ふふふ、遂に、遂にこの日が来たのね。
待ちわびていたわ、この日を。
この、構想三週間、書き一週間掛けた魔法陣で私は更なる高みへと登れる。
もう魔理沙に本を盗ませたり、貧弱もやしだとか言わせないわ。
あっ、興奮しすぎて口から血が……
ふう、危なく自分の血で魔方陣を消す所だったわ。
でも、そんなミスは犯さない。
それが私、パチュリー・ノーレッジ。
さて、それじゃあ行ってみましょうか??
◇◇◇◇◇◇◇
「ふぅあぁ~」
うーん、今日もいい天気ですね。気持ちがいいです。
こんな天気の日には良い事が起きそうな予感がしますね。
小悪魔わくわくです。
「それじゃあパチュリー様を起こしに行きましょうか」
寝巻きから着替え、普段着になると毎朝の始めの仕事をしにパチュリー様の寝室へ。
これを欠かしては私は生きていけません。
パチュリー様、今日も可愛らしい寝顔で私を癒してくださいね??
「失礼しまーす」
「あら小悪魔、おはよう」
「誰でしょうか??」
とっさにそう答えちゃいました。
でもコレは夢ですね、だって、だって。
パチュリー様がマッチョで、全裸で、変なポージングしてるなんて夢意外ありえないですよ。
って言うかどんな悪夢ですか、コレは。
なんかの嫌がらせですか。
私が何したって言うんですか。
「どうしたの小悪魔、私よ、パチュリーよ」
「私の知り会いに全裸でマッチョでポージング決めてる人なんて居ません、妖怪にも」
私がそう言うと、パチュリー様は少し考え込みました。
とりあえず服着てください、不審者さん。
「じゃあどうしたら信じてくれるかしら??」
「とりあえず服を着てくれたら話は聞いてあげます」
「そう、でも無理ね。だって服が入らないんだもん」
もん、なんて可愛らしく言われても気持ち悪いだけです。
でも困りました、体長2mは有ろうかというこの不審者さんに着せて上げれる服がありません。
「着ていた服は破れちゃったし」
不審者さんの視線を辿ると、床には奇妙な魔方陣と、ビリビリに破けたパチュリー様の寝巻き。
ってあれ??もしかして、もしかすると…………
「パチュリー様??」
「その通りよ、なんで気付かないのかしら??」
いえ、髪が紫で、帽子被ってる意外全部マッチョの男にしか見えませんよ。
誰が気が付くんですか。
長年一緒に居た私ですら気が付かなかったのに。
「でもなんでそんなムキムキに、萌えないじゃないですか」
「小悪魔が何を言ってるかさっぱりだけどね、コレには深い理由があるのよ」
「腕相撲で妖精メイドに負けた事ですか??別に今更じゃないですか」
「なんで知ってるのよ、上手く秘匿できたと思ったのに」
「いえ、私その場に居ましたし」
「あれぇ??」
もしかしてお脳まで筋肉でマッスルになっちゃったんでしょうか??
私終始その場に居て、審判してたのに。
思い返すなぁ、あの一秒試合。
妖精メイド最弱の子相手で一秒も持たずにダウン。
あれで結構傷ついたんでしょうか??
「まあ、それで思ったわけよ。このままじゃダメだって。
だって妖精相手に、ねぇ??
軽く死にたくなったけど、それを押さえて発見したのがこの魔法よ」
「プロテイン??」
「それは私の健康飲料。
このページを見てごらんなさい」
「マッチョな男しか写ってませんが??」
「あら、本を間違えたわ」
どうやったら魔道書と雑誌を間違えれるんでしょう??
やっぱりお脳まで筋肉になったんでしょうか??
「これよこれ」
本の山を豪快に吹き飛ばしながら戻ってきたパチュリー様、いえこの場合はマッチョでムキムキなパチュリー様。
略してマチョリー様とお呼びしましょうか。
本来のパチュリー様に失礼ですしね。
「筋肉魔法??誰です、こんな脳みそマスタースパークな魔法作ったの」
「さぁ??誰でもいいじゃない。御陰で私は貧弱、虚弱、最弱、な三弱ボディを捨てれたんだから」
「個人的にはあのボディに私、萌え萌えでしたが」
というか、今のマチョリー様に萌えるのは不可能です。
パッと見た感じ男、いえ漢ですし。
真性のレズを自称する私としては専門外です。
でもホント誰が作ったんでしょうね、このアホ魔法。
制作者は死ねばいいのに。
「で、その体でどうする気ですか、マチョリー様」
「マチョリーって誰よ」
とりあえずマチョリー様は自覚が無いようでしたので優しく指差してあげます。
可哀想な子にもなんて優しいんでしょう、私。
ついつい自分を自分で褒めちゃいますね。
「マチョリーは気に入ったしいいわ、それより今日こそは魔理沙を撃退するわよ」
「撃破の間違いではないでしょうか??」
一撃でも当ったら幾らゴキb、いえ魔理沙さんでも死んじゃいそうです。
きっとミンチですね、きゃほーう。
あ、失言でした。
でも私思います、全裸はヤバイですよ。
仮にも私の元主、鴉天狗にこんな恥ずかしい所を取られて新聞に載せられたら私首吊ります。
だって、絶対あのぶん屋、モザイク技術持ってないですよ。
あ、なら私がモザイクしたらいいや。
「小悪魔マジック」
とりあえず青少年の教育にヤバソウな部分は全部モザイクです。
あれ??マチョリー様は何所に??
