Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

てんもこ(留守番妹紅)

2008/07/27 06:14:38
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 長いです。妹紅がちょっとおかしいかもしれないです。妄想分多いです。
 上の三点にご注意ください。
 あ、妹紅と慧音は同居しているという設定でよろしくお願いします。







「なあ妹紅、明日は一日留守番をしてくれないか?」
「ん、どこか出かけるの?」
「家庭訪問というのをするんだ。寺子屋の子たちの」
「家庭訪問って、外の世界の?」
「ああ。子供の家を訪ねて、家の人と学問についてや相談や、いろいろと話し合うんだそうだ。子供の学問のためになるし、教える側としても得られるものが多そうだ」
「うん、それはいいね」
「今日子供たちに話したら、楽しみだって言ってたよ」
「わかった、留守番してるよ。頑張ってね」

 ということで、明日は慧音が帰ってくるまで留守をしていないといけない。慧音ったら、張り切ってしまって、もう明日の準備を終わらせている。鞄を紙とか書類とか、筆記具とかでたくさんにして、今すぐにでも家庭訪問しに行けるような勢いだ。すこし緊張しているみたい。夕飯もまともに食べられなかったのだから。それではぐっすり眠れもしないだろうし、明日のためによくないからと、落ち着かせるためにお風呂場へ押しやった。
「じゃあ、ゆっくり入る…」
 やっとおとなしくなって、私も安心した。明日の家庭訪問がうまくいってほしいから。
 慧音の棚から寝間着の浴衣を出して、お風呂場に置いた。慧音があがったら私もゆっくり入ろう。早めに寝て、明日は慧音より先に起きて朝ご飯を作ろうかな。元気の出るご飯。子供たちの家をみんなまわっても疲れないように。あぁ、お昼の弁当も作らないと。献立は…

「じゃあ、行ってくる」
「うん。行ってらっしゃい!」
 せっかく朝食と弁当の献立まで考えていたけれど、考えているうちに私が興奮してしまい、布団に入ってからしばらくは寝つけなかった。結局いつもどおり、慧音が先に起きてごはんを作った。今日も美味しかったから、良かったけど。…じゃなくて、弁当のおかずまでもう仕上がっていたのだから、やっぱり慧音はしっかりしている。それでも、どうしてもなにかがしたかったから、おにぎりだけはにぎらせてもらった。慧音はそれを嬉しそうにかばんに入れた。きっと、慧音よりも私のほうが、ずっと嬉しかったろう。慧音が、ありがとうと言ってくれただけで、計画通りにいかなくてもやもやしていた気持ちが晴れて、気持ちよくなった。今もまだうきうきしている。
 大きくふくらんだ鞄を持って、人里のほうへ歩いていく慧音。曲がり角から藪へ入る前に、こちらを振り向いて手を振った。私も答えて手を振る。それから慧音は道を曲がり見えなくなった。いつも寺子屋へ行くのと同じ道、いつも同じことを繰り返しているけれど、今日は慧音の後姿が遠く感じた。帰りが遅くなるだろうし、家庭訪問というはじめてのことで、私、おそらく慧音も、ちょっと特別な気分なんだろう。家庭訪問がうまくいきますように。でもはやく終わってほしいな。
 おっと、いつまでも慧音の歩いていったほうを見ているなんて、恥ずかしい。ちゃんと留守番をしないと。
 慧音が寺子屋へ行っているあいだは、竹林を散歩したり、湖や山へ遊びに行ったり、たまに永遠亭へ暇つぶしに行ったりする。家を出る間、慧音は私に「留守番」と言ったことはなかった。だからよく出歩くのだけれど、昨日、留守番をしていてほしい、とはじめてはっきりと言われて、しっかりと留守番をしようという気になった。外出をしないで、慧音の留守をまもること。
 家へ入り、座敷の畳に寝転がって、読みかけの本を開いた。でもすぐ眠くなり、目がくらむと同時に本が手から滑り落ちそうになる。これではだめだ。
 慧音の書き物机に本を置き、座布団に、慧音のように姿勢よく座ってみる。すっと背筋が伸びて、眠い目が冴える。なるほど、姿勢がいいと頭も冴える。だから慧音はずっと真面目でいられるのかもしれない。
 書き物机の上には、巻物と二、三冊の書物、硯や筆、蝋燭がつねに用意されている。そこに座り、慧音は毎晩、書き物や読書をしている。それを邪魔するのはいけないし、けれど近くにいたくて、蝋燭の灯りがとどく場所で私は本を読む。慧音の本棚から借りる本だ。たまに、慧音に話しかけられることがある。それが嬉しい。本の内容や知識についての内容がほとんどで、話しかけられればしっかり応えられるよう、本を真面目に読み、話しかけられるのを待って、黙々と読む。
 こんなふうに過ごす毎晩が楽しい。いつも、その日の夜、次の日の夜が待ち遠しい。今日も、はやく夜にならないかな。
 あぁ、気がつくと、ずっと慧音のことを考えていて、手元の本を開いてすらいない。
