私の名前は、博麗霊夢。
人が来なくて有名な、博麗神社の主人です。っていうか、客が来ないのは私のせい……じゃないとは思うけど。
ともあれ、最近、日々の貧乏具合が身にしみてきたので、お賽銭箱の中身について、日記をつけてみることにした。
一日目
収入:十円玉一枚。
……入れてくれるのは嬉しいけど、せめて百円がよかったなぁ。
今日の晩ご飯:うまい棒×1
ああ、幻想郷の夕日が目にしみる……。世界がにじんでいるのは、これは、涙じゃないわ! 心の汗よ!!
二日目
収入:生魚×10 お箸×1
……何だこれ。何で生魚? 何でお箸? あ、しかも、このお箸『マヨヒガ観光協会』とか書いてるし。
……なるほど、誰が入れてくれたかわかったぞ。
今日の晩ご飯:白いご飯におみそ汁、焼き魚
悔しいけど、魚はとても美味しかった。
三日目
「あら、妖夢。久しぶりね」
「あ、どうも。こんにちは」
何だか知らないけど、今日、妖夢が訪ねてきた。事情を聞いたら、「特に理由はないけれど、お参りしたくなった」とのこと。ちゃんとお賽銭(何と紙幣ですよ、奥さん!)を持ってきてくれたので、晩ご飯でもおごってやろうと思った。
収入:紙幣×10
……もちろん、私の作った晩ご飯は、昨日のあまりなのだけど。妖夢を探してやってきた幽々子に全部食われた。
今日の晩ご飯:なし
……ああ、空きっ腹に幻想郷のすきま風がしみる……。
とりあえず、『博麗復讐予定帳』に幽々子の名前を記載。
「ふーん……なるほどなるほど」
「ちょっと、紫!? あんた、一体いつから!?」
四日目。
今日の賽銭箱の中身は空っぽだったので、ため息混じりに自室に戻ってきたら、どこからか現れるスキマ妖怪が、勝手に人の日記を読んでいた。慌てて、彼女からそれを奪い取る。
「相変わらず、わびしい生活を送っているようね?」
「ほっといてちょうだい」
さて、本日の収入を……と。
「あっ」
それを書こうとした瞬間、後ろから、ひょいと紫に日記を取られた。そして、開かれたスキマの中へ、彼女はそれをぽいと放り投げる。
「何するの!」
「あなたね。あんな、自分を追いつめるような、『博麗霊夢がなぜ自殺に至ったのか』の証拠記録を遺さなくてもいいでしょうが」
「……くっ、何か否定できない……」
あなくちおしや、って。
じろりと彼女をにらむ私に、彼女は、スキマに手を突っ込んで、何かを取り出した。取り出されたのは、お酒の入った一升瓶一本と、
「藍の手作りお弁当。わたしのご飯にしようと思っていたのだけど。いるかしら?」
「……いいの?」
「一人で食べるよりは。一人で飲むよりは。二人の方が楽しいでしょう」
……まぁ、それなら、好意に甘えようかな。
現に、取り出されたお重の中身は、ちょうど二人で空っぽになるくらいだった。
今日の晩ご飯:藍の手作り弁当×1 お酒×1
……お金だけが全てではないと言うけれど。
何か、嬉しかった。
明日は、とてもいい日になりそうだ。
日記は、三日坊主で終了、と。
○日目
その日、お賽銭箱の中を覗いたら、ふんどしが入っていた。添えられていたメッセージは『さる西の国で、魔王を倒した勇者が身につけていた、伝説の防具。オークションで高値で売れます』。
「こんにちは~。霖之助さん、いらっしゃいますか~?」
「ん?