「小悪魔、とりあえず全身モザイク、尚且つ声までマシンボイスなのは何故かしら」
ああ、全てが青少年の教育に宜しくないんですね、マチョリー様。
見ていて辛いですから元の激萌え主に戻ってください。
あと、一応最低限だけ隠します、それは勘弁してください。
「でも断るわ」
「私口に出てました??」
「ええ、はっきりと」
「そうですか」
「弁明すらしないのね、あなた」
「それが小悪魔です、マチョリー様」
未だにマチョリー様は不服そうでしたが、門から響いた爆音で目が輝きます。
さようなら、魔理沙さん。
お墓にはマチョリー様の写真を飾ってあげます。
「やっほーパチュリー、また本を借りに来たぜ」
「借りれるかしら??」
「ぶばっ」
汚いですね、図書館で唾を飛ばさないで下さい。
いえ、気持ちは解りますけど。
「ななななななななななななな」
「ふふ、驚いてるわね、魔理沙」
誰でも驚きますマチョリー様。
「ちなみに元、パチュリー様です」
「嘘だっ」
「本当です」
「本当よ」
現実って残酷ですね。
でも、魔理沙さんの気持ちも解らなくはないんです。
私だって心の何処かでは未だに否定したいんですから。
「それじゃあ行くわよ魔理沙、本は一冊たりとて持ち出せるとは思わないことね」
そう言うと、マチョリー様は一気に空を飛んでいる魔理沙さんまでジャンプしました。
元気ですね。げっそりしますよ。
「とりあえずマスタースパーク」
「無駄ァッ」
嘘おっ
魔理沙さんの顔はそう語っていました。
だって、一撃必殺なマスタースパークを筋肉で弾いたんですから。
誰が吹き飛んだ屋根を修理すると思ってるんでしょうね、この二人。
「くくくくくく、くるなぁ」
「ふふ、可愛いわよ魔理沙」
本棚を蜘蛛のように移動しながら魔理沙さんを追うマチョリー様。
とりあえず落ちた本を元に戻すのは誰だと思ってるんでしょうね。
「捕まえたっ」
「んなっ」
シュバッと本棚から跳躍し、魔理沙さんに抱きついたマチョリー様。
倒れてドミノみたいになっちゃった本棚、誰が直すんでしょうね。
私は知りませんよ。
「今よ、今こそ決めるのよ、マチョリー秘技マッチョフラーシュッ」
瞬間、マチョリー様の逞しい筋肉が発光しました。ありえません。
一体どんな体の構造をしているのでしょうか。
少なくとも魔法を唱えるだけの知力は残ってないと判断していたのですが。
あと、私が無事なのは本で光を遮ったからです。
役に立ちますね、この「恋敵を殺す108の方法 著アリス・マーガトロイド」
ちなみに私の愛読書です。
「う、あ」
「くくくっ、魔理沙は貰ったわ。ざまぁ見なさいアリスっ」
なんだかマチョリー様が悪役に見えます。
とりあえず構図は美女と野獣??
「さ、めくるめく官能の世界にレッツGOよ魔理沙」
ああ、このまま魔理沙さんはマチョリー様に食べられてしまうのでしょうか??
それはそれで興奮しますね、魔理沙さんも可愛いですし。
言わせて貰えば私、飢えてるんです。萌えに。
「パチェー、居るー、居るわよねー」
ああ、お嬢様、なんてタイミング。
私が振り返ると其処には、ドアノブを掴んだ状態で固まったお嬢様と、同じ様に固まった咲夜さんでした。
◇◇◇◇◇◇
「ふう、今日は目覚めがいいわね。何かいい事が起こりそうな予感がするわ」
普段ならもっとぐっすりと眠っているのだが、今日は特別に目覚めが早かった。
きっと今日はいい事が起きるだろう。
「そう思わない??咲夜」
「それはお嬢様の能力ですか??」
「いいえ、予感よ」
何時の間にか待機しており、私の服を差し出す咲夜に朝の挨拶を交わして着替えさしてもらう。
べ、別に自分で着替えれないわけじゃないわよ??
私ほど高貴な者になると従者が世話をするんだから。って咲夜が言ってた。
「お嬢様、今日はシリアスなんですね」
「なんの事かさっぱりね、レミリアわかんない」
とりあえず、適当にはぐらかす。
やっぱり咲夜から見ると普段の私は異常なのだろうか??
ただ、フランへの愛で溢れてるだけなのに。
「今日は折角早く起きたのだから図書館に行きましょ」
「かしこまりましたお嬢様、朝食はどうなされます??」
「パチェと一緒に食べるわ」
時間的に言えばパチェは昼食になるのだが、小食だから実質朝食と変らない。
それに、断る理由なんて無いだろうから久しぶりに親友と食事を楽しもう。
そう思っていた時期が私にもありました。
◇◇◇◇◇◇
あーあ、お嬢様この世の終わりみたいな表情ですね。
でもなんかそそります。
「あらレミィ、今日は早いのね。でも今忙しいの、後にして頂戴」
マチョリー様がそう言うと、お嬢様はツカツカと私の方に歩いてきます。
愛の告白でしょうか??
