瞼の裏に光を感じ目を覚ます。目を開けると、朝日の光が飛び込んでくる。
「ん~~~~、おはようございます~」
誰に言うわけでもなく、挨拶する。
「……さてと」
枕元に置いてある小型のトランペットを手に取り、窓を開け放つ。
大きく息を吸い込み。
――――――吹いた。
みすちーが落ちた。
開けた窓のガラスが割れた。
西行寺のお嬢様が目を覚ました。たぶん。
吹くだけでは騒霊の名が廃れるので、最近はメロディもつけている。
リリカが香霖堂ってとこから手に入れた外の世界のファンファーレで、馬が走る時に鳴らすらしい。
テンポがいいので最近のお気に入りだ。
「さってと、朝ごはん朝ごはん」
お気に入りのピンクのパジャマを脱いだところで、鏡に目が行く。
大、並、並。
もうちょっとバランスよくならないものか。
が、人間とは違い成長しないので諦める。
大きいことはジャスティス!レッツボジティブシンキング!
「へぷちっ!ううう、寒い~」
などと考えていたら、肌寒くなってきたので、何時もの演奏服に着替える。
家の中なのでさすがに帽子は着けない。
トランペットを腰に装着。準備万端。
軽快な足取りで階下へ向かう。
リビングではルナサ姉さんが机に突っ伏していた。
「あれ~、姉さん、今朝も鬱入ってるの?」
「なんかまた悪夢見たんだって。毎度毎度よくやるよ」
キッチンから返事が返ってくる。
今日の当番はリリカだっけ。包丁の刻むリズムが心地よい。
「そうなの?じゃちょっとぐるぐるして元気出さないとねー」
ぐるぐるぐるぐる~。
「メルラン、頭を無理矢理180度回そうとするのはやめてくれる……?」
「よかった姉さん。元気出たのね。後180度じゃなくて360度よ?」
「朝から生命の危機なんて感じたくない……」
「姉さんは、朝から元気よねぇ」
ため息をつきながらリリカが、朝食の乗ったトレイを持ってくる。
今日のメニューはイチゴジャムと食パンらしい。
さっき聞こえた包丁の音はなんだったんだろう。
「「「いただきま~す」」」
イチゴジャムを掬って、パンに塗っていく。
リリカは適当に。ルナサ姉さんは少量。そして、私は隅から隅まで目一杯。
「姉さん、太るよ?」
「運動するから問題ないわよ~」
「……」
「ほらほら、ルナサ姉さんももっと食べないと大きくなれないわよ~」
姉さんの食パンにジャムを分けてあげる。なんて姉思いな私なんだろう。
「……ぃらなぃ」
山盛りになったジャムを、瓶に戻していく。
「ちょっと、ルナサ姉さんそれ行儀悪いからやめてー!」
「んもぅ、リリカちゃんは落ち着きがないわねぇ」
「落ち着きとか、メルラン姉さんには言われたくない!」
「えぇー、私は落ち着いてるわよー」
「……はいはい、普段に比べたらそうかもね」
「むー」
朝食も済んで、出かけるメルランをリリカが呼び止める。
「あれ、姉さんどこいくの?」
「きょう~も墓場で運動会~」
「いつから夜雀になったのさ。今日はライブなんだからちゃんと遅刻しないでね?」
「わかってるわ~、じゃいってくるね」
「……」
無言で送ってくれるルナサ姉さん。
ライブまでには鬱が治まってるといいんだけど。
「単勝1.0倍の馬刺しー!!」
自分の叫び声で目を覚ます。。
「……あれ?馬刺しは?」
なにか馬っぽい音が聞こえた気がしたんだけど。
辺りを見回して、ここが自分の部屋だと気づく。
「くすん、馬刺しは夢だったのね」
本気で肩を落とす。どうせなら食べるとこまでみせてくれてもいいじゃない。
そうだ!寝なおして続きをみればいいのよ。
「というわけでおやすみ~」
「というわけで、じゃないです! 起きてください幽々子様ー!」
誰かに布団を奪われる。犯人はたぶん妖夢。犯人はおまえだ!
