Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

グリム東方集その1

2008/07/16 16:07:49
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ページ数
1
何番煎じだとか、そんなことは問題じゃない。
元ネタは『ならずもの』と『糸つむぎ三人女』

・何らかの形でルーミアを出す。
・結末などが改変されることがある。
・もちろんグロ描写があることもあります。
・基本的にグリムのお話に沿ったものである。
・能力などの使用を、都合の良いように禁止する。





~ならずもの~
(タイトル改変してません)

配役
オンドリ:魔理沙
メンドリ:霊夢
カモ:リグル
とめ針:橙
ぬい針:ルーミア
宿屋の亭主:ミスティア


 魔理沙が霊夢に言いました。
「いよいよ、秋の味覚が成るところだ。一緒に山に行かないか?」
 霊夢は答えます。
「いいわよ。掃除が終わるまで、お茶でも飲んで待ってて」
 それから、二人はそろって、山に出かけました。天気もよく、収穫もよかったので、二
人は夕方まで山にいました。
 ところで、二人は持ちきれない分を食べすぎたせいなのか、それとも、ただ単に面倒く
さいだけなのか、そいつはどちらともわかりませんが、とにかく、歩いて帰るのなんか面
倒くさくなりました。
「だるいわ」「帰らないと掃除ができなくなるぜ?」「帰りたく、なくなるわ」
 そこで、魔理沙はしかたなく、箒と食い散らかした殻で、小さい車をこしらえました。
 さて、車ができあがると、霊夢は我先にと箒にまたがり、魔理沙にいったもんです。
「引っ張ってくれるなんて、魔理沙のやさしさが怖いわ」
「それは確かに、ありがたい話だぜ」と、魔理沙は言いました。「でも、私は、引っ張る
ぐらいなら歩いて帰るな。その箒は、私のものだぜ。誰かを乗せるのはいいが、自分で
引っ張るなんて、ごめんだ」
 いつもの調子で、口喧嘩していると、リグルがちょっとちょっととわめきたてて、やっ
てきました。
「こんなところで、口喧嘩するなんて! 誰がこの山に入っていいって言った? すぐに
追い出してやるわ!」
 霊夢も魔理沙も、あんたもこの山の住人じゃないだろ……、とツッコミを入れながら、
ほくそ笑みまました。すると、霊夢と魔理沙は、リグルを叩きのめした。
リグルは「ひぇぇ」と降参したので、車を引っ張るように命令できました。
 霊夢は車の後ろ側へ、魔理沙は箒の先端に座り、リグルを突っ走らせました。
「走らないと、尻が焦げるぜ? さあ突っ走れ!」
 目に涙を浮かべながらリグルが言います。
「蟲に引っ張らせた方がいいのに!」
 こうしてしばらく走ったころ、歩いている人影が二つ、見えてきました。橙とルーミア
です。この人影は、「止まってー! と、止まれー!」と、止まらない車に向かって、必
死で呼び止めて、こう言いました。
「もうすぐ真っ暗になるよ。そしたら、歩きにくくなるわー。それに、道はこんなにどろ
どろ、服が汚れちゃう。だから、ちょっと乗せてくれないかしら」
 車には少し余裕があったので、魔理沙は、二人を乗せてやりました。ただし、収穫物の
袋が倒れないように、安定して支えるようにと、約束をさせました。
「重いよ……」「蟻でももっと頑張るぜ?」
 こうして、夜も遅くなったころ、一軒の八目鰻屋を見つけました。みんなは夜の旅が、
もういやになっていましたし、それに、リグルも疲れ果てて、左に右へとよたよたしてい
ましたので、みんなは、ここで飲み明かすことにしました。
 はじめのうち、屋台の店主ミスティアは、追い返そうと、足りない頭で断り文句をちん
ちんとならべました。というのも、タチの悪そうな客だなと、思ったからです。でも、み
んなは、お払い棒をあげるとか、八卦炉をあげるとか、身近な日用品をあげるとか、うま
いことを言ったので、とうとうミスティアも、「まあ、一晩ぐらいは貸切もいいかな」と
言いました。
 これはもう、言うまでもありませんが、大騒ぎです。ミスティアも巻き込んでの、飲め
や歌えやの、どんちゃんさわぎになりました。
 そして、あくる朝はやく、あたりはまだ薄暗く、みんながまだ酔いつぶれてるうちに、
霊夢は魔理沙を起こすと、残ってた鰻も酒も食べつくし、串をミスティアが起きると刺さ
るように置きました。
 それから、二人は、まだ眠っている橙のところに行くと、ミスティアの足元に置きまし
た。ルーミアの方は、ミスティアに闇がかかるように座らせると、顔を見合わせて笑い、
文字どおり飛んで帰りました。
 リグルの方は、飛んで帰る二人に気づき、解放されたとばかりに、こちらも飛んで帰り
ました。
 それから二、三時間たったころ、ミスティアはやっと目が覚めました。しかし、辺りが
真っ暗で、何も見えません。「私が鳥目? そんなばかな!」と、勢い立ち上がると、頭
に串が刺さりました。しかも、足元の橙を蹴り飛ばしてしまい、橙は飛び起きて、ミス
ティアを引っかき、逃げ帰りました。その争いを聞いて、起きたルーミアも、闇を展開さ
せて、ふよふよとどこかへ行ってしまいました。
「痛い……そういえば、あの二人がいないわ!」
 さあ、ミスティアはかんかんに怒って、周りを見渡せど、あの二人はいません。気づく
と自分しかいないことに気が付きました。
 そこで、ミスティアは、これからは絶対に、あんな紅白や黒白なんかに食わせないぞと、
誓いました。さんざん食い散らかして、お金は払わず、そのうえ、お礼がわりに、ひどい
いたずらをするのですからね。
 でも、三日も後には、ミスティアはすっかり誓いなんて、忘れてしまいました。
 鳥なんて、こんなもんですよ。