「ちょっと来なさい」
ますます胸が高鳴りますね。
「で、どういう事??あれ誰」
「誰って、マチョリー様です。マッチョでムキムキなパチュリー様」
「そう、アレがパチェなのね、夢かしら??」
「そうだったら幸せだと思います」
結果として、お嬢様は早い段階で納得された。
咲夜さんは未だに別世界に逃避中だが。
「うふふ、お嬢様~咲夜は、咲夜は幸せですわ~」
どんな夢見てるんだろう、この色ボケメイド。
とりあえず現実を見ろよ。
そんな意味を込めて本を投げつけます。
ちなみにタイトルは「これでアナタもムキムキ??特集夏の漢達。ウホッ、イイ筋肉フェスティバル 発行 香霖堂」です。
パチュリー様が見せてくれた雑誌ですね。
「はっ、私は何を」
額にタンコブを作らせて目じりに涙を溜めた咲夜さん、萌え。
まあ、それは兎も角。
マチョリー様をこのままにして置けません。
この後の予定は有ろうことか妹様の勉強時間です。
最悪ですよ。
もしかしたら、「今日は筋肉のお勉強よ」みたいな流れになりかねませんよ。
「お嬢様、このままではマチョリー様が妹様のお勉強に行ってしまいます」
「なんですって、魔理沙だけじゃなくてフランまで毒牙にかける気なの、あの化物め」
あの、一応親友ですよ。元だろうけど。
「こうしては居られないわ、さっそく化物を止めるわよ、咲夜」
「はい、お嬢様」
凛々しいですねぇ、でも数分後には地べた這い蹲って床の味を味わうんです。
魔理沙さんに負けた後の私や、美鈴さんのように。
「行くわよっ、化物覚悟っ」
「これもメイドの務めっ」
雄雄しく図書館の中に突っ込んでいきましたが、直に静かになりましたね。
怖いですけどそーと、少しだけ覗いて見ましょうか??
「れみゃー」
「あうー」
瞬殺でしたね、二人ともまるでヤム○ャのようにクレーターにめり込んでます。
自爆でもされたんでしょうか??
少なくとも咲夜さんは致命傷です。
「妖精メイドーーーーーっ」
とりあえず応援を呼んでおきました。
さて、私はマチョリー様を止めましょうか。
「ちょ、待ちなさいよ、小悪…魔 ガクッ」
「ゲフッ、ああ羨ましい胸を持った死神が見える」
「メソメソ、もうお嫁にいけないぜ」
「あ、ちょっと咲夜さんお話が」
最後に少しだけ咲夜さんに頼みが………
◇◇◇◇◇◇
「そろそろパチュリーが来る時間だなぁ」
壁に掛けられた時計を見ていると、勝手に溜息が零れる。
でも仕方無いと思う。
だって、パチュリーの授業はイマイチ面白くない。
というか勉強したくない、遊びたい。
でも、一緒に紅茶とケーキを持ってきてくれるからそこは好き。
ドンドンッ
「だーれー」
と言っても答えは決まってる。
この扉を開けたら其処に立っているのは―――――――
「マチョリーです」
とりあえず全速で扉を閉めた。
なんなのだろうか、アレは。
一瞬で確信した、アレは壊せない。
無理だ、きっと私の能力はアレ意外の全てを破壊する能力だ。間違いない。
「なんで閉めるんですか、開けてください妹様」
「あ、アナタなんて知らないわっ」
「何言ってるんですか、私ですよ、マチョリーです」
「それが誰だって言ってるのよっ」
「ですから、元パチュリーのマチョリーです」
…………え??
パチュリー、だって??
え、でも、だって、パチュリーは貧弱、軟弱、最弱の三弱が揃った紫もやし………
あんなムキムキマッチョじゃなかった筈。
うーん、数週間見てなかったけど、そんなに変化するのかなぁ??
ってんな訳ないでしょ。
「開けてくれないなら吹き飛ばしますよ??」
「うえぃ!!」
なんてヤツだ、仮にも親友の妹の部屋のドアを吹き飛ばすなんて。
コイツには常識がないのかっ。森へ帰れ。
「ヌォォォォォリャァァァァッ」
ズガシャーーンと轟音を立てて吹き飛んだドアをスレスレで回避すると、マチョリーを観察する。
無駄の有りまくる肉付き。というか見せ筋肉にしか見えない。
引き締まった顔。どこがパチュリーだよ。
頭に飾り程度で乗った帽子。似合わない。
そして、体の大切な所に何故かあるモザイク。
これの所為でイヤらしくなっていると思う。
少なくともコレの裸体なら見せても削除されないと思う。たぶん。
「さ、妹様、紅茶です。残念ながらケーキは誰も作ってくれませんでした」
そりゃぁそうだろう、正直私だってこのカオスから逃げ出したいのだから。
っていうか助けておねえーさまーっ。
「ちなみに本日の紅茶は血を抜きにしてプロテイン入りです」
私にも仲間になれと、そういう事だろうか??