「ううう、寒いわ妖夢。布団返して~」
ゲージゼロのしゃがみ防御で頼んでみた。
「可愛く行ってもダメです。朝食の用意も済んでるんですから、早くお着替えになってください」
もう朝食ができているなんて幽々子びっくり。妖夢も成長したわね……。
脱いだ襦袢を妖夢に渡し、代わりにいつもの服を受け取る。
帯がうまく巻けずに苦戦していると妖夢が巻いてくれた。
「妖夢ぅ、服くらい自分で着れるわよ?」
「帯を巻けずに苦戦していた後でいっても説得力ないですよ」
いつもの帽子をかぶってお着替え終了。
朝食を取りに隣の部屋へ。
「さ、早く朝食を食べましょう。お味噌汁が冷めてしまいます」
「ねぇ妖夢。たまにはパン食になったりしないの?」
「そういうのは紅魔館でどうぞ」
以前、紅魔館で食べた暖かいコーンスープとこんがりやけた食パンの味を思い出す。
妖夢の和食もおいしいんだけど、変化に乏しいのよね。
「紅魔館に移住しようかしら」
「できもしないことを言わないでください」
最近妖夢にからかい甲斐が無くなってきたわ。きっと紫が苛めすぎたせいね。
さて、今日は何して遊ぼうかしら。
ふと目が覚める。
この広大な地下室に私を起こしにきてくれるメイドなんていない。
だから、好きな時に寝て、好きな時に起きる。
「おなかすいた……」
けど、血を吸いたいって気分でもない。
何重もの結界で構成された地下室の扉を見つめる。
「たまにはこっちから行ってもいいかな~」
きゅっと右手で扉をどかーん。
二週間ぶりのおっそっと~。
廊下をかっ飛んで厨房へ向かう。
たぶん咲夜なり誰かいるだろうから、ご飯作ってもらおう。
厨房に近づいていくと、だんだんいい臭いが漂ってくる。
きっと咲夜が何か作ってるんだろう。
「さくやーーー! ご飯ちょうだーーーい!」
厨房の部屋を勢いよく開け放てば、珍しい顔。
「あっれー、美鈴? ご飯作ってるとか珍しいね」
「誰かと思えば、妹様じゃないですか。いきなりドア開けられるんで吃驚しましたよ」
なにか白いものをかき混ぜながら、美鈴は溜息をつく。
「なによそれー。で、美鈴何作ってるの?」
甘い臭いが食欲を刺激する。
「オートミールですよ。夜食にちょうどいいかと思いまして。」
「オートミール?」
「燕麦をミルクで茹でたものですよ。私のはちょっと砂糖で味付けしてますけど」
お粥とは違うのかな。
「ねぇねぇ美鈴。それちょーだい」
「はいはい、熱いから気をつけてくださいね」
そういって、おわんに掬ってくれる。
初めて食べたオートミ-ルはほんのり甘くておいしかった。
その後もオートミールを食べながら美鈴と色々話をしていた。
咲夜にいじめられるとか、名前を覚えてくれないとかそんな話し。
30分ほどで美鈴は門に帰っていった。てっきり朝だと思ったんだけど、実は昼間だったらしい。
夜が活動時間の吸血鬼にとって昼間は夜と同じ。道理でメイドが少ないわけだ。
咲夜もお姉さまも寝ているみたいだし、遊んでくれそうな相手はいない。
「ふわぁ~……あ……」
お腹が膨れたせいかまた眠くなってくる。今日は大人しく部屋に戻ろう。
明日は魔理沙が来てくれるといいな。
朝は誰にでも平等に訪れる。
そこには日の出もなにも関係ない。
目が覚めた時が朝なのだ。
だから、皆こう言うのだ。
「おはようございます」
と。
「ん~~~~、おはようございます~」
誰に言うわけでもなく、挨拶する。
「……さてと」
枕元に置いてある小型のトランペットを手に取り、窓を開け放つ。
大きく息を吸い込み。
――――――吹いた。
みすちーが落ちた。
開けた窓のガラスが割れた。
西行寺のお嬢様が目を覚ました。たぶん。
吹くだけでは騒霊の名が廃れるので、最近はメロディもつけている。
リリカが香霖堂ってとこから手に入れた外の世界のファンファーレで、馬が走る時に鳴らすらしい。
テンポがいいので最近のお気に入りだ。
「さってと、朝ごはん朝ごはん」
お気に入りのピンクのパジャマを脱いだところで、鏡に目が行く。
大、並、並。
もうちょっとバランスよくならないものか。
が、人間とは違い成長しないので諦める。
大きいことはジャスティス!レッツボジティブシンキング!
