Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

けーろう

2008/09/15 23:44:09
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あらすじ

 熱血αドッコイダー










 老いてを敬う敬老の。
 その日に天狗が問うたとさ。


「あなたの一番怖いものはなんですか?」



 年を通じて変わらぬ色の。
 紅いお屋敷、紅魔館。

 館の小さな最年長。
 幼い主のレミリア様と。
 小さな年長フランドール。

 二人の真っ赤なティータイム。
 招かれ天狗が問うたとさ。


「お二人が一番怖いものはなんですか?」


 くすくす笑って二人とも。
 笑顔の天狗に云ったとさ。


「なんでわかりきったことを聞くのかしらね、お姉様?」
「ホントにね。人間に決まってるじゃない」




 秋の風情に静かに染まる。
 空の冥界、白玉楼。

 楼の主の亡霊嬢。
 暢気で幽雅な幽々子様。
 親しい友人、紫様。

 二人の酒宴に招かれて。
 ほろ酔い天狗が問うたとさ。


「お二人が一番怖いものはなんですか?」


 揃いの扇で口許隠し。
 二人笑って云ったとさ。


「人間以外と答えたならどうなるのかしらね?」
「でも、今日は人間と答える以外は出来ないわね」




 いつも変らぬ緑の竹の。
 林の奥には、永遠亭。

 永きを生きる、蓬莱の。
 姫の輝夜と従者の永琳。
 そして妹紅と兎のてゐ。

 メモを片手に集めた四人。
 記者の天狗が問うたとさ。


「皆さんが一番怖いものはなんですか?」


 顔を見合わせ一同四人。
 口を揃えて云ったとさ。


「永琳、てゐ、引っかけだと思う?」
「日和を考えますと、違いますね」
「それはもう、ねえ?」
「答えは人間。これっきゃないだろ?」




 秋の女神が華麗に染める。
 紅葉の山の、守矢の神社。


 そこにおわすは二柱。
 八坂の神の神奈子様。
 社の祭神、諏訪子様。


 秋の味覚とお酒を土産。
 訪ねた天狗が問うたとさ。


「お二柱が一番怖いものは人間ですか?」


 ほのかに苦い笑み浮かべ。
 お二柱は云ったとさ。


「私たちにわざわざそれを聞くのかい?」
「人間以外は思いもつかない」



 秋の茜の空の上。
 玄雲海をも超えた先。

 天上楽土の小さな二人。
 鬼の萃香と比那名居天子。

 下界を覗いて暇潰す。
 二人に天狗が問うたとさ。


「お二人が一番怖いものはなんですか?」


 ほろ酔い小鬼も天人も。
 下界を覗いて小さく笑い。
 声を揃えて云ったとさ。


「人間が怖いねえ」
「人間が怖いわねえ」






 年老い死にゆく只人が。
 血を吸う鬼を、倒すため。
 年月重ねて磨く技。

 それは寿命で只人が。
 道の半ばで倒れても。
 次代に継がれて磨かれて。
 やがて血を吸う鬼を討つ。


 年老い死にゆく唯人が。
 日々の糧をば得るために。
 年月重ねて耕した。
 稲穂の実る田畑なら。

 たとえ寿命で唯人が。
 道の半ばで倒れても。
 子に孫ひ孫に玄孫まで。
 守り育てて実を結ぶ。
 そして実りがもたらすは。
 天の恵みの酒の河。


 年老い死にゆく徒人の。
 徒然生きゆくその生が。
 つむぐ足跡、里の史記。

 いつか寿命で徒人が。
 道の半ばで倒れても。
 変えた諸々、徒残り。
 里の景色を変えてゆく。

 永遠すらも置いていき。
 驚くほどに、鮮やかに。


 年老い死にゆく常人が。
 年を重ねていくたびに。
 忘れ忘れて忘れられ。
 いずれ思い出、消えてゆく。

 それは寿命で常人が。
 道の半ばで倒れる限り。
 時代という名の潮騒に。
 消されてしまう、砂上の絵。

 人は年老い、死んでゆく。
 必死に生きて、何かをなして。
 先に何かを渡して紡ぎ。
 そしていつしか忘れてく。



 年を重ねて老いゆく人の。
 生きてるうちに、なしたこと。

 妖怪すらも驚かせ。
 そして儚く消えていく。

 年を重ねておいゆく人が。
 死にゆく限り、なくされる。

 寝物語に聞かされた。
 妖怪たちの、物語。






「慧音先生、なして、明日は寺子屋は休みになるだ?」
「それはな、敬老の日と言って、じっちゃとばっちゃを敬って孝行してやる日だからだ」
「じっちゃとばっちゃをだか?」
「ああ、そうだとも」



 老いてを敬う敬老の。
 その日に天狗が問うたとさ。
 
 年経た輩に問うたとさ。


「あなたの一番怖いものはなんですか?」




「じっちゃとばっちゃは強い妖怪たちも怖がる、すごい人たちなんだぞ」
つまり よーきモエ
じょにーず
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
あとがきが台無し感をw
相変わらずのテンポよく読める文章。
2.名前が無い程度の能力削除
積み重ねることのすごさに感心してたのに、あとがきがwww
3.名前が無い程度の能力削除
たまには敬わないといけませんねぇ。
良い文章でした。
4.名前が無い程度の能力削除
おう、すばらしい!
5.名前が無い程度の能力削除
面白かったです。後書きはともかくwww
誤りを見つけたので報告を
>ほろ酔い天狗も天人も~
萃香と天子を指している場面ですよね?
6.じょにーず削除
おうちorzシューセーシマシタ
7.名前が無い程度の能力削除
名文。
8.名前が無い程度の能力削除
塵も積もれば山となる……ですかね。
途中で思ったのですが、これってまんじゅう怖いになりませんかね?
9.名前が無い程度の能力削除
>次代に継がれて磨かれて。
 やがて血を吸う鬼を討つ。

積み重ねた結果が今の科学文明社会で、神も妖怪も幻想にしてしまったからなぁ。
そりゃ怖いわ。
そういう意味で書いたんじゃないと思うが、そう思った。
10.名前が無い程度の能力削除
すごく綺麗な文だと思う
11.名前が無い程度の能力削除
読みきったー!!
1日かけて作品集5から、全89作(でいいのかな?)楽しかったです。
思いっきり笑って思いっきり泣いて温まって。
これからの作品も楽しみにしてます。
12.名前が無い程度の能力削除
やはりこの話は何度読んでも涙が出てくる。何故なんだろう
13.名前が無い程度の能力削除
ようやく読みきった………!!