それは断固として拒否する。
お姉さまの妹として生を受けて495年、これほどの嫌悪は初めてだ。
そんな紅茶破壊しろと私の中で何かが語りかける。
しかし、それをやった瞬間私は死ぬだろう。
あの剛腕で。きっとミンチだ。
「そこまでです、マチョリー様」
「む、小悪魔。私に何の用かしら??」
「それ以上の暴挙は許されません」
「誰に向かって口を聞いているのかしら、私はアナタの主よ」
「残念です、マチョリー様。私の主はアナタではなく、最萌えのパチュリー様に他なりません」
凄い、小悪魔カッコイイ。最後のセリフがなければ。
とりあえず逃げるにはチャンス??
そーと、そーと出口を目指して……
「逃がさないわよ」
「ひぃぃぃ」
私を握りつぶさんばかりの握力で掴んでくる、痛い痛い痛い。
審判、しんぱーーーーーーんっ。
「フランに何やってるのよ、この変態っ。森へ帰れっ」
「お姉さまっ!!」
凄まじい勢いで放たれたグングニルはマチョリーの背中に当り、その衝撃で私は解放された。
でも、アレすらも弾く筋肉にどうやって勝てば……
「レミィィィィィィィィィィィィ、オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ」
「ちょ、ま、痛い痛い痛い」
お姉さまが危ない!!今度は私が助けないと。
こんな時にはこれよね、レーヴァンテイン。
「邪魔をするなぁっ」
「妹様、危ないっ」
小悪魔に突き飛ばされ、私はマチョリーの鉄拳から逃れた。
鉄拳が当った所の壁は見事に崩されている。恐ろしい。
「オラァッ」
「あべしっ」
気が付いたらお姉さまはやられていた。
とりあえず地面に倒れ伏したお姉さまの頭を抱え上げる。
「ふふ、情けないわね」
「お姉さま……………」
「ごめんなさい、フラン」
「おねえさまーーーーーー」
ナデナデ
お姉さま、どうして折角壊れギャグからシリアスになれたのに壊すような事をするのかな??
妹のお尻を撫でる姉なんて要らないや、とりあえず壊しちゃおうか。
「あらフラン、ドロワーズはどうしたの??白い下着が丸見えよ」
「えいっ」
とりあえずお姉さまを黙らせると、怪しげなポーズを決めているマチョリーにレーヴァンテインを構える。
「お姉さまの仇っ」
「黙らせたのはアナタなんだけどね」
「マチョリー、覚悟っ」
「お待ちください妹様っ」
「小悪魔、邪魔しないで」
「マチョリー様、一つミスを犯しましたね」
「なんですって??」
「アナタは私にあの本を見せるべきじゃなかった」
「どういう事かしら??」
「マチョリー様、静かにお眠りください」
「なんですt―――――グブハッ」
なんでか突然マチョリーがパチュリーのように吐血した。
ドバドバと、でも到底啜る気にはなれない。
そして、マチョリーから元に戻ったパチュリーは自らの血の海に沈んだ。
今なら壊せそうな気がしてきたよ。
「筋肉魔方陣を咲夜さんに消してもらいました。ただ咲夜さんの怪我の治療で時間がかかりましたが、ナイスタイミングです」
「空気を呼んだのよ、感謝して頂戴」
そこには全身各所に包帯を巻いた咲夜が居た。
ちょっと驚き、何時から居たんだろう。
「魔方陣が本に埋もれてて探すのが大変だったわ」
「でもまさか弾幕まで跳ね返す筋肉魔法が魔方陣が消えたら魔法も消えるなんて夢にも思いませんよ」
「ホントによくやったわ小悪魔、でお嬢様は??」
「あそこです」
小悪魔の指差した先には私のベットの上で私の枕を抱きしめて転がりまくるお姉さま。
あれ、なんだか目から汁が………
おかしいな??お父様に閉じ込められた日から泣かないって決めたのに。
「きゃーフランの枕イイ匂いぃぃぃーーーーー」
「お姉さまのバカァーーーーーー」
「だ、誰か治療を…………」
「「「うるさい黙れ」」」
待ちわびていたわ、この日を。
この、構想三週間、書き一週間掛けた魔法陣で私は更なる高みへと登れる。
もう魔理沙に本を盗ませたり、貧弱もやしだとか言わせないわ。
あっ、興奮しすぎて口から血が……
ふう、危なく自分の血で魔方陣を消す所だったわ。
でも、そんなミスは犯さない。
それが私、パチュリー・ノーレッジ。
さて、それじゃあ行ってみましょうか??
◇◇◇◇◇◇◇
「ふぅあぁ~」
うーん、今日もいい天気ですね。気持ちがいいです。
こんな天気の日には良い事が起きそうな予感がしますね。
小悪魔わくわくです。
「それじゃあパチュリー様を起こしに行きましょうか」
寝巻きから着替え、普段着になると毎朝の始めの仕事をしにパチュリー様の寝室へ。
これを欠かしては私は生きていけません。
パチュリー様、今日も可愛らしい寝顔で私を癒してくださいね??