「へぷちっ!ううう、寒い~」
などと考えていたら、肌寒くなってきたので、何時もの演奏服に着替える。
家の中なのでさすがに帽子は着けない。
トランペットを腰に装着。準備万端。
軽快な足取りで階下へ向かう。
リビングではルナサ姉さんが机に突っ伏していた。
「あれ~、姉さん、今朝も鬱入ってるの?」
「なんかまた悪夢見たんだって。毎度毎度よくやるよ」
キッチンから返事が返ってくる。
今日の当番はリリカだっけ。包丁の刻むリズムが心地よい。
「そうなの?じゃちょっとぐるぐるして元気出さないとねー」
ぐるぐるぐるぐる~。
「メルラン、頭を無理矢理180度回そうとするのはやめてくれる……?」
「よかった姉さん。元気出たのね。後180度じゃなくて360度よ?」
「朝から生命の危機なんて感じたくない……」
「姉さんは、朝から元気よねぇ」
ため息をつきながらリリカが、朝食の乗ったトレイを持ってくる。
今日のメニューはイチゴジャムと食パンらしい。
さっき聞こえた包丁の音はなんだったんだろう。
「「「いただきま~す」」」
イチゴジャムを掬って、パンに塗っていく。
リリカは適当に。ルナサ姉さんは少量。そして、私は隅から隅まで目一杯。
「姉さん、太るよ?」
「運動するから問題ないわよ~」
「……」
「ほらほら、ルナサ姉さんももっと食べないと大きくなれないわよ~」
姉さんの食パンにジャムを分けてあげる。なんて姉思いな私なんだろう。
「……ぃらなぃ」
山盛りになったジャムを、瓶に戻していく。
「ちょっと、ルナサ姉さんそれ行儀悪いからやめてー!」
「んもぅ、リリカちゃんは落ち着きがないわねぇ」
「落ち着きとか、メルラン姉さんには言われたくない!」
「えぇー、私は落ち着いてるわよー」
「……はいはい、普段に比べたらそうかもね」
「むー」
朝食も済んで、出かけるメルランをリリカが呼び止める。
「あれ、姉さんどこいくの?」
「きょう~も墓場で運動会~」
「いつから夜雀になったのさ。今日はライブなんだからちゃんと遅刻しないでね?」
「わかってるわ~、じゃいってくるね」
「……」
無言で送ってくれるルナサ姉さん。
ライブまでには鬱が治まってるといいんだけど。
「単勝1.0倍の馬刺しー!!」
自分の叫び声で目を覚ます。。
「……あれ?馬刺しは?」
なにか馬っぽい音が聞こえた気がしたんだけど。
辺りを見回して、ここが自分の部屋だと気づく。
「くすん、馬刺しは夢だったのね」
本気で肩を落とす。どうせなら食べるとこまでみせてくれてもいいじゃない。
そうだ!寝なおして続きをみればいいのよ。
「というわけでおやすみ~」
「というわけで、じゃないです! 起きてください幽々子様ー!」
誰かに布団を奪われる。犯人はたぶん妖夢。犯人はおまえだ!