~リンチ三人女~


配役
なまけものの娘:ルーミア!ヒロイン!ルーミア!
お母さん:萃香
お妃:輝夜
三人女:幽香・紫・幽々子
王子:霖之助
麻:妹紅


 むかしむかし、なまけものの妖怪がいました。名をルーミアというこの妖怪は、人を襲
うのを面倒くさがって、人を攫う妖怪の代名詞である鬼の萃香が、いくら話して聞かせて
も、どうしても人を襲おうとしません。
「ほら、いいところに、人間がいるじゃないか」
「えー、面倒くさーい」
と、いった感じで面倒くさがります。とうとう、あるとき、萃香はすっかり腹をたてて、
ルーミアをバシガシドッグォオンといった感じに殴り蹴りますと、ルーミアはあっさりと、
スペルカードセット状態になりました。
 ちょうどそのとき、永遠のお姫さま輝夜が、通りかかりました。特に珍しくもありませ
んが、争いの音が聞こえたので、気まぐれに様子を見にいきました。そして、圧勝してい
る萃香に聞きました。
「やりあってる音が聞こえたんだけど、弱いものいじめは感心しないわね。どうしてそん
なに、いじめてるの?」
 すると、萃香は、鬼の知り合いが、こんななまけものと知られるのが恥ずかしかったの
で、たまにしかつかない嘘をつきました。
「ルーミアが、人間を食べ過ぎるのよ。人間が減ると、鬼である私の攫う対象がいなくな
るでしょう? それなのに、ルーミアは、人を食べるのをやめようとしない」
 すると、輝夜は答えました。
「今どき珍しい妖怪ね。うちの近くに、食べてほしい人間がいます。いますぐ、ルーミア
を、私の屋敷によこしなさい。悪いようにはしないわ」
 萃香は、なまけものが同類にいるのを、こころよく思っていなかったので、潔く承諾し
ました。そういうわけで、輝夜は、ルーミアをつれて帰りました。道中で、食べてほしい
という人間を見せて、言いました。
「あの人間、妹紅って言うんだけど、あれを食べてほしいの。文字どおり、手を焼いてい
るのよ。ただの人間だと思って、甘く見ない方がいいわ。食べられたら、私の一番上の息
子を、あなたのお婿さんにしてあげる。あなたがどんな身分だろうと、そんなことは関係
ないわ」
 ルーミアは、心のうちでぎょっとしました。なぜって、あの人間はとても手ごわく、死
なない人間と噂されている妹紅だったからです。
 一人きりになると、ルーミアは呆然として、考えるのも面倒くさいので、いつも通り、
まったり過ごしていました。
 三日目になると、輝夜がやってきましたが、全く行く気がないのを見ると、びっくりし
ました。ルーミアは、「どうやって食べてやろうか、悩んでいるのよ」なんて、言い訳を
しました。輝夜は、それは最もな悩みだと思いましたが、でも、出ていくときには、言い
ました。
「後、三日以内にお願いするわ。そろそろ、満月だから」
 満月と、妹紅の存在が、どう関係するというのでしょうか。それでも、またひとりきり
になると、ルーミアは、もう、どうするのも面倒くさくなって、相変わらずのんびり過ご
していました。すると、襖の向こうから、三人の女が入ってきました。一人はいじめっ娘
妖怪・幽香で、一人はうさんくさい妖怪・紫で、一人は春満開の亡霊・幽々子でした。
 三人はルーミアを見て、「なんで、そんなにのんびりしてるの?」と尋ねました。ルー
ミアは、「食べられなくても、まぁ、どうでもいいじゃない。困るわけでもないし」と答
