Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

魔理沙たちがSL急行に乗りました。

2008/08/11 00:32:45
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注)幻想郷から出てきちゃってます。
ストーリーにそれほど関係ありませんがその辺スルーしていただける方は、お進みください。





























「ついに到着、金谷!!」
「うわ……」
「いきなり言っちゃったわよ…?」
「……み、みんな!突っ込んじゃダメだぜ!?」


魔理沙たちがSL急行に乗りました。


ガコン、ガタッ、ガコン…ポーーーッ!!
『駅舎側から一号車となりまーす!』
「えっと、私達は三号車よね?」
「そうだよ。早くのろ!」
「落ち着けってにとり。パチュリーを見習ってみたらどうだ?」
「いや別に私は落ち着いてるっていうか……」
「落ち着きすぎね…」
「むしろ暗いね」
「……いや、これがスタンダードなパチュリーだから!」

『SL急行、まもなく発車となりまーす!』

「16番……16番……あ、ここね」

指定席。
16A窓側 アリス
16B通路側 パチュリー
16C窓側 にとり
16D通路側 魔理沙
*座席番号16は進行方向に向かって左手

ポ、ポーーーッ!!
ガコンッ!
『本日は本線ご利用いただきまして誠に有難うございます。只今汽笛の音とともに走り出しましたSLは次の駅、新金谷まで向かってまいります…』
「おお!動いた!!」
「そりゃ動くよ」
ゆっくりと列車が動き始める。
「けっこう揺れるわね」
シュー、シュー…
『まもなく新金谷です。新金谷は車両基地となっており、左手にSLや電車を見ることが出来ます』
「あら、もう次の駅…?」
「この区間は短いんだよ。ほら、いっぱいいるよ」
「うわー、こんなにウジャウジャいるんだな」
「ほんとね。所狭しと並んでいるわ」

シュー、シュー……ガコン!
この駅からもお客さんが沢山乗り込んでくる。
でも指定席だから問題ない。

『まもなく発車いたします。ご乗車になってお待ちください』
「この駅を出るとしばらく走るんだよ」
「へぇ~。流石にとり、詳しいな」
「調べたもんね」
「そういえば、これはどういう仕組みで動いているのかしら?」
「そう、私も気になっていたの」
「んー、難しいな……お湯を沸かすと湯気が出るよね?アレを盛大にやって動力を得るの」
熱心に語るにとり。
「湯気で走っているの?」
ちょっと疑うアリス。
「なんか味気ない感じね。でも私としては色々応用が利くかも」
興味ありげなパチュリー。
「ノーレッジ鉄道でも作るのか?」
冗談を飛ばす魔理沙。

個性はバラバラだけどなんだかんだで仲の良い4人組である。
そんな一行が乗る列車は懐かしの蒸気機関車。

『発車いたします』
ポポーーーー!

「ちょっと一番前に行ってくる!!」
「あ、にとり!」
「行っちゃったわね。まぁ好きにさせてあげましょう。あの子が一番興味あるんだし」
先頭車両へ向かったにとり。
当然SLと言う乗り物は石炭を積む場所がいるので後ろから運転台を見ることは出来ない。
にとりはそれを知っている。知っていても見に行きたかった。

数分後、にとりが三号車16番席に戻ってきた。
「ただいま~。やっぱ何も見えないねぇ」
「ほら座りなさい、山に入っていくわよ」
「はいよ」
いよいよ列車は山へと向かい、勾配を登り始める。

『車内暑いですが、走っていますと外から気持ちの良い風が入ってまいります。また、危険ですのでくれぐれも窓からお顔を出さぬようお願いいたします』
固い窓を押し上げ、風を取り込む。
「ふぅ、いい風ね」
目と鼻の先を民家や草木が高速でかすめる。
今にもぶつかりそうなスリルも楽しめるが…
ベシ!
「あだっ!」
窓から飛び込んだ葉がアリスの顔面を直撃する。
「いったぁ…」
「あらアリス大丈夫?」
「ええ、ありがとう」
「全く、顔を出すなって言われたばっかりだろ?悪い子だな」
「出してないわよ。私が悪いみたいに言わないで」