 考え事に気を取られなくて済むことをしよう。
 薪割りを思いついた。外に出て、納屋へ斧を取りに行く。納屋の奥に立てかけてある斧は、普通のものより一回りほど大きい。それは、私と慧音の二人暮しを支えるのに十分たりる薪をつくるための大きさだ。重くて慧音には持てない。私だけが使える斧。・・・などと思ったりしているから、この斧をにぎると、いつもあたたかい。
 庭の隅に、切り株と、そのまわりに材木の山がある。切り株に、材木を取っては立てて、一つずつ割る。薪を割る作業を繰り返していると、気持ちは作業だけに向き、体もはきはきとして気持ち良い。しばらく薪割に没頭した。汗が流れ落ちる頃には薪があたりに山になった。斧を地面によこたえて、薪を五、六本ずつ抱えて倉庫へ運び入れる。何度か行き来をして全て運んでから、斧を納屋へしまった。すがすがしい気分だ。
 快晴の青空を見上げると、太陽が頭の真上から照らしていた。慧音は今頃、どこかでお弁当を食べているんだろうな。私は、薪割りの直後で空腹を感じない。汗をかいたし、お風呂をわかそうかな。
 昼風呂に入るのは久しぶりだ。水をいっぱいにため、あたためて熱くなるのを待つ間が楽しい。下で火を吹くのではなく、実は火を操ってあたためている。慧音のお風呂をあたためてあげるときには、よく熱くしすぎてしまい笑われる。私の場合は、いつも慧音が火を吹かしてくれるけど、たまに自分でやると、面倒でなまけるからぬるくなる。でも今回は、気分が高揚しているからか、やや熱くなった。足の先から入っていき、胴全体までつかると頭がくらくらした。
 慧音とお風呂に入ったことは…ないに決まっている。慧音がたまに「一緒に入るか?」なんて言うけれど、そのたびに断る。あんな冗談はやめてほしい。「妹紅の体は熱いから、一緒に入ると私が煮えあがってしまいそうだな」というのも。しっかりしているくせに、たまに変なことを言う。
 それにしても、私の体は本当に熱いのかな。自分では熱いと感じることはないが、平熱は慧音よりもずっと高い。普段一緒にいて暑苦しいとか感じることはないらしい。触れるとあたたかいと言っていた。私は慧音の手に触ると、冷たく感じる。自分の体温が高いからかな。
 私の手を握り、あたたかいと言った慧音を思い出す。去年の冬だった。
 厳冬だった。昼間は吹雪いて雪がどんどんつもり、夜は、凍てつくような寒さ。炎で体を包んでいるのに疲れ、私は布団にまきついて、こごえながら眠った。粗末な家だから寒さはひとしおで、目が覚めるとどこかが凍傷になっている、なんてことがよくあった。そんなものはすぐに治せるけれど、寒さはきつかった。 
 このときは私は一人で暮らしていた。里の慧音がどうしているか気になり、雪を掻き分けて人里へ近づいた。人の話を聞いて、慧音が風邪で高熱を出しているということを知った。里の医者にかかっているけれど、吹雪と雪深さのため往診ができないらしい。
 夜、人に見られないよう、遠回りに空を飛んで慧音の家を訪ねた。火鉢がほんのりと赤く、室内の暗さがきわだっている。火鉢から立ち上る炭のにおいは、非常な冷たさの空気にまったく似合わなくて、不吉さえ感じた。火鉢の向こう、布団に入っている慧音は、頭まで分厚い毛布をかぶり、震えていた。荒い息遣いがかすかに聞こえる。眠っているんだろう、私に気づかない。そっと、顔のほうへまわりこむと、のぞき見える額は汗で濡れていた。洗面所で桶と布を探し、桶に水を入れた。
 濡らした布で慧音の額を拭った。慧音はまだ私に気づかない。後ろめたいことは何もないけれど、気づかれなくてほっとしている。
 そっと布団に手を入れ、慧音の手をつかみ、布団の外へ出した。冷たい布で包んであげた。
 額を拭い、慧音の手を握り、そうやってどれだけ時間がたったかわからない。私の体は自然と火照っていて、寒さを感じなかった。だんだん穏やかになっていく慧音の表情を飽きず見つめていた。眠りが深くなるにつれて、体の苦しみから解放されていくのだろう。その手伝いになれているかわからないけれど、慧音の顔から苦しさが薄れていくのが嬉しかった。
 火鉢の熾がゆらめく音と、戸外の風の音。慧音の息、慧音の熱。それだけだった世界が、野鳥の鳴き声で突然破られた。夜が明けつつあるんだ。
 夜が明けてから後、人里にいてはいけない。慧音の手を、にぎったときよりももっとゆっくりと、はなした。桶を持ち、立ち上がろうとして…
「行くのか…?」
 思考が停止。それは一瞬間。まさか、
「慧音」
 名前を呼ぶ声は音にならなくて、
「気づいてたの?」
 かすれて弱々しくて、熱に冒されている慧音のよりも、切ない声が出た。座りなおして、見ると、慧音は目を開けて、私を見つめ返していた。
 慧音が小さくうなずく。
「そう…」
 気づかれていたんだ。放心して慧音を見つめる。
 突然、恥ずかしさがこみ上げてきた。そう、気づかれていたんだから。
 いたたまれなくて、やっとのこと口をついたのが、
「ごめん、」