「失礼しまーす」
「あら小悪魔、おはよう」
「誰でしょうか??」
とっさにそう答えちゃいました。
でもコレは夢ですね、だって、だって。
パチュリー様がマッチョで、全裸で、変なポージングしてるなんて夢意外ありえないですよ。
って言うかどんな悪夢ですか、コレは。
なんかの嫌がらせですか。
私が何したって言うんですか。
「どうしたの小悪魔、私よ、パチュリーよ」
「私の知り会いに全裸でマッチョでポージング決めてる人なんて居ません、妖怪にも」
私がそう言うと、パチュリー様は少し考え込みました。
とりあえず服着てください、不審者さん。
「じゃあどうしたら信じてくれるかしら??」
「とりあえず服を着てくれたら話は聞いてあげます」
「そう、でも無理ね。だって服が入らないんだもん」
もん、なんて可愛らしく言われても気持ち悪いだけです。
でも困りました、体長2mは有ろうかというこの不審者さんに着せて上げれる服がありません。
「着ていた服は破れちゃったし」
不審者さんの視線を辿ると、床には奇妙な魔方陣と、ビリビリに破けたパチュリー様の寝巻き。
ってあれ??もしかして、もしかすると…………
「パチュリー様??」
「その通りよ、なんで気付かないのかしら??」
いえ、髪が紫で、帽子被ってる意外全部マッチョの男にしか見えませんよ。
誰が気が付くんですか。
長年一緒に居た私ですら気が付かなかったのに。
「でもなんでそんなムキムキに、萌えないじゃないですか」
「小悪魔が何を言ってるかさっぱりだけどね、コレには深い理由があるのよ」
「腕相撲で妖精メイドに負けた事ですか??別に今更じゃないですか」
「なんで知ってるのよ、上手く秘匿できたと思ったのに」
「いえ、私その場に居ましたし」
「あれぇ??」
もしかしてお脳まで筋肉でマッスルになっちゃったんでしょうか??
私終始その場に居て、審判してたのに。
思い返すなぁ、あの一秒試合。
妖精メイド最弱の子相手で一秒も持たずにダウン。
あれで結構傷ついたんでしょうか??
「まあ、それで思ったわけよ。このままじゃダメだって。
だって妖精相手に、ねぇ??
軽く死にたくなったけど、それを押さえて発見したのがこの魔法よ」
「プロテイン??」
「それは私の健康飲料。
このページを見てごらんなさい」
「マッチョな男しか写ってませんが??」
「あら、本を間違えたわ」
どうやったら魔道書と雑誌を間違えれるんでしょう??
やっぱりお脳まで筋肉になったんでしょうか??
「これよこれ」
本の山を豪快に吹き飛ばしながら戻ってきたパチュリー様、いえこの場合はマッチョでムキムキなパチュリー様。
略してマチョリー様とお呼びしましょうか。
本来のパチュリー様に失礼ですしね。
「筋肉魔法??誰です、こんな脳みそマスタースパークな魔法作ったの」
「さぁ??誰でもいいじゃない。御陰で私は貧弱、虚弱、最弱、な三弱ボディを捨てれたんだから」
「個人的にはあのボディに私、萌え萌えでしたが」
というか、今のマチョリー様に萌えるのは不可能です。
パッと見た感じ男、いえ漢ですし。
真性のレズを自称する私としては専門外です。
でもホント誰が作ったんでしょうね、このアホ魔法。
制作者は死ねばいいのに。
「で、その体でどうする気ですか、マチョリー様」
「マチョリーって誰よ」
とりあえずマチョリー様は自覚が無いようでしたので優しく指差してあげます。
可哀想な子にもなんて優しいんでしょう、私。
ついつい自分を自分で褒めちゃいますね。
「マチョリーは気に入ったしいいわ、それより今日こそは魔理沙を撃退するわよ」
「撃破の間違いではないでしょうか??」
一撃でも当ったら幾らゴキb、いえ魔理沙さんでも死んじゃいそうです。
きっとミンチですね、きゃほーう。
あ、失言でした。
でも私思います、全裸はヤバイですよ。
仮にも私の元主、鴉天狗にこんな恥ずかしい所を取られて新聞に載せられたら私首吊ります。
だって、絶対あのぶん屋、モザイク技術持ってないですよ。
あ、なら私がモザイクしたらいいや。
「小悪魔マジック」
とりあえず青少年の教育にヤバソウな部分は全部モザイクです。
あれ??マチョリー様は何所に??