ところで今日では列車の窓を開ける機会など少なくなってきている。
列車の窓…特にSLの客車の窓を開ける場合には注意が必要であるのだ。

「お?トンネルだよ」
「山に穴を掘って通るなんてご苦労なことね」
先頭車両からトンネルへ入っていく。
「おお入った!夜みたいに暗いぞ!!」
「ホントね……ケホケホ……なんか煙くないかしら?」
「確かに言われてみればそうね……」
「ああ、窓から入って来ちゃったんだよ。ほら、煙出しながら走っているからさ」
「おい、パチュリー大丈夫か?」
「ケホケホ、ええ…ゲホッ!」
「ちょっと!…ほらこれ使って」
アリスがハンカチを差し出す。
「ありがと……」
「大変だねぇ。こんど人工エラを作ってあげるよ」
「エラはいらないと思うぜ…」

『まもなく向かって左手、狸村の狸さんがたくさん見えてまいります。この狸さんは旅の安全を祈ってくれています』
「狸が見えるみたいだぞ」
「どれ……あ、見えてきたわね」
急行では停まらない駅の脇、山の斜面に大きさ、姿が様々な狸の像が置いてある。
ここから先の険しい山道の安全を願ってくれているとのことだ。
「まぁ、可愛い狸の人形ね」
「お前、人形なら何でもいいんだな」

『この先、本線で最も長いおよそ600メートルのトンネルを通過いたします』
「死ぬわ…」
「息を止めてればいいんだよ」
「それもそれで死ぬと思うわよ?」
「ハンカチ口に当てて我慢だな」
「むきゅー」

「お?お茶のいい香りだぜ…」
「ほんとだー。わぁ、お茶畑がいっぱい!!」
車窓からもこもことした茶畑が見える。
近くでお茶を入れているのだろうか?かすかな香りも漂ってくる。
「この辺の緑茶はなかなか評判がいいそうよ?」
「本当?なら私、紅茶派だけどちょっと飲んでみたいな」
『車内販売に参りました~。ジュース、お茶、ビールはいかかですか~?』
「ちょうどいいところに来たな」
「おーい、お茶4つ頂戴」
にとりが販売員を呼び止める。
『はい、お茶が4つで400円になります』

「なぁ、缶に入ってたけどあれはここのお茶なのか?」
「そうじゃない?絵が描いてあったし」
「冷えてて美味しかったね」
「あったかいのも飲んでみたいな。よし、霊夢のお土産にあとで買ってやるか!」
「自分で飲みたいだけじゃないの」
「ばれちゃったか」

『まもなく家山、家山です』
「それにしてものどかで落ち着くわね」
「だよねー」
「ま、たまにはこうして外に出てくるのもいいわね。ただ煙はもう…」
「全く引きこもりの相手は大変だぜ」

『発車いたします』
走り出した列車は鉄橋を渡る。
シュシュ、ポーーー、ポーー!
『右手に温泉が見えてまいります』
鉄橋からは露天風呂が見える。
露天風呂からは鉄橋を渡るSLが見える。
ここではつい、互いに手を振りたくなるのだ。
「あ、なんか手を振ってるぞ!おーい!」
「ちょっ!やめてよ恥ずかしい!」
「恥ずかしくないぜ?みんな振ってるじゃないか」
「何も通路挟んで手を振ること無いでしょうが!」
「いいじゃないか、いいじゃないか」
「ああ、もうやだ…」

