*もこけねです。
ある日妹紅が風邪を引いた。
夏から秋へと移る季節の変わり目だからかもしれない。
蓬莱人だからといって気を抜いていれば病気になったりもするだろう。
不老不死は無病息災と同義ではないから健康的な生活を心掛ける様言ったというのに…。
そんな訳で妹紅は今、私の庵で休んでいる。
む?何故私の庵なのかって?
妹紅の家は最低限の物しかないし、何より脆い。
あんなすぐにでも崩れてしまいそうな所に病人を置いておける訳がないだろう。
簡単に熱を測った後、冷たい水で絞ったタオルを額に乗せてやる。
「それにしても一体どうして風邪を引いたのやら…。熱も少し高いようだが…」
「わたしが慧音のことを好き過ぎるから熱が高いのかな?」
「…冗談が言えるならそんなに心配しなくても大丈夫か」
「え? 結構本気なんだけどな~」
「~~っ!! ば、馬鹿っ!!」
気を取り直して。
蓬莱人に薬が効くのか分からないが飲ませないよりはいいだろう。
そう思って救急箱から風邪薬を取り出した。
水がなくても飲めるタイプの物だ。
早速飲むように言ったのだが、嫌な思い出でもあるのか飲もうとしない。
「まったく…子供じゃあるまいし…」
「だってぇ~……はっ!!」
キュピーンと言う効果音が聞こえてきそうな感じで何か思いついたようだ。
「どうした?」
「慧音に飲ませて欲しいな☆」
「なっ!?」
唐突な発言とその内容に頬が染まった。
「……だめ?」
熱のせいで覇気のない瞳が私を見つめる。
「ぅ……わ、わかった。今日だけだからな!」
いつもとは違う様子につい承諾してしまった。
まったく…本当に今日だけだからな。
先ほどの錠剤を二粒口に含む。
溶けてしまわないうちに素早く妹紅に口付ける。
「ん……」
少しだけ開いた唇から舌を伸ばす。
「んんっ……」
錠剤を妹紅の口に運ぶ。
ざらりと妹紅が私の舌を舐めた。
「っ!!」
妹紅が薬を受け取った瞬間、素早く身を離し、背を向ける。
思わず手を口にそえた。
口内には生々しい感触が残っている。
「…慧音」
すぐに薬を飲んだらしい妹紅に名を呼ばれ、思わず反応して振り返ると深く口付けられた。
「んむぅ!? んぅ……ちゅ……ふぁ……っ!」
「薬、飲ませてくれたお礼だよ」
「い、いきなりだと驚くだろ」
「だってビックリした慧音も可愛いんだもん♪」
私はその言葉に何も言い返せず、ただ顔の火照りがさめるのを待つしかなかった。
再び気を取り直して。
ずっと布団で寝ていたせいか、妹紅の背中はじっとりと汗で湿っていた。
このまま放っておけば症状が悪化しかねない。
額のタオルを換えるついでに汗を拭いてやることにした。
「妹紅、服を脱いでくれないか?」
「えぇ!? ちょっと慧音、わたし病人なのにそんなこと……でも慧音の頼みなら…」
「いやその何を勘違いしているのか知らんが、ただ汗を…」
「あ、汗!!? だからわたし今風邪引いてるんだからお手柔らかに……いてっ」
「ちょっと落ち着け、な?」
「病人にチョップかますかな、普通」
「それは妹紅が変な事を言うから悪いんだ!」
「だっていきなり脱げって言うんだもん。誤解しない方がおかしいよ」
「むぅ…すまない。言い直す。汗を拭いてやるから服を脱いでくれないか?」
「ん、了解ー」
上半身を起こして服を脱ぐ
服といっても簡素な着物なので帯を解くだけで事足りる。
シュルリと音がして妹紅の白い肌が露になった。
「……」
思わず見とれてしまう。
病的と言っていいほどの白い肌には染み一つない。
彼女の身体が描くラインはとても綺麗だと思う。
それを妹紅に言うと「どうせつるぺただもん」と拗ねるから言わないが。
「…慧音? どうしたの?」
「気にするな。ちょっと見とれてしまっただけだ」
「う~ん。慧音が見とれるほどのものを持ってるとは思えないけど…」
「そんなことないぞ。妹紅はとても綺麗だ」
「…そんな恥ずかしいことを真顔で言わないでよ、恥ずかしいから」
私の言葉に妹紅が照れる。
「だって本当にそう思っているのだからいいじゃないか」
「まあそれもそうか。慧音だってすごく綺麗だよ? すべすべしてて触り心地のいい肌とか、ふわふわしてて揉み甲斐のある胸とか、さらさらしてていくらでも撫でていたい髪とか、わたしをまっすぐ見つめてくれる瞳とか、どこよりも素直に反応してくれるトコr……いてっ」
