日々、弾幕が飛び交う、ここは幻想郷。弾幕勝負に強くなければ変なあだ名をつけられたり、変な扱いを受けたり、まぁ、強くてもつけられちゃう人はつけられちゃいますが、それはともあれ。
「きゃー、このままじゃ負けちゃうわー」
今日も今日とて、弾幕勝負。
ああ、これはいけません。どこかで見たことのある、可憐(?)でおしとやか(?)な紅白の巫女の悲鳴が響き渡ります。
「さあ、霊夢! 今日こそタイトル画面の座を明け渡してもらうぜ!」
そんな儚い美女(?)に迫る、黒と白の服が印象的でつり目で何か悪そうな見た目の魔法使いが手を振り上げます。姿にかなり脚色入っているような気もしますが、気にしてはいけません。
ああ、何ということでしょう。このままでは、人気投票でも上位を獲得できず、ただでさえ、最近やさぐれ気味の彼女のアイデンティティが完全に奪われてしまいます。
「きゃー、誰か助けてー」
誰が聞いても棒読みっぽいですが、それを気にしている場合ではありません。今しも、悪の魔法使いの魔法が彼女を直撃しようとしています。何かコマ送りです。
ですが、大丈夫。ここ、幻想郷には正義の味方がいるのです。
「待てぃっ!」
何やら後光が差し込みます。現れた人影に、悪の魔法使い(仮)の目がそちらに向きました。
「何ぃっ! 何者だ!」
このセリフはお約束です。
「ああっ! あなたは!」
目をきらきらさせて叫ぶ薄幸の美少女巫女さん(自称)です。
「黙って見ていれば、悪逆非道の限りを尽くす黒白の魔女よ! たとえお天道様が許しても、私はお前を許さない!」
おお、何かかっこいいです。でも、何か台本っぽいような気もしますね。
「何だと! 中国のくせに生意気だぞ!」
ジャイアニズムです。っていうか、速攻で正体ばれてますよ、正義の味方。
「私は中国ではない! 私は――!」
とうっ、と飛び上がる正義の味方(正体もろばれ)です。ちなみに彼女たち、みんな空に浮いているのですが、どうやってジャンプしたのかは、よい子は詮索しちゃダメだぞ♪
「へーんしーん!」
かっ、と光が弾けます。頭の上に『そーなのかー』妖怪が見えたような気もしますが、それは目の錯覚ですよ。
「華人小娘、紅美鈴、参上!」
そう。中国さんは、変身することで正義の味方、『華人小娘 紅美鈴』になって、悪人をばったばったと薙ぎ倒すのです!
「とーう、美鈴きーっく!」
「うわー、やーらーれーたー」
空中に飛び上がって、くるくると回転した後、斜め下に向かってジャンプキック。皆さんも大好きなヒーローの必殺技そのまんまです。『美鈴キック』(仮称)を食らった悪の魔法使い(いい加減設定にむかついているようです)は、哀れ、お空のお星様になりました。
「ありがとう、美鈴さん。助かったわ!」
「いいえ、お嬢さん。私は当然のことをしたまでです」
「これで私の、最後の、とっても貴重な、限界ぎりぎりの、最低限の、プライドは守られたのねえーいちくしょー!!」
ちょっぴり投げやりの深窓の令嬢巫女さん(自称)です。そんな彼女に笑顔を送った後、「とうっ」と正義の味方はどこかへと去っていきます。そして響き渡る、正義の味方を讃える声。
「美鈴!」「美鈴!」「美鈴!」「美鈴!」「美鈴!」「美鈴!」「美鈴!」「美鈴!」
幻想郷中に、正義のヒーロー(男じゃありませんが)を讃える声が響き渡ります。
ありがとう、紅美鈴。今日も幻想郷の平和は君によって守られました。日々を、門番その1の中国として過ごしているあなた。正体を感づかれず、戦い続けるその姿は未来に亘って讃えられることでしょう。
ありがとう、ありがとう。正義の味方、華人小娘 紅美鈴!
