『あらすじのあらすじ』
かぎゃ 「やっぱうさ耳でしょ!」
れみりゃ「いやいやメイドでしょ!」
こうして紅魔館と永遠亭の全面戦争は幕を開けた。
(チルノ以外なら誰でも分かる慧音の楽しい歴史学第35巻より)
『あらすじ』
元帥、レミリア・スカーレットにスパイ行為を命じられた諜報部員、十六夜 咲夜、コードネーム『さっきゅん』。
潜入の目的は、永遠亭の動きを視察、永琳自慢のイナバマシンの廃棄、おやつのカステラを没収、ついでに輝夜の暗殺。
参謀、パチュリー・ノーレッジや、発明家、こぁの力によって開発された光学迷彩(河童モデル)を装着、ついに敵の本拠地、永遠亭に潜入!
ところが、潜入真っ最中、廊下を歩いていた雑魚イナバの思わぬ一言
「そう言えば、爪楊枝も買いに行かなくちゃいけないんだっけ」
の、『爪楊枝』を『妻、ょぅし゛ょ』と聞き間違え、鼻血マグナム噴射して貧血起こしてその場に卒倒。
気がついたら地下牢に捕まっていました。さっきゅんマジやばいっす。人間的に。
取調官の優曇華INの卑怯なあの手この手からさっきゅんは逃げられるのか!
頑張れさっきゅん!負けるなさっきゅん!お嬢様のおやつまであと1時間だ!
(幻想郷に満ち溢れる魑魅魍魎変態図鑑 Vol.02(あっきゅん著)より)
『本編とあらすじの間のコマーシャル』
幻想郷に満ち溢れる魑魅魍魎変態図鑑 Vol.03
【襲われる前にできること、襲われたときにしなければならないこと】
絶賛発売中。詳しくは里の書店か香霖堂まで。
収録内容一部抜粋!
◇巫女に米を要求されたとき、もう泣き寝入りとはさよなら。
◇竹林で、掘られたときの応急処置。
◇メイドから幼女を守る108箇条のお約束。
◇友達になっておきたい人、友達になってはいけない人。
◇特集、プリズムリバーはなぜ売れないのか。
◇鴉天狗、決死の撮影!弾幕少女寝顔百選、ベスト5は見開きで。
『お待たせしました本編です』
「師匠、取調べが終了しました」
「どうだったのかしら、ウドンゲ?」
「はい。見事に沈黙を貫きました」
「な、なんですって!?」
永琳は愕然とした。
「わ、私が100年の時を費やして作った全年齢向け拷問術が効かなかったの!?」
「はい」
「し、しかしこれ以上ハードにするとエロがグロのレッテルをはられてしまう、どうしたら………」
「師匠、1つ聞きますが、鼻の下に山葵を塗られるのは拷問なのでしょうか」
「知らないでやってたの?」
「はい」
「拷問よ」
「ひねりのない返事ですね。ファンシーですね」
「そうしなきゃ全年齢向けとは言えないわ。あと、私にひねった答えを求めるのが間違いよ」
なぜこんなダメ人間を師にしてしまったのか、鈴仙は頭を抱えた。二重の意味で。
「じゃあ私が直々に行くわ。あの人間の小娘に月の頭脳と言われた私の恐ろしさを見せ付けるのよ」
「月の無能?」
「何か言った?」
「いえ何も」
地下牢。
鉄格子の奥で、咲夜は永琳をジッとにらみつけた。
「茶番はここまでよ。今度こそ洗いざらいしゃべってもらうわ」
咲夜の前に永琳が立ちはだかる。
「悪魔の狗をなめないほうがいいわ。メイドは無口な生き物なのよ」
「しゃべらないならしゃべらないでかまわない。ただし、おまえは永遠の苦しみを受けることになる」
「やれるものならやってみなさい」
「お望み通り。これは今まであなたが受けた取調べとは格が違くてよ」
そう言われて、咲夜は今まで受けた取調べの光景を脳裏に浮かべた。
てゐに目の前でカツどんを食われながら、「情報をくれたら食わせてやる」と言われた。
