Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

大妖怪の前に女性です

2008/09/10 14:52:50
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「ふむ…珍しく良い物が手に入ったな…」

 人が来ない店の店主である森近霖之助は
 珍しい物が手に入って少しだけ喜んでいた

「…これほどの新鮮な物なら…」

 時間的には少し遅い時間
 少しだけ笑みをこぼして香霖はそれを見ていた

(だが、こんな日には必ず誰かが…)
 何か面白い物が手に入った日には
 必ず質の悪い人がやってくる

 面白い外の商品が入ったら魔理沙がきてもって行き壊す
 美味しい物が手に入ったら霊夢が来てもっていくか問答無用で食べていく
 それは、ほぼ絶対といって良いほどの確立であった

(まあ、それは僕の業なのかもしれないかな)
 そんな悪い事してないと思うのだが
 あの二人は神すら勝てない存在だから余計に質が悪い

「さて、とりあえず色々準備をするとするか…」
 だが、それでもこれほどの物が手に入ったのだ
 たまには珍しく頂きたいので、準備をすすめる

 そして、下ごしらえ等も全て終って…


「…誰も来ないな」
 100分の1の確立であるかどうか…
 料理の準備が終っても、誰も来なかった
 少しだけ香霖が驚いていると…

「……」
「うぉ!?」
 目の前に突然隙間が開いた
(やっぱり、人が来る運命なんだな…)
 隙間の中からやってくるといえば
 隙間妖怪である八雲紫
「本日は閉店なんだが…」

 霖之助がいつものように冗談交じりで答える
 そして、胡散臭い言葉で返されて、いつの間にか丸め込まれるのが常だった

「……知ってるわ…だから来たの…」
 だが、その日は様子が違った
「…ごめんなさいね、ちょっとお邪魔させてもらうわ…」
 何時ものように、余裕があるような様子ではなく
 いつも以上に低く沈んだ声で紫が答えると
 
 隙間の中からでてきて、無言のまま万年炬燵の中に足を入れた
「…どうしたんだい?」
「……」
 流石に香霖も、普段とは違う様子の紫に心配そうに声をかけるが
 紫は、無言のままただ炬燵の中に足を入れていた

 無言のままで紫が炬燵に入っているのを見て
「…すまない、ちょっとここに居てくれ」
 香霖は、そう言って部屋の奥に入っていき
 しばらくしてからお酒を持って来た

「…君の分のコップだ」
「…あら…これは商品かしら?」
「ああ、だが蓋が開いているからお金を取るわけにはいかないな」
 少しだけ、表情が和らいだ紫に
 香霖がそう言ってお酒を注いだ

「珍しく魔理沙も、霊夢も襲撃してこなくてね…
 時間はあるから何かあったら話を聞くよ?」
 香霖がそう言うと、紫は少しだけ口元を緩ませた

 しばらくの間、炬燵の上で静かに香霖と紫がお酒を飲む
「ちょっと、まってくれ今から肴をもってくるから」
「…ありがとう」
 珍しくしおらしい紫の前に、香霖が今日手に入った商品を持って来た

「お待ちどう」
「鮎の塩焼きね…」

 生きの良い鮎を、下ごしらえして炙った代物
 酒の肴としては、最高の物であった

「うん、おいしい…」
 無言だった紫だが、流石に鮎の塩焼きには笑みをこぼした
「そうか、良かった…生きが良いやつだったからね」
 香霖がそう紫に言うと
「…そう…」
 再び紫の顔が寂しそうになった
「…どうしたんだい?」
 香霖が再び沈んでしまった紫に声をかけると
 紫は、言いつらそうにしていたが、覚悟を決めて声を出した


「…私って、やっぱりおばさんなのかしら…」
「!?」

 いきなりそんな事を言われたので、流石に香霖も何も言えない

「…確かに、長い間幻想郷を見てきたから、若いとは言えないわ…」
 
 その口調は怒っていなかった、むしろ寂しそうに聞こえた

「でもね…ちょっとはしゃぎすぎたからって、加齢臭ってなによ…」

 そこまで話すと、紫の目から光るものが零れた

「私だって…大妖怪って言われる前に、女の子なのよ?…なのに…なによ…加齢臭って…」

 

 色々と、溜まっていた物があったのだろう…
 香霖の目の前で、必死に泣くのを堪えていた

 香霖は何も言わずに、一旦その場から立ち上がってから

「…ちょっとまっていてくれ…」
 そう一言告げてから、再び部屋の奥に向かう
 しばらくの間、紫が何も言わずに、炬燵の前で心を落ち着けていると
 香霖が部屋の奥から、一つのお皿を持ってきた

「…今日は良い材料だったから、少しだけ作ってみた…食べてみると良い」
 香霖は、そう言ってから紫の前にその皿を置く
 皿の上に乗っていたのは
「鮎丸ごと?…生のまま食べろって言うのかしら?」
 一匹丸ごとの鮎であった
 紫は、自分が馬鹿にされているのかと思っていたが

「いや、生きが良い鮎だから丸ごと寿司にしたんだ」
「お寿司?」
 意外な答えに、紫が驚いたが
 せっかくなので、その鮎の寿司を一切れ食べる

(ああ…良い香り…)
 新鮮な鮎独特の、清涼な香りと
 上品な味に、紫も満足できる味だった

 無言のまま、その鮎のお寿司を食べきると
 香霖が紫に対して声をかけた
「…その鮎と同じ香りの物があるのを知っているかい?」
「何かしら…」
 紫が必死に考えて見たが、答えは出てこない

「…降参…わからないわ」
 諦めた紫が、答えを聞くと、香霖が笑みを浮かべて答えた
「さっき君が言っていた『加齢臭』だよ」
「なっ!?」
 その答えに、紫は驚きを隠せなかった
 清涼なあの香りが、自分が忌み嫌っていた匂いと同じなんて…