……ああ、いらっしゃい。何かな?」
「博麗神拳究極奥義、夢想転生ぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
「字、字が、字が違、あ、あぁっ、あぁぁぁぁっ、あべし!!!」
人が来なくて有名な、博麗神社の主人です。っていうか、客が来ないのは私のせい……じゃないとは思うけど。
ともあれ、最近、日々の貧乏具合が身にしみてきたので、お賽銭箱の中身について、日記をつけてみることにした。
一日目
収入:十円玉一枚。
……入れてくれるのは嬉しいけど、せめて百円がよかったなぁ。
今日の晩ご飯:うまい棒×1
ああ、幻想郷の夕日が目にしみる……。世界がにじんでいるのは、これは、涙じゃないわ! 心の汗よ!!
二日目
収入:生魚×10 お箸×1
……何だこれ。何で生魚? 何でお箸? あ、しかも、このお箸『マヨヒガ観光協会』とか書いてるし。
……なるほど、誰が入れてくれたかわかったぞ。
今日の晩ご飯:白いご飯におみそ汁、焼き魚
悔しいけど、魚はとても美味しかった。
三日目
「あら、妖夢。久しぶりね」
「あ、どうも。こんにちは」
何だか知らないけど、今日、妖夢が訪ねてきた。事情を聞いたら、「特に理由はないけれど、お参りしたくなった」とのこと。ちゃんとお賽銭(何と紙幣ですよ、奥さん!)を持ってきてくれたので、晩ご飯でもおごってやろうと思った。
収入:紙幣×10
……もちろん、私の作った晩ご飯は、昨日のあまりなのだけど。妖夢を探してやってきた幽々子に全部食われた。
今日の晩ご飯:なし
……ああ、空きっ腹に幻想郷のすきま風がしみる……。
とりあえず、『博麗復讐予定帳』に幽々子の名前を記載。
「ふーん……なるほどなるほど」
「ちょっと、紫!? あんた、一体いつから!?」
四日目。
今日の賽銭箱の中身は空っぽだったので、ため息混じりに自室に戻ってきたら、どこからか現れるスキマ妖怪が、勝手に人の日記を読んでいた。慌てて、彼女からそれを奪い取る。
「相変わらず、わびしい生活を送っているようね?」
「ほっといてちょうだい」
さて、本日の収入を……と。
「あっ」
それを書こうとした瞬間、後ろから、ひょいと紫に日記を取られた。そして、開かれたスキマの中へ、彼女はそれをぽいと放り投げる。
「何するの!」
「あなたね。あんな、自分を追いつめるような、『博麗霊夢がなぜ自殺に至ったのか』の証拠記録を遺さなくてもいいでしょうが」
「……くっ、何か否定できない……」
あなくちおしや、って。
じろりと彼女をにらむ私に、彼女は、スキマに手を突っ込んで、何かを取り出した。取り出されたのは、お酒の入った一升瓶一本と、
「藍の手作りお弁当。わたしのご飯にしようと思っていたのだけど。いるかしら?」
「……いいの?」
「一人で食べるよりは。一人で飲むよりは。二人の方が楽しいでしょう」
……まぁ、それなら、好意に甘えようかな。
現に、取り出されたお重の中身は、ちょうど二人で空っぽになるくらいだった。
今日の晩ご飯:藍の手作り弁当×1 お酒×1
……お金だけが全てではないと言うけれど。
何か、嬉しかった。
明日は、とてもいい日になりそうだ。
日記は、三日坊主で終了、と。
○日目
その日、お賽銭箱の中を覗いたら、ふんどしが入っていた。添えられていたメッセージは『さる西の国で、魔王を倒した勇者が身につけていた、伝説の防具。オークションで高値で売れます』。
「こんにちは~。霖之助さん、いらっしゃいますか~?」
「ん?
……ああ、いらっしゃい。何かな?」
「博麗神拳究極奥義、夢想転生ぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
「字、字が、字が違、あ、あぁっ、あぁぁぁぁっ、あべし!!!」
奇遇だな。俺もだw
時代は北斗かなぁ……
余談:ゆゆさまにご飯食べられちゃったなら、ゆゆさまからミルk(反魂蝶
ドラクエ四こまネタの