鈴仙に、鼻の下に山葵を塗られた。それでも黙っていたら目の下にも塗られた。
ただそれだけ。少しくらい格があがったところで、耐えられないものだとは思えない。
「それじゃあ、行くわよ」
永琳はラジカセを取り出した。
「あなたの立派な忠誠心も裏目にでれば地獄と化す!真の苦しみを味わうがいい!」
ポチッとな。
ザ───────────────────────
「れみ☆」
「りあ☆」
プチ
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!え、えい、りん、貴様ぁぁっ!!」
咲夜は鉄格子にしがみついた。ここに格子がなかったら今頃永琳は食い殺されていたであろう。
「うー☆を、貴様はうー☆を侮辱した!万死に値する!」
「まあ、怖いこと」
カチッ
「れみ☆」
「りあ☆」
「u『私の名前は紅 美鈴!』」
「やめろおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
咲夜の叫びが地下にむなしく響き渡る。
お嬢様のうー☆が聞きたい。うー☆こそが正義、うー☆こそが世界。
だからこそ、寸止めは無限の苦しみ。癒されない渇きが咲夜を襲う。
10分後。
咲夜は床に伏せたまま、動かなくなっていた。
目は虚ろで、心も空っぽ。もう、うー☆が聞ければ美鈴が売られようが美鈴が死のうがどうでもよくなっていた。
「そろそろ、しゃべってくれてもいいわよね」
永琳は勝ち誇った笑顔で咲夜を見下ろした。
「う、うー☆が、うー☆が聞きたい…………」
「しゃべったら聞かせてあげるわ。それじゃあ、最初の質問。レミリア嬢のスリーサイズを教えてもらおうかしら」
「聞いて……どうするつもり………?」
「鴉天狗に流すのよ。そうすればいかに吸血鬼言えど、打つ手はなくなり、私たち永遠亭が勝利を収めるのよ」
「……卑怯者………」
「それが何?最後には勝てばいいのよ。さあ、お嬢のスリーサイズを教えなさい」
ここで、咲夜の理性は限界を迎えた。
「………お、お嬢様……の…スリー…………サイズ……は……………」
「そう、いい子ね」
「う、上から…………」
『さぁぁぁぁぁぁぁぁくやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
危うくあと一歩でレミリアの体裁が崩れ去るといったところで、突如レミリア本人の声が木霊した。
空耳ではない。間違いなくレミリアがこの辺まで来ているのである。
「失礼します、永琳様、大変です!敵の大将が攻めてきました!」
イナバ2等兵が地下牢にはいって永琳に報告した。
「迎撃準備をしなさい!ここが天下分け目の戦いよ!」
「しかし、敵は既に詠唱を始めています!」
「何で来るつもりなの!?グングニル?それともレッドマジック?」
「分かりませんが、今まで聞いたこともないような詠唱です!」
『永遠亭側に告ぐ!速やかに咲夜を解放しなさい!さもなけれな皆殺しよ!』
レミリアの声が拡声器を通して竹林全体に轟く。
『よし、分かったわ!泣いてももう遅いわよ!これからとっておきの詠唱魔法見せてあげるから!』
うー☆こそが 正義だ世界だ ジャスティスだ カリスマなんて くそくらえなり
レミリア・スカーレット
「ば、馬鹿な、こんな馬鹿げた詠唱魔法が!?」
永琳は愕然とした。何千、何万、何億年と生きてきて、ここまで特異な詠唱魔法は初めてだった。
永遠亭の地下室にいても、その力は全身に伝わる。
ほどばしる紅い妖気、もれまくる紅い幼気。レミリア・スカーレット、恐ろしい子!