『♪~~~♪~~』
どこからかハーモニカの音色が聞こえてくる。
「あら、なかなか上手ね」
「ほんとう。優しい感じの曲ね」
実はこのハーモニカ、車掌さんの演奏である。
するとメロディーにあわせ…
「たーにこーえーてー…」
魔理沙が小さな声で歌いだした。
「なに魔理沙、知ってるの?」
「いや……昔どっかで聞いたんだ…」
「ま、あなたならいろいろ漁ってそうですものね」
「うん……どこだっけかな…?」
「いいじゃないの、知っているのだから」
「そだよ。深く考えるとつまらないよ」
「ねぇ、後で私達にも歌詞を教えてよ」
「ん?そうだな。また教えてやるぜ」

『まもなく次の停車駅、下泉です』
流れる茶畑、光る川。
見ているだけで涼しくなる。
「さっきから川が気持ちよさそうだなぁ…」
コバルトの水面をみてにとりがつぶやいた。
「飛び込んだらどうだ?」
「まぁ、にとりは河童だしね…ところでアリス?あなたって泳げるの?」
「なにいきなり失礼ね。ちょっとは泳げるわよ!」
「なら私もちょっとは泳げるわね」
「……!?同レベルが前提ですか…」
シュー、ガコン。
『下泉~下泉です』

『発車いたします。次は駿河徳山、駿河徳山です』
もうすぐ終点が近づく。
ちなみに終点まではあと2駅。
ぐうぅぅ……!
「誰だ!?」
「私じゃないわよ。パチュリー?」
「残念。私も違うわ。にとりじゃないの?」
「違うよ。ほんとのこと言っちゃうと…」
「黙れにとり!」
いきなり不自然に慌てだす魔理沙。
「魔理沙か」
「魔理沙ね」
「私なにも言ってないよね?」
魔理沙が勝手に墓穴を掘っただけだった。
「ううぅ…お腹が減ったんだ、仕方ないだろ…」
「まぁ、もうお昼だしね。お弁当を買っておけばよかったかしら?」
「それはそれでいいけどね。でも向こうでご飯食べる予定だよね?」

『駿河徳山~駿河徳山です。次は終点、千頭です』
「次でいよいよ終点ね」
「早かったね」
「1時間半と言っても楽しいとすぐなのよね」
ポーーー!
『発車いたします。皆様ありがとうございました、間もなく終点千頭です。千頭までトンネルと鉄橋を通っていきます』
「むきゅ!最後まで…」
「どんまい。そだ、千頭で記念写真とろ!文からカメラ借りてきたの」
「いいな!機関車の前で撮ろうぜ」
「そうね。折角来たんだし、記念にね」
「あ、パチュリー。トンネルよ」

『千頭~、千頭です。井川・寸又峡方面、井川線の乗り換えです。お降りの際、車内にお忘れ物、落し物無いようご注意ください』
プチでは始めまして。
とりあえず、申し訳ありませんでした。
かなり実験的と言うか、こちらとしても大冒険です。

一応企業名は伏せたのですが、私鉄の駅なんで分かる人には一発でわかっちゃいますよね。

実体験をSSに反映したくなる癖があるのですが、今回も友達とSLに乗りに行って…。
のどかな山中を走るSLの中でまったり話す彼女達の姿を見ていただければ幸いです。
途中の情景描写が下手ですみません。

この鉄道に乗ったこと無い人、さらに分かりにくくてすみませんでした。
夢之国観光
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
え、この路線実在するって事ですか?
うわ乗りたいなあ
2.名前が無い程度の能力削除
しまった、ついタイトルに釣られてしま……でもこれはこれで個人的に好きです。
3.名前が無い程度の能力削除
よし、これから会いに行ってきます。

~以下、宣伝~

魔理沙たちに会いたい方は、どうぞ静岡県は大○川鉄道まで
4.名前が無い程度の能力削除
面白いけど……東方SSかなぁ……
5.名前が無い程度の能力削除
走ってるとこは何度も見てるのに、乗った事は無かったなあ
今度乗ってみるとしますか!
6.名前が無い程度の能力削除
……東方でなくてもいいのでは?
7.名前が無い程度の能力削除
みんな楽しそうですね。
あの駅、あの車輛、あの風景の中に彼女たちがいると思うとニヤリとなります。