 立ち上がらないと。出て行かないと、今すぐ。
 けれど、慧音にとめられた。
「待って」
 慧音が、私の手をつかんだ。熱したでが、私の手をぎゅっと握る。
「妹紅の手、あたたかい」
 そう言ってから、慧音は目を伏せ、それきり黙ってしまった。私は慧音が目覚めるまで、じっとしていた 
 熱いな。慧音の熱が伝わってくるのかな。…いや違う、お湯が熱すぎる。
 なんてことだ。考え事にふけってしまって、火の調節がおかしくなり、お湯がすごく熱い。あわてて浴槽から飛び出した。
 水を浴びて体を冷やす。やっぱり、だめだ。今日は考え事ばかりしてしまう。それも、慧音のことばかり。家にじっとしているからこうなるんだろうか。留守番は難しいな…。でも、なんで慧音のことばかり。
 濡れて首にはりつく髪をふりはらい、お風呂場から出る。座敷の窓際で風に当たった。
 無性に寂しくなってきた。どうしたんだろう。慧音のことを考えすぎたせいか。
 このまま一人で家にいたくない。留守番はいやだ。どうしよう。
 誰かが家の戸を叩いた。来客だ。あわてて上着を着てズボンをはくが、サスペンダーが見つからない。そんなのにかまっている場合じゃない。ズボンのだぶだぶの布をしばってずり落ちないようにし、戸へ向かう。
「はいはい?」
 戸を開けると、イナバのてゐが外に立っていた。焦って服を着て損をした。
「こんにちは、もこたん」
 にっこり笑う因幡てゐ。私をもこたんと呼ぶのが、イナバたちの間で流行っているらしいが、気に入らない。気にかけるのも面倒だから、あえてそこは無視する。
「何の用?」
「姫様のお使いで、」
「帰れ」
「あ、待って!」
 閉ざそうとした戸に手が滑り込み、閉められない。すばしっこいイナバはこれだから厄介だ。
「姫様がー、もこたんと」
「ああ黙れ、帰れ!言いたいことはわかってるから」
 姫様とやらはいつでも私と殺し合いをしたがっている。今日も殺し合いをしに来い、と、てゐを媒介にして誘いに来たんだろう。でも今日はそんなことをしたくない。輝夜と関わりたくもない。
「家にいたって暇でしょ?遊びに来ればいいのに」
 てゐが言う。暇ではないけど、確かに家にはいたくないけれど。
「あぁ、どけ!」
 戸をおもいきり開け放して、勢いで飛び上がった。空を突っ切って、まっすぐ飛ぶ。行き先もあて先もわからぬまま、とにかくまっすぐに飛ぶ。
 
 息が切れて、宙で停止した。ずいぶん高いところに来ている。酸素がうすく、羽がしゅうしゅうと音をたてる。
 振り向くと、妖怪の山があった。山頂に近い。頭上には雲。そういえば、鈴仙が、妖怪の山を登って天界へ行った、と話を聞いたな。妖怪の山の上には天界があるらしい。
 天界か。行ってみようかな。
 この際だし、一目見る価値もあるだろう。天狗や妖怪に絡まれたくないから、山から遠ざかったまま上昇し、雲へ突入した。暗い雲の中で、妖怪の山の方へ近づきつつ、上昇を続ける。やがて、雲から頭が出た。
 広大な大地と、まぶしい雲海が目の前に広がった。大地は険しく、緑豊かで、空の澄んだ空気に植物の芳しい香りがただよっている。雲海は果てしなく、真っ白な雲が太陽の光を受けて輝き、暗い雲の中から出た私の眼を射抜いた。
 浮き上がり、大地に足をつく。硬く、脈動が感じ取れそうなくらい、生命の強い大地だ。しっかりと踏みしめ、起伏の鮮やかな景観を眺める。深呼吸をすると、空気がおいしい。
 ここが天界か。きれいなところだな。慧音を連れてきたら、きっと喜ぶだろう。
 ふと、気配がして振り向くと、大きい岩がふわふわこっちに近づいてくる。それに人が乗っている。
「慧音…!?」
 姿形や服が、慧音とそっくり…よく似ていて、一瞬慧音かと思った。帽子とか、髪とか。でもそんなわけがない。もう一度見ると、似てはいてもぜんぜん違う。髪は青く、身長は慧音よりもすこし高い。私よりは頭ひとつぶんくらい。黒い帽子をかぶっている。帽子のつばには桃や植物の葉っぱが載っている…へんな帽子だ。
「そこの侵入者、」
 慧音のそっくりは、私を指差して、
「何をしに来たのか知らないけど、邪魔だから今すぐ出て行きなさい」
 と言った。
「侵入者、ね。ここの天人?」
「私はここに住んでる天人よ。だからあんたを追い出そうとしてるの」
「なんで出て行かないといけない?こんなに広いんだし、構わないんじゃないの」
「私は今ものすごく退屈なのよ。イライラして人間に火花があたるいけないと思ってね」
 と、退屈そうな顔で私を睨む。天人は退屈というものを知らず常に楽しく遊んでいる、と本で読んだが、この天人は違うのだろうか。「まあ、ここに来る人間はみんな普通の人間じゃないけど」
 天人は頭の裏で左手のひじをつかみ、伸びをした。
「あんたもそうなんでしょう」
「まあ、普通じゃないけど」
 答えたけれど、天人は聞いていないようで、彼方へ目を向け息をついている。本当に退屈そう。天人といったら、音楽を奏でたり、歌を詠んだり、宴をしたり、四六時中おもしろく楽しんでいるのだと想像していたけれど。