「小悪魔、とりあえず全身モザイク、尚且つ声までマシンボイスなのは何故かしら」
ああ、全てが青少年の教育に宜しくないんですね、マチョリー様。
見ていて辛いですから元の激萌え主に戻ってください。
あと、一応最低限だけ隠します、それは勘弁してください。
「でも断るわ」
「私口に出てました??」
「ええ、はっきりと」
「そうですか」
「弁明すらしないのね、あなた」
「それが小悪魔です、マチョリー様」
未だにマチョリー様は不服そうでしたが、門から響いた爆音で目が輝きます。
さようなら、魔理沙さん。
お墓にはマチョリー様の写真を飾ってあげます。
「やっほーパチュリー、また本を借りに来たぜ」
「借りれるかしら??」
「ぶばっ」
汚いですね、図書館で唾を飛ばさないで下さい。
いえ、気持ちは解りますけど。
「ななななななななななななな」
「ふふ、驚いてるわね、魔理沙」
誰でも驚きますマチョリー様。
「ちなみに元、パチュリー様です」
「嘘だっ」
「本当です」
「本当よ」
現実って残酷ですね。
でも、魔理沙さんの気持ちも解らなくはないんです。
私だって心の何処かでは未だに否定したいんですから。
「それじゃあ行くわよ魔理沙、本は一冊たりとて持ち出せるとは思わないことね」
そう言うと、マチョリー様は一気に空を飛んでいる魔理沙さんまでジャンプしました。
元気ですね。げっそりしますよ。
「とりあえずマスタースパーク」
「無駄ァッ」
嘘おっ
魔理沙さんの顔はそう語っていました。
だって、一撃必殺なマスタースパークを筋肉で弾いたんですから。
誰が吹き飛んだ屋根を修理すると思ってるんでしょうね、この二人。
「くくくくくく、くるなぁ」
「ふふ、可愛いわよ魔理沙」
本棚を蜘蛛のように移動しながら魔理沙さんを追うマチョリー様。
とりあえず落ちた本を元に戻すのは誰だと思ってるんでしょうね。
「捕まえたっ」
「んなっ」
シュバッと本棚から跳躍し、魔理沙さんに抱きついたマチョリー様。
倒れてドミノみたいになっちゃった本棚、誰が直すんでしょうね。
私は知りませんよ。
「今よ、今こそ決めるのよ、マチョリー秘技マッチョフラーシュッ」
瞬間、マチョリー様の逞しい筋肉が発光しました。ありえません。
一体どんな体の構造をしているのでしょうか。
少なくとも魔法を唱えるだけの知力は残ってないと判断していたのですが。
あと、私が無事なのは本で光を遮ったからです。
役に立ちますね、この「恋敵を殺す108の方法 著アリス・マーガトロイド」
ちなみに私の愛読書です。
「う、あ」
「くくくっ、魔理沙は貰ったわ。ざまぁ見なさいアリスっ」
なんだかマチョリー様が悪役に見えます。
とりあえず構図は美女と野獣??
「さ、めくるめく官能の世界にレッツGOよ魔理沙」
ああ、このまま魔理沙さんはマチョリー様に食べられてしまうのでしょうか??
それはそれで興奮しますね、魔理沙さんも可愛いですし。
言わせて貰えば私、飢えてるんです。萌えに。
「パチェー、居るー、居るわよねー」
ああ、お嬢様、なんてタイミング。
私が振り返ると其処には、ドアノブを掴んだ状態で固まったお嬢様と、同じ様に固まった咲夜さんでした。
◇◇◇◇◇◇
「ふう、今日は目覚めがいいわね。何かいい事が起こりそうな予感がするわ」
普段ならもっとぐっすりと眠っているのだが、今日は特別に目覚めが早かった。
きっと今日はいい事が起きるだろう。
「そう思わない??咲夜」
「それはお嬢様の能力ですか??」
「いいえ、予感よ」
何時の間にか待機しており、私の服を差し出す咲夜に朝の挨拶を交わして着替えさしてもらう。
べ、別に自分で着替えれないわけじゃないわよ??
私ほど高貴な者になると従者が世話をするんだから。って咲夜が言ってた。
「お嬢様、今日はシリアスなんですね」
「なんの事かさっぱりね、レミリアわかんない」
とりあえず、適当にはぐらかす。
やっぱり咲夜から見ると普段の私は異常なのだろうか??
ただ、フランへの愛で溢れてるだけなのに。
「今日は折角早く起きたのだから図書館に行きましょ」
「かしこまりましたお嬢様、朝食はどうなされます??」
「パチェと一緒に食べるわ」
時間的に言えばパチェは昼食になるのだが、小食だから実質朝食と変らない。
それに、断る理由なんて無いだろうから久しぶりに親友と食事を楽しもう。
そう思っていた時期が私にもありました。
◇◇◇◇◇◇
あーあ、お嬢様この世の終わりみたいな表情ですね。
でもなんかそそります。
「あらレミィ、今日は早いのね。でも今忙しいの、後にして頂戴」
マチョリー様がそう言うと、お嬢様はツカツカと私の方に歩いてきます。
愛の告白でしょうか??