『ふふ、幼気が溜まってきたわ!カリスマを捨てた私に敵う者は誰もいない!これで、永遠亭は終わりよ!』
『れみ☆』
見ていなさい、あなたたちの故郷が紅く染まるのを。
『りあ☆』
崇めなさい、何よりも紅いこの私、スカーレットデヴィルを。
届け、この思い。月を貫け、この願い。
たとえ世界が滅びようとも、私は何も悔いることはない。
『う──────────────────────────────────────☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆』
永琳は信じられない奇跡の光景を目撃した。
降り注ぐ、うー☆の力を受け、咲夜はまばゆい光を放ちながら復活したのだ。
「うー☆成分、確かに受け取りました」
身近に人間フェニックスがいるので、人が復活することは見慣れているが、まさかこんなことで復活する人間がいるなんて。
「ヤゴコロ エイリン」
「は、はい!」
「おまえは うー☆ を侮辱した。スカーレット家の名のもとに、おまえに地獄を見せてやろう」
「さっきは調子こきました!すいませんでした!」
「もう遅い!」
咲夜は鉄格子をつかみ、素手でへし折った。牢は崩壊した。
「そう言えば、お嬢様のスリーサイズが聞きたいのだったな」
「め、滅相もございません!ジョークでございます!」
「よかろう、教えてやる。上から、ジャスティス、ジャスティス、ジャスティスだ!」
メイド秘技『我流・脳天かかと落とし』
「いぎゃああぁぁぁ、殺されるぅぅぅぅぅぅ!」
永琳は逃げた。もう立つ気力もなかったので、這って逃げた。だが、それを見逃す咲夜ではない。
「逃がすかぁ!神槍『スピア・ザ・エーリニル』!」
永琳を軽々しくかつぎ、人間ロケットの要領でぶん投げる咲夜。石壁に突き刺さり硬直した永琳。
このとき初めて、月の頭脳と謳われた永琳は、敗北を知った。
壊れたメイドに逆らったら大変なことになる、と。
その1分後、永遠亭は崩落した。
「お嬢様、ただいま帰還しました」
「おかえり、さくや」
永遠亭を壊滅させ、カステラを手に入れて廃墟を出た咲夜が見たのは、カリスマの欠片も残らない主人の姿だった。
あたりまえだ。紅魔三台奥義の1つ、『うー☆こそがジャスティス』を使った直後なのだから。
そこに満ちあふれるのは、紅い幼気。もう幼すぎて台詞に漢字が現れない。
「カステラをお持ちしました」
「じゃあここでたべよ☆」
「しかし、ここでは紅茶はお出しできませんが」
「れみりゃ、そとでたべたいもん」
「分かりました」
早速、ちょうどいい大きさの石に座り、即席おやつを召し上がるレミリア、否、れみりゃ。
すぐそばでほほえましい光景を眺める至福の咲夜。
夜はゆっくりとふけていく。
「お嬢様」
「なーに?」
「失礼ですが、またお嬢様のうー☆が見たくなりました」
「それじゃいくよー☆」
「れみ☆」
「りあ☆」
「あ、れいむだ。れいむー」
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!み、みこ、貴様ぁぁっ!!」
かぎゃ 「やっぱうさ耳でしょ!」
れみりゃ「いやいやメイドでしょ!」
こうして紅魔館と永遠亭の全面戦争は幕を開けた。
(チルノ以外なら誰でも分かる慧音の楽しい歴史学第35巻より)
『あらすじ』
元帥、レミリア・スカーレットにスパイ行為を命じられた諜報部員、十六夜 咲夜、コードネーム『さっきゅん』。
潜入の目的は、永遠亭の動きを視察、永琳自慢のイナバマシンの廃棄、おやつのカステラを没収、ついでに輝夜の暗殺。
参謀、パチュリー・ノーレッジや、発明家、こぁの力によって開発された光学迷彩(河童モデル)を装着、ついに敵の本拠地、永遠亭に潜入!
ところが、潜入真っ最中、廊下を歩いていた雑魚イナバの思わぬ一言
「そう言えば、爪楊枝も買いに行かなくちゃいけないんだっけ」
の、『爪楊枝』を『妻、ょぅし゛ょ』と聞き間違え、鼻血マグナム噴射して貧血起こしてその場に卒倒。
気がついたら地下牢に捕まっていました。さっきゅんマジやばいっす。人間的に。
取調官の優曇華INの卑怯なあの手この手からさっきゅんは逃げられるのか!
頑張れさっきゅん!負けるなさっきゅん!お嬢様のおやつまであと1時間だ!
(幻想郷に満ち溢れる魑魅魍魎変態図鑑 Vol.02(あっきゅん著)より)
『本編とあらすじの間のコマーシャル』
幻想郷に満ち溢れる魑魅魍魎変態図鑑 Vol.03
【襲われる前にできること、襲われたときにしなければならないこと】
絶賛発売中。詳しくは里の書店か香霖堂まで。
収録内容一部抜粋!