 あぁ、いいことを思いついた。
「ねえ、そんなに退屈なら、天界の案内でもしてくれない?」
 気だるそうな目を天人はこちらへ向けた。
「出て行けって言ってるのに」
「退屈しのぎにはなるでしょ。私も、そう、退屈だったし」
 留守番をしているのが嫌だ、とか、帰りたくない、とは言えるわけがない。これが本当のところなのだが。
「ふうん。じゃあ、面倒だけど、すこし案内してあげるわ」
 天人の乗っている岩が動き始めた。私はそれについて歩いていった。天界へ来て、案内つきで見学できるなんて運が良いな。案内はずいぶんおおげさだけれど。「あれが天然の囲碁台」、「あこが桃庭」、「この向こうに泉がある」といった具合でさばさばと、いろいろなものを見せてくれる。みんな自然そのままのものだから、説明はそれだけで十分だ。
 桃庭に入りかかった。さっき、雲を抜けて天界に出てはじめてかいだ、空気にただよう香りは、桃の香りだったのだと気づいた。ここまで来ると香りはもっと強く、空気も桃色をしていると錯覚しそうなくらいだった。甘く、みずみずしい香りだ。けれど木になっている桃の実は、薄い、繊細な色をしていて、それらからこんなに強い香りがしているとは思えない。
 桃庭はとても広い。桃の木一本一本も大きく、実の数も多い。細い道にそって桃の木の森はずっと続いている。感心していると、
「こんな桃庭いくつでもあるわよ」
 と、岩の上から天人に笑われた。天界はすごいな。地上の土地にこれほど植えても、きっと、ほとんど育たない。天界の環境と、この大地だからこそなんだろう。
「あ、気になってることがあるんだけど」
「何?」
 抱えていた疑問を思い出し、聞いてみることにする。
「なんで帽子の上に桃をのせてるの?」
「ああ、これ」
 天人は帽子をちょっとずらして桃を示した。
「どこにいても好きなときに食べられるように、よ。部屋とか、寝る前の暇なときとか」
「意外と普通な理由なんだ」
「どんなのを考えてたのよ」
「葉っぱもついてるから、帽子に桃がなってるのか、とか」
「ばかばかしいわ」
 帽子の桃をつかみ、天人はそのまま食べはじめた。美味しそうだな。
「天界の桃を下界の者が食べると、天人に処罰されるって本で読んだんだけど、本当?」
 天人が、また呆れた顔で見下ろしてくる。
「普通下界の者がここに来ることなんて無いし、来たとしたらその人間は普通じゃないってことだし、処罰するわけないじゃない。桃を食べたからって構うのも面倒だし」
 確かにそうだ。なるほど納得してからまた質問をする。
「じゃあ、天界の桃を食べると寿命が延びるっていうのは?」
「それは、本当。ついでに体も丈夫になる」
「へぇ、それは初耳」
「質問は終わり?」
「ああ、あと一つ。その岩は何なの?」
 天人が乗っている、ふよふよ浮いている大きな岩。注連縄がまかれている。
「これは要石よ。私が操ってるの」
「乗り物?」
「まあ」
 小道は小川にさしかかった。地面を脈々と這う木々の根の間を流れてきて、すこし川幅が太くなっているところだ。川底がはっきりと見えるくらに水は澄んでいる。触れると、とても冷たい。
「すこし休憩」
 天人の要石が川辺にずしりと落ち着き、天人はその上で両足をぶらぶらさせている。
「私もそれに座っちゃいけない?」
「だめ。狭くなるじゃない」
 川の水を両手ですくい、一口飲んでみた。ひやりとして、ほんのり甘い。天界の川だからか、水にまで栄養がありそうな気がする。地上の水よりは健康にいいんだろうな。
 川を、いろいろな花や花びらが流れてくる。桃庭のこのあたりに、そんな花は咲いていない。
「この花はどこから来るの?」
 真っ赤な花びらを一枚すくって、天人に聞いてみた。 
「川上に花園があるのよ。そこで誰か花摘みでもして遊んでいるんでしょうね」
 流れてくる花は、赤や、青、黄色、白、桃色、橙色、…とにかくいろいろで、花も大輪だし、とてもきれいだ。そんな花がたくさん咲いている天界の花園も、やっぱりすごくきれいなんだろうと想像する。でもそんな華やかな想像が自分に似合わなくて、恥ずかしくなって頭から振り払う。赤い花びらを水面につけて、流した。水の上をすうっと流されていき、見えなくなった。
 視線に気がついて顔を上げると、天人がこちらを見ている。私が見返すと、天人は笑みをうかべた。
「一見普通の子供に見えるけど、あんたもとんでもない人間なのよねぇ」
「とんでもないって」
 普通の子供に見えるかな。自分では、この見た目も明らかに普通ではないと思っているし、人間もそう見る。けれど天人の価値観なのだろう。
「半分妖怪?」
「純の人間だよ。そんなものかもしれないけど」
「つまり、どういうことよ」
「私は老いることも死ぬこともない」
 言ったとたん、天人の目が見開かれた。
「蓬莱人?」
「そう」
 天人に話しても何ともないだろうと思い、話したら、ずいぶん驚いてる。まずいこと言ったかな?