「ううう、寒いわ妖夢。布団返して~」
ゲージゼロのしゃがみ防御で頼んでみた。
「可愛く行ってもダメです。朝食の用意も済んでるんですから、早くお着替えになってください」
もう朝食ができているなんて幽々子びっくり。妖夢も成長したわね……。
脱いだ襦袢を妖夢に渡し、代わりにいつもの服を受け取る。
帯がうまく巻けずに苦戦していると妖夢が巻いてくれた。
「妖夢ぅ、服くらい自分で着れるわよ?」
「帯を巻けずに苦戦していた後でいっても説得力ないですよ」
いつもの帽子をかぶってお着替え終了。
朝食を取りに隣の部屋へ。
「さ、早く朝食を食べましょう。お味噌汁が冷めてしまいます」
「ねぇ妖夢。たまにはパン食になったりしないの?」
「そういうのは紅魔館でどうぞ」
以前、紅魔館で食べた暖かいコーンスープとこんがりやけた食パンの味を思い出す。
妖夢の和食もおいしいんだけど、変化に乏しいのよね。
「紅魔館に移住しようかしら」
「できもしないことを言わないでください」
最近妖夢にからかい甲斐が無くなってきたわ。きっと紫が苛めすぎたせいね。
さて、今日は何して遊ぼうかしら。
ふと目が覚める。
この広大な地下室に私を起こしにきてくれるメイドなんていない。
だから、好きな時に寝て、好きな時に起きる。
「おなかすいた……」
けど、血を吸いたいって気分でもない。
何重もの結界で構成された地下室の扉を見つめる。
「たまにはこっちから行ってもいいかな~」
きゅっと右手で扉をどかーん。
二週間ぶりのおっそっと~。
廊下をかっ飛んで厨房へ向かう。
たぶん咲夜なり誰かいるだろうから、ご飯作ってもらおう。
厨房に近づいていくと、だんだんいい臭いが漂ってくる。
きっと咲夜が何か作ってるんだろう。
「さくやーーー! ご飯ちょうだーーーい!」
厨房の部屋を勢いよく開け放てば、珍しい顔。
「あっれー、美鈴? ご飯作ってるとか珍しいね」
「誰かと思えば、妹様じゃないですか。いきなりドア開けられるんで吃驚しましたよ」
なにか白いものをかき混ぜながら、美鈴は溜息をつく。
「なによそれー。で、美鈴何作ってるの?」
甘い臭いが食欲を刺激する。
「オートミールですよ。夜食にちょうどいいかと思いまして。」
「オートミール?」
「燕麦をミルクで茹でたものですよ。私のはちょっと砂糖で味付けしてますけど」
お粥とは違うのかな。
「ねぇねぇ美鈴。それちょーだい」
「はいはい、熱いから気をつけてくださいね」
そういって、おわんに掬ってくれる。
初めて食べたオートミ-ルはほんのり甘くておいしかった。
その後もオートミールを食べながら美鈴と色々話をしていた。
咲夜にいじめられるとか、名前を覚えてくれないとかそんな話し。
30分ほどで美鈴は門に帰っていった。てっきり朝だと思ったんだけど、実は昼間だったらしい。
夜が活動時間の吸血鬼にとって昼間は夜と同じ。道理でメイドが少ないわけだ。
咲夜もお姉さまも寝ているみたいだし、遊んでくれそうな相手はいない。
「ふわぁ~……あ……」
お腹が膨れたせいかまた眠くなってくる。今日は大人しく部屋に戻ろう。
明日は魔理沙が来てくれるといいな。
朝は誰にでも平等に訪れる。
そこには日の出もなにも関係ない。
目が覚めた時が朝なのだ。
だから、皆こう言うのだ。
「おはようございます」
と。
一部ルナサの事が呼び捨てになったりしてるのが気になるところですが。
フラン可愛いよフラン
……細かいことつっこんでごめんなさい。
>「単勝1.0倍の馬刺しー!!」
な ん で や ね ん
つーか馬刺しかよ。
いや、こんな感想ですいません。面白かったです。
朝が嫌いな人間もいます。
それでも朝は良いものです。
この穏やかさ、まさに幻想の里。
三文やるから後10分寝かしてください。
今はタクシー代3000円取られます。
六文で済むなら永眠もいいかな、なんて・・・・・・うう・・・・・・
さすがに中華粥は出てこなかったですが。(何
直後に白玉楼に場面が飛ぶので、ついて行けずにオタオタして、
そのまま紅魔館まで読み進めたら更に混乱して、
私の読解力が足りないだけみたいですね。orz