「ちょっと来なさい」
ますます胸が高鳴りますね。
「で、どういう事??あれ誰」
「誰って、マチョリー様です。マッチョでムキムキなパチュリー様」
「そう、アレがパチェなのね、夢かしら??」
「そうだったら幸せだと思います」
結果として、お嬢様は早い段階で納得された。
咲夜さんは未だに別世界に逃避中だが。
「うふふ、お嬢様~咲夜は、咲夜は幸せですわ~」
どんな夢見てるんだろう、この色ボケメイド。
とりあえず現実を見ろよ。
そんな意味を込めて本を投げつけます。
ちなみにタイトルは「これでアナタもムキムキ??特集夏の漢達。ウホッ、イイ筋肉フェスティバル 発行 香霖堂」です。
パチュリー様が見せてくれた雑誌ですね。
「はっ、私は何を」
額にタンコブを作らせて目じりに涙を溜めた咲夜さん、萌え。
まあ、それは兎も角。
マチョリー様をこのままにして置けません。
この後の予定は有ろうことか妹様の勉強時間です。
最悪ですよ。
もしかしたら、「今日は筋肉のお勉強よ」みたいな流れになりかねませんよ。
「お嬢様、このままではマチョリー様が妹様のお勉強に行ってしまいます」
「なんですって、魔理沙だけじゃなくてフランまで毒牙にかける気なの、あの化物め」
あの、一応親友ですよ。元だろうけど。
「こうしては居られないわ、さっそく化物を止めるわよ、咲夜」
「はい、お嬢様」
凛々しいですねぇ、でも数分後には地べた這い蹲って床の味を味わうんです。
魔理沙さんに負けた後の私や、美鈴さんのように。
「行くわよっ、化物覚悟っ」
「これもメイドの務めっ」
雄雄しく図書館の中に突っ込んでいきましたが、直に静かになりましたね。
怖いですけどそーと、少しだけ覗いて見ましょうか??
「れみゃー」
「あうー」
瞬殺でしたね、二人ともまるでヤム○ャのようにクレーターにめり込んでます。
自爆でもされたんでしょうか??
少なくとも咲夜さんは致命傷です。
「妖精メイドーーーーーっ」
とりあえず応援を呼んでおきました。
さて、私はマチョリー様を止めましょうか。
「ちょ、待ちなさいよ、小悪…魔 ガクッ」
「ゲフッ、ああ羨ましい胸を持った死神が見える」
「メソメソ、もうお嫁にいけないぜ」
「あ、ちょっと咲夜さんお話が」
最後に少しだけ咲夜さんに頼みが………
◇◇◇◇◇◇
「そろそろパチュリーが来る時間だなぁ」
壁に掛けられた時計を見ていると、勝手に溜息が零れる。
でも仕方無いと思う。
だって、パチュリーの授業はイマイチ面白くない。
というか勉強したくない、遊びたい。
でも、一緒に紅茶とケーキを持ってきてくれるからそこは好き。
ドンドンッ
「だーれー」
と言っても答えは決まってる。
この扉を開けたら其処に立っているのは―――――――
「マチョリーです」
とりあえず全速で扉を閉めた。
なんなのだろうか、アレは。
一瞬で確信した、アレは壊せない。
無理だ、きっと私の能力はアレ意外の全てを破壊する能力だ。間違いない。
「なんで閉めるんですか、開けてください妹様」
「あ、アナタなんて知らないわっ」
「何言ってるんですか、私ですよ、マチョリーです」
「それが誰だって言ってるのよっ」
「ですから、元パチュリーのマチョリーです」
…………え??
パチュリー、だって??
え、でも、だって、パチュリーは貧弱、軟弱、最弱の三弱が揃った紫もやし………
あんなムキムキマッチョじゃなかった筈。
うーん、数週間見てなかったけど、そんなに変化するのかなぁ??
ってんな訳ないでしょ。
「開けてくれないなら吹き飛ばしますよ??」
「うえぃ!!」
なんてヤツだ、仮にも親友の妹の部屋のドアを吹き飛ばすなんて。
コイツには常識がないのかっ。森へ帰れ。
「ヌォォォォォリャァァァァッ」
ズガシャーーンと轟音を立てて吹き飛んだドアをスレスレで回避すると、マチョリーを観察する。
無駄の有りまくる肉付き。というか見せ筋肉にしか見えない。
引き締まった顔。どこがパチュリーだよ。
頭に飾り程度で乗った帽子。似合わない。
そして、体の大切な所に何故かあるモザイク。
これの所為でイヤらしくなっていると思う。
少なくともコレの裸体なら見せても削除されないと思う。たぶん。
「さ、妹様、紅茶です。残念ながらケーキは誰も作ってくれませんでした」
そりゃぁそうだろう、正直私だってこのカオスから逃げ出したいのだから。
っていうか助けておねえーさまーっ。
「ちなみに本日の紅茶は血を抜きにしてプロテイン入りです」
私にも仲間になれと、そういう事だろうか??
それは断固として拒否する。
お姉さまの妹として生を受けて495年、これほどの嫌悪は初めてだ。
そんな紅茶破壊しろと私の中で何かが語りかける。
しかし、それをやった瞬間私は死ぬだろう。
あの剛腕で。きっとミンチだ。
「そこまでです、マチョリー様」
「む、小悪魔。私に何の用かしら??」
「それ以上の暴挙は許されません」
「誰に向かって口を聞いているのかしら、私はアナタの主よ」
「残念です、マチョリー様。私の主はアナタではなく、最萌えのパチュリー様に他なりません」
凄い、小悪魔カッコイイ。最後のセリフがなければ。
とりあえず逃げるにはチャンス??
