四季映姫・ヤマザナドゥは、全てのものに等しく罪をつきつけ悔い改めさせる。
彼女は自分を正しいと信じて疑わない。
当然だ。他者を裁くものが、自分の善悪の価値観に揺らぎが生じているのも不都合だろう。
絶対的な価値観を以って、裁く。
目の前の罪を背負った人間を、彼女は見過ごすことが出来ない。
ある日、子供を殺された親がいた。その親は、復讐としてその殺人鬼を殺した。
同情してもよさそうなものだが、どんな理由であれ罪は罪。情状酌量などするつもりも無い。
その親は地獄へ送った。
ある日、事故によって両腕を失った陶芸職人がいた。彼は自ら命を絶った。
「陶芸という生きがいをなくした私には、生きていくのはただの地獄でしかありません」
彼は映姫にそう言った。
「そうか、しかし自殺というのは重い罪。あなたは地獄逝きです」
彼も地獄に送った。
罪のある人間が多すぎる。そんな事を思いながらも彼女は日々を過ごした。
半ば生きがいとなってしまった説教をし、その後に多くの者を地獄に送った。
年月が経つごとに、罪を犯すものが僅かにだが減っていった。
彼女は自分のやってきた事は間違っていなかったのだと、更に仕事に励んだ。
そしてもう何年経っただろうか。
数十年? 数百年? 数千年? いやいや、ひょっとしたら一万年か、それ以上かもしれない。
彼女はその間、裁き続けた。自分が正しいと信じて。
全ての人が罪を犯さなくなれば、きっと幻想郷は楽園となる。そう信じていた。
だから、裁いた。
そして幻想郷に罪を犯す者はいなくなった。
彼女が思っていたように、幻想郷は楽園となった。
皆が心豊かで望んだ暮らしをし、仲違いも無い平和な世界。
死んだとしても、地獄に送られるものなどいない。
全ての者が、さくさくと天国に送られていった。
四季映姫は気が狂いそうだった。
説教をするまでも無く、ただ右から左へと亡者を通すだけの日常がこれから続くのだ。
楽園と化した場所からはもう、罪を犯す者など現れることは無いだろう。きっと。
それ故にこれから先の見えないほどの日々を、彼女は白黒をはっきりつける必要も無くただ無為に過ごす――
生きがいをなくした彼女にとって、この世界は地獄となった。
だからこの地獄から逃げ出すために、ざくりと自ら命を絶った。
彼女は自分を正しいと信じて疑わない。
当然だ。他者を裁くものが、自分の善悪の価値観に揺らぎが生じているのも不都合だろう。
絶対的な価値観を以って、裁く。
目の前の罪を背負った人間を、彼女は見過ごすことが出来ない。
ある日、子供を殺された親がいた。その親は、復讐としてその殺人鬼を殺した。
同情してもよさそうなものだが、どんな理由であれ罪は罪。情状酌量などするつもりも無い。
その親は地獄へ送った。
ある日、事故によって両腕を失った陶芸職人がいた。彼は自ら命を絶った。
「陶芸という生きがいをなくした私には、生きていくのはただの地獄でしかありません」
彼は映姫にそう言った。
「そうか、しかし自殺というのは重い罪。あなたは地獄逝きです」
彼も地獄に送った。
罪のある人間が多すぎる。そんな事を思いながらも彼女は日々を過ごした。
半ば生きがいとなってしまった説教をし、その後に多くの者を地獄に送った。
年月が経つごとに、罪を犯すものが僅かにだが減っていった。
彼女は自分のやってきた事は間違っていなかったのだと、更に仕事に励んだ。
そしてもう何年経っただろうか。
数十年? 数百年? 数千年? いやいや、ひょっとしたら一万年か、それ以上かもしれない。
彼女はその間、裁き続けた。自分が正しいと信じて。
全ての人が罪を犯さなくなれば、きっと幻想郷は楽園となる。そう信じていた。
だから、裁いた。
そして幻想郷に罪を犯す者はいなくなった。
彼女が思っていたように、幻想郷は楽園となった。
皆が心豊かで望んだ暮らしをし、仲違いも無い平和な世界。
死んだとしても、地獄に送られるものなどいない。
全ての者が、さくさくと天国に送られていった。
四季映姫は気が狂いそうだった。
説教をするまでも無く、ただ右から左へと亡者を通すだけの日常がこれから続くのだ。
楽園と化した場所からはもう、罪を犯す者など現れることは無いだろう。きっと。
それ故にこれから先の見えないほどの日々を、彼女は白黒をはっきりつける必要も無くただ無為に過ごす――
生きがいをなくした彼女にとって、この世界は地獄となった。
だからこの地獄から逃げ出すために、ざくりと自ら命を絶った。
まあ確かに、あれもある意味、楽園ですな(^^;
そして、この話では最後の殺人者(加害者・自分、被害者・自分)になったわけですか・・・
因果という言葉が身に沁みますね。
ifだと思います。ifだと思いたいです。ifだと思わせて下さい……
うぅ……(映姫好きの戯言)
でも映姫さま、最後は矛盾してますね。
あなたの言葉を借りるなら。いくら生き地獄にいようが自殺は重罪ですよ?
結局地獄へ行くしかないんです。……他ならぬあなた自身の言葉ですから。
え、いや別に映姫さまが嫌いだからこういう事言ったんじゃなくて(地獄行きだー!
それでも私は楽園が幻想だとは思いません。人文、自然の二つの科学が幻想を現実にし続けて来たのですから。
ちなみに映姫については不要になったものが消え失せただけと考えています。
というのを何処かで聞いたことがあったような。はて、何処で聞いたのだったか…?
映姫、それは只の逃げなのではないでしょうか?
世界で最後の犯罪者は、罪を裁く閻魔様でした。ザナさん…。
あるんですよね。
で、元々閻魔は死者に優しすぎて左遷されちゃったと。
灼熱の銅を一日に3回飲むっていう拷問みたいなことをさせられてたと思います。
閻魔様にそれだけの苦労を負わせる人間の存在もまた罪なんですよなあ。