※ 地霊殿をやった事の無い奴が書いた結果がこれだよ。
※ あなたの身の安全の為に、以下の事項を必ず守ってください。
一、 一人で読まない事。
二、 読んでいる最中に何かあっても絶対に後ろを振り向かない事。
三、 丑三つ時に読まない事。
四、 念のため、いつでも逃げられる体勢でいる事。
五、 ちょっとでも体に異変を感じたら読むのを止め、間違っても後編を読もうとしない事。
真夏の暑さも吹き飛ばすちょっと怖い話はいかがでしょうか。
これは、地上に間欠泉が現われるちょっと前の話。
「皆、覚悟は良いね?」
「「……ゴクリ」」
「……」
蝋燭の明かりに照らされる部屋に集まるは地下に住む暇人達。その暇人とは・・・
「ふ、ふん。何も起き無いさ。これは何の変哲も無い普通のビデオだ。……絶対に」
あぐらを掻き余裕そうな顔をしているが顔を青ざめさせて居る勇儀。
「ね、ねぇ。やっぱりやめようよ。もし何かあったら…」
これから起こる恐怖の出来事を想像し、カタカタと身を震わせるヤマメ。
「……」
桶ごとヤマメに抱きかかえられているキスメ。
「ふふふ・・・ヤマメ、怖いなら帰ったら?」
「ううん。居る」
そして血のような赤に塗りたくられたビデオテープを片手に持ち不気味な顔で佇むパルスィだ。彼女等はそのビデオを見るのだ。何でもパルスィが橋の近くで拾ってきたそうな。
「鬼が出るか、蛇が出るかって所だね」
「出来れば何も出てこないで欲しい」
ビデオデッキの中に吸い込まれていくビデオテープを見届けた。パルスィはスタートボタンに指をゆっくりと近づけスイッチを押すのだが、妙な事にいつまでたってもテレビは砂嵐状態だ。しかし、これは逆に彼女ら不安を煽る物となった。実は四人も耳にしていた赤いビデオテープの存在。見ると24時間以内に必ず死ぬとか、突然現れる死神に魂を食われてしまうだとか、兎に角『見れば死ぬ』と言う不吉な噂がこのビデオテープにあった。もし噂が本当なら、この赤い塗料のような物はきっと被害者の…。
「ねぇ、何も出てこないよね?大丈夫だよね?」
「は、はは、ヤマメは臆病だな。大丈夫さ、所詮噂に過ぎない。な、なぁ?ヤマメ」
「…(コク)」
「大丈夫大丈夫」
やがて画面が切り替わる。テレビに映されたのは異様に開けた場所にポツンと存在する井戸、そして後ろに生える木々だけだ。
「何これ?」
「…井戸?」
「凄い古いよ?」
「…?」
頭に?を浮かべ画面を凝視する四人。暫くそんな状態が続いた後、やがて変化が起きた。
「っ!?」
「い、井戸から…」
「て、手が!」
井戸から手が出たのだ。やがて腕が井戸から出てきた所で画面に変化が現われる。カラーでくっきりと映っていた画面がどんどんモノクロの画面へと変わって行ったのだ。
「ね、ねぇパルスィ。やばくない?これ」
「う、うん。私も逃げた方が良いと思う。…勇儀さん?」
「だ、大丈夫さ。何も起きない何も起きない何も起きない何も起きない何も起きない何も起きない何も起きない何も起きない」
勇儀はまるで呪文のごとく小さな声で呟き続けた。本人は強がっているがもう先程の余裕は微塵も感じられない。そうしている間にも徐々に井戸の中の人物が姿を現して来た。どうやら女性のようだ。しわくちゃになった死に装束を体に纏って居るぼさぼさの髪を肩まで伸ばした女性だった。映し出される映像に恐怖している四人に気が付いたかの様に顔を上げる井戸のの中の女。その顔は正にこの世の物とは思えない程恐ろしい…
訳が無い、緑髪の少女の顔だった。
「「キスメじゃぁねぇええええかぁぁぁああああ!!!!!」」
ヤマメと勇儀がシャウトする。井戸からずるりと這い出てきたそれはうぁ~、と苦しそうな声を上げていたので「「もういいわ!!」」とツッコんでおいた。
「キスメちゃ~ん、これどう言う事かな~」
「大掛かりな悪戯ありがとう。お礼に…」
鬼の様な形相で歩み寄るヤマメと勇儀、まぁ一人は本物のソレな訳だが。
「ひっ…。あ、あの…パルスィちゃんが、やろうって、その…」
「いや~、凄いビビリ様だったじゃない!そのナイスなリアクションが妬ましい!途中で気付くでしょ普通!あっはははは!……は、はは」
びくびくと震えながら答えたキスメの横で今回の元凶は爆笑していた。だが次第にその笑顔は引きつった顔へと変化して行った。
「おいパルスィ?」
「あんまり図に乗るなよ?」
「え、ちょ、キャラおかしい。いやだってさ、普通なら読めたオチじゃない?井戸と言ったら釣瓶落としのキスメじゃ―――」
「瘴気 『原因不明の熱病』 ・・・死ね」
「四天王奥義 『三歩必殺』 ・・・二ボス風情が」
「やめアッーーーーー!!!」
水橋パルスィの消息が途絶えてしまった翌日にキスメが語った。 「二人の死神がパルスィちゃんを襲っていた。私は、ただただ震えてその様子を眺めているだけだった」 と。これが、キスメが経験したこの夏の恐怖体験だ。ほら、この小説を読んでしまったあなたの後ろにも死神が二人…。
※ あなたの身の安全の為に、以下の事項を必ず守ってください。
一、 一人で読まない事。