「分かった。分かったから。その辺でやめておかないと例え病人でも頭突きだぞ?」
「2回目…。わたしも思ってることを言っただけなのに~」
「口に出して良い事と悪い事があるだろ。まったく…」
確かに面と向かって言われると恥ずかしい。
ふたたび頬の熱が上がる。
三度気を取り直して。
「ほら、背中を拭くから髪を前に…」
「よいしょっと。これでいい?」
長い長い白い髪を身体の前でまとめる。
そうするとしっとりと汗ばんだ肌が現れた。
ゆっくりとタオルで汗を拭き取っていく。
静寂が場を満たす。
お互い何も言葉を発しない。
しかし決して居心地は悪くない。
「…よし。髪を戻していいぞ。次はこっちだな。腕を上げてくれ」
「はーい」
腋から腕、首から胸と順に拭いていく。
全身を拭き終わった後は新しい着物を着せる。
再び冷えたタオルを額に乗せてやると、気持ちよさそうに目を閉じた。
布団に広がる髪をさらりと撫でる。
「すー…すー…」
それからすぐに心地よさそうな寝息が聞こえてきた。
頬に手を当てる。
…大分熱は下がったようだ。
ほっと一息、安堵する。
安らかな寝顔を眺める。
………うずうず。
他愛無い欲求が首をもたげてきた。
きょろきょろと辺りを見渡す。
うん。誰も見てないな。
もそもそと布団に潜り込む。
下がったとはいえ未だ熱のある妹紅。
その隣に横たわる。
じっと彼女の様子を伺って…
ちゅ
軽く触れる。
「おやすみ、妹紅。早く良くなるんだぞ」
私はそのまま目を閉じた。
普段よりも高い妹紅の体温を感じながら、私の意識は落ちていった。
ある日妹紅が風邪を引いた。
夏から秋へと移る季節の変わり目だからかもしれない。
蓬莱人だからといって気を抜いていれば病気になったりもするだろう。
不老不死は無病息災と同義ではないから健康的な生活を心掛ける様言ったというのに…。
そんな訳で妹紅は今、私の庵で休んでいる。
む?何故私の庵なのかって?
妹紅の家は最低限の物しかないし、何より脆い。
あんなすぐにでも崩れてしまいそうな所に病人を置いておける訳がないだろう。
簡単に熱を測った後、冷たい水で絞ったタオルを額に乗せてやる。
「それにしても一体どうして風邪を引いたのやら…。熱も少し高いようだが…」
「わたしが慧音のことを好き過ぎるから熱が高いのかな?」
「…冗談が言えるならそんなに心配しなくても大丈夫か」
「え? 結構本気なんだけどな~」
「~~っ!! ば、馬鹿っ!!」
気を取り直して。
蓬莱人に薬が効くのか分からないが飲ませないよりはいいだろう。
そう思って救急箱から風邪薬を取り出した。
水がなくても飲めるタイプの物だ。
早速飲むように言ったのだが、嫌な思い出でもあるのか飲もうとしない。
「まったく…子供じゃあるまいし…」
「だってぇ~……はっ!!」
キュピーンと言う効果音が聞こえてきそうな感じで何か思いついたようだ。
「どうした?」
「慧音に飲ませて欲しいな☆」
「なっ!?」
唐突な発言とその内容に頬が染まった。
「……だめ?」
熱のせいで覇気のない瞳が私を見つめる。
「ぅ……わ、わかった。今日だけだからな!」
いつもとは違う様子につい承諾してしまった。
まったく…本当に今日だけだからな。
先ほどの錠剤を二粒口に含む。
溶けてしまわないうちに素早く妹紅に口付ける。
「ん……」
少しだけ開いた唇から舌を伸ばす。
「んんっ……」
錠剤を妹紅の口に運ぶ。
ざらりと妹紅が私の舌を舐めた。
「っ!!」
妹紅が薬を受け取った瞬間、素早く身を離し、背を向ける。
思わず手を口にそえた。
口内には生々しい感触が残っている。
「…慧音」
すぐに薬を飲んだらしい妹紅に名を呼ばれ、思わず反応して振り返ると深く口付けられた。
「んむぅ!? んぅ……ちゅ……ふぁ……っ!」
「薬、飲ませてくれたお礼だよ」
「い、いきなりだと驚くだろ」
「だってビックリした慧音も可愛いんだもん♪」
私はその言葉に何も言い返せず、ただ顔の火照りがさめるのを待つしかなかった。
再び気を取り直して。