えると、「暇だし、私たちが手伝ってあげましょう」といって、こう話しました。
「あなたが、私たちを婚礼に呼んでくれて、私たちのことを恥ずかしがらずに、ちゃんと
『お姉さん』と呼んでくれるなら、やってあげましょう」
 そこで、ルーミアは言いました。
「やってくれるなら、それぐらいお安い御用だわ」
 そして、早速、妹紅を食べに行きました。三人は妹紅の前に立つと、言いました。
「暇つぶしに、食べられてちょうだい」「また刺客? 懲りないわ……三人?」
 それはそれは、地獄絵図のごとくでした。紫が結界を張り、幽香が肉体を吹き飛ばし、
幽々子がすかさず食べる。それが小一時間続くと、とうとう再生しなくなりました。「た
ぶん、違う場所で再生しているんでしょうね」「とりあえず、約束は守ったわ」「私、結
界張ってただけじゃない」「そーなのかー」
 そうして、三人は帰っていきました。早速、ルーミアは輝夜に報告すると、輝夜は大喜
び。急いで、婚礼のしたくをいいつけました。王子である、霖之助は、ただ輝夜の命令で
動かされてるだけで、できるだけ自分に被害がないように動こうと、思っていました。と
りあえず、普通に接して、普通に返答がくれば、理想だと思い、ルーミアを褒めました。
「あの妹紅を食べたんだって? 君はすごい妖怪なんだね」
 そこで、ルーミアは言いました。
「そんなことより、私には、お姉さんが三人いるの。そのお姉さん方を、婚礼に呼びたい
わ。いいよね?」
 霖之助は、褒め言葉を気にしない、お姉さんを大事にする謙虚な性格と受け取り、言い
ました。
「だめなんて言うわけないじゃないか」
 さて、いよいよ婚礼の祝いがはじまると、あの三人の女が、へんてこな衣装をつけて、
ぞろぞろやってきました。そこで、ルーミアは言いました。
「お姉さんたち、ありがとう」
 いじめっ娘・幽香が言います。
「いじめられたら言いなさい。いじめ返してあげるわ」
 うさんくさい妖怪紫が言います。
「隠れたかったり、いたずらしたくなったら言いなさい。私もやるわ」
 春満開の亡霊・幽々子が言います。
「人があまったら言いなさい。私が残らず食べるわ」
 霖之助は、たまげました。
「いじめすぎたり、うさんくさくなったり、食べ過ぎると、こうなるのか。ルーミアには、
できるだけ、静かに暮らしてもらおう」
 というわけで、ルーミアは、面倒くさい人間狩を、しなくてすむことになりましたとさ。
しばらく間が空きました。
待っていた方も、待っていなかった方も、読んでくださってありがとうございます。
このまま短編を連続で投稿するのもどうかと思い、悩んでおりました。
結論として、いくつかまとめてかつ間を空けて投稿するという事にしました。

夏に向けてSRCでシナリオを作成しております。
夏コミぐらいに発表できたらいいなぁとか思ってますが、作成スピードからいって微妙なところ。
東方やSRCについて相談できる知り合いもいないので困ったものです。

おや? 何を書こうか悩んでるうちに、はつかねずみがやってきてしまいました。
はなしは、おしまい。
正面戦士
[email protected]
http://syoumen.blog37.fc2.com/
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
うーん、微妙。
2.ガナー削除
ほのぼのした感じが面白かったよ。