二、 読んでいる最中に何かあっても絶対に後ろを振り向かない事。
三、 丑三つ時に読まない事。
四、 念のため、いつでも逃げられる体勢でいる事。
五、 ちょっとでも体に異変を感じたら読むのを止め、間違っても後編を読もうとしない事。
真夏の暑さも吹き飛ばすちょっと怖い話はいかがでしょうか。
これは、地上に間欠泉が現われるちょっと前の話。
「皆、覚悟は良いね?」
「「……ゴクリ」」
「……」
蝋燭の明かりに照らされる部屋に集まるは地下に住む暇人達。その暇人とは・・・
「ふ、ふん。何も起き無いさ。これは何の変哲も無い普通のビデオだ。……絶対に」
あぐらを掻き余裕そうな顔をしているが顔を青ざめさせて居る勇儀。
「ね、ねぇ。やっぱりやめようよ。もし何かあったら…」
これから起こる恐怖の出来事を想像し、カタカタと身を震わせるヤマメ。
「……」
桶ごとヤマメに抱きかかえられているキスメ。
「ふふふ・・・ヤマメ、怖いなら帰ったら?」
「ううん。居る」
そして血のような赤に塗りたくられたビデオテープを片手に持ち不気味な顔で佇むパルスィだ。彼女等はそのビデオを見るのだ。何でもパルスィが橋の近くで拾ってきたそうな。
「鬼が出るか、蛇が出るかって所だね」
「出来れば何も出てこないで欲しい」
ビデオデッキの中に吸い込まれていくビデオテープを見届けた。パルスィはスタートボタンに指をゆっくりと近づけスイッチを押すのだが、妙な事にいつまでたってもテレビは砂嵐状態だ。しかし、これは逆に彼女ら不安を煽る物となった。実は四人も耳にしていた赤いビデオテープの存在。見ると24時間以内に必ず死ぬとか、突然現れる死神に魂を食われてしまうだとか、兎に角『見れば死ぬ』と言う不吉な噂がこのビデオテープにあった。もし噂が本当なら、この赤い塗料のような物はきっと被害者の…。
「ねぇ、何も出てこないよね?大丈夫だよね?」
「は、はは、ヤマメは臆病だな。大丈夫さ、所詮噂に過ぎない。な、なぁ?ヤマメ」
「…(コク)」
「大丈夫大丈夫」
やがて画面が切り替わる。テレビに映されたのは異様に開けた場所にポツンと存在する井戸、そして後ろに生える木々だけだ。
「何これ?」
「…井戸?」
「凄い古いよ?」
「…?」
頭に?を浮かべ画面を凝視する四人。暫くそんな状態が続いた後、やがて変化が起きた。
「っ!?」
「い、井戸から…」
「て、手が!」
井戸から手が出たのだ。やがて腕が井戸から出てきた所で画面に変化が現われる。カラーでくっきりと映っていた画面がどんどんモノクロの画面へと変わって行ったのだ。
「ね、ねぇパルスィ。やばくない?これ」
「う、うん。私も逃げた方が良いと思う。…勇儀さん?」
「だ、大丈夫さ。何も起きない何も起きない何も起きない何も起きない何も起きない何も起きない何も起きない何も起きない」
勇儀はまるで呪文のごとく小さな声で呟き続けた。本人は強がっているがもう先程の余裕は微塵も感じられない。そうしている間にも徐々に井戸の中の人物が姿を現して来た。どうやら女性のようだ。しわくちゃになった死に装束を体に纏って居るぼさぼさの髪を肩まで伸ばした女性だった。映し出される映像に恐怖している四人に気が付いたかの様に顔を上げる井戸のの中の女。その顔は正にこの世の物とは思えない程恐ろしい…
訳が無い、緑髪の少女の顔だった。
「「キスメじゃぁねぇええええかぁぁぁああああ!!!!!」」
ヤマメと勇儀がシャウトする。井戸からずるりと這い出てきたそれはうぁ~、と苦しそうな声を上げていたので「「もういいわ!!」」とツッコんでおいた。
「キスメちゃ~ん、これどう言う事かな~」
「大掛かりな悪戯ありがとう。お礼に…」
鬼の様な形相で歩み寄るヤマメと勇儀、まぁ一人は本物のソレな訳だが。
「ひっ…。あ、あの…パルスィちゃんが、やろうって、その…」
「いや~、凄いビビリ様だったじゃない!そのナイスなリアクションが妬ましい!途中で気付くでしょ普通!あっはははは!……は、はは」
びくびくと震えながら答えたキスメの横で今回の元凶は爆笑していた。だが次第にその笑顔は引きつった顔へと変化して行った。
「おいパルスィ?」
「あんまり図に乗るなよ?」
「え、ちょ、キャラおかしい。いやだってさ、普通なら読めたオチじゃない?井戸と言ったら釣瓶落としのキスメじゃ―――」
「瘴気 『原因不明の熱病』 ・・・死ね」
「四天王奥義 『三歩必殺』 ・・・二ボス風情が」
「やめアッーーーーー!!!」
水橋パルスィの消息が途絶えてしまった翌日にキスメが語った。 「二人の死神がパルスィちゃんを襲っていた。私は、ただただ震えてその様子を眺めているだけだった」 と。これが、キスメが経験したこの夏の恐怖体験だ。ほら、この小説を読んでしまったあなたの後ろにも死神が二人…。
その気持ち、凄く判ります。何と言うか、説明し難い魅力が有りますよね!
自分の中ではヤマメ→面倒見の良いお姉さん。
キスメ→頼まれると断れない優しい娘。
勇儀→頼もしいけど何処か抜けている。
パルスィ→悪戯好きなお茶目さん。