そーと、そーと出口を目指して……
「逃がさないわよ」
「ひぃぃぃ」
私を握りつぶさんばかりの握力で掴んでくる、痛い痛い痛い。
審判、しんぱーーーーーーんっ。
「フランに何やってるのよ、この変態っ。森へ帰れっ」
「お姉さまっ!!」
凄まじい勢いで放たれたグングニルはマチョリーの背中に当り、その衝撃で私は解放された。
でも、アレすらも弾く筋肉にどうやって勝てば……
「レミィィィィィィィィィィィィ、オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ」
「ちょ、ま、痛い痛い痛い」
お姉さまが危ない!!今度は私が助けないと。
こんな時にはこれよね、レーヴァンテイン。
「邪魔をするなぁっ」
「妹様、危ないっ」
小悪魔に突き飛ばされ、私はマチョリーの鉄拳から逃れた。
鉄拳が当った所の壁は見事に崩されている。恐ろしい。
「オラァッ」
「あべしっ」
気が付いたらお姉さまはやられていた。
とりあえず地面に倒れ伏したお姉さまの頭を抱え上げる。
「ふふ、情けないわね」
「お姉さま……………」
「ごめんなさい、フラン」
「おねえさまーーーーーー」
ナデナデ
お姉さま、どうして折角壊れギャグからシリアスになれたのに壊すような事をするのかな??
妹のお尻を撫でる姉なんて要らないや、とりあえず壊しちゃおうか。
「あらフラン、ドロワーズはどうしたの??白い下着が丸見えよ」
「えいっ」
とりあえずお姉さまを黙らせると、怪しげなポーズを決めているマチョリーにレーヴァンテインを構える。
「お姉さまの仇っ」
「黙らせたのはアナタなんだけどね」
「マチョリー、覚悟っ」
「お待ちください妹様っ」
「小悪魔、邪魔しないで」
「マチョリー様、一つミスを犯しましたね」
「なんですって??」
「アナタは私にあの本を見せるべきじゃなかった」
「どういう事かしら??」
「マチョリー様、静かにお眠りください」
「なんですt―――――グブハッ」
なんでか突然マチョリーがパチュリーのように吐血した。
ドバドバと、でも到底啜る気にはなれない。
そして、マチョリーから元に戻ったパチュリーは自らの血の海に沈んだ。
今なら壊せそうな気がしてきたよ。
「筋肉魔方陣を咲夜さんに消してもらいました。ただ咲夜さんの怪我の治療で時間がかかりましたが、ナイスタイミングです」
「空気を呼んだのよ、感謝して頂戴」
そこには全身各所に包帯を巻いた咲夜が居た。
ちょっと驚き、何時から居たんだろう。
「魔方陣が本に埋もれてて探すのが大変だったわ」
「でもまさか弾幕まで跳ね返す筋肉魔法が魔方陣が消えたら魔法も消えるなんて夢にも思いませんよ」
「ホントによくやったわ小悪魔、でお嬢様は??」
「あそこです」
小悪魔の指差した先には私のベットの上で私の枕を抱きしめて転がりまくるお姉さま。
あれ、なんだか目から汁が………
おかしいな??お父様に閉じ込められた日から泣かないって決めたのに。
「きゃーフランの枕イイ匂いぃぃぃーーーーー」
「お姉さまのバカァーーーーーー」
「だ、誰か治療を…………」
「「「うるさい黙れ」」」
つ新ジャンル「図書館の妖精 マチョリー・ヘリントン」
言いたい事はたくさんあるがマチョリーで噴出した麦茶の弁償を(ry
美魚「筋肉いぇいいぇーい!」
さぁ、頬をつねって目を覚まそう・・・
ではレス返しを。
1>
萌えたら神です、マチョリー。
2>
残念ながらSSの被害における弁償は行っておりません、マチョリーを恨んで下さい。
3>
門番まで暴走しましたね、まあ構想段階で考えましたが。
4>
現実です、諦めてマチョリーを見つめてください。小悪魔のように。
面白かったです
レミリアの妹様大好きっぷりに惚れました
本のタイトルで毎回盛大に吹いた自分が居ます・・w
これからもマチョリーでいてください
こんな現実イヤァ!!!!
小悪魔が「きゃほーう」含め可愛すぎます、萌え。
……真に気にすべきはマチョリーではなく、全く自分を押さえようとしない小悪魔とレミリアだと思うのですよ。
あとフランちゃんにあやまれ!!
それとは関係なしにすごく面白かったです
マッチョは嫌だけど、ほどほどに筋肉のついたフランは見たいな
もう少し見てから考えるべきだったかな??でも後悔はしていない。
筋肉のついたフランちゃんか……
マトモなのが門番しか居なくなる不思議。
とりあえずネタを考えます。たぶん。
しかしだな、いつも話をアクティブにひっかきまわす役の魔理沙が
これでもかといじられて弱ってるのがものすごくかわいくて嗜虐心をそそられて萌えるんだ。
がんばれがんばれマチョリーと思うんだけど、変態かな?かな?だよね。
今日も「キレ」てますよーーーーーーー!!!!!!!!!
ただ句読点の使い方もちょっとカオスな気がします
素晴らしいです
ステキなカオスを本当にありがとうございます
こ れ は ひ ど い
勿論いい意味でw
いやいや前後の文章ちゃんと読んでよ妹様、シリアスさの欠片も無かったでしょ!?