「あーあ、そう、蓬莱人かあ。うらやましいわ」
 大げさに頭を抱えて天人は言った。
「老いや死を気にしなくていいんだから」
「天人もそんなものなんじゃないの?」
「全然」
 天人は要石から飛び降り、こちらへやってきた。
「握手しましょう、握手」
 にこやかに手を差し出される。
「何、いきなり」
「蓬莱人と近づきになれるなんて良い事だわ。仲良くしましょう」
 急に態度変わるなあ。でも、まあ、天人と知り合う機会もめずらしいし、仲良くしておいて構わないだろう。天人の手を掴んで握手した。強くにぎりかえされて、天人が嬉しそうにしているのがよくわかる。なんだか妙な気分だ。
「名前、なんていうの?私は藤原妹紅」
「ふじわらのもこう。古風な名前ねえ」
「古風な人間ですから。で、そっちは」
「比奈那居天子ですわ」
「面倒な名前だねぇ」
「悪かったわね。家系だからしょうがないわよ」
 
 
 天界の案内をしてくれたし、質問にも答えてくれて、天子というこの天人は案外良い人なのかもしれない。今は私が蓬莱人だということですっかり人が変わってしまったけれど。
「祝いに宴でもしない?鬼が残していったお酒がたくさんあるのよ」
 と、天子は要石に乗って酒をとりにいった。岩があんなに早く飛ぶとは思いもしなかった。なんだか危なっかしいが、桃の木をうまく避けて飛んで行く。一升瓶を三、四本もかかえて天子は戻ってきた。杯が二つ。
 天子は宴が好きだからよく飲めるらしい。頭上の木から桃をもいで、一方の手で酒を飲みつつ食べる、その様子が優雅で、天人らしいと思った。見とれていると、杯に酒をつがれた。一杯飲んで、私も桃をもいでみた。天子みたいに皮ごとかじる。あたりにただよう香りと同じ甘みが皮から染み、実はほどよくかたく、みずみずしい。やっぱりおいしい。一口食べて、酒を飲む。
「天人の肴は桃。天界にはおいしい食べ物は桃しかないの。ごめんなさいね」
「そうなの。桃とお酒って意外と合うんだね」
 次々と桃をもぎ、杯を重ねる。酔いがまわるにつれて私たちは打ち解けていった。
「天人五衰ってあるでしょう。天人はみんなのんびりしているように見えるけれど、あれをみんな怖がっているの。天人を恐れさせられるのはそれだけだもの。死につながること。それから、魂を取りに来る死神と戦わないといけないし。天界にいてもあまりのんびりはしていられないものよ」
「天子も死神を何度も倒して生きてきている?」
「うん。でも死神ったら弱いのよねー」
 死を迎えるべき者が長く生きていると、死神がじきじきに魂を取りに来るなんて、はじめて知った。そうしやって何度も死神を倒しつつ命を永らえているのが、天人や仙人なんだそうだ。天子は何気ないように、というより、むしろ酒を飲んで陽気に話しているけれど、私が蓬莱人だと知ったときの驚きぶりと、羨ましがっていたところは、やっぱり気苦労があるのだろう。天人や仙人は生死の概念を超越しているのだと思っていたけど、そうじゃない。天人が遊ぶのはそれが楽しいからだし、つまりは生きていて楽しいんだ。だから、死神を嫌うのも当然。
 死なない私に死神は来ない。迎えの来ない、私の魂はどうなるのだろう。
 私は、単に死なないから生きているのかもしれない。そもそも、死がなければ生は成立しないんじゃないのか。私は生きているのだろうか…
「死なないようになったばかりの頃は、そんなことをよく考えていたけど、もうほとんど考えなくなったな。生がどういうものであれ、生きているのには変わりないし、今こうして生きていることに理由なんてつける必要ないし。桃はおいしいしお酒は美味い、それだけ」
「それが蓬莱人なのね。悩みがなさそうでいいなぁ」
「そんなことないよ。蓬莱人も大変だよ」
「でしょうね」
 互いに打ち明けあい、親密さは急に増した。今日知り合ったばかりだけれど、私はもう天子を親しめる人だと思っているし、天子もきっと親しんでくれている。酒を酌み交わし、酔いも深まる。
 日が沈みかけていた。桃園にそのかすかな夕日は差し込まなくて、すでに暗い。手近に落ちている枝を広い、こまかく折って積み上げ、火をともしてあかりにした。
「わあ、すごい」
 天子はにっと笑った。
「火を操れるのね」
「うん」
 びっくりさせようと思い、天子の顔の前でいきなり火を燃え上がらせた。案の定、天子は驚いてのけぞり、酔ってふらふらな体でそのまま倒れてしまった。おかしくて、私は大笑いした。ぶすっとした顔で天子が起き上がる。酒瓶をとって、私の杯になみなみと注ぐが、一気に飲み干して、また笑ってやった。ますますふくれる天子がおもしろい。
