっほ~う!」

 霧雨魔理沙は何時ものように、紅魔館にやってきた

 そして、何時ものように呼び鈴を鳴らすが如く

 紅魔館の門の前にやってきて

 八卦炉を構える

「…今日は中国がいないな?…首か?」

 門番隊の抵抗が少ないのがおかしいと思っていたが

(まあ、面倒臭くなくていいぜ!)

 そう思って、門の前を過ぎ去ろうとした時

 突然横から、弾幕が飛んできた

「!?」

 意外な奇襲に魔理沙が驚き、箒を急速先回させて回避する

 だが、回避した方行にも弾幕が張られる

「うわっと!?」

 高速で飛んでくる玉を、持ち前のスピードで回避するが

 だんだんと追い込まれていく

(ちっ、仕方ないぜ…)

 痺れを切らした魔理沙が、何処からか飛んでくる弾幕を
 
 まとめて打ち消す為八卦炉を構える

「景気良く行くぜ!」

 魔理沙が空中で何時ものようにマスタースパークを放とうとしたとき

 門の前に何か姿が現れた

 だが、マスタースパークを放つ魔理沙はそんなもの気にしない

 破壊力には自信がある、目の前の邪魔な物は…

「なぎ払うぜ!」





 幻想郷でも1,2を争う破壊力をもつ一撃が

 いつものように門に向かって飛んでいく

 だが、声がした方にいるのは…

 美鈴が乗った『対マスタースパーク兵器』

「シールド発動!」

 その掛け声と共に、マスタースパークが直撃する

 それと同時に大量の砂煙が巻き上がる



「…やれやれ、結局ボム一回使っちまったぜ…」

 魔理沙がマスタースパークを受けたであろう門番に

 一言声をかけてから壊れたであろうはずの門の中に入ろうとして

 砂煙が晴れるのをまっていたら

「…まだやられてませんよ?」
 
「!?」

 砂煙の中から何かの姿が見えた

 そこにいるのは、なにやら大きな盾のような兵器…

「嘘だろ?マスタースパークをまともに受けたはずだぜ?」

 門に一切の傷は付いておらず

 しかも、耐えたと思われる兵器は一切傷ついていない

 驚く魔理沙に向かって、美鈴が声をあげる


「紅魔館門番隊対マスタースパーク兵器、シールドヴァンツァー『水月改』
 さあ、マスタースパークでもマイクロウェーブビームでもかかってきてください!」



 この日、門の前で魔理沙のスペルカードは全て尽きる事になった
 ドモ脇役です、たまには少し真面目な従事者二人…
 秘密の会議は、いつも意外な所で行なわれているものである
 美鈴の部屋のベッドの上とか、お風呂の中とか…

 お嬢様も知る事は無いであろう、紅魔館を動かしている会議のはずです 
 主に、内部情勢的な意味で…




 では、おまけ…

 あれ以来、紅魔館の門番隊の最終兵器として
 ヴァンツァーは使用された…
 美鈴の後ろから現れる六人の古参門番隊も赤い六つのヴァンツァーにのり
 それなりの戦果を挙げて、後にメイド長から
『地獄の壁』(お風呂場で美鈴の胸を見て命名)と名づけられる
 
 だが、魔理沙とアリスのタッグによって、地獄の壁も破壊される
 そして、美鈴の乗っていた『水月改』もアリスの特攻により破壊される

「…これで、門番隊の兵器も終わりだぜ…」
 傷ついたアリスを撤退させると、魔理沙が改めて門の前に立つ  
 だが、その門の前に最後の大型ヴァンツァーが…
「嘘だろ!?これほど大きな物が動くのか?」
「…動かせます…」
 魔理沙が驚いていると、大型ヴァンツァーの胸元から何かが見えた
 そのヴァンツァーの胸元を良く見ると…

「お前!?中国!?」
「…古参の六人も散って逝きました…水月も…
 だが、命に代えてもこの門は守ります
 たとえどんな卑怯は手を使っても!」
「よく言ったぜ!喰らえ!スターダストレヴァーリエ!」 

