一度踏み込めば最後。
兎の目、あるいは相当な幸運の持ち主でもなければ死ぬまで迷い続ける竹林。
絶望、悔やみ。それを心に刻みつけながら死んでいった者は数知れない。
夜の竹林。
不気味なほど彼女は笑っていた。
魂魄妖夢は自らの意志で竹林に足を踏み入れた。自らの意志で『迷う』事を選択したのだ。
何故?何のために?
妖夢は幽々子と言い争う事がよくある。当然、半人前の妖夢が勝てるはずが無い。いつも最終的に妖夢が折れて、口論は終わる。しかし、今回はどうしても引き下がりたくなかった。
ならば身をもって証明するのみ。いかに自分の言っている事が正しいのか。それを証明するために妖夢は『迷う』必要がどうしてもあった。
これで自分の正しさが証明されるのならば、幽々子様も少しは私を見直すだろう。そう考えると自然と笑みがこぼれてしまう。
白楼剣を抜く。
月の光を映し、艶かしい光を放つ。
刃を腕に当て、すー、と引く。腕には一本の線が残り、そこから赤い液体が滲み出る。
狂喜。
妖夢は刀を鞘に収め、走り出す。
これで『迷い』を断ち切った。これで、私は迷わず竹林から出られるはず!幽々子様、あなたは絶対に無理だと言いましたが、私は出ますよ。だって今、私の心はこんなにも、迷いが感じられないほど清々しいのですもの!
妖夢の狂喜の表情が、泣きっ面に変わるのに、それほど長い時間は必要なかった。
永遠亭の兎が、衰弱しきった妖夢を発見したのは一週間後の事であった。
さらに一週間後。
「藍様~、変な人がいるよ~」
「・・・放っておきなさい。」
妖夢の挑戦は終わらない。
兎の目、あるいは相当な幸運の持ち主でもなければ死ぬまで迷い続ける竹林。
絶望、悔やみ。それを心に刻みつけながら死んでいった者は数知れない。
夜の竹林。
不気味なほど彼女は笑っていた。
魂魄妖夢は自らの意志で竹林に足を踏み入れた。自らの意志で『迷う』事を選択したのだ。
何故?何のために?
妖夢は幽々子と言い争う事がよくある。当然、半人前の妖夢が勝てるはずが無い。いつも最終的に妖夢が折れて、口論は終わる。しかし、今回はどうしても引き下がりたくなかった。
ならば身をもって証明するのみ。いかに自分の言っている事が正しいのか。それを証明するために妖夢は『迷う』必要がどうしてもあった。
これで自分の正しさが証明されるのならば、幽々子様も少しは私を見直すだろう。そう考えると自然と笑みがこぼれてしまう。
白楼剣を抜く。
月の光を映し、艶かしい光を放つ。
刃を腕に当て、すー、と引く。腕には一本の線が残り、そこから赤い液体が滲み出る。
狂喜。
妖夢は刀を鞘に収め、走り出す。
これで『迷い』を断ち切った。これで、私は迷わず竹林から出られるはず!幽々子様、あなたは絶対に無理だと言いましたが、私は出ますよ。だって今、私の心はこんなにも、迷いが感じられないほど清々しいのですもの!
妖夢の狂喜の表情が、泣きっ面に変わるのに、それほど長い時間は必要なかった。
永遠亭の兎が、衰弱しきった妖夢を発見したのは一週間後の事であった。
さらに一週間後。
「藍様~、変な人がいるよ~」
「・・・放っておきなさい。」
妖夢の挑戦は終わらない。
お馬鹿な妖夢がかーいい♪