「……って、変身しないと名前を呼ばれないって何か間違ってませんか!? 私」
「め・い・り・ん」
「そうですよ! 私の名前は、紅美鈴……って……」
「お仕事の最中にお昼寝なんて、気持ちよさそうねぇ。お日様の光は気持ちいい?」
「さ……咲夜さん……」
「うふふ。申し開きは、あとで聞いてあげるわね♪」
「って、ちょっと待ってください! それって殺人ドー……!」
「痛くないわよ。痛いって感じる前に気を失うと思うから♪」
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
「……うーん……うーん……咲夜さん……ごめんなさいぃ~……」
「……どうしたのかしら、彼女」
「さあ……? 何か悪い夢を見ているようですね」
枕を抱きながら、泣いて謝っている美鈴を見て、咲夜がひょいと肩をすくめる。
「どうしましょうか? お嬢様」
「面白いから見てましょう」
「…………………御意」
しばしの葛藤を経て、素直に首を縦に振る辺り、この人はやっぱり鬼である。
「うぇ~ん……咲夜さ~ん……許してくださ~い……。ちゃんと真面目に働きますから~……」
「疲れているのね」
「明日は、美鈴にも休日を用意します」
「そうね。にしても、面白い寝顔」
そんな、とある門番の、幸せなんだか不幸なんだかよくわからない夜のお話でした。
「きゃー、このままじゃ負けちゃうわー」
今日も今日とて、弾幕勝負。
ああ、これはいけません。どこかで見たことのある、可憐(?)でおしとやか(?)な紅白の巫女の悲鳴が響き渡ります。
「さあ、霊夢! 今日こそタイトル画面の座を明け渡してもらうぜ!」
そんな儚い美女(?)に迫る、黒と白の服が印象的でつり目で何か悪そうな見た目の魔法使いが手を振り上げます。姿にかなり脚色入っているような気もしますが、気にしてはいけません。
ああ、何ということでしょう。このままでは、人気投票でも上位を獲得できず、ただでさえ、最近やさぐれ気味の彼女のアイデンティティが完全に奪われてしまいます。
「きゃー、誰か助けてー」
誰が聞いても棒読みっぽいですが、それを気にしている場合ではありません。今しも、悪の魔法使いの魔法が彼女を直撃しようとしています。何かコマ送りです。
ですが、大丈夫。ここ、幻想郷には正義の味方がいるのです。
「待てぃっ!」
何やら後光が差し込みます。現れた人影に、悪の魔法使い(仮)の目がそちらに向きました。
「何ぃっ! 何者だ!」
このセリフはお約束です。
「ああっ! あなたは!」
目をきらきらさせて叫ぶ薄幸の美少女巫女さん(自称)です。
「黙って見ていれば、悪逆非道の限りを尽くす黒白の魔女よ! たとえお天道様が許しても、私はお前を許さない!」
おお、何かかっこいいです。でも、何か台本っぽいような気もしますね。
「何だと! 中国のくせに生意気だぞ!」
ジャイアニズムです。っていうか、速攻で正体ばれてますよ、正義の味方。
「私は中国ではない! 私は――!」
とうっ、と飛び上がる正義の味方(正体もろばれ)です。ちなみに彼女たち、みんな空に浮いているのですが、どうやってジャンプしたのかは、よい子は詮索しちゃダメだぞ♪
「へーんしーん!」
かっ、と光が弾けます。頭の上に『そーなのかー』妖怪が見えたような気もしますが、それは目の錯覚ですよ。
「華人小娘、紅美鈴、参上!」
そう。中国さんは、変身することで正義の味方、『華人小娘 紅美鈴』になって、悪人をばったばったと薙ぎ倒すのです!
「とーう、美鈴きーっく!」
「うわー、やーらーれーたー」
空中に飛び上がって、くるくると回転した後、斜め下に向かってジャンプキック。皆さんも大好きなヒーローの必殺技そのまんまです。『美鈴キック』(仮称)を食らった悪の魔法使い(いい加減設定にむかついているようです)は、哀れ、お空のお星様になりました。
「ありがとう、美鈴さん。助かったわ!」
「いいえ、お嬢さん。私は当然のことをしたまでです」
「これで私の、最後の、とっても貴重な、限界ぎりぎりの、最低限の、プライドは守られたのねえーいちくしょー!!」
ちょっぴり投げやりの深窓の令嬢巫女さん(自称)です。そんな彼女に笑顔を送った後、「とうっ」と正義の味方はどこかへと去っていきます。そして響き渡る、正義の味方を讃える声。
「美鈴!」「美鈴!」「美鈴!」「美鈴!」「美鈴!」「美鈴!」「美鈴!」「美鈴!」
幻想郷中に、正義のヒーロー(男じゃありませんが)を讃える声が響き渡ります。
ありがとう、紅美鈴。今日も幻想郷の平和は君によって守られました。日々を、門番その1の中国として過ごしているあなた。正体を感づかれず、戦い続けるその姿は未来に亘って讃えられることでしょう。
ありがとう、ありがとう。正義の味方、華人小娘 紅美鈴!
「……って、変身しないと名前を呼ばれないって何か間違ってませんか!? 私」
「め・い・り・ん」
「そうですよ! 私の名前は、紅美鈴……って……」
「お仕事の最中にお昼寝なんて、気持ちよさそうねぇ。お日様の光は気持ちいい?」
「さ……咲夜さん……」
「うふふ。申し開きは、あとで聞いてあげるわね♪」
「って、ちょっと待ってください! それって殺人ドー……!」
「痛くないわよ。痛いって感じる前に気を失うと思うから♪」
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
「……うーん……うーん……咲夜さん……ごめんなさいぃ~……」
「……どうしたのかしら、彼女」
「さあ……? 何か悪い夢を見ているようですね」
枕を抱きながら、泣いて謝っている美鈴を見て、咲夜がひょいと肩をすくめる。
「どうしましょうか? お嬢様」
「面白いから見てましょう」
「…………………御意」
しばしの葛藤を経て、素直に首を縦に振る辺り、この人はやっぱり鬼である。
「うぇ~ん……咲夜さ~ん……許してくださ~い……。ちゃんと真面目に働きますから~……」
「疲れているのね」
「明日は、美鈴にも休日を用意します」
「そうね。にしても、面白い寝顔」
そんな、とある門番の、幸せなんだか不幸なんだかよくわからない夜のお話でした。
( ゚∀゚)彡 中国! 中国!
⊂彡
( ゚∀゚)彡 中国! 中国!
⊂彡
( ゚∀゚)彡 中国! 中国!
⊂彡
_ ∩
( ゚∀゚)彡 中国! 中国!
⊂彡
( ゚∀゚)彡 めーr あ、間違えた。中国! 中国!
⊂彡
( ゚∀゚)彡 GJ!!
⊂彡
( ゚∀゚)彡 パラグアイ! パラグアイ!
⊂彡
( ゚∀゚)彡 中国! 中国!めーr(ry
⊂彡
( ゚∀゚)彡 中国!中国!
⊂彡
( ゚∀゚)彡 中国!中国!
⊂彡
( ゚∀゚)彡 中国!中国!
⊂彡