◇巫女に米を要求されたとき、もう泣き寝入りとはさよなら。
◇竹林で、掘られたときの応急処置。
◇メイドから幼女を守る108箇条のお約束。
◇友達になっておきたい人、友達になってはいけない人。
◇特集、プリズムリバーはなぜ売れないのか。
◇鴉天狗、決死の撮影!弾幕少女寝顔百選、ベスト5は見開きで。
『お待たせしました本編です』
「師匠、取調べが終了しました」
「どうだったのかしら、ウドンゲ?」
「はい。見事に沈黙を貫きました」
「な、なんですって!?」
永琳は愕然とした。
「わ、私が100年の時を費やして作った全年齢向け拷問術が効かなかったの!?」
「はい」
「し、しかしこれ以上ハードにするとエロがグロのレッテルをはられてしまう、どうしたら………」
「師匠、1つ聞きますが、鼻の下に山葵を塗られるのは拷問なのでしょうか」
「知らないでやってたの?」
「はい」
「拷問よ」
「ひねりのない返事ですね。ファンシーですね」
「そうしなきゃ全年齢向けとは言えないわ。あと、私にひねった答えを求めるのが間違いよ」
なぜこんなダメ人間を師にしてしまったのか、鈴仙は頭を抱えた。二重の意味で。
「じゃあ私が直々に行くわ。あの人間の小娘に月の頭脳と言われた私の恐ろしさを見せ付けるのよ」
「月の無能?」
「何か言った?」
「いえ何も」
地下牢。
鉄格子の奥で、咲夜は永琳をジッとにらみつけた。
「茶番はここまでよ。今度こそ洗いざらいしゃべってもらうわ」
咲夜の前に永琳が立ちはだかる。
「悪魔の狗をなめないほうがいいわ。メイドは無口な生き物なのよ」
「しゃべらないならしゃべらないでかまわない。ただし、おまえは永遠の苦しみを受けることになる」
「やれるものならやってみなさい」
「お望み通り。これは今まであなたが受けた取調べとは格が違くてよ」
そう言われて、咲夜は今まで受けた取調べの光景を脳裏に浮かべた。
てゐに目の前でカツどんを食われながら、「情報をくれたら食わせてやる」と言われた。
鈴仙に、鼻の下に山葵を塗られた。それでも黙っていたら目の下にも塗られた。
ただそれだけ。少しくらい格があがったところで、耐えられないものだとは思えない。
「それじゃあ、行くわよ」
永琳はラジカセを取り出した。
「あなたの立派な忠誠心も裏目にでれば地獄と化す!真の苦しみを味わうがいい!」
ポチッとな。
ザ───────────────────────
「れみ☆」
「りあ☆」
プチ
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!え、えい、りん、貴様ぁぁっ!!」
咲夜は鉄格子にしがみついた。ここに格子がなかったら今頃永琳は食い殺されていたであろう。
「うー☆を、貴様はうー☆を侮辱した!万死に値する!」
「まあ、怖いこと」
カチッ
「れみ☆」
「りあ☆」
「u『私の名前は紅 美鈴!』」
「やめろおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
咲夜の叫びが地下にむなしく響き渡る。
お嬢様のうー☆が聞きたい。うー☆こそが正義、うー☆こそが世界。
だからこそ、寸止めは無限の苦しみ。癒されない渇きが咲夜を襲う。
10分後。
咲夜は床に伏せたまま、動かなくなっていた。
目は虚ろで、心も空っぽ。もう、うー☆が聞ければ美鈴が売られようが美鈴が死のうがどうでもよくなっていた。
「そろそろ、しゃべってくれてもいいわよね」
永琳は勝ち誇った笑顔で咲夜を見下ろした。
「う、うー☆が、うー☆が聞きたい…………」
「しゃべったら聞かせてあげるわ。それじゃあ、最初の質問。レミリア嬢のスリーサイズを教えてもらおうかしら」
「聞いて……どうするつもり………?」
「鴉天狗に流すのよ。そうすればいかに吸血鬼言えど、打つ手はなくなり、私たち永遠亭が勝利を収めるのよ」
「……卑怯者………」
「それが何?最後には勝てばいいのよ。さあ、お嬢のスリーサイズを教えなさい」
ここで、咲夜の理性は限界を迎えた。
「………お、お嬢様……の…スリー…………サイズ……は……………」
「そう、いい子ね」
「う、上から…………」
『さぁぁぁぁぁぁぁぁくやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
危うくあと一歩でレミリアの体裁が崩れ去るといったところで、突如レミリア本人の声が木霊した。
空耳ではない。間違いなくレミリアがこの辺まで来ているのである。
「失礼します、永琳様、大変です!敵の大将が攻めてきました!」
イナバ2等兵が地下牢にはいって永琳に報告した。
「迎撃準備をしなさい!ここが天下分け目の戦いよ!」
「しかし、敵は既に詠唱を始めています!」
「何で来るつもりなの!?グングニル?それともレッドマジック?」
「分かりませんが、今まで聞いたこともないような詠唱です!」
『永遠亭側に告ぐ!速やかに咲夜を解放しなさい!さもなけれな皆殺しよ!』
レミリアの声が拡声器を通して竹林全体に轟く。
『よし、分かったわ!泣いてももう遅いわよ!これからとっておきの詠唱魔法見せてあげるから!』
うー☆こそが 正義だ世界だ ジャスティスだ カリスマなんて くそくらえなり
レミリア・スカーレット
「ば、馬鹿な、こんな馬鹿げた詠唱魔法が!?」
永琳は愕然とした。何千、何万、何億年と生きてきて、ここまで特異な詠唱魔法は初めてだった。
永遠亭の地下室にいても、その力は全身に伝わる。
ほどばしる紅い妖気、もれまくる紅い幼気。レミリア・スカーレット、恐ろしい子!