 魔理沙の渾身の星屑の魔法…
 それが美鈴乗った大型ヴァンツァーに直撃する…
 だが、その直前でそれがかき消される

「な、なんだ!?私の魔法が!」
 驚く魔理沙の元に、何か声が聞こえてくる
(…あたしは…まだ…)
「こ、この声は!?」
 驚く魔理沙に対して、美鈴が最後の兵器の正体を教える 

「…この大型ヴァンツァーは…祟り神の魂を動力源にしています」
「祟り神…!?ま、まさか!?」
(あたしは…まだここに居るよ…)
「魅魔様!?」
 
「貴方に壊され!傷つけられた門と門番隊の恨み!
 それを力にしてこのヴァンツァーは動いています
 私の肉体を機械と融合させ…そして
 この神の魂を使う『M型デバイス』によって!
 さあ…破壊できるのなら破壊してみてください!」

(…魔理沙…私は…いつでも…お前の…傍に…)
「…魅魔様……くっ!行くぜ中国!」
(そして…さよなら…魅魔様…)



 フロントミッション・門ハザード…お楽しみに…(やらないよ?)
脇役
コメント



1.万葉削除
魅魔様! 魅魔様がそこに!? 待って下さい!待って! まだ逝かないで~!

少し取り乱しました…それにしてもなんとも懐かしいヴァンツァーネタでございます…笑ったり興奮したりと忙しくも楽しい時間を有り難うございました。
2.地球人撲滅組合削除
>『対魔理沙予算』
もはや予算に食い込まれる魔理沙さんの押しかけに乾杯!

あと、この裏会議が平然と会議場で行われていると思いきやwww
3.ななななし削除
レザマリが最強だと・・・?ミサマリこそ至高、異論は認める
ただニトマリはすっごく弱いよ!
ところで、明らかに万人が理解し得ないネタをやるときは注意書きが欲しいな
4.名前ガの兎削除
魅魔デバイス牛乳噴いた
5.K-999削除
美鈴が悪役に見えますね、そのデバイス使うと。
ドリスコルとエドガーって髪形似てね?

それにしても、以前のライブアライブやフロントミッションのネタを使うとは、
脇役氏はスーファミ時代のスクエア作品がお好きなようですね。
6.回転魔削除
だがシールド300秒で尽きる
7.脇役削除
感想の一つ一つ、楽しみにしている脇役です

万葉様
>魅魔様はいつでも心の中にいます

地球人撲滅組合様
>会議の内容は外に漏らすわけには行かないから
 仕方なくお風呂でしてるのよ BY咲夜

ななななし様
>レザマリでも怖くありません!
 最後の方はおまけみたいなものですので、注意書き入れるのはちょっと…
 次から、もう少し検討しますOTL

名前ガの兎様
>遠距離戦も近距離戦もかかって来いなコンピューターですw

K-999様
>エドガーとドリスコルの頭の具合がなんとも…
 スクエアだけでなく、エニクスも好きですよ!
 古いのならアクトレイザーまでいけると思います

回転魔様
>そう、300秒で尽きる耐久スペルです
 そのせいで、本家の方ではボスとの戦い中に切れて
 画面を覆いつくす極太マイクロウェーブビームに焼かれました
 …あれ、ボス戦でもエネルギー尽きるのね… 
8.名前が無い程度の能力削除
シールドヴァンツァーで吹いて後書きで更に吹いた
面白いんだけど、出来れば補足が欲しかったかな

いや、不意打ちとか好きだから自分は良いんだけどね
9.欠片の屑削除
脇役さんはゲーム知識の宝庫やでっ!
しかしホンマによぅけ知ってますね。
10.名前が無い程度の能力削除
自分の中のヴァンツァーは、まだ幻想入りしてないはず……!
ああ…、1対2の構図でパイルバンカー喰らわせていたのが懐かしい
11.名前が無い程度の能力削除
後書きのめーりんテラ悪役www本来の悪役魔理沙なのにwww