 笑いがやみ、一瞬静かになったとき、どこからか笛の音が聞こえた。耳を澄ますと、琴の音も聞こえる。誰かが遠くで奏でているんだろう。
「ああ、これは父上が吹いているのよ」
「え?」
「琴は母上。いつも二人で夕べにやるのよ。夫婦円満のもとらしいわ」
 天子は酒を飲みながら、自然と楽の音に聴き入っている。天人の楽はのびやかで、気が長く、みやびだ。私がずっと昔に聴いた、雅楽というものに近い。けれどそれよりもなお繊細で、長い。
 ぱちぱちとはぜる枝の火を見つめていたが、ふと、隣に座っている天子を見た。伏せている顔は暗く、額にあかりが照って、赤かった。酔っての赤い色か、火の色か、わからない。
 一瞬、慧音の顔と重なった。あの冬、熱でほてっていた慧音の額。
 あぁ、慧音を忘れてしまっていた。留守番を頼まれていたのに。
「どうかした?」
 黙りこくってしまった私を見て、天子が聞いた。
「笛と琴に聴き入ってた」
 天子を見て笑みを浮かべる。今は七時頃かな。今日は慧音の帰りはもっと遅くなる。だから、もうすこし。
「天子も楽器、できるの?」
「一通りなんでも。天人の素養ですわ」
「ふうん、さすがだね。私は何もできないよ」
 私も素養として楽器を習っていた時期があった。天子の両親のように、父は笛を吹き、母は琴を弾いた。二人が一緒に奏でるのを聴いたことはなかったけれど、おそらく、天子の両親が奏でているようには美しくはならないだろう。夫婦円満じゃないから。…大昔のことだから、もう私は楽器なんて弾けない。
「できないの?意外ね。教えてあげるわよ?長い命を楽しむのに音楽は良いものよ」
「いいよ。蓬莱人はそんなに優雅なものじゃないよ」
 輝夜は楽器とか、何でもできそうだ、と一瞬思ったけれど、あれは蓬莱人であり月人だ。いや、あれはどうでもいい。私は、人間の蓬莱人は優雅じゃなくていい。
 そういえば…慧音にも両親はいるはずだが、家族の話を聞いたことが無い。いつから人里にいて、一人で暮らしているのかも私は知らない。慧音が話さないし、私も聞かないから、知らないままですごしてきた。
 でも、思えば、私は慧音について知らないことが多い。多すぎる。
 気がつくと、胸の中で、慧音の知らない部分が急に膨大になった。
 不安な感情だ。
 私の手をつかんだ、慧音の手からは、言葉にはされなかったけれど、私のあたたかさを求める気持ちが伝わった。
 慧音を知らない部分は多いけれど、気持ちはわかるかな。少しずつ、知らないことも知っていけるだろうか。
 …熱を出し、慧音は何日も一人で苦しんでいた。もっとはやく気づきたかったと思った。夜が明けて見た慧音の顔は、衰え、肉が落ちて、それなのに熱に燃やされるようにあつかった。胸が張り裂けそうになり、私の右手をにぎっている慧音の手を、左手で強く包んだ。
 食欲がなく、食べられない。頭を傾けさせ、水をすこしずつ飲ませた。薬にたよるしかない。私は医者の家へむかった。雪が積もりに積もって道はなく、だいぶ時間をかけて医者の家を見つけた。戸を叩いたとき、戸をあけた奥さんは私を見て、家の奥へ逃げてしまった。それでもしかたがない、入りこんで、慧音のために調合してあった薬だけもらって出た。雪のせいで薬をとどけられなかったんだ。
 みんな家にこもっていて、医者と奥さんには見られたけれど、慧音が気にしないと言うから、看病をするあいだ、しばらく慧音の家にいることにした。薬を飲ませていると、すこしずつ熱はさがっていき、慧音はだんだん元気になっていった。布団から起きることも多くなった。
 はじめの晩、慧音が眠ってしまい、聞けずにおわったけれど、慧音が布団に起きて水を飲んでいるときに、思い切ってきいてみた。
「いつから気づいていた?」
 なぜか、慧音も顔を赤らめて、コップを口元にもったまま、
「よく覚えていないけど、気がついたら手があたたかくて、なんとなく、妹紅と思ったんだ」
 と言った。また恥ずかしくなってきて何も言えなかった。今思い出しても頬が熱い。
 いや、これは酔いのせいかな。
 見ると、天子は膝を抱えてうつらうつらしている。私も天子も飲みすぎた。
 いつのまにか笛と琴の音は止み、日は完全に沈みきった。家へ帰らないと。慧音が帰る前に。
「天子、…」
 眠りかけの天子を揺り起こそうとするが、反応がない。
「寝た?」
 というと、ぴくりと方を動かして、ゆっくりと顔をあげた。細くなった目は焦点が合っていない。
「寝てないわよ」
「寝てたでしょ」
「考え事よー」
 私より酔っているみたいだ。
「妹紅の話を聞いて、蓬莱人はいいなって思っていたら、自分が蓬莱人になった夢をみてー、」