「正確に言えば、雄の出す匂いが、それと同じ匂いと酷似するそうなんだ」
「……このお寿司を持ってきてくれた理由は」

 紫の言葉に、香霖がお酒を飲みながら答えた

「いや、特に理由はないよ…だが、加齢臭といわれても、
 そんなに悲観する事は無いと僕はおもうんだがな…」
 香霖がそう言うと、今度は紫のコップにお酒を注いだ
「加齢臭も、鮎の匂いも同じなはずなら異性が寄ってくるはず…
 つまり、それは君に魅力があるって考え方ができるわけだ」

 香霖がそこまで言うと、紫は注がれたお酒をぐいっと飲み干した
「うふふ…そんな考え方もできるわね…」
「…おや?元気になったみたいだね」
「ええ、おかげさまでね」
 何時ものように、余裕を持った笑顔で紫がお酒を持つと

「どうぞ?注がせてもらうわ」
 香霖のコップの中にお酒を注いだ
 



 結局、何時ものように香霖堂の中に人が来て
 色々迷惑をかけたみたいなのだが
(まあ、たまにはこういうのも悪くないか…)
 今日は悪い気はしなかった
 
 ある程度のお酒を飲んでから
「さて、そろそろ帰るわね」
 紫が隙間を開いて帰る準備をし始めた
「そうか、それではそろそろお開きだな」
 香霖がそう言って、部屋を片付けようとし始めようとしたら

「そうそう、忘れてたわ」
 紫が何を思い出したかのように声をかける
「何か忘れ物かい?」
「ええ、お礼をね…」
 
 次の瞬間、香霖の傍に隙間が開いて
「…ありがとう、勇気付けられたわ」

 頬に何か柔らかい物が当たる感覚がした
 香霖が隣を振り向いた時には、すでに隙間は閉じてしまっていた


「…やれやれ、最後まで困ったお客だったな…」


 香霖は少しだけ嬉しそうにため息をついた…
 脇役です、紫様も女の子…迂闊に『この加齢臭!』なんていったら
 流石に凹みますよ…私はどれだけ文句を言われても凹みませんよ?
 事実ですから…

 でも、作品の文句はカンベンな?モチベーションが下がると書く気がなくなるから…

「…むふふっ♪」
「紫様、どうしたんですか?嬉しそうですけど…」
「ええ、まだ幻想郷も捨てたもんじゃないわね…って思っただけよ…」
「はぁ…」

「私の事を、『女の子』って認めてくれる人が見つかっただから」
「…紫様、遂に痴呆症が…」
 


「うぇ~ん!霖之助さ~ん!」
「…またきたのかい?…今度はなんていわれたんだい」


 おまけ2

「生きの良いのが…」
(がたん!)

幽々子「匂う!こっちに美味しい物の匂いがするわ!」
ルーミア「匂う!美味しい物の匂いが!」



香霖「…すまない、冥界の姫と宵闇に酒の肴全て平らげられた…」
紫 「幽々子!ルーミア!絶対に許さんぞ!」
脇役
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
幽々子「うわあぁぁああぁぁあ……」
ルーミア「ひええぇぇえぇええぇ……」

紫 「絶対に許さんぞ! じわじわと嬲り殺してくれる! 一人とも逃がさんぞ覚悟しろぉ!」

な、展開になるんですね、わかります。
2.名前が無い程度の能力削除
これはよいババァ結婚してくれ!!ですね。
3.喚く狂人削除
これは甘い霖紫。
さすが脇役氏、甘い。

三千作品目おめでとうございます。
4.亜虎削除
これ見ながら野菜スープ食べたけど砂糖の味しかしなかったぜ!

どーでもいいことなんですけど
>痴呆症
どっかのフェミ団体がいちゃもんつけて『認知症』に名前変更したみたいなんで。ま、一応ご注意を。
5.名前が無い程度の能力削除
後書き自重www

藍様ひどすぎるwww
6.名前が無い程度の能力削除
乙女なババア最高だな
7.名前が無い程度の能力削除
どもども。通りすがりのゆかりん好きです。

霖之助がすごいバーのマスターしてるw
まあ本編でも紫を「少女」呼ばわりするくらいだしねぇ…少女臭するわぁ。
そういや美味しんぼでこんな話があった気がする。うば桜だっけ?

あと、誤字の指摘をば。「確立」ではなく、「確率」ですのでお間違いなく。
8.名前が無い程度の能力削除
女の…子?
いや、女子刑務所とかで使うしOKか

ただもしかすると紫って聖母マリアを小娘扱いできそうな年だよな
9.ロッキーヒア削除
たまにはこういう紫もありですな。

>4 ちょっと待ってほしい。「痴呆症」という言葉が幻想入りしたと考えればいいじゃないk(ry

ってコメントにレスはだめだったか・・・orz
10.名前が無い程度の能力削除
なんという美味しんぼ…鮎をご馳走しただけで大妖怪を手懐けてしまった
これは間違いなく作ったのは山岡
11.名前が無い程度の能力削除
>「私の事を、『女の子』って認めてくれる人が見つかっただから」

いや香霖さんは女の子とは一言も言ってないですし、加齢臭自体も否定してないっすよ
12.名前が無い程度の能力削除
「に、認知……霖之助さん、誰の子供?」

ゆかりんは年の割りにそそっかしい位で丁度いい。
13.名前が無い程度の能力削除
良い話だけど一つだけ 
「香霖」は魔理沙しか使わないはず
14.名前が無い程度の能力削除
貴方の文章は前から少しだけ読んでるけど、
三点リーダー多すぎて文章が陰鬱な雰囲気になってる気がする
物凄く読み難いんだ