ずっと布団で寝ていたせいか、妹紅の背中はじっとりと汗で湿っていた。
このまま放っておけば症状が悪化しかねない。
額のタオルを換えるついでに汗を拭いてやることにした。
「妹紅、服を脱いでくれないか?」
「えぇ!? ちょっと慧音、わたし病人なのにそんなこと……でも慧音の頼みなら…」
「いやその何を勘違いしているのか知らんが、ただ汗を…」
「あ、汗!!? だからわたし今風邪引いてるんだからお手柔らかに……いてっ」
「ちょっと落ち着け、な?」
「病人にチョップかますかな、普通」
「それは妹紅が変な事を言うから悪いんだ!」
「だっていきなり脱げって言うんだもん。誤解しない方がおかしいよ」
「むぅ…すまない。言い直す。汗を拭いてやるから服を脱いでくれないか?」
「ん、了解ー」
上半身を起こして服を脱ぐ
服といっても簡素な着物なので帯を解くだけで事足りる。
シュルリと音がして妹紅の白い肌が露になった。
「……」
思わず見とれてしまう。
病的と言っていいほどの白い肌には染み一つない。
彼女の身体が描くラインはとても綺麗だと思う。
それを妹紅に言うと「どうせつるぺただもん」と拗ねるから言わないが。
「…慧音? どうしたの?」
「気にするな。ちょっと見とれてしまっただけだ」
「う~ん。慧音が見とれるほどのものを持ってるとは思えないけど…」
「そんなことないぞ。妹紅はとても綺麗だ」
「…そんな恥ずかしいことを真顔で言わないでよ、恥ずかしいから」
私の言葉に妹紅が照れる。
「だって本当にそう思っているのだからいいじゃないか」
「まあそれもそうか。慧音だってすごく綺麗だよ? すべすべしてて触り心地のいい肌とか、ふわふわしてて揉み甲斐のある胸とか、さらさらしてていくらでも撫でていたい髪とか、わたしをまっすぐ見つめてくれる瞳とか、どこよりも素直に反応してくれるトコr……いてっ」
「分かった。分かったから。その辺でやめておかないと例え病人でも頭突きだぞ?」
「2回目…。わたしも思ってることを言っただけなのに~」
「口に出して良い事と悪い事があるだろ。まったく…」
確かに面と向かって言われると恥ずかしい。
ふたたび頬の熱が上がる。
三度気を取り直して。
「ほら、背中を拭くから髪を前に…」
「よいしょっと。これでいい?」
長い長い白い髪を身体の前でまとめる。
そうするとしっとりと汗ばんだ肌が現れた。
ゆっくりとタオルで汗を拭き取っていく。
静寂が場を満たす。
お互い何も言葉を発しない。
しかし決して居心地は悪くない。
「…よし。髪を戻していいぞ。次はこっちだな。腕を上げてくれ」
「はーい」
腋から腕、首から胸と順に拭いていく。
全身を拭き終わった後は新しい着物を着せる。
再び冷えたタオルを額に乗せてやると、気持ちよさそうに目を閉じた。
布団に広がる髪をさらりと撫でる。
「すー…すー…」
それからすぐに心地よさそうな寝息が聞こえてきた。
頬に手を当てる。
…大分熱は下がったようだ。
ほっと一息、安堵する。
安らかな寝顔を眺める。
………うずうず。
他愛無い欲求が首をもたげてきた。
きょろきょろと辺りを見渡す。
うん。誰も見てないな。
もそもそと布団に潜り込む。
下がったとはいえ未だ熱のある妹紅。
その隣に横たわる。
じっと彼女の様子を伺って…
ちゅ
軽く触れる。
「おやすみ、妹紅。早く良くなるんだぞ」
私はそのまま目を閉じた。
普段よりも高い妹紅の体温を感じながら、私の意識は落ちていった。
風邪引いたのが妹紅なら、いっぺん死んだら治ると思う。これぞ正しい(ry
>「妹紅、服を脱いでくれないか?」
慧音さん、これじゃ誤解を招くよ………
ただ、ここまで来てあえて言うが、『妹紅は病気にならない』という公式設定があったはず。
まあ、風邪だしね。ちょっと体調崩しちゃっただけだよね?病気じゃないよね?そうでしょ?慧音さん。
命は大切にってけーねが言ってた!
『妹紅は病気にならない』
公式設定があったとは知りませんでした…。
でも公式設定を無視してる二次創作はたくさんあると思うので許してください><
それが慧音にうつったんですねわかります。
なんて想像した自分は末期。
グッジョブな想像ですねw
それじゃあそう言う事でお願いします(ぇ