「ほら、寝てたんじゃない」
「夢の中でずっと考えてたのよ。妹紅が辛いと言ってた、いろいろなこと」
 目が合うと、天子は真面目な目つきをしていて、驚いた。
「運命が覆り、妹紅は蓬莱人になったのね。人間は本来決して不死にはなれないもの。なったとしても精神が受け入れられないでしょう。それでも妹紅は千年以上も”生きてきた”のね」
 そんなことを言われて、戸惑った。
 死ななくても、強くなっても、人間であることはかわらない。人間の精神は不老不死を背負いきれるものではない。私の精神が壊れずにすんだのは、輝夜への憎しみがあったからだろう。輝夜を憎むことが、精神の支えとなった。
「つらかったでしょうね」
 天子の手がまわされ、引き寄せられる。天子の肩に頬が押し付けられた。
「うわ、離せ」
「あははは」
 この酔っ払いが。
 あぁ、でも、なんだか心地良い。
 めまいがするし、すこしはこのままでいよう。
 蓬莱人と人間との境が溶けはじめている今は、輝夜への憎しみは薄れ、私にあるのは、”今”と、慧音への気持ちだ。
 自分の慧音への気持ちは、どんなものなんだろう。ずっと前から慧音を想っているけれど、それがどういう想いなのか、いまだにわからない。 
 「妹紅、あったかいわー」
 もう片方の手で、私の頭をなでてくる。別に居心地が悪くもないから、放っておく。
 慧音は私のあたたかさを求めた。慧音の手に触れて、私も、慧音のあたたかさを求めていた。
 そうだ、私は、あたたかさを求めていたんだ。孤独の千年の間も、心のどこかで、欲していた。
 天子に包まれ、急にわかったような気がした。
 風邪の看病をして以来、慧音に触れたことはめったになかった。それでも慧音に近づきたくて、あたたかさが恋しくて、ずっとそばにいた。けれど、これ以上、近づけない。
 背中の力をぬいて、体を天子に寄せかける。
 あたたかく、気持ちがいい。
 頬に触れる天子の髪を、指先で撫でてみた。
「ふふ、妹紅、かわいいわ」
 天子も、もうすこし強く引き寄せてくれる。熱が伝わり、体の境界が曖昧になる。
「天子」
「何?」
「もうすこし、こうしてたい」
 夜の訪れた空に一番星が光りだした。だけど、もうすこし。
「ずっと、こうしてたっていいから、妹紅…」
 天子は、私があたたかさを欲していることを、わかっているのかもしれない。私に熱を与えるように、ぴたりと抱きしめてくれるから…





 戸を開けると、家の中は一つのあかりもついていなかった。物音もしない。家へあがり、荷物を置いて座敷へ向かう。座敷の障子は開け放たれていて、窓も開いている。風が吹き込んで、書き物机の上の本をぱらぱらとめくっていた。どうしたんだろう。窓際に妹紅のサスペンダーが落ちている。風呂場に行くと、浴槽には水がたまりっぱなしだ。
 妹紅はどこだろう。急に出かけたのだろうか。家の様子からはそう思われる。何かあったのだろうか。
 不安になり、妹紅が教えてくれた抜け道を、永遠亭へ走った。もし何かがあったとしたらここである可能性が高い。
 抜け道は永遠亭の庭に出た。軒の下の縁に、蓬莱山輝夜が座っている。
「あら、半獣がどうしてそこにいるの?」
 言葉ではそう言っているが、まったく驚いた様子をしていない。私は妹紅がいないことを話し、何か知らないかとたずねた。
「妹紅は行方不明なのよ、お昼から」
 蓬莱山輝夜は、昼にイナバを妹紅の家へつかわし、妹紅はイナバの目の前でどこかへ飛び去ってしまった、ということを話した。どこへ飛んでいったかはイナバもわからないそうだ。
 それ以上わかることはなく、とぼとぼと家に帰った。妹紅はどうしたんだろう。何があっても、大丈夫だろうが、心配だ。
 荷物を座敷へ運び整頓をする。新しい書類を書き物机に置く。そのときに目に入った、机の上の本は、妹紅が読んでいた本だ。昼にイナバが来る前、妹紅はここで本を読んでいたのだろうか。
 冷たい表紙に触れ、付箋の挟んであるページをめくる。昨日の夜からあまり読み進んでいないようだ。本を開き、ぼうっとしていると、静けさが身に染みてくる。本を置き、立ち上がった。
 台所へ行き、帰りに買った鶏肉と白菜をしまう。晩御飯に取り鍋を作ろうと思っていた。妹紅の好物だ。弁当のおにぎりをにぎってくれたことへの礼と、今日の急な用事のお詫びで。だが、今日でなくとも、明日でもいい。妹紅はきっと帰ってくるだろう。
 妹紅が夜に外出することはこれまでにも何度かあった。今日は家の様子が変だが、妹紅は大丈夫のはず。
 食欲がわかず、座敷の座布団に座り足を崩す。疲れている。もう寝てしまおうか。