『ふふ、幼気が溜まってきたわ!カリスマを捨てた私に敵う者は誰もいない!これで、永遠亭は終わりよ!』
『れみ☆』
見ていなさい、あなたたちの故郷が紅く染まるのを。
『りあ☆』
崇めなさい、何よりも紅いこの私、スカーレットデヴィルを。
届け、この思い。月を貫け、この願い。
たとえ世界が滅びようとも、私は何も悔いることはない。
『う──────────────────────────────────────☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆』
永琳は信じられない奇跡の光景を目撃した。
降り注ぐ、うー☆の力を受け、咲夜はまばゆい光を放ちながら復活したのだ。
「うー☆成分、確かに受け取りました」
身近に人間フェニックスがいるので、人が復活することは見慣れているが、まさかこんなことで復活する人間がいるなんて。
「ヤゴコロ エイリン」
「は、はい!」
「おまえは うー☆ を侮辱した。スカーレット家の名のもとに、おまえに地獄を見せてやろう」
「さっきは調子こきました!すいませんでした!」
「もう遅い!」
咲夜は鉄格子をつかみ、素手でへし折った。牢は崩壊した。
「そう言えば、お嬢様のスリーサイズが聞きたいのだったな」
「め、滅相もございません!ジョークでございます!」
「よかろう、教えてやる。上から、ジャスティス、ジャスティス、ジャスティスだ!」
メイド秘技『我流・脳天かかと落とし』
「いぎゃああぁぁぁ、殺されるぅぅぅぅぅぅ!」
永琳は逃げた。もう立つ気力もなかったので、這って逃げた。だが、それを見逃す咲夜ではない。
「逃がすかぁ!神槍『スピア・ザ・エーリニル』!」
永琳を軽々しくかつぎ、人間ロケットの要領でぶん投げる咲夜。石壁に突き刺さり硬直した永琳。
このとき初めて、月の頭脳と謳われた永琳は、敗北を知った。
壊れたメイドに逆らったら大変なことになる、と。
その1分後、永遠亭は崩落した。
「お嬢様、ただいま帰還しました」
「おかえり、さくや」
永遠亭を壊滅させ、カステラを手に入れて廃墟を出た咲夜が見たのは、カリスマの欠片も残らない主人の姿だった。
あたりまえだ。紅魔三台奥義の1つ、『うー☆こそがジャスティス』を使った直後なのだから。
そこに満ちあふれるのは、紅い幼気。もう幼すぎて台詞に漢字が現れない。
「カステラをお持ちしました」
「じゃあここでたべよ☆」
「しかし、ここでは紅茶はお出しできませんが」
「れみりゃ、そとでたべたいもん」
「分かりました」
早速、ちょうどいい大きさの石に座り、即席おやつを召し上がるレミリア、否、れみりゃ。
すぐそばでほほえましい光景を眺める至福の咲夜。
夜はゆっくりとふけていく。
「お嬢様」
「なーに?」
「失礼ですが、またお嬢様のうー☆が見たくなりました」
「それじゃいくよー☆」
「れみ☆」
「りあ☆」
「あ、れいむだ。れいむー」
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!み、みこ、貴様ぁぁっ!!」
霊夢と魔理沙が思いっきりとばっちりだww
⑨絶対やると思ったwwwww
ジャージでよかった……これがスカートの下にジャージだったら絶望的だった
「まさかこんなことになるなんて・・・もう二度と輝夜を働かせたりはしないよ」