 窓の外を見ると、きれいに割れた半月が夜空にうかんでいた。…あの日の夜も、今夜のような半月だった。
 高熱をだし、妹紅が看病に来てくれた。次第と良くなり、妹紅はそれを喜んでますます良くしてくれる。そんな妹紅に明るい気持ちを見せていたが、本当は気持ちは暗かった。
 治れば妹紅は帰ってしまう。もうすこし、あとすこし、熱が長引くようにと、密かに思っていた。
 熱は平熱にもどってしまい、体も丈夫になった。治った以上は、人里を避けている妹紅を、留めるわけにはいかない。礼を言い妹紅を送り出してから、布団に入り眠ろうとした。この寂しさから逃れるには眠るしかない。しかし、簡単には眠れない。
 ふと顔を上げ、窓の外を見たとき、空に浮かぶ完璧な半月を、妹紅の炎がよぎり、赤く尾を引いて飛び去っていった。
 妹紅の炎が目に焼きつき、月の表にのこる残像を、いつまでも見つめていた。
 
 妹紅が来たはじめの晩、とても苦しくて、眠るでもなく意識を無くしていたが、手から伝わるあたたかさに、意識は集まっていき、あたたかさを、意識は勝手に妹紅だと思い込んだ。
 妹紅だといいと、心のどこかで思っていたから。額を拭ってくれるのも、手に触れているのも、ずっとそれを感じていて、意識が戻りかけたころに、妹紅だと確信した。
 手がはなされ、妹紅が立ち上がろうとしたとき、目を開けた。そこにいたのは確かに妹紅だった。そして、そばにいて欲しい、と願った。妹紅の手を握った。どうか、行かないでほしい。熱を帯びた頭は願いを口には出さず、妹紅の手を握ったまま、再び意識は散ってしまった。

 布団を敷き、横になる。窓から月が見える位置に枕がある。眠りにおちるまで、半月を眺め、今でも残っている炎の記憶を見つめていたが、妹紅は帰らず、眠りにおち、記憶は記憶で終わった。
 急に思いついたら想像が爆発してできあがりました。はじめまして。煙巻く(けむりまく)と申します。
 まさか、ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
 初投稿です。創想話に来たのも始めてで、右とか左とかわかりません。
 自分のパソコンは萃夢想も起動できなくて、友人のパソコンを何日か借りて緋想天をしただけなので、天子の性格や口調があまりわかりません。でも天子好きです。
 てんもこいいなーと思いつつ、妹紅と慧音が仲良くしているのも好きで、くっついてこういう形になりました。てんもこの試作。だいぶ荒削りです;すみません。
 終わり方が自分でも意味不明で…、まぁ。
 初心者なので、ご指摘などよろしくお願いします。ありがとうございました。

 
 評価コメントありがとうございました。確かに天子と妹紅とは、もっとよく考えてから書くべきだったかもと思ってました。それか、わがままをして慧音を出したからか。てんもこの題にするならしぼるべきでした。
 イナバを二匹追いかけたら一匹も捕まえられなかったという伝説。
 そういえば、この頃お中元の桃ばっかり食べて、腹痛を起こして臥せっていました。天子様お許しください
煙巻く
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
妹紅と慧音を失恋させるために急遽天子を出した、としか感じられません。
妹紅と慧音・妹紅と天子、どちらにたいしても中途半端な作品です
2.名前が無い程度の能力削除
あー、どっちかにしぼってくれりゃあな……
3.名前が無い程度の能力削除
あ~せつないわ~。
4.名前が無い程度の能力削除
切なすぎる!もこけー好きの私には切なすぎる!!
5.名前が無い程度の能力削除
てんもこか…面白いだw 
でもやっぱりもこけーね好きの私には切ない…
6.名前が無い程度の能力削除
最初読みながらどくどくと砂糖を吐き出してました。

だからこそ惜しいなー!
お汁粉とパフェを一緒の器に叩き込まれて出された気分。
でも、基本的には嫌いじゃないんだぜ?
7.名前が無い程度の能力削除
天子と妹紅の辺りが凄い中途半端に感じますね。
これはどっちかに絞って書いて欲しかったなぁ~。
8.名前が無い程度の能力削除
勝手な心移りが誰かを傷付ける?うーんドロドロ恋愛チックやね。純粋な憎しみよりも手が付けれなくなるね。
9.名前が無い程度の能力削除
てんもこの穏やかな感じももこけねの運命的な感じもどっちも好みでした。
ただ、留守番をサボったもこたんがいつけーね先生に頭突きをお見舞いされるかハラハラしながら読み進めていったので
そこまで描かれなかったことに安堵半分、